魔法少女世界の特撮ヒーロー   作:瓶詰め蜂蜜

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EPISODE7 バッドガールは夢を見ない (後編)

 「仮面ライダー……アフール……!!」

 

 目の前に立つ黒い仮面ライダーを前に俺と満は困惑していた。

 と、その時だった。ピュパディメイアの背中にヒビが入り、光が漏れ始めたのは。

 

「な、なんだ!?」

「あら、羽化が始まったのね」

「羽化だと……」

 

:ピュパディメイアだから、やっぱり幼体だったのか!!

:おいおい……。めんどくさいことになったじゃねぇーか

:大丈夫か、これ……。

 

 俺もスレ民もピュパディメイアに警戒していると、遂に、ピュパディメイアの甲殻が剥がれ落ち、中からほっそりとした体に、大きな四枚二対の羽を持つ虫型のディメイアが生まれ落ちた。

 

 

:あれは……トンボか?

:いや……。あれはウスバカゲロウだな。

:何?薄馬鹿下郎?

:違うわ!!薄翅蜉蝣……アリジゴクの成体だよ!!

:成る程……

:ならあれは、アントライオンフライ・ディメイアか。

:シシーラ・ディメイアじゃダメなのか?

:シシーラはなんかヤダ!!

:ライダー怪人でシシーラはヒロインなんだ!!

:何で喧嘩してるんだお前らは……

 

 スレ民達により、目の前のディメイアのモデルが判明する。……謎の論争が起こってはいるが。

 それをよそに、フルフルと身体を揺らすシシーラディメイアは、次の瞬間、

 

「……ッ!!」

「なっ!?」

「くはっ……!?」

 

 俺と満を吹き飛ばしていた。

 

 

_____________________________

 

 

「一体何が……」

:おいおいおいおい……

:虫型のライダー怪人で高速移動とか、ワーム*1じゃねぇか!!

:マジモンのシシーラワーム*2かよ!!

「……っ!?高速移動か!」

「あら、バレちゃったの?」

 

 スレ民達のお陰でシシーラディメイアの能力の正体が判明する。が、流石にクロックアップは俺には出来な……いや、待てよ?

 

「そうだ、これなら……」

 

『アクセルモービル!!』

『SET!!』

 

 取り出したアクセルモービルキュービットをキュビズムリーダーにセットする。

 光沢を放つ赤いスポーツカー型の装甲、アクセルモービルプロテクトがギュインギュインとタイヤを回転させ、シシーラディメイアとアフールを跳ね飛ばす。

 

「えっ……えっ!?車ぁっ!?」

 

 驚いている満の声が聞こえる中、右手をゆっくり持ち上げ、左下へと斜めに振り下ろし、その反動を利用して顔の右側で掌を前に見せてポーズを取る。

 

「変身!!」

 

 叫び、下ろした右手でコンダクションキューブを一回捻った。

 

『CUBE UP!!』

 

 身に纏っていたライジングヒーロープロテクトが消失し、キュビズミックフィールドに衝突して分解したアクセルモービルプロテクトが俊敏に飛び、全身の各部を覆う。

 最後に左肩にキューブシンボラーが装着されて変身が完了した。

 

『仮面ライダーキュビズム!!アクセルモービル!!』

「ひとっ走り……行くぜ!」

 

 両足の踵部に装着されたホイールを高速回転させ、一気に加速してシシーラディメイアへと突撃する。が、

 

「……!」

「ちっ、やっぱりまだ速度が足りないか」

 

 簡単に躱されてしまった。

 

:おいおいおいおい……

:どうするんだよ!?

歌って踊れる大図書館:問題ないわね

武神:ええ、問題有りませんね

:どういう事だ?

歌って踊れる大図書館:クロックアップじみたことを相手がするなら……

武神:こっちも同じようにすればいい……それだけですね

 

「流石師匠たち……分かってるぅっ!」

 

 ざわつくスレ民達にヒントを出した大図書館ネキと師匠に合わせ、答え合わせをする。

 

『エフワンタキオン!!』

『SET!!』

『CUBE UP!!』

『エフワン!!タキオン!!』

 

 キュビズムドライバーV2にエフワンタキオンキュービットをセットし、コンダクションキューブを回すと、メタリックブルーに輝くキューブシンボラーが左肩に装着され、左腰に大きなスイッチが付いた装置が生成された。

 

:まんまクロックアップじゃねーか!!

:いや、形は角なしハイパーゼクターだぞ!!

:スイッチの形もタイヤだぞ!!

:けど、クロックアップシステムじゃん!!

 

 エフワンタキオンを見て騒ぐスレ民達を無視し、エフワンタキオンのスイッチを押す。

 

『QUICK ON』

 

 瞬間、周囲の景色がスローになり、目にも止まらぬ速さで動いていたシシーラディメイアの動きが見えた。

 

「ふっ!はっ!!」

「……っ!?っ!?」

 

 シシーラディメイアのパンチを片手で受け止め、殴り返す。やはり、シシーラディメイアはスピードに特化していてパワー自体はそこまでのようだった。

 

「うおりゃあっ!!」

「っ!?!?!?」

 

 回し蹴りに合わせ、右足のホイールを回転させる。そして、シシーラディメイアの甲殻をタイヤが削りながらシシーラディメイアを吹き飛ばす。

 

「まだまだ行くぜ?」

 

 シシーラディメイアを蹴り飛ばした後、すぐさま両足を地面に着け、ホイールを回転させて加速しシシーラディメイアが空中を飛んでいる間に追いつく。

 

「おりゃおりゃおりゃおりゃっ!!」

「っ!?っ!?っ!?」

 

 シシーラディメイアが落ちてくる前に上へと殴り飛ばして、ハメ技のように連続攻撃を食らわせ、最後に遠くへ吹き飛ばした。

 

『QUICK OFF』

 

 そんな音声と共に、世界の流れがもとに戻る。

 

「なっ!?……まさかこのディメイアのスピードに追いついたって言うの……っ!?」

「いや……追い越すさ」

 

 驚愕するアフールに言い返し、コンダクションキューブを二回回す。

 

『ヒッサツ!!ステンバーイ!!』

 

 その音声と共に、エネルギーが左足へと集まり始める。

 

「……っ!!」

 

 立ち上がったシシーラディメイアが俺の背後から走って襲い掛かってくるのを横目で見ながらギリギリまで引きつける。

 

:おいおい……これは……!!

:まさか……やっちゃうのか!?

 

 そして、キュビズムドライバーV2のバックルの左にあるボタンを押した。

 

『エフワンタキオン!!フィニッシュ!!』

 

 シシーラディメイアへと回し蹴りで踵を叩きつけ、更にホイールを回転させる。

 そして踵で引っ掛けるようにして投げ飛ばすと、地面に叩きつけられた瞬間、シシーラディメイアは爆発四散した。

 

「ふぅ……」

 

 と、爆発したシシーラディメイアを見て一息つくと、アフールが黒い剣を振りかぶって襲いかかってきた。

 

「うおっ!?」

 

 慌てて躱すが、アフールは俺へ剣の切っ先を向け声を荒げる。

 

「やはりキュビズム。貴方は邪魔になる!今ここで始末するわ!!」

 

 そう言って駆け出した瞬間、アフールの装甲から火花が散った。

 

「私のことも忘れないでくださいよ?」

 

 満が銃撃をしたのだ。

 

「メアバ……っ!!」

「あら、私の事、ご存知だったんですね」

 

 忌々しげに睨むアフールに飄々とした態度で答える満。……我が妹ながら大物すぎる……。

 

「それに、私もキュビズムを捕獲しろって言われてるんで、殺されたら困るんです」

「俺は野生動物か何かなの……」

 

 満の言葉に思わず口を挟む。が満には無視された。

 

:これは……

:近年の仮面ライダーでよくある、三すくみ状態だ!!

:盛り上がってきましたねぇー!!

*1
仮面ライダーカブトに登場する怪人。及び敵対組織。タキオン粒子という物質を体内に持ち、クロックアップという超高速で活動ができる能力を持つ

*2
仮面ライダーカブトに登場する怪人。




 カブト色が強いな、今回……。
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