Side:満
「成る程ねー」
「いや、結構な大事なんですけど」
研究室で棒付きキャンディを食わながら、パソコンに向かいカタカタとキーボードに何かを入力しながら、気のない返事をする博士に思わずツッコむ。すると博士はコチラを向いて、
「けど、私も分らないんだよ。どこにもデータが漏れた形跡は無し。そのアフールと名乗った、魔物側に付いた謎の魔法少女の情報も無い。そもそも、私だってあのチョコレートもどき*1を利用してしか作れないんだよ?そのキュービット、とかいう奴は」
「それは……」
「私以外の誰かが作ったんじゃない?」
そう言って、椅子を回してパソコンの操作へと戻った博士。
「……失礼しました」
私はそう言って研究室を後にした。
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Side:一
「本当にごめん!!」
アフールやシシーラディメイアと戦った後、俺は改めて貴田さんの家へと来ていた。
「……心配したんですよ?」
「はい、本当にごめんなさい!!」
ガバリと土下座をする俺を見下ろし、「まったく……」と溜息を吐いた貴田さん。
「……それにしても、どうやって消えたんですか?」
「消えたって?」
「……いえ、たぶん私の気のせいですね」
なんか気になることを言うんですけど。「気にしないで下さい」なんて言われても、気になりまくるんですけど。
「海歌。そろそろお話し合いは終わったかい?」
「あ、おばあちゃん」
ガラリと貴田さんの背後の襖が開き、そこから小柄なおばあさんが出てきた。貴田さんのお祖母さんだ。
「ごめんねぇ、一君。海歌、一君のことが心配だったみたいでねぇ」
「ちょっ!?おばあちゃん!?」
「一君も男の子だからかもだけどねぇ。女の子に心配はあまりかけたらだめだよぉ。海歌、一君のことす……「もう、黙って!?」……あらあら、恥ずかしがり屋なのねぇ」
「あはは……」
お祖母さんの言葉を遮る貴田さんを見て、カラカラと笑うお祖母さん。俺は笑うことしかできなかった。
「あ、そうそう。この前羊羹を貰ったからねぇ。食べていきなさいな」
「あ、ありがとうございます」
ペコリとお辞儀して感謝を告げると、「良いの良いの」と笑いながら部屋を離れる。
「もう、おばあちゃんったら……」
「でも、良いお祖母さんだよね」
頬を赤らめる貴田さんへそう言うと、「……まあ、そうね」と、頬を赤らめたままはにかんだ。……やっぱり可愛いなぁ貴田さん。多分、スレを実況モードにしてたら『もげろ』の大合唱になってたんだろうなぁ。
そんな益体のないことを考えつつ、お祖母さんの事を貴田さんと二人、待つのだった。