二回目イズクとかっちゃん(♀)   作:規律式足

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 雄英高校からの合格通知の機械。受験生全員に送られたのだろうか?
 アレで不合格通知されたら一生引きずりそう。



第7話

 

 春。

 雄英高校合格者が二人も出たことで、例年にないくらい盛り上がった折寺中学校の卒業式。

 僕とかっちゃんは折寺中学校の誇りだとか校長先生をはじめ先生方に言われたり、僕の個性が発現した(継承を誤魔化す嘘)と伝えたら「そらそうだろ」とあっさり納得されたり、かっちゃん(♀)に在校生女子達が「先輩のように悪質なナンパ野郎を撃退します」と宣言したり、僕の鍛錬メニュー(かなりマイルド版)を学校に伝えたらドン引かれたり、僕の第2ボタンを奪い合ってバトルロイヤルがあってかっちゃんが勝利したりと本当に色々なことがあった。

 一回目の時は雄英高校合格したことで同級生から妬まれに妬まれて針の筵だったからとんでもない違いだよね(遠い目)。

 

 いよいよ二回目の登校初日。

 母に今回も「超カッコイイよ」と言われてから僕の高校生活は始まった。

 なお、爆豪勝己ちゃんの母である爆豪光己さんが雄英高校進学を機に僕とかっちゃん(♀)を同棲させようと画策していたが関係者全員で必死に阻止した。あの人の行動力もとんでもないよね。

 

「イズク、雄英制服姿が超カッコイイ」

 

 玄関の外で待っていたかっちゃん(♀)も照れながらそう告げてきて、雄英高校へと通学する。

 あれ?

 もしかしてこれからも彼女と毎日一緒に通学するのかな(汗)?

 これから起こることを考えて僕は冷や汗が止まらなくなってきた。

 いや、彼女(かっちゃん(♀))のことは嫌いなんてことはないのだ。見た目よく、スタイル抜群で、才能もあり、僕に限り献身的な幼馴染なのだから。

 ただどうしてもかっちゃん(一回目)を連想してしまうことと、少しでも彼女の好意的な行動に反応したら即入籍されてしまいそうな状況に、僕は心底怖気づいている、ただそれだけなんだ。 

 

「明日からはお弁当作るからね」

 

 雄英高校に入学決まってから今までより女性らしさが弾けてませんか、かっちゃん(♀)。

 冷静になれ緑谷出久よ。

 これから雄英高校生活、一回目と同じ展開ならガチで洒落にならない世界を揺るがす大騒動の連続だ。ラブコメにうつつを抜かす余裕なんて僕にはないことを思い出すのだ。

 そうだ、かっちゃんだ。

 一回目かっちゃんを数えるんだ。

 一回目かっちゃんは僕を冷静にしてくれる魔法の存在。

 ノートを爆破したかっちゃんが一匹、雄英受けるなと言ったかっちゃんが一匹、「ワンチャンダイブ」と言ったかっちゃんが一匹〜〜〜。

 手を繋ごうか、腕を組もうか、いやまだ早いかと照れくさいし、と葛藤するかっちゃん(♀)を尻目に僕は雄英高校へと向かうのであった。

 

 

 懐かしさを感じる広大な雄英高校学舎を進み、バリアフリーな巨大ドアに手をかける。

 ドアが開く僅かな時間でドキドキが加速する。この先に一回目を過ごした大切な仲間たちがいるかと思うと、嬉しくて、寂しくて、感情が混沌としてしまう。

 涙を流すのは、もう実技試験で済ませている。

 あの時のような醜態はもうさらさない。あれから数ヶ月、イメージトレーニングはバッチリしたのだから。

 

「好きです、一目惚れです、付き合ってください」

 

 そんな風に僕が悩んでいたのに、入るなり上鳴電気君がかっちゃん(♀)をどこかで見た感じに口説きだしていた。

 見た目が好みどストライクだから仕方ないね。

 

「黙れナメクジ、舌をひっこぬくぞ」

 

 君も君でなんでナーベラル・かっちゃん。

 

「ナ、ナメクジ。なら友人からでも」

  

 かっちゃんの言葉に怯むも挫けない上鳴君。

 

「去勢するか」

 

「初日から同じクラスの女子が増えるぅぅ!!」

 

 しかしナンパ男がGより嫌いなかっちゃん(♀)は躊躇うことなくゴールデンボールボンバーしようと右手を爆ぜさせる。

 一回目で耳郎さんと良い感じだった上鳴君を殺らせまいと僕はかっちゃんを背後から羽交い締めにする。

 

「あ♡」

 

 なんか嬉しそうな声を出すかっちゃんだけど足は動いている。この娘どんだけナンパ野郎が嫌いなの。

 

「君達!!男女で抱き合うなんて初日から風紀を乱れさせるな!!」

 

 飯田君!!

 飯田天哉君!!

 実技入試で泣き出した僕を負傷者と勘違いして保健室まで担いで運ぼうとした飯田天哉君!!

 でもさ。

 

「なら止めるの手伝ってよ!!」

 

「それもそうだな。ナンパが不快なのは分かるが暴力は駄目だぞ君!!」

 

「イズク、もっと強く♡」

 

 瀬呂君がテープで縛ってくれないかな?いや絵面的にヤバいことになるか。

 

「あ!そのモサモサ頭は!地味めの!!」

 

 麗日お茶子さん!!

 入試試験で校舎を見上げて泣き出した僕にハンカチを貸してくれた麗日お茶子さん!!

 

「あの時はありがとうね。あ、これ借りたハンカチ。きちんと洗ってあるから」

 

「もう、ウチも合格するとは決まってなかったのにわざわざ持ってきてくれたん?」

 

 合格するとは決まってない?そんなことはないだろう。

 

「泣いている僕に躊躇わず手を差し伸べてくれたヒーローらしい君が、受からないわけがない。僕はそう思っていたよ」

 

 一回目と変わらない彼女の優しさ。

 それに触れることができて、そんな彼女と再び出会えて、僕は嬉しくて心から笑った。

 

「〜〜〜なんかそう言われると照れるわあ」

 

 赤面する麗日さん。

 一回目とは逆だなと、僕は懐かしくておかしくて笑みが零れた。かっちゃんを羽交い締めしたままだけど。

 

「ダ レ だ この女ぁぁ」

 

 そんな中、かっちゃん(♀)は鬼のような、一回目かっちゃんのような形相となり。

 

「(なんか声をかけにくいな。緑谷出久についてはオールマイトさんとスタンダールから訊いてるし)」

 

 相澤先生は廊下で寝袋に入りながら静観し、

 

「入学初日からラブコメだと(吐血)」

 

 峰田実君はショックから瀕死となった。





 書けました。
 活動報告で意見を頂いたかっちゃん(♀)のスタイルですが、母親からナイスバディに決定しました。

 緑谷出久。
 かっちゃん(♀)は嫌いじゃないけど、入籍が怖いのと。ぶっちゃけ生きて雄英高校を卒業できると思っていない。
 落ち着くために一回目かっちゃんを数える癖がある。

 かっちゃん(♀)。
 学生ラブコメを堪能している幼馴染ヒロイン。実はヘタレで、母から責められている。ライバル出現に一回目かっちゃん化。

 飯田天哉。
 緑谷出久とは実技入試で出会い済み。

 麗日お茶子。
 ハンカチを貸すというヒロインイベントを消化済みの庶民系ヒロイン。
 時折、切なそうで苦しそうな表情をする緑谷出久が気になっている。
  
 イレイザーヘッド。
 オールマイト及びスタンダールから緑谷出久を気にかけて欲しいと頼まれている。

 峰田実。
 ショックで瀕死。
 
 上鳴電気。
 ナメクジ呼びでショック。
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