魔法少女世界の特撮ヒーロー   作:瓶詰め蜂蜜

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EPISODE6 スウィートガールは夢を見るⅠ

「そうそう、四方田満だったね。……其れで?君は仮面ライダーの事をどれ位知っている?」

 

 急にメロ・アウルムス博士に問われ、

 

「えっと……たしか、突如としてここ、音夢市に現れた謎の人物で、魔法少女ノブレスセイレーン……貴田先輩がピンチの時に突然現れて、仮面ライダーキュビズムと名乗り人型の魔物を倒した。……ってことぐらいですね」

 

 私は覚えて居る範囲で仮面ライダーについて知っている事を全て答えると博士はにやりと口角を上げる。

 

「イグザクトリーッ!全くもってその通り。……だが先日新たな仮面ライダーが現れた」

「えっ!?」

 

 博士の言葉に思わず驚愕する。まさか、キュビズム以外にも仮面ライダーが居たとは……。

 

「突如現れた仮面ライダーの名前はヴァレン。その後確保した、変身者は白城創と言う少女だった」

 

 博士は近くにあるパソコンを操作すると、近くの大きなモニターが点き、何処かの監視カメラの映像が映った。そこには、人型の魔物に相対する、白城創と思われる白髪のツインテールの少女が写っていた。

 

_____________________________

 

 

 画面の中の少女はカメラとUSBメモリを取り出してメモリの方に何かする。すると、

 

バット

 

 という機械音声が流れ、カメラにUSBメモリを挿入する。そうしたら、カメラは蝙蝠に変形して直ぐに少女の手から飛び上がり、魔物に対してフラッシュを用いて撹乱し始めた。

 少女は其れを横目に、新たなにかを取り出した。

 

『来なさい!』

 

 鋭い少女の呼び声に呼応し、

 

『『『『『『『『『『! 』』』』』』』』』』

 

 周りから何か小さく白い物体がぞろぞろと現れた。

 

『え!?え!?何!?何なの!?』

 

 此の時、現場に居た魔法少女は突然の事に戸惑っているが、少女はそれを無視して手を開く。

 

『!』

 

 小さく白い物体の一体が少女の掌に乗ると、少女は先程取り出した物に小さく白い物体をセットした。

 

『チョコ』

 

『SETチョコ SETチョコ』

 

 待機音声のような物が鳴り始める中、少女は手に持った機械のレバーを動かすと、

 

『!』

 画面の何処からが雄叫びが聞こえた。

 

『Wow! Wow Wow!』

 

 先程聞こえた雄叫びに呼応するかのように、少女が持って居る物から出る待機音声が一層騒がしくなる。

 

「これって……」

「おや、気づいたかい?あれはどうやら銃らしい

 

 レバーを動かした事で少女が持っていた物が銃と分かった。博士はそんな私の様子にニヤリと笑う。

 しかし、その間も画像は進む。画面の中の彼女は独特な形をした銃の銃口を地面に向け、

 

『変身!!』

 

 カメラが変形した蝙蝠に翻弄されている魔物を睨みつけ、そう叫びながら銃の引き金を引く。銃口から大量の液体状のチョコが出て来て少女の身体に纏わり付き、固まって全身を覆うスーツになる。

 すると、更に巨大な板チョコが二枚現れ、パッケージが外れて中身が現れる。

 

パキ

 

 銀紙に包まれている二枚の板チョコが割れると、其れが彼女の身体にアーマーの様に装着される。

 

「!」

 

 彼女が体を動かし、体の表面を覆う銀紙を外すと 

 

『チョコドンパキパキ

 

 チョコレートを連想させる、鎧を纏った姿になって立って居た。

 

『……え?』

 

 魔法少女少女は困惑し、呆然とその姿を後ろから見つめている。

 

『仮面ライダーヴァレン 変身完了!』

 

_____________________________

 

と映像は此処で途切れた。

 

「この後、ヴァレンと名乗った仮面ライダーはキュビズムと同じ様に人型魔物を倒している。」

 

「……其れってキュビズムの仲間なんですか?」

 

「其れは分からない。……だけど彼女はキュビズムと違い大人しく同行してくれた。その時に彼女が持って居た物を全て回収し、取り調べてしている間に私抜きで彼女の物を解析しようとしたようだが……、先ほど出て来た小さく白い物体達に仮面ライダーヴァレンの銃とオレンジ色と黒色の剣と本を奪われてしまったみたいでね。ただ、先程の映像にも出て来たカメラとUSBメモリは死守して奪われずに済んだ」

 

「そうなんですね……。それで、そのカメラとUSBメモリは何なんですか?」

 

「それはね……」

 

 愉快そうに笑うと、博士は再度パソコンを操作して

 

「先ずUSBメモリの方を説明すると、USBメモリには高性能なAIが入って居た。悔しいが現代の技術で作れるAIよりも性能が数倍上だ」

 

「へぇ~」

 

私はどれくらい上なのか敢えて効かないようにする

 

「それじゃあ、カメラの方は如何なんですか」

 

「カメラの方もカメラシェア不動一位である日本で作られるカメラが玩具と思える位の高性能だったよ。物は試しにカメラを作っている会社にこのカメラを見せたら100億円以上で譲ってほしいと頼まれたぐらいさ」

 

「ひゃ……100……億」

 

 予想以上の値段に私は唖然としてしまう。つい、指折り数えてどれぐらいか計算したのは御愛嬌だ。

 

「このカメラのレンズは明らかに市販のデジカメのレンズを改修改造をして居るのに関わらず、広角側15ミリ、望遠側1500mmの焦点距離を持っている。それでいて超コンパクトでオーバーテクノロジーで出来ている事がわかる超!高性能な光学モジュールレンズ。カメラのセンサーに至っては5億画素という驚愕の解像度を誇って居るね。その為、豆粒サイズの人間の表情さえも極めて明確に解像できるとんでもない代物だ」

「そ、それは凄いですね……」

「まだまだあるよ?カメラフラッシュの方は完全電子制御の測光器で、対象との距離を1/10000シャッタースピードで計測してこのカメラの暗視装置と併用する事で、真っ暗な闇の中でも正確にその距離を測定・正確な画像撮影が可能。内蔵されている通信ユニットによって、撮影した画像は誤差がほぼないようなリアルタイムで携帯電話に転送する事が出来ると来た。正直これと同等の物を作れと言われても、後数年ほどは部品を作る為の機械の性能を上げることに費やさないと無理だろうね」

 

 長々と解説した上で、博士はそう言った。……つまりは、材料さえあれば作れるのね。流石魔法工学の天才。

 

「……まあ、ここまでは()()()の機能だね。まだ、蝙蝠のモードになった時の機能があるよ」

「え、まだあるんですか?」

 

 思わず聞き返すと。心底楽しそうに博士は頷く。

 

「そうなんだよ!!蝙蝠の形に変形した時、展開された翼は鋭い刃を内蔵していて、その刃を高速振動させる事で直径5cm程度の鉄パイプならば一瞬で切断できる切断力を誇る凶器になり、表面にある模様は、蝙蝠の様に音の発生を大幅に抑える効果がある。脚の爪は鋭くなっていて、天井にぶら下る事が出来るのはまさに蝙蝠のよう!!その上片手だけで持てる位に小型にもかかわらず、頭部には音波を周囲に放出して反響音を利用して周囲を解析する機能に追跡用のビーコンを打ち込んで対象を追跡できる機能といった撮影以外方法で情報を集める機能が集約されている。その為、このカメラは戦闘のサポートでも使える万能ぶりって事が分かった」

「そ、そんなにですか」

 

 この蝙蝠カメラの万能っぷりに私は驚くしかない。

 

 

「そうだね。此れ作った人は紛れもない天才……いや、天災だよ」

 

 博士は楽しそうに言う。

 貴女も大概なのでは……という言葉を飲み込んだ私は偉いと思う。うん。

 

「あ!」

 

 すると、突然博士は何か思い出したようで

 

「そう言えば、仮面ライダーヴァレンの変身キーも手に入れているから」

「え!?あの小さくて白い、動く物体ですか?」

「そう、それ」

 

 博士はパソコンから離れ、キャスター付きの椅子に座ったまま近くの戸棚から銀色の小さなケースを持って来た。

 ケースのを開けると、白い冷気が溢れ、中には小さく白い物体が三つ、入っていた。

 私はそのうちの一つを取り出してまじまじと見る。

 

「此れがヴァレンの変身キー……ですか?」

 

「多分そうだと思うよ。色々な器具で調べた結果、チョコレートと同じ成分が検出された。その割合は驚異の98%!」

「だからなんかチョコレートっぽい見た目なんですね」

 

 「へぇ~」と頷きつつ、ふと思って少しかじってみる。

 

「……硬い」

「いや、そりゃそうだよ。98%はチョコレートと同じと言っても、チョコレートではないんだから」

 

 博士の呆れた視線を受けて、私は思わず縮こまってしまう。

 

「……まあ、そのチョコレートモドキとカメラとUSBメモリから取れたデータを下に作ったのが、これって訳」

 

 机の横においていたジェラルミンケースを取り出し、博士は蓋を開けた。

 そこには、ベルトと変な形をした物。そして二つのサイコロみたいなものがあった。

 

「……これは?」

「名付けるならメアババスターかな?一応そんな形だけど銃だよ」

「いえ、それもですが……何でサイコロ?」

「キュビズムが使っているやつを真似てみた。私の趣味さ」

「あ、そうですか……」

 

 思わず生暖かい視線になる。博士、厨二病なんだな。

 

「なんか、失礼なこと考えてないかい?……まあいい。取り敢えず、試運転と行こうじゃないか」

「あっ、はい」

 

 パタリと閉じたジェラルミンケースを片手に博士は鍛錬場へと向かっていく。

 私はその後を追うのだった。

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