「……そう」
俺に切っ先を向けたまま、満を見ていたアフールはまた新しいギジキュービットを取り出した。
『デッドバット……』
『SET……』
「なら、纏めて始末してあげる」
『Got Boost Link……』
『デッドバット……』
『A Fool……』
アフールの背中から大きな禍々しいコウモリのような翼が生え、ふわりと飛び立つ。
「ちょっ……空飛ぶん!?」
思わず驚きの声を上げてしまう。と、アフールは手に持った剣をまるでライフルの様に刀身に手を当てて構える。
「なーんか……嫌な予感がするんだけど……?」
冷や汗がたらりと頬を伝う。次の瞬間、剣先から闇のようにドス黒い魔力が銃弾のように放たれた。
ドババババババババッ!!
「ちょっ……!?」
「なっ!?」
咄嗟に前転をして銃撃の雨を躱す。満も回避出来たようだった。
「あっちが空を飛ぶなら、こっちもだ」
物陰に隠れ、また別のキュービットを取り出す。
「……白城さん。貴女の力、借ります」
『エターナルフェニックス!!』
:なんとー!!
:あのエターナルフェニックスを遂に使うのか!!
NTRからのザマァ好きな狐:これは目が離せないね!!
『SET!!』
エターナルフェニックスキュービットをキュビズムリーダーにセットすると、激しく燃え盛る不死鳥が出現して銃弾の雨から庇ってくれた。
「変身!!」
『CUBE UP!!』
コンダクションキューブを回転させると、不死鳥の炎が身体の各部を覆い、装甲へと変化する。
『仮面ライダーキュビズム!!エターナルフェニックス!!』
返信を完了し、腕を振るって体を覆っていた炎を振り払う。そして、背中から不死鳥の尾羽根の形をしたマント、エターナルフェザーが出現した。
「よし!行くぞ!!」
地面を強く踏みしめて跳躍すると、エターナルフェザーが変化して、大きな炎の翼へと変わる。
『キューブレード!!』
「はあっ!!」
「くっ……!!」
キューブレードを召喚し、アフールへと斬り掛かる。アフールはなんとか防御するも、バランスを崩して墜落した。
「はっ!!」
バキュンバキュンバキュンッ!!
「くうっ……!!」
その隙を逃さず、満がアフールへと銃撃する。防ぐことが出来なかったアフールは装甲から煙を立ち上らせながら膝を着く。
「これで決めます」
『CHARGE』
満が手に持つ銃の上部についたスイッチを押すと、待機音が流れ始めた。
「舐めるなぁ……っ!!」
『DEADLY……』
アフールが怒りに満ちた声を上げ、バックルの上部をを力強く押すと、おどろおどろしい待機音が流れる。
満の持つ銃の銃口の前に、チョコレートで巨大な弾丸が生成され始め、アフールの背中に生えた翼に赤黒いオーラが立ち上る。
「「はぁああああああっ!!!!」」
『スウィートチョコ』
『デッドバット……』
『フィナーレ……!!』『フィナーレ……!!』
殆ど同時に満はトリガーを引き、アフールはバックル横のレバーを押し込む。
放たれたチョコの弾丸……いや、砲弾と言うべきものを、アフールの背中に生えた翼が伸び、赤黒いオーラを纏って迎え撃った。
どがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ!!!!
「うおおおおおっ!?」
その激しいぶつかり合いによって生じた衝撃によって、空中にいた俺は吹き飛んで、ビルの壁に背中を強かに打ち付けて、墜落した。
「痛たた……。って、どうなった!?」
慌てて顔を上げると、互いに遠くへ吹き飛ばされ、変身の解けた満とアビスマータの姿を見つけた。
「くっ……。今回はこれぐらいで引いてあげるわ。……次合う時こそ、息の根を止めてあげるから」
「……っ!!待ちなさい!!」
黒い魔力を纏って、アビスマータはその場から消えた。どうやら逃走したようだった。
「……俺も逃げるか」
アビスマータが居た場所を鋭く睨んだままの満を見て、俺はポツリと呟くと、コッソリとその場を後にした。
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Side:満
「……はっ!そうだ、キュビズ……ム」
キュビズムの事を思い出し、慌てて辺りを見渡すが、既にキュビズムの姿は無く、逃げられたことを悟った。
「〜〜〜っ!!んもうっ!!」
私は悔しくなって地団駄を踏んだのだった。