孫悟飯の双子の妹なのに病弱でした。   作:oir.1

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「おーい悟飯ちゃん時間だぞー」

 

朝日と鳥のさえずりと共にチチの軽快な声が鳴り響く。

 

「あ。本当だ!じゃあお母さん行ってきます!

・・・筋斗雲ーーー!」

 

その声と共に足早に家を出て筋斗雲を呼び出す()()。名は孫悟飯

 

「お兄ちゃん学校?いってらっしゃーい!」

 

「おお!()()!行ってくるよ」

 

家から出てきた孫悟空に似た少年・・・孫悟天と仲睦まじく会話をする。

 

「それと・・・・・・()()も!」

 

「うん...いってらっしゃい兄さん」

 

そしてもう一人...どことなく雰囲気は悟空に似ており,そして悟飯たちには分からないことではあるがどこぞの赤いバンダナを巻いたサイヤ人が思わず二度見するほど

とある女サイヤ人に似た姿をした高校生ほどの少女・・・龍華にも挨拶を交わす。

・・・隔世遺伝だろうか

 

 

 

 

 

 

 

―――――

 

 

 

何でお前普通に生活してんだよ!と思われるかもしれないが,理由は簡単で今から丁度3年前ほどに()()虚弱体質が治ったのだ。

 

・・・まさかの二話目にして最速のタイトル詐欺である。

 

だが突然完治したこの虚弱体質は結局未だに謎が多く。3年前に治るまでは治るどころが悪化していたのである。体が弱ってうまく体が動かないだけでなく,ずっと()()()自分の中で膨らんでいき,溢れそうな感覚に苦しまされ,これそろそろ私死ぬのかななんて思いを抱いたほどだ。

 

・・・最もその感覚は体質が完治するとともに上手く抑えられているだけでその()()()()()()()()()()()のだが。

 

しかし体質自体は本当に突然完治し,すっかり普通に動けて生活できるようになった。その結果今では孫一家として病院ではなく自宅で生活している。

なお母であるチチはともかく双子の兄にあたる悟飯とは今まで全く面識がなかったのにある程度成長してからの共同生活ということもあって多少気まずかったのは内緒だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・まぁそれにしても急に三歳から時間飛びすぎじゃね?と思われるかもしれないが,治るまでの生活で特段話すことがないのである。誰か少女が永遠に代わり映えしない景色の中,病気に苦しまされ続けている光景を見たい物好きはいるのだろうか?

 

だが強いて言えば龍華は病院生活中にとある娯楽を手に入れ,それを楽しんでいた。

それは時系列を確認するため戦闘中の気を確認するべく気の探知を身に着けたのだ。

・・・案外感覚で簡単に覚えられたのはこの体のスペックのおかげなのだろうか

 

そして龍華は’あ,今あいつと戦ってるのか’など今の時期を確認し,それと同時に自身の前世の記憶,所謂原作知識はその時期になってからその時期にあたる知識が徐々に思い出していくことが分かった。

しかし龍華は途中で思った。’気は分かっても姿が見えないからつまんない・・・’と

 

なので龍華は何とかならないか悩み,とりあえず兎に角気を感知する技能を鍛えた。

するとある日気を探知するだけでなく,その気と共にその場の光景が頭に浮かんできたのである。

 

龍華はあまりの喜びと興奮から病室のベットではしゃいだ。

 

 

 

 

 

・・・なおその後体質からすぐに苦しくなりお医者さんから怒られたが

 

だがこの技を習得したおかげで病院生活での楽しみが出来た。それからは戦いがあるたびに映画を見る感覚で観戦し,苦しくなったら寝て,回復したら誰かの気を探ってその人の行動を見て楽しむの繰り返しである。

 

父である悟空達の戦いを実際に見るのはすっごく迫力があって,何よりリアリティがあってここは現実だと認識させられた。そしてその戦いをよく見るとただの殴り合いではなく確かな技術や工夫,そしてこれまでの経験に裏付けられた技があることも分かって,自身がもし戦うとしたらなどイメージでの戦いの勉強になった。...このように入院中ずっと自分が戦う時のイメージトレーニングを頭の中でしていたのは内緒だ。

 

 

 

実際に見る戦いの光景には本当に心が躍った...でも少し疑問があるとすれば何で私みたいな虚弱な一般人が父たちの戦いを()()()()()()のだろうか...?

何度も言うがここは現実であり生前のアニメなどとは全く違う今私が生きている現実なのだ,あんな別次元の戦いを私が普通に目で追えるはずが...いや気の探知の応用で見れているわけだからそういうものなのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁともかくこのような生活を経て,体質が治り今に至るのである。

 

 

 

 

治ってから家で生活するようになってからの話だが,意外にも母であるチチは兄である悟飯のような厳しい勉強を龍華にはさせなかった。

 

もちろん最低限年相応の知識や常識を付けさせるためある程度の勉強はさせるが,割と外に自由に遊びに行かせてくれたりしている。

龍華としては勉強なんぞしたくはなく,この世界を自由に楽しみたい。何よりずっと入院生活だったためとにかく外で体を動かして遊びたかった気持ちがあったので願ってもない待遇であった。

 

そんなこんなで平和な日常を過ごしている龍華だが,兄の話によると近々天下一武道会というのものがあるらしい。そして何やら父親である孫悟空もその日に1日だけ現世に戻ってくるだとか。

 

 

母や兄は嬉しそうにしていたが弟である悟天はイマイチピンと来ていない様子だった。

最も龍華自身も入院生活中,父の孫悟空は一度も私の様子を見に来ていないのであまりピンと来ていない。

気の探知で戦いの様子は見ていたので龍華視点で完全に面識が無いわけでは無いが…

 

やはり父としての姿はイマイチ想像出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして後日

どうやら兄や母の知り合いも武道会に出るらしく兄と弟も一緒に修行し始めた。

母に「私も出たい!」と主張してみたが案の定ダメだと言われてしまった。どうやら「女の子が〜」云々やら「危険が〜」との事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが私も粘りに粘って何とか説得して今回だけだと許しを得れた。だが危険だと思ったら絶対に降参しろとの条件はあるけど

 

ここだけの話多分だけど基本的に武道会を勝ち上がるのは兄やその知り合い達だと確信があるから母も許したのかなと思っている。

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天下一武道会当日・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「お!悟飯こっちだこっち!」

 

「クリリンさん!」

 

手を挙げて悟飯を呼ぶクリリン。その頭は前の綺麗なハゲ頭が想像つかないほどフサフサである。

 

「ピッコロさんも来てくれたんですね!」

 

「ふん…」

 

自身の師であるピッコロを見て嬉しそうに駆け寄る悟飯。

なおピッコロ(ツンデレ)も満更では無さそうである。

 

こうして続々と仲間たちが集まっていき,みな久しぶりの再会に話を弾ませる。

 

 

 

 

すると…

 

 

 

 

「よっ!」

 

 

軽い陽気な声が響く。一言ではあるが何故か皆の耳にハッキリと声が届いた。

 

「ご…悟空!!」

 

クリリンの一声から次々と仲間達が悟空に駆け寄っていく。

皆それぞれが涙し,嬉しそうな表情を浮かべている。

 

「皆久しぶりだな〜。ん?…」

 

悟空は久しぶりの仲間たちとの再会でも調子を崩さずいつもの軽い雰囲気だ。しかし何かに気づく

 

「ほら。悟天!父ちゃんだぞ!」

 

「ひゃ〜すっげぇ似てんなと思ってたらやっぱりオラの子か〜!」

 

おずおずとした様子で母であるチチの背中から歩き出す悟天。

悟空はそれを見て嬉しそうに抱き抱える。

 

その様子を仲間たちは微笑ましく見守る。

 

「それと悟空さ。もう1つ嬉しい知らせがあるだよ!」

 

「ん?もう1つ?」

 

悟空は予想していなかった知らせに疑問を浮かべる。

・・・一部の仲間たちも何か分からず疑問に思っているようだが

 

「龍華…ほら…産まれて以来会ってねぇんだ。しっかり父ちゃんに元気な姿見せてけれ」

 

「……ん?うん」

 

するとチチの背後からどこか心ここに在らずでぼーっとしてた様子の高校生ほどの少女が出てくる。

姿はチチの娘とだけあって可愛らしい少女だ。

あまり両親には似ていないが雰囲気はどこか悟空に似た雰囲気を感じる。

 

仲間たちは今まで全く気づいていなかったため驚いた様子を見せる。何よりも龍華の存在を知っている仲間が元よりほとんどいないというのもあるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに仲間たちが気づかなかった理由は単純に龍華が気を消しながら目立たずに居たからである。

 

なんでそんな事しているのか?と言われたら普通に気まずかったからだ。

具体的に言えばあんまり知らない親戚との集まりで家族は盛り上がっている中自分だけ蚊帳の外みたいな状況なのだ。

 

なのでひっそり目立たないように現実に存在しているドラゴンボールのキャラ達をファン根性で楽しんでいたのである。

ちなみに今はミスターサタンの様子を見ていた。

原作知識は今封印(勝手にそう呼ぶことにした)されているのでどんな事をしたキャラかは忘れたが割と好きだったキャラな気がする。

最もそんな事をしていたせいでチチへの返答に遅れてしまったのだが。

 

 

「ご、悟空の娘!?」

 

「い、いつの間に!?」

 

「カ,カカロットに娘だと……!?!?」

 

龍華のことを知らなかった仲間たちは驚いたように声を上げる。なお1番衝撃を受けているのはベジータである。

 

「ん?言ってなかったっけ?悟飯の双子の妹だ!産まれた時から病弱でずっと病院でにゅーいん?してたんだけどな!」

 

「い,いや知らないよ。お,お前ほんとそういうとこ軽いよなぁ……」

 

「いきなり高校生くらいの子が出てきて悟空の娘なんてびっくりしたぜ……けどチチさんの娘だけあって美人な子だなぁ……」

 

悟空の軽い調子の返答にどこか調子を崩されるクリリンとヤムチャ。周りの仲間たちも龍華のことが気になるようで皆龍華のことを見ている

 

「いやぁ龍華か〜元気になったんか!オラ赤ん坊の頃の姿しか知らなかったから誰か分からなかったぞ!それにしても大っきくなったなぁ〜」

 

「・・・」

 

今は高校生程となる病弱で入院し続けていた実の娘を赤ん坊の頃しか知らないという発言は,冷静になると割と父親として最低のことを言っているが,龍華は別にそんな事気にしていない。

 

それよりも龍華は無言で悟空の近くまで近づいてジッと見つめ続けている。

 

 

「……?ど,どうしたんだ?」

 

「・・・」

 

流石の悟空も龍華の行動に困惑した様子を見せる。

仲間たちもどこか気にしたようにしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・抱っこ」

 

「へ?」

 

「……悟天の事は抱っこしたのに私の事はしてくれないの?

…………お父さん」

 

まさかの要求に面食らう悟空。

 

「……私お父さんに抱っこされたことない」

 

「なんだぁ!そんな事か……それじゃあほれ!」

 

龍華のお願いを聞いて,抱き抱える悟空。悟天とは違い女性の身ではあるがもう高校生程の体のため,力的には全くもって問題ないとしてもしっかり支えるため片手ではなく両手で抱き抱える。体勢的にはお姫様抱っこが近い。

 

案外可愛らしい龍華の要求にチチや悟飯は微笑ましく見守る。

……しかし一部の仲間たちはずっと死んでいて若々しい悟空ともう高校生である龍華なので明らかに父と娘には見えない絵面に気まずそうな表情をする。

ちなみにベジータはまだ衝撃が抜けておらずフリーズしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

なお龍華がこんな要求をした本心だが,ただ単に主人公である悟空とファン的な気持ちでふれあいたかっただけである。基本的にあまり表情が変わらずゆったりした雰囲気の龍華だが内心滅茶苦茶盛り上がっているのはここだけの話だ。

 

 

 

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