『仮面ライダーキュビズム!!ライジングヒーロー!!』
「バージョンアップした俺の力……舐めるなよ?」
そう言って、悠々と歩き始めるキュビズムに、アビスマータは漆黒の直剣の剣先を向けた。
「バージョンアップって……ただベルトが変わっただけじゃない」
「だけじゃないんだなぁ、これが!!」
そう言うと、キュビズムドライバーV2から光が溢れ、キュビズムの右手と左手に集まり形作っていく。そして、
『キューブレード!!』
『キューブラスター!!』
キューブレードとキューブラスターを片手ずつ持つキュビズムがそこには居た。
「本来、チャンバラザムライでしか呼び出せなかったキューブレードと、ファンキーウエスタンでしか呼び出せなかったキューブラスターをどの形態でも呼び出せるんだ。凄いだろ?」
「……あっ、そっ!!」
自慢気に言うキュビズムに、興味無さそうに返しながら斬撃を飛ばすアビスマータ。
キュビズムは少し残念そうにしながら、斬撃をキューブレードで切り裂き、キューブラスターで銃撃をする。
「そして、お次はこれだ」
そう言って、キュビズムは黒い土台に赤で縁取られたクリアオレンジのパーツが付いたアイテムを取り出した。
「それは……?」
「これは、こう使うんだ」
『インフェルノリアクター!!』
キュビズムはインフェルノリアクターの起動音を押し、そしてキュビズムドライバーV2の上部にある凹み、コネクターユニットにインフェルノリアクターを接続した。
『CONNECTLINK!!』
『WOWWOW!!』『WOWWOW!!』
『WOWWOW!!』『WOWWOW!!』
激しい待機音と共に、キュビズムを中心にブレイザーキュビズミックフィールドと、ブレイザーリアクションラインが展開される。
「変身!!」
そして、右側にあるコンダクションキューブを回転させると、インフェルノリアクターの前面パーツ、リアクターオープナーが開いた。
『CUBE UP!!』『BURST!!』
『仮面ライダーキュビズム!!ライジングヒーロー!!』『ブレイジング!!』
キュビズムのキュビズミックスキンがブレイザーキュビズミックフィールドによって強化生成されたブレイザーキュビズミックスキンに置き換わり、ライジングヒーロープロテクトにブレイザーリアクションラインによって生成されたフランラインが走る。
そして背中、両腕、両脚にリアクトブースターが装着される。
『IGNITION……』
フランラインが走った面頬、フランライジングフェイス◇が完成し、フランライン、によって強化されたキュビズミックアイズ、キュビズミックアイズFが灯り、変身が完了する。
「これが俺の新しい力……仮面ライダーキュビズムブレイジングだ!!」
_____________________________
「所詮、虚仮威しでしょ。ディメイア!!」
「うっきゃあっ!!」
アビスマータの命令に従い、キュビズムへと襲いかかるディメイア。だが、
「うきゃっ!?」
ディメイアの拳は容易く受け止められ、逆に捕まってしまった。
「残念ながら、ただの虚仮威しじゃないよ、っと」
そう言って、キュビズムがインフェルノリアクターの上部にあるボタン、ヒーティングイグナイターを押す。すると、
『HEAT UP!』
ボウッ!!
「うきゃっ!?!?」
各部に備わったリアクトブースターから炎が噴出し、キュビズムのパワー出力が一時的に上がり、ディメイアの腕を簡単にひねり上げた。
「これで決めさせてもらうぜ!」
『HEAT UP!』『HEAT UP!』『HEAT UP!』
『SUPER!!HEAT UP!』
「うおりゃあっ!!」
「うっぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!?」
片手で上に投げたディメイアへ向けて、拳から炎を噴出させ、一瞬で焼き尽くした。
「これは……」
「凄いです……」
その力の強大さにアビスマータは危機感を持ち、創は感嘆した。
「さぁて、次はアビスマータ。お前……っ!?」
『WORKING!!WORKING!!WORKING!!……』
キュビズムが一歩踏み出した途端、突如としてインフェルノリアクターからそんな音声が流れ、キュビズムが少しふらつき始めた。それから少しして、
『OVER HEAT……』
『HAZARD……!!』
そんな音声が流れると共に、カクンと首が落ち、ゆっくりと顔を上げる。
しかし、何処かキュビズムの様子はおかしかった。
「四方田、さん……?」
思わず本名で呼びかけてしまう創。しかし、キュビズムはそれに反応すること無く、目の前にいるアビスマータへとゆっくりと近づく。
「一体何……?」
その不気味さに、アビスマータも思わず後ずさる。すると、突然キュビズムは走り出し、アビスマータへと殴りかかる。
咄嗟に剣を盾にし、後ろに跳ぶ事で攻撃を防ぐアビスマータ。しかし……
「これは何の冗談よ……」
キュビズムに触れた剣は刀身が溶け、不格好な飴細工のように歪んでいたのだ。
「……」
何も言わずに、再びゆったりとした足取りでアビスマータへの距離を詰めるキュビズム。
「さしずめ、熱暴走と言ったところかしら?その力、使いすぎるとヤバいみたいね。……そろそろ引かせて貰うわ」
そう言うと、アビスマータは懐から黒い宝石を取り出し、地面に向けて叩きつけて割った。
割れた宝石の罅から黒い煙が立ち上り、新しいディメイアが誕生した。
「代わりにその子と遊んでおきなさい」
そう言って、立ち去るアビスマータ。キュビズムはそんなアビスマータには既に目もくれず、目の前に現れたディメイアの腕をを掴み、一方的に殴り続けた。そして、腹に蹴りを入れ、距離を少し取ると、ヒーティングイグナイターをゆったりとした動きで押し始めた。
『HEAT UP……』
『HEAT UP……』
『HEAT UP……』
『SUPER……HEAT UP……』
「………………」
そして、リアクトブースターから噴き出る炎の勢いをそのまま乗せ、回し蹴りを首に決めてディメイアを地面へ押し付けるように倒し、そのまま踏みつけた。
踏みつけられたディメイアは爆散したが、キュビズムはその爆発をものともせず、ゆったりとした動きで今度は創の方を向いた。
「……っ!!」
先程までの戦いで無茶をした創は現在、満足に動くことが出来ず、逃げることもままならない。
「少し痛そうだな」と諦念の表情でゆっくりと近付いてくるキュビズムを見ていると、
『DEAD HEAT UP……』
『MELT DOWN……』
という音声とともに、唐突にキュビズムの変身が解け、一が倒れ伏した。
「これは……」
ヨタヨタと近寄り一の身体を確認すると、物凄い疲労が見られた。
「……あの力はかなりの負担がかかるみたいですね」
そして、創はキュビズム達に頼み、その場から一と共に逃走したのだった。