【3話完結】仮面ライダーダブル&ビルド   作:アイナll

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ビルドの世界


1話 エニグマを追って

 ビー!ビー!ビー!

 

「なんだ?急に」

 

 今日も今日とて発明に没頭する男のラボに赤い警告音が鳴り響く。

 開発中の設計図が載っているモニターは瞬時に切り替わり、ある異変を知らせる。

 男はそのモニターを覗き、疑問を口にする。

 

「時空の揺らぎを観測してる…もしかして、エニグマが起動したのか?でも…う〜ん…今は万丈出払ってるし、仕方ない。ちょっと見てくるか」

『ビルドチェンジ!』

 

 男は自作の携帯にフルボトルを挿入し、空中に投げる。携帯は変形しながら巨大化しバイクとなった。

 液晶パネルを操作しヘルメットを取り出し、レーダーが観測した地点へ向かう。

 

 

 

 男の名前は桐生戦兎。またの名を、仮面ライダービルド。

 

 

 

 桐生戦兎。彼は仮面ライダービルドとして、戦い続けてきた。

 火星からの侵略者 エボルトとの戦いに打ち勝ち、エボルトのいない新世界を創った男。

 

 戦兎が口にした“エニグマ”という装置。

 これは旧世界において最上魁星という科学者が作った並行世界の移動を可能にする巨大な装置だった。戦兎のいる世界とは別の並行世界にいる最上魁星が同じ装置を作ったことで2つの世界間で行き来が可能になった。

 最上魁星はエニグマを用いて2つの世界の自分が同化することで、万物を超越した力・永遠の命を備えているはずだった。戦兎と並行世界の仮面ライダーの共闘作戦によって最上の計画は打ち砕かれ、戦兎が新世界を創った時に新世界の最上となり健全でややマッドサイエンスな研究人生を歩んでいる。はずだった。

 

 今回反応したレーダーは戦兎が街のあちこちに設置した物の一つ、郊外のダムに設置していた物だった。

 

 バイクを走らせること小一時間。戦兎は街外れのダムに到着した。

 

「ここの辺りか…」

 

 前回、最上魁星がエニグマを起動した時は巨大な腕のような装置があったが、それらしい物は見当たらない。

 

 と素人は思うだろう。

 

『ドリルクラッシャー!』

 

 戦兎はガンモードのドリルクラッシャーで不自然な壁に光弾を打ち込む。壁は砕け、その奥に螺旋階段が続いていた。

 

「こ、これは…」

 

 螺旋階段を降りた後、さらに進んだ先には剥き出しの機械があった。どこからか引っ張ってきた電源に、適当なラックに積まれた機材、機械と繋がっているパソコン、最低限の照明とガワがない機械。形は前回と異なるが、

 

「まだ未完成のようだが…エニグマに間違いは無いな」

 

 戦兎はパソコンを起動させ、内部データを覗こうとした。その瞬間、

 

 暗闇から伸びてきた白い糸が戦兎に巻きつき、すごい力で装置から離されてしまった。

 

『…』

 

「スマッシュか!?いや、この世界にスマッシュはいないはず…」

 

 闇から姿を現したのは赤い蜘蛛が体に巻き付いたような怪人だった。

 戦兎により蜘蛛怪人と仮定された怪人は、壁を這い寄り戦兎と装置の間に立ち塞がった。まるで装置を守るように。

 

「仕方ない。そこをどいてもらう」

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

「変身!」

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』

 

 戦兎黒いベルト・ビルドドライバーにラビットフルボトル、タンクフルボトルを差し込みレバーを回転させる。ベルトから展開される管を2つの成分が行き渡り、装甲の様な形状となり戦兎を挟む。仮面ライダービルドの登場だ。

 

『か、か、カメン、ライダー、、、タオス!!』

 

「え?!ちょちょ、」

 

 仮面ライダービルドの姿を目にして蜘蛛怪人の動きは一変した。こちらを伺うような姿勢から、有無を言わさず攻撃してきた。

 あまりの豹変具合に戸惑った戦兎だが、慌てず応戦。手に持ったドリルクラッシャーで放たれた糸を切り話し、距離を詰めると強力な左腕でパンチを繰り出す。

 しかしあまり効いてないようで即座に反撃してくる。

 ラビットの跳躍を試みるも、蜘蛛の糸に捕まり、攻撃を喰らってしまう。狭い場所とあって相手に分があるようだった。

 

「蜘蛛といえば、これでしょ!」

『ライオン!掃除機!ベストマッチ!』

「ビルドアップ!」

『たてがみサイクロン!ライオンクリーナー!イエーイ!』

 

 ビルドはベルトのボトルをライオンフルボトル、掃除機フルボトルに換装することでライオンクリーナーへとフォームチェンジした。

 

『レディゴー!ボルテックフィニッシュ!』

「こっちへおいで!」

 

 レバーを回すことで2つの成分を活性化させる。

 左腕の掃除機によって糸もろとも蜘蛛怪人を吸い込み、こちら側へ寄せる。狭い空間では逃げ場がなく引っ張られてしまう。怪人が近づいてくると掃除機を一旦弱め、右腕のガントレットからライオン型咆哮衝撃波を放つ。掃除機で吸引した糸は高速分解されエネルギーに変換し上乗せしたため衝撃は洞窟の奥底まで響いた。

 

「さてお顔を拝見しましょうかね」

 

 衝撃波で怪人の変身が解除された。うつ伏せに倒れた人を起こす。

 その顔は、予想通りだった。が、

 

『バット!』

 

 謎の音声と共にその人は再び怪人となる。今度は闇に溶けない白い蝙蝠の怪人だった。

 間を開けずライオンの衝撃波を放とうとしたが、蝙蝠の超音波と引っ掻き攻撃に倒れた隙に何処かへ飛んで行った。

 

「…やられた」

 

 完全に見失い、変身を解く。急な出来事で発信機もつけられなかった。完全に見失ってしまった。

 この戦闘で知れたことはたった一つ。あの怪人は、間違いなく最上魁星だった。

 となるとあのエニグマも本物で間違いないだろう。今はエニグマを止めることを優先させよう。

 

 幸いな事に戦闘中は敵を装置に近づかせなかった。最上魁星を逃したのは痛いが最悪エニグマさえ止めれればどうにかなる。

 パソコンを操作して停止信号を送ろうとするが…

 

「えぇ?!これ起動してる?」

 

 ここへ来た時は動いていなかったエニグマが起動している。

 

「止まれー!」

 

 パソコンを操作して停止信号を送るが、全く受け付けない。

 

 装置の中から光が漏れ、その光は次第に強まり辺り一旦を包んだ。




〜プチ解説〜
・桐生戦兎…エボルトとの戦いに勝利し、新世界で暮らしている。
・万丈龍我…筋肉が100倍になると噂される伝説のプロテインを探しに出かけている。
・最上魁星…ビルド、エグゼイドの世界で永遠の命を手にしようとした。が、失敗する。新世界では少々マッドな科学者なのだが…。
・クモ怪人…頭、両肩に赤いクモがかじりついているような怪人。パンドラボックスの無い世界でスマッシュは生まれないはずだが…?
・コウモリ怪人…白いコウモリの怪人。機械が起動したのは超音波に秘密あり。



次回更新 2024/09/29
 ダブルの世界
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