嵐
ピノコニーにて歪なシペの化身を倒し、依り代となっていた天環族の双子を解放してから、一月ほど経った。話し合いのためピノコニーにしばし滞在していたとき、双子の一方、サンデーと話す機会があった。双子のもう一方の少女、ロビンから伝えられたように、サンデーは「楽園」の一つとしてヒスイノを見ていた。彼はあの時、私にこう尋ねてきた。
『――アナタはどうやって「楽園」を作り上げ、それが仮初でないことを示し続けているのですか?』
『教育、法、雇用などを改善したり、住民からの聞き込みをすることもそうだが…全てに干渉するのではなく、必要な事だけを逐一行う。そして民が己の足で立てば、自由に歩き回れるきっかけを作る。環境を整え、人の可能性を育てて…見守るだけだ。強者も弱者も存在しない。誰にでも必ず才覚はあり、望んで生きていく。』
『アナタはそうやって人を信じてきたのですね。…惑星の隆盛、ワタシはやはり外を見るべきなのかもしれません。』
サンデーは、誰一人いなくなったオーク家の当主だ。しかし彼はもう、当主としてピノコニーで政治をすることはない。オーク家には「秩序」の残党しかおらず、その教育も「調和」の元行われたものではないからだ。
星外のファミリーはサンデーに選択肢を用意した。ピノコニーで「調和」を学び直すか、ファミリーが拠点とする星系に移動するか。
そしてもう一つ。教典を持ち、しばらく「調和」以外の道を選択した星々を見て回るか。彼は旅に出ることを選択した。
ピノコニーを出た後、私たちの宇宙船は二つの星系を訪問した。「抗う者」と協力関係を結んでいない惑星へ向かったり、反対に、ヒスイノの名を元々あった惑星名の後ろにつけるほど交友を深めてくれている惑星へ、話をしに行った。
そして現在。私の元に、仙舟「朱明」の将軍から連絡が入る。使節団を派遣しようと考えていたが、丁度仙舟「羅浮」に向かう用事が出来たため、そこで打った武器を直接渡したいと。提案ではなく、私たちの訪問を求めており、まるで頼み込むような文面であった。
懐炎の用事とは将軍同士の会議だという。対面での会議には、仙舟「曜青」の青丘軍を連れ、飛霄もやってくるとのことだ。
加えて、仙舟「羅浮」は星天演武典礼を執り行うようだ。帝弓七天将が集まり、更に仙舟外から武力を鍛え上げた最高峰を集めるということは、必ず狙いがある。典礼を通して士気を上げ、レギオンの絶滅大君に弓引くことを宣言するつもりか、それとも。
朱明で懐炎から話された「巡狩」の終わりについて、思い浮かんでくる。その不安は拭えるものではない。
私は隣に座っている智械黑塔に言葉をかける。彼女はサユも参加させた、スクリューガムとの共同研究「階差宇宙」の開発を終え、己が作ったシミュレーションをいじり続けている。
「智械黑塔、仙舟「羅浮」に懐炎将軍が来てほしいとの連絡が入った。だが…妙に胸騒ぎがするんだ。」
「朱明でのこと気にしてるの?未来は、完璧には予測できないものだよ。例え機械頭の演算であっても、ただのシミュレーションなんだから。問題が起こったら対処すればいい。」
「…やはり君がいてくれると心強いな。問題が起こったら、その時は私と共に来てくれ。」
「はいはい。それまでは研究してるから。」
智械黑塔は何でもない風に、さらりと言葉を紡いだ。また端末に顔を向ける彼女は、私の隣から動くことはない。この人形を使って端末を見なくとも研究は出来るというのに、有機生命体のように研究している姿を私たちの近くで見せてくれる。わざわざ思考のリソースを、この人形に割いてまで傍にいてくれる。
私はこのオムニックの少女に、他者を想う気持ちを深く感じた。
―――――
星は自室にサマンサとサユ、停雲の三人を招いて、ルールが複雑かつ特殊なテーブルゲームを行っていた。ホログラムをテーブルに映し出し、駒を進めていく。サユと融合したヤエという名の人工歳陽と、星の友であるゴミケーキも加え、ゆっくりとゲームは進行していた。
「星、全員を集めるなんて珍しい。拙たちとゲームがしたかったのか?」
「うん。あと私の模様替えした部屋を、皆にも見せたいと思って。見て、このムキムキのゴミ箱を!」
「拙に作らせたぬいぐるみ…。何度も見た…。」
「ゴミ箱の妖精さんなんだから、何度見ても面白いでしょ。」
星が勢いよく指し示すのは、ゲーミングチェアの上に鎮座する巨大なゴミ箱。そのぬいぐるみであった。
星がピノコニーを観光しているとき出会った「王のゴミ箱」たちを模したものである。
ドリームリーフで星は、狼の宇宙船における智械黑塔以外の少女たち、星穹列車の穹、三月なのか、丹恒と共にドリームメイクを学び、楽しんだ。星は小さなゴミ箱を作り出し、悦に浸っていた。
そのとき三月なのかは、彼女の持つ独自の能力で「六相氷」という結晶体を作り出していた。ドリームメイクと六相氷を作るときの感覚は同じであり、結局成功させることは出来なかったが、三月なのかはその場の雰囲気を楽しめていた。
そんな友達との思い出を忘れないため、手先の器用なサユに作ってもらったのだ。出来上がった後、星はゴミ箱という無為な物を似せるなんて更に意味が無くて好きだと、ぬいぐるみに頬ずりした。そのときサユが眉を歪ませて困惑していたのは、星の記憶に新しい。
「あら~。そちらの、花火さんそっくりのぬいぐるみも愛らしいですね。」
「帰忘も気になった?動力がないのに、たまに喋ったり頭が動いたりするから、目覚まし代わりになるよ。」
「それはなんとも…不思議ですね。」
星は、去り際に花火から貰った花火人形を眺める。花火は星に、爆弾は仕込んでいないため安心して可愛がってという旨を伝えた。星はもらった日から、この人形の埃取りは徹底している。ゴミを少しでも集めるためと、ベッドの端に置いていたのに、目が覚めると枕元に近づいていたりするからだ。星はこの人形についてもゴミケーキと同じように、武器として使う案を考えている。
星たちが話している間にサマンサがそっと駒を動かし、何気なくゲームをあがろうとする。星は目ざとく、それを阻止するため特殊カードを取り出した。
「…くっ、阻止されましたか。」
「まだまだこれからだよ。…サマンサ、穹が鉄騎と会ったって話覚えてる?」
「はい。星核ハンターのことですね。」
サマンサは、星に作戦を封じられ、指を震わせていたが、その次の言葉へ真面目に返答する。
「彼女は鉄騎の一個体とは思えないほどの力を持っています。惑星を砕けるほどの攻撃力…彼女はそれを真に発揮していない。」
「…あのゲーマーも、星核ハンターって花火が言ってたな…。」
「憂う必要はありません。星は優しい子です。関わりを持っていたとしても、あなたの本質が傾くことはありませんから。」
星は頤に手を当てて、銀狼のことを考えるが、サマンサは首をゆっくりと振った。サマンサは今を見ている。星は数々の危機を、己が選択して解決するために動いてきた。誰と関わろうとブレない本質が、芯が星にあると信じているのだ。
星の自室に集まった少女たちは、次の目的地について話す。狼は皆へ、仙舟「羅浮」に宇宙船を向かわせると話した。星が得た情報では、仙舟「羅浮」では近い内に、己の武を競う大会があるとのことだった。そして友人たちとのメッセージにおいて、星は嬉しいことばかりが書かれていた。大会、星天演武典礼のために、多くの友人が羅浮に向かっているというのだ。
一月前ピノコニーで会った星穹列車のナナシビトたちに加え、あの極寒の地「ヤリーロ-Ⅵ」で知り合ったクラーラとフックが、それぞれスヴァローグと、星と試合で殴り合ったルカに同行するらしい。そして白露、白珠も演武典礼の観戦に間に合うように来ると話し、また仙舟「朱明」で手合わせした雲璃も懐炎に連れられやってくるとのことだった。
「サマンサ、サユ!二人も試合に出ない?」
「星は出たいのですね。」
「うん。出場してくれれば、勝ち進んだ二人と全力で戦えるじゃん。雲璃と手合わせした時に、サユともやっておけばよかったって思ってる。」
「…考えておく。」
星はこんなにも多くの友人と会えることに喜びを感じながら、闘志を燃やしていた。自分も試合に出て、今の腕を試してみたい。仲間と競いあげることも、星にとっては興味の対象だった。
そして星は停雲の方を見る。彼女は仙舟「羅浮」で生まれ育った商人だ。ルアン・メェイの話から、停雲は身分を隠し続けなければならない。故郷に着いても親しき者に顔を見せられず、今はただ眺めることしか出来ないのだ。停雲は微笑を浮かべ、問題ない旨を伝える。
「来訪者として見知った街を廻るのも、新鮮な体験です。私のことは気になさらず、星様は初めて訪れる羅浮を楽しんでくださいな。」
「分かった…。帰忘、私の勇姿を見てて!」
停雲は頷き、楽しみにしている旨を星に伝えた。眉を上げ自信に満ちた表情をした星は、己の二の腕を見せつけるように、ぐいと頭の上にあげて返す。
少女たちの和やかな時間は、ゆっくりと過ぎていった。
―――――
懐炎からの連絡から数日が経ち、私たちの乗る宇宙船は、仙舟「羅浮」近くにまでやってきていた。演武典礼が始まるのはもう少し先であるため、星外からの宇宙船の交通はまだ詰まっていない。懐炎は既に着いているが、ただ観光目的で試合を見に来るらしい白珠たちは、開催直前に羅浮へやってくるそうだ。
私は羅浮の玉界門にまで船を動かし、当たり障りのない訪問目的を伝える。そして入り込んだ宇宙船を停泊地に着陸させた。停雲は、演武典礼のときのみ仮面を付けて外へ出たいと言ったため、私は彼女の意思を汲んだ。
星、サユ、サマンサの三名を連れ、星槎に乗る。行きかう人々の中には仙舟の民、観光客の他に私同様、変装用機械装甲をつけたヒスイノの狼や慧駿も混ざっている。彼らは穏やかに商談をしており、激しいトレーニングを行い運動欲を発散した後、羅浮へ降りていることが伺える。
私は、懐炎が合流地点に指定した場所へと急いだ。
長楽天、神策府に近しい場所に、懐炎はいた。そして彼の孫娘、雲璃も近くに立っており、何やら年の近い少年と言い争っているようだ。
「僕の剣…早く返してくれないかな?仮に盗んだ剣を使うにしても、雲璃さんの得意とする剣術とは全く嚙み合っていない。」
「この剣は、あなたに相応しくない。剣の声を聞けばすぐ分かる!幾ら剣に秀でてても、一本一本を大事にしないなら、剣を扱う資格なんてない!」
「無茶苦茶な理屈だ…。僕は毎日丁寧に剣を手入れしてる。雲璃さんが盗った剣が、偶然満たされていないのかもしれないね。」
「何!言い訳しないで!」
「止めんか、雲璃!…おお、狂风。来てくれたか。」
懐炎が私を見ると、雲璃もこちらを見る。金色の髪を後ろで一つ結びにした少年もまた、私の方を見た。
雲璃と星たちは近づき、雑談をし始める。
「打った武器は、演舞典礼のための宝剣同様に保管している。…今回集まった仙舟将軍は、お前さんのことを良く知っておる者ばかりだ。わしについてきてくれ。中でお前さんに渡そう。」
「…申し訳ありません。懐炎将軍、それは難しいかと。」
私は羅浮の将軍の内、一方のことを思い浮かべた。景元はまだしも、あの元剣首、鏡流に会うのはまずい。しかも鏡流の目の前で、応星が打った斧槍とは別の新しい武器を受け取るなど、神経を逆撫でする行為だ。
私が及び腰になっていると、金髪の少年がぽんと合点がいったとばかりに、左の掌をもう右の拳で打った。そして少年の冷気が一瞬私を射抜き、その後にこやかに言う。
「将軍たちが言ってたな。狼の頭領…狂风さん。大師匠は狂风さんを歓迎すると思うよ。」
「…なるほど。君が今、景元さんたちが育てているという天才か。改めて…私は狂风。案内をお願いしよう。」
「ご丁寧にどうもありがとうございます。「羅浮」雲騎驍衛、彦卿。狂风さんをご案内しますね。」
金髪の少年、彦卿は軽やかに私へ自己紹介を返す。背は年相応に低くとも、身のこなしには全く隙が無い。天才が、今も尚強くなり続けている剣鬼に才能を磨かれればどうなるか。目の前の少年がそれを証明していた。
―――――
狼たちは、彦卿、懐炎の後をついていき、神策府の中へと入った。そこには何と、星穹列車のナナシビトもおり、星たちと彼らは互いに驚き合う。
神策府最奥に鎮座する机の左前には、白髪の狐族の女性と、その付き人たち。そして羅浮を特徴づける唯一無二の政治体制、二人の将軍が、狼たちに視線を向けていた。
青みがかった白髪の女性、鏡流が狼を見て、面白くなさそうに鼻を鳴らす。
「狼…用が済んだら、早々に我の前から姿を消すがいい。」
「…そこまで気分を害されなくて、ほっとしている。何十年前かの席以来だが…貴女も更に丸くなったな。」
「貴様…。」
「そう事を急くでない、鏡流。わしが狂风を呼んだのは、武器を譲渡するためだけではないんだからな。」
鏡流は狂风を睨みつけるが、懐炎が場を収める。狼は鼻に皺を寄せて、怪訝な顔を翁へ向けた。
羅浮将軍のもう一人、景元が机の前へと歩き、懐炎の考えに賛同する。
「ええ。懐炎将軍のお話通り…星穹列車のナナシビトの皆さんと、狂风さんと狼の宇宙船の方々に来ていただいたのは他でもない。演武典礼を通して、脅威に立ち向かうための士気を上げたい。例えるなら…狂风さんは知っておられるだろう。…第三次豊穣戦争前に行った親善試合のように。」
景元は話し始める。直近で起こった、仙舟同盟への反物質レギオンの同時攻撃。羅浮では直接的な攻撃は未遂に終わったが、別件の持ち込まれた星核によって人的被害が起こりかけた。明らかに絶滅大君の幻朧は、仙舟同盟を墜とそうと積極的に攻撃を仕掛けてきている。
また仙舟同盟への攻撃を抜きにして、「壊滅」を齎そうという動きが活発化している絶滅大君は、幻朧だけではない。仙舟同盟は「壊滅」への警戒をさらに深めている。
加えて白髪の狐族の女性、仙舟「曜青」の将軍、飛霄が補足をする。前線に出て指揮することが多い彼女は、豊穣勢力との戦いがめっきり減ったことを話す。これだけ兵が自由に動かせるなら、「壊滅」に対して戦力を分散する策も取れると。
今回の演武典礼は燼滅禍祖、ナヌークへの攻撃の狼煙である。演武典礼を成功させるための一助になってほしいというのが、景元から仙舟外の二勢力への頼みだった。
仙舟同盟が他勢力と共に戦うということを示すには、仙舟の古くから積み重なる武術、剣術を学び、演舞典礼にてそれを披露するのが効果的だ。特に列車のナナシビトが協力するということは、大きな宣伝効果が見込める。
ナナシビトの中から、三月なのかが元気よく手を挙げる。そして星もまた、手を挙げた。
「ハイ、ハイ!ウチ、侠客になってみたいなってずっと思ってたんだ~!勿論、ちゃんと修行は受けます!」
「この…「不落」の扱い方を、武術家から学んでみたい。狂风、ヒスイノからは私が受けるよ。」
星は、身の丈以上の大武装を出現させてから言う。それを見た鏡流の目元が、ぴくりと動いた。
協力的な二勢力に対して景元は感謝し、懐炎と共に演舞典礼の詳細を話していく。その間、飛霄は狼の姿を、鏡流は星の横顔をじっと見つめていた。
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将軍からの話は終わり、ナナシビトたちは神策府の外へ向かう。三月なのかに対して、大人びた彦卿と彼へ一方的に噛みついている雲璃が修行を付けることになったのだ。
残った仙舟外の者は、私たち宇宙船の人員だけだ。私は飛霄や椒丘、飛霄が昔拾ったと言っていた青年に対して言葉を交わそうと思ったが、それもここでの用事が全て済んでからだ。
懐炎が、宝剣とは別に巨大な箱を取り出す。
彼が箱を開ける前に、鏡流が呟くように言った。その言葉に飛霄も反応する。
「…小娘。その武器、不落と言ったな。狼…応星とのことをないがしろにするつもりか。」
「確かに、よく見たら…。あのとき見た斧槍そのものだわ…。」
「大事だからこそだ、鏡流将軍。私と共に行くのは惜しい。新しき主と共に戦い続ける方が、よっぽど価値がある。…飛霄君、覚えていてくれて嬉しいよ。」
「ええ。…継承するのも悪くない選択だと思うわ。」
「狼…お前も老いたな。」
飛霄は「不落」をしばらく見つめて、吊り目ぎみな瞼を閉じて頷く。鏡流は私の言葉から戦いの気が抜けているのを理解したようで、目を細める。
懐炎が箱を開ける。それは両刃を鋭く尖らせた槍であった。シンプルかつ、人間種からすればずっしりと重い白き鉄塊。これが手に馴染むのは、私のような巨躯のみ。
「奔雲だ。…わしら朱明の鍛冶職人が、ふんだんに光矢と鉄を溶かしこんだ。」
「ありがとうございます、将軍。私たちは仙舟に協力関係を深めると誓いましょう。」
私は「奔雲」を手に取った後、箱へとそっと戻す。短い間だが、この武器が私の相棒だ。
古き絆は新しい時代を生きる者に託した。懐炎には申し訳ないが、打ってもらった武器は長持ちしないだろう。私と共に最後まで戦ってもらおう。そして華々しく「巡狩」の光を散りばめるのだ。
演武典礼の成功に協力することを示した星は、じっと二人の女性に見つめられる。そして飛霄は快活な調子でウインクし、星に話す。
「巨大な武器を使いこなすというのは、相当な鍛錬が必要になってくる。でも安心して!武器の心得はあたしが仙舟一だって自負してるわ。あたしに任せて!」
「…聞き捨てならないな、曜青の子狐。短くとも我が、見れる程度にはしてやろう。」
「あの子たちの競争みたいで、面白いわね!いいわ、一緒に稽古をしましょう!」
飛霄と鏡流は向かい合い、どちらも好戦的な笑みを浮かべる。そして彼女たちは、演舞典礼が始まるまで星の鍛錬を行うことを決めた。
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演武典礼が始まるまで、残り二週間ほど。仙舟の民は、試合を心待ちにしながら日々を過ごしていた。
星穹列車の三月なのか、狼の宇宙船の星は、仙舟同盟の強者から学び、密度の高い時間が過ぎていく。
だが催しの前、衝撃的な出来事が起こる。仙舟同盟の歴史を揺るがし、星海全体をも変えていく始まりの出来事が。
ある日、いつも通りの朝。「巡狩」の星神の庇護を受けている仙舟同盟、その内一艘。仙舟「羅浮」へと、星神自身が光矢を放った。何の前触れもなく。
帝弓の光矢が、暗き牢獄へ落とされた。