更新できずにすいません、仕事が忙しくて。
No.1ヒーロー「オールマイト」。
年齢不詳、個性不明。
以下、詳しくはネット参照。
一回目の人生において僕を認め、信じ、導き、全てを託してくれた存在。
憧れであり、僕がヒーローを目指したのは彼のような存在になりたかったからだ。
そんな彼に一度失敗し二回目の人生を歩む僕すらも認めて貰え、さらには再び「ワンフォーオール」を託すと言われた瞬間、まさに天にも昇る気持ちだった。
だけど、僕は。
一回目の人生で失敗してしまった僕はその提案を受け入れることはできなかった。
二回目の自分にやり直すという気持ちは少なからずあったけど、それでも再び失敗するかもしれない恐怖は拭えないのだから。
それに確信があった。
雄英高校に入学して様々な人達と出会い世界の広さを知った。
あんな僕でもアレだけできたんだ、他の誰でも同じようにオールマイトの志を継げるだろうと本心から思うのだ。
雄英高校には勿論入学する。
僕以外の継承者を、オールマイトのサイドキックだったサーナイトアイのように支える為に。
と、そんな気持ちで断ったのだ。
けれど僕はうっかり忘れていた。
オールマイトが不屈のヒーローであることを。
断られたショックで肩を落としトボトボと落ち込んで去るオールマイトの背中を見送った僕は、これから自分に待ち受ける未来をまだ知らない。
オールマイトの提案を断ってから数日。
僕の日常にオールマイトが加わった。
いや、なんでだよっ!?
そんなツッコミを入れたのはいつだったか、とにかく毎日オールマイトが僕の前に現れては後継者にならないかと提案してくるのだ。
僕の日常は学校に通っている時間と家にいる時間以外は基本的に修行や鍛錬漬け。
無個性である僕がヒーローを目指すなら、スポーツ選手や格闘技選手のように常に肉体を鍛えなければいけない。筋肉の超回復を意識しつつも、とにかく身体を苛め抜いている。
オールマイトはその時間帯にサラッと出現してくる感じだ。
ちなみに修行している時に僕の側にかっちゃん(♀)はいない。個性持ちの彼女と無個性な僕は鍛え方が根本的に異なり、効果がないとは言わないが効率的ではないからだ。それでも一緒にやろうとする彼女だったが僕が。
「成果を見せあった方がサプライズ感あってよくないかな?」
「結果で語る漢、素敵♡」
と言ったら納得してくれた。
なんか違う意図で受け取られた気がするけどまあいいか。修行内容や座学対策で頻繁に話し合いはするしね。
そんな経緯があった為、かっちゃん(♀)とオールマイトが遭遇することは無かった。彼女も一回目の時と変わらずオールマイトファンだから僕だけ会うのはなんか申し訳ないけどね、今度彼女の分のサインをオールマイトに頼もうかな。
しかし、
「やあ頑張ってるね緑谷少年、まさに継承者に相応しい姿だ」
一回目のオールマイトに教わった訓練、奉仕活動を兼ねた海浜公園でのゴミ掃除の時に声をかけてきたり、
「水分補給にはスポーツドリンクだっ!ついでにワンフォーオールをいっとく?」
差し入れのスポーツドリンクと一緒に個性(髪の毛)を勧めてきたり、
「私の継承者になったら、各国のナンバー1ヒーローとも会えたりするのになあ(チラッチラッ)。ヒーローオタクにはたまらない機会だよねえ(チラッチラッ)」
ヒーローオタク垂涎の特典をチラつかせて誘ってきたり、
「継承者になったら私もついてくるぞ!!」
コスチュームの上からプレゼント用リボンで自分をラッピングして現れたりもした。
「あの、オールマイト」
「なんだい緑谷少年!?」
一生懸命なのは理解できるし、そこまで見込まれているのはとても嬉しい。けど、
「そんなに必死だとなんか怖いです」
アピールが過ぎて逆に引き受ける気が無くなっていくというか。幼少期から甘い話には裏がある、という理屈が常識な現代日本人。結婚、投資、起業、独立、成功話以上にネットでは失敗談に溢れている。だから特典山盛りでも、ついお得以上に何か裏があるんじゃないかという心理が働いてしまうのだ(実際にオールフォーワンとのアレコレあるから間違いではないかも)。
「エエエ!?」
ガガガガン!?と効果音が聞こえるようなくらいショックを受けるオールマイト。
本人に何か裏とかあるわけじゃないのは知っているけどね。
「緑谷少年、なんで君はそこまで頑ななんだい?昔から個性以上に身体を鍛える無個性の者は少なからず居る。けれどその大半が個性持ちを見返すことを目的としていた。君もそうなら断ることは納得できるが、そうじゃないだろ?」
無個性の人で個性持ちの人を超えることに執着する人は多い。日頃から可哀想な存在だと見下されたら反発するのは当たり前だけど。
そう、昔は気にもしなかったけど僕より上の世代には個性を超えようとする無個性は結構いたのだ。けれどその多くが成果を出しても、とあるアニメのコーディ○ーターを嫌悪するアズ○エル氏のように個性持ちに反発し、よくない形で名前を残す羽目になったりしていた。
今では能力ある無個性=個性差別主義者みたいな印象を抱かれるくらいなのだ。
僕も学校でそういった目で見られることもあったけど、強個性の代名詞とも言えるかっちゃんが常に僕の隣にいることでその誤解は解消された。
「見返したい、とかは思ったことはないですね」
一回目でもそうだった。
僕にとって個性とは憧れで、嫌悪する対象では無かったのだから。そこにはかっちゃん(一回目)という身近なヒーローの存在もあったからだろうな。
「無個性でいることにこだわりはないです。無個性でヒーローになることで何かを証明したいとかではないんです。
ただ僕は、僕だけはワンフォーオールを継承してはいけないと知っているんです。
僕では駄目なんだと」
「そんなことはないと私は思うけどね(ナイトアイのような苦悩の仕方だ。無個性らしいけど、似たような力が発現しているのだろうか)」
僕の言葉にう~むとオールマイトは悩みだす。何か思うことがあるようだ。
「わかったよ緑谷少年」
「わかって頂けましたかっ!!」
良かった、これでオールマイトは別の継承者を探し始めてくれる。
オールマイトの期待に応えられないこと、オールマイトの想いを拒否すること、継承者になれないことに、断っている癖に身を切られるような痛みを感じるけど。それでもそうすべきなんだ。
「君が誰にも言えないことを一人で抱えて苦しんでいることをね!!」
「え!?」
けれどオールマイトが発したのはあまりにも予想外の、それでも彼らしい言葉だった。
「話せない理由が緑谷少年にはあるんだろう。故に無理に訊き出そうとはしないさ!!
だけどそんな君を助けたいと私は強く思う、なにせ私はヒーローだからねっ!!」
それはあまりにも嬉しい言葉だった。
決意が揺らいでしまいそうになるくらいに心が震わされた。
流石は平和の象徴オールマイト。
僕みたいな子供の強がりなんてお見通しか。
「HA HA HA私は諦めないよ緑谷少年!!
私が諦めることを諦めたまえ!!」
そう告げてオールマイトは去っていた。
今提案されたらそのまま承諾しそうな僕を置いて。
不味いな。
こんな調子だとそう保たない。
一回目の記憶を思い出して、脳内で何度も再生して、無力感と絶望に打ちひしがれて、自分では駄目なんだと理解するよう努める。
思い返せ、身の程を弁えない結果があの敗北だったのだから。
僕、木偶の坊のデクとオールマイトによる継承者になることを賭けた戦い。
それはまだ始まったばかりだ。
数ヶ月後、雄英高校入試前日。
「オールマイトには勝てなかったよ」
最強のヒーローはやはり最強でした。
根負けした僕はついにワンフォーオールを引き継ぐことを承諾したのであった。
だってオールマイトったら僕を説得する為に、恩師だけど恐怖の対象であるグラントリノや、今回も色々あって気不味い関係のサーナイトアイ、さらにはこちらの世界ではサイドキックだったスタンダールまで引き連れてくるんだもの。
その過程で、サーナイトアイ事務所でインターンしているルミリオン、スタンダールの弟子であるトガヒミコッ?!とまで親しくなってしまった。
余談だがトガヒミコと接触したことが何故かかっちゃん(♀)にバレてとんでもないことになりかけました。
他のメンバーはスルーしてくれたのに。
緑谷出久
結局オールマイトには勝てなかったデク。
絶対に継承者にならないという決意はオールマイトにデトロイトスマッシュされた。
トガヒミコの件では驚いた。彼が一回目の記憶から関与できたのはスタンダールについてだけだったので。
オールマイト
緑谷出久の頑なさをサーナイトアイと似通ったものだと察した。だからこそ一人にしてはいけないと物量作戦に出た。なおその途中でグラントリノから超説教された。不屈のヒーローとは彼の事。
かっちゃん(♀)
想い人に女の影。
後に生涯の宿敵の一人と出会うことになる。
サーナイトアイ
理由はなんであれオールマイトと関われるだけで幸せな人。緑谷出久に不満はあったが、ワンフォーオールを調べてるうちにルミリオンに継がせたらヤバいという事実に辿り着いた(あとルミリオンが普通に拒否した)。
スタンダール
緑谷出久に救われた存在。それゆえ前々から緑谷出久を気にかけていた。というか彼からしたら緑谷出久はオールマイトに次ぐ推し存在。
トガヒミコ
色々あってスタンダールの弟子になった原作ヴィラン側のキーマンならぬキーレディ。正確には弟子という形で『アノ』両親から引き離した。
師匠がオールマイト以外に熱く語る緑谷出久を前々から気にしていた。そして実際に会い、この出会いは運命だと悟った。とにかくラブラバ先生に相談しだす。
作者から。
トガヒミコのヒーロー名を作者活動欄にて募集。作者はガチで思いつかないので、どうかよろしくお願いします。