ヒロアカに乙骨出したら面白そうだなぁ
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けど、まんま物間と能力被るなぁ
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?「逆に考えるんだ……」
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こ れ だ
ある晴れた日の公園。二人の子供が遊んでいる。
一人は少年。一人は少女。同い年だろう。
なんの変哲もない、平和な光景。
無垢で無邪気な子供たちが織り成すそんな光景は、どれだけ時代が進んでも、どれだけ世界が変わっても、変わらない。変えてはならない。
たとえ、『超人社会』と呼ばれる社会に変わったとしても、それを決して壊さないようにする。そのために大人たちがいて、そして、『プロヒーロー』という職業が存在すると言っていい。
「イズク、お誕生日おめでとう」
たとえ、いつ崩れるとも知れない危険なバランスの上に成り立つ平和と言えども、そんな複雑な事柄を理解できない子供たちは、彼らなりに精一杯に今を生き、全力の今を楽しみ、幼い悔いを残すまいと笑うのである。
「やったあ! 開けていい?」
「いいとも」
「開けていい!?」
「いいって……」
パアアアっと満面の笑顔を浮かべた少年が、はしゃいだ様子で渡された箱を開く。
「ゆびわ?」
あまり子供には……特に、男の子には喜ばれづらいお誕生日プレゼント。
それを手に取った少年の手を、少女は握りしめた。
「婚約指輪さ」
「こんにゃく?」
「約束の証しさ」
少女は、握りしめた手の、小指を、自身の小指と絡めて言った。
「ボクとイズクは大人になったら結婚するんだ」
結婚という言葉と意味を、深く理解することはできていない。ただ、幼くも懐いた恋という感情から成る、淡い約束。微笑ましい光景。
「あれれー? イズクってば驚いてるのー!? おかしくなーい? 愛し合う男女が結婚するなんて当たり前じゃなーい!?」
突然のことに、何も言えずにいた少年に対して、少女は、柔らかだった笑みを歪め、高笑いし始めた。
それは、子供はもちろん、大人でさえ引くレベルの豹変ぶりなのだが。
「うん! 約束! 結婚しよう! ネイカちゃん!」
そんな少女の一面もよく知る少年は、またパアアっと満面の笑みで返した。
「……」
直前までの豹変ぶりはどこへやら。笑顔は元の柔らかなものに代わり、恋と熱のこもった目を少年に向ける。
彼女の一連の言動は、幼いながらの、照れ隠し。恥ずかしさをごまかすための強がり。それと同時に隠していた、フラれるかもしれない恐怖。
そして、そんな自分を受け入れ、気持ちを受け止めてくれた少年に対する、決定的な気持ちの表れ。
幼くも、強い約束を結んだ二人は、その後も時間の許す限り遊び続け……
「おい! 救急車はまだかよ!?」
「バカ! よく見ろ――助かるわけねーだろ!!」
「頭つぶれてんだぞ!?」
別れが訪れたのは、その帰り道。唐突な出来事。
「ネイカちゃん?」
「え?」
目の前には、頭が潰れ、血の道を作った、さっきまで一緒に遊んだ少女。
巻き込まれて死んだ大人たちに混ざったそれを、少年は確かに見ていたのに。
聞こえてきたのは、頭が潰れた少女の声――
感じたのは、大きな手に、足をつかまれる感触――
―― 5年後 ――
「久しぶりじゃないか
「こっちに来ないで……」
「おいおい、寂しいこと言うなよ」
ダメだってば……
「俺がどれだけお前を殴りたかったか……もっと俺の気持ちを想像してくれ」
やめて……
「こんなに焦らされたら、うっかり殺しちまうよ?」
どれだけ時代が進んでも、どれだけ世界が変わっても、変わらない。変わってくれない。
まさにこれがその一つ……イジメ。
理由やキッカケはどうであれ、自身より弱い、立場が下と断じた相手を標的とし、嫌がらせや迷惑行為、果ては暴力を行う。
更にタチが悪いのが、仮に、これらをされた被害者が何らかの報復を行ったなら、大抵、問題に気づかなかった、もしくは、無視してきた事実を隠したい周囲の愚かしさによって、加害者たちの存在は棚上げされ、仕返しをした側が悪として糾弾される。
そんな都合の良い仕組みを知ってか知らずか。やったもん勝ちの精神を持った加害者たちは、未熟で、それゆえに捕まりづらい若さを盾に、標的へのあらゆる苦痛で快感を味わうのである。
「来ちゃダメだ! 寧香ちゃん!?」
「……? ネイカ――」
しかし……
たとえ、報復が許されない仕組みや現実が出来上がっていようが――
加害者である限り、報復される可能性は、誰にでも、いつでも起こりうる――
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
夕方の学校。オレンジ色に照らされた教室。
直前までいた四人の不良男子たちは、姿が無い。
代わりに――
教室の隅にある、掃除用具入れのロッカー。そこから、真っ赤な血が溢れ……
キーっと、示し合わせたかのように開いたその中には、狭いその中に納まるよう、捻じ曲げられ、圧縮され、折りたたまれ、詰め込まれた、四人の不良男子生徒。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
後に残されたのは、座りこみ、小さくなって、カタカタ震える少年――
そして――
「……デク……お前……」
たまたま教室の外で、一部始終を見て、尻もちを着き同じように震える少年――
―― 1ヶ月後 ――
「完全秘匿での死刑執行? あり得ないでしょ」
「本人も了承している」
場所は更に移り変わる。
某所にある、『ヒーロー公安委員会』が所有するビル。そこの特別会議室にて、プロヒーローと、彼を囲む形で座るスーツを着た人間たちが、話をしている。
「未成年……14歳の子供ですよ?」
「もちろん、我々としても協議を重ねてきた。通常の保護観察から、それこそタルタロス収容まで、あらゆる可能性を……だが、彼の個性は強力すぎる。野放しはもちろん、ただ生かすだけでさえ、人類に甚大な被害をもたらす可能性がある。だから――」
「逆に、どれだけの被害が出るか分かりません。現に、彼に近づいた公安お抱えの、ヒーロービルボードチャート100位圏内のランカー含むプロヒーロー5人が返り討ちに遭っている」
「……」
「まさか、ナンバー2のエンデヴァーさんや、まして、
「では、どうする?」
「緑谷出久は、俺が預かります」
「やあ! 緑谷出久君!」
場所は変わって――
同ビル、地下階にある、凶悪
そこに置かれたパイプ椅子に、少年は、相変わらずの縮こまった姿で座っている。
そんな彼の前に、飄々と現れた男。
「初めまして。俺は――」
「ヒーロービルボードチャートJP、ナンバー3、速すぎる男、ウィングヒーロー ホークス!」
「……さすがはヒーローオタク」
直前まで縮こまり、目も顔も伏せ、枯れた表情だった。
が、男――ホークスの姿を見るなり、顔は少しだが高揚し、表情が晴れ、小さいながら、声には興奮がこもっていた。
憧れで、好きな物を前にした、少年の姿そのものだ。
「さて、緑谷出久君……これはなにかな?」
そんな少年に、男が取り出した物。
形はねじ曲がり、中心部分が豆縛りにされて、使い物にならなくなった――
「ナイフ、だったものです……死のうとしました。でも、寧香ちゃんに、邪魔されました」
「……暗いね」
それを見た少年――緑谷出久は、再び顔も目も伏せ、縮こまる。
ホークスはナイフだった物を投げ捨て、更に続けた。
「今日から、君には学業とは別の仕事に励んでもらいたい」
「行きません」
ホークスの申し出に、出久は、即答した。
「もう、誰も傷つけたくありません……だからもう、外には出ません……」
「……でも、一人は寂しいよ?」
「……」
「『無個性』だったはずの君が受け継いだ『個性』……君に掛かった『呪い』と呼ぶべきか。それは、使い方次第で、人を助けることもできる。力の使い方を学びなさい。全てを投げ出すのは、それからでも遅くはないだろう?」
「……」
―― 1年後 現在 ――
「実技総合成績出ました」
雄英高校――次代のプロヒーローを育成するヒーロー科を要する高校の中でも、現ナンバー1ヒーローの母校でもある世界最高峰のヒーロー育成校。
そんな学校にある、モニター室にて写されているのは、つい先日行われた入学試験における、実技試験の映像。
「
「対称的にこの生徒は――」
と、全国から何百人と集まってきた生徒の中からふるいに掛けられた、たった40人の合格者に関する話し合い。
40人の動き、技術、状態を見て、様々な考察、意見を交わしていく。
「けどやはり……1位の生徒の実力が圧倒的ね」
大方の生徒の話が出尽くし、最後に挙げられたのが、総合成績1位、首席合格を果たした生徒の話題。
「筆記テストは文句無しの満点合格。加えて、実技試験も……」
「
「敵ポイント83、救助ポイント94……これが、ナンバー3ヒーロー、ホークスの秘蔵っ子にして、中学生ながら『ヒーロー仮免許』取得済みの生徒の実力か」
全員が何度も手元の資料、正面の映像を見比べていた。
「それほどの生徒だったら、普通は推薦入試を受けさせるべきだったんじゃないですか? 何より、ホークスの教え子で、すでに仮免も持った身なら、そのまま順当に公安所属のヒーローになることだってできたでしょうに」
話し合っている教員の中から、冷静な意見が交わされる。確かに、ただプロヒーローになりたいというのなら、わざわざ高校に通うまでもなく、それが一番の近道に違いないだろう。
そして、それに答える声もまた、冷静で、優しかった。
「我が雄英高校への受験は、本人の強い希望によるものだ。それに、仮免を取得したのも、すでに推薦入試の応募を締め切ったタイミングだったからね。いずれにせよ、彼にとっても、雄英に入るには普通受験に合格するしかなかったというわけさ。不合格となった生徒たちには、運が無かったと受け入れてもらうしかないだろうね」
「……」
本人の意思というなら、是非もない。質問した男としても、いくら彼が優秀過ぎたからと言って、合格できなかった者たちを同情したわけではなく、どころか同情の気持ちなどサラサラ無い。実力者がいようが圧倒的強者がいようが、そのうえで実力を示すこともできない者が、ヒーローとして生き抜くことなどできはしないのだから。
「要するに、公安は色々と問題のある人材を、雄英に丸投げしたってわけですか?」
男の先ほどの質問の真意は、手元の別添の資料に記載されている事項によるもの。
「生まれつきの個性診断は『無個性』。それが、友人の少女の交通死亡事故との遭遇を切っ掛けに、『個性』が発現。それも、当初は全く制御が効かず、遂には同級生からの執拗な嫌がらせが誘因となり、個性が暴走。イジメの首謀者含む同級生4人をロッカーに詰め、重症を負わせる……」
百歩ゆずって、事故が起きたのはその4人の自業自得だとしても。
そんな人間なら、推薦入試の書類審査で落とすこともできたし、それを理由に今回の入試も断ることができたろうに。
「そう。その罪を償う意味でも、ホークスのもとで個性の使い方を学び、より多くの命を救うためにヒーローを目指している」
「……」
「君の言いたいことも分かる。確かに、ヒーローに相応しいかと言われれば疑問もあるだろう。だからこそ公安も、本人の希望を理由にこちらへ丸投げしてきたと言っていいかもしれない……それだけ、個性や周囲からの悪意に呪われた子でありながら、それでも人を救いたい気持ちからヒーローを志している。むしろ、彼ほどヒーローに相応しい人格を持った少年も他にいないだろう」
「……」
「もちろん、どれだけの善行を行ったとしても、過去の罪を消すことはできない。だからと切り捨てることは簡単だ。むしろ、彼自身、切り捨てられることも覚悟の上で受験に臨んだんだろう。それだけの覚悟と可能性を持った若者を、正しく導くこともまた、僕たち大人の責任であり、同時に雄英にしかできないことだと考えるのさ」
「……」
それ以上は、男としても反論は無い様子だった。
「……」
そうして、話し合いが再開されていく中で。
(緑谷出久少年、すさまじいな……)
集まった中でも、痩せこけたか細いその男は特に、真剣な面持ちで画面を見つめていた。
「これが特級憑依型変異個性――『
こうしてみると、寧人と里香ちゃんて顔似てるね。
続きは気が向いたら書くかもしれません……
正直、書く時迷いました。
ポリコレに配慮して寧人のままにしとくべきだったかと。
皆さんはどう思う?
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寧香でいいよ、この野郎。
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寧人にもどせ、バカ野郎。