「はか、せ……?」
呆然とした様子の満の呟きが聞こえた。新しく姿を現した、白衣を着た金髪幼女はそれに反応したのか、ニンマリと笑う。
「そうだよ〜。私が天才魔法工学者、メロ・アウルムスさ。けど、その正体は……」
そして、メロと名乗った金髪幼女はサマルの横に並ぶと、サマルが持っていたアフールドライバーを受け取った。
「私こそが、本当の裏切り者さ」
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君達魔法局も魔法少女達もみんな馬鹿だねぇ。人類に裏切り者が居ないと思って行動している上に、アビスマータという傀儡の存在を知った後も、内部に一切の疑いを向けないとか。いやはや、本当に滑稽だったね。笑い死ぬかと思ったよ。え?なぜ裏切ったのかって?
……私は天才だろう?それこそ、世界の宝とも言うべきほどに。それが、このまま人間のままだといつかは失われてしまうんだよ?それは世界にとって損失だろう!!だから嘆いたね、そして探求したのさ!私の頭脳を永遠のものにするための方法をね!!そして、出会ったのさ。理性がないと言われていた魔物から進化した、人型の魔物ディメイアに!!そして、更にディメイアから進化した知能を持つ存在に!!彼らは魔物などという動物ではなく、魔なる人類……魔人と言うべき存在だ!!
永遠に等しい寿命に不死とも言える治癒能力。私はなりたいのさ魔人へとね。だから、裏切った。下等な人類をね。
最初は魔力を持った人類……いわゆる魔法少女を使って人間は魔人へとなり得るか実験をしてみたのさ。そう、アビスマータはその為の人形さ。実験動物と言い換えてもいい。元はなかなかに優秀な魔法少女だったんだよ?
だけど最近。さらに興味深い存在が現れた。……そう!君だよ仮面ライダー!!君の存在を知り、私の脳が震えたね。しかも、神はやはり私を祝福していたよ!更なる仮面ライダーヴァレン。彼女の持っていた未知の道具を手に入れられたのだからね!そこで私は二種類のアプローチで実験を行ったのさ!汚染された魔力を持つアビスマータを利用した物と、純粋な魔力のままの魔法少女を利用したメアバのね!言うなれば、アフールは負の魔力。メアバは正の魔力による仮面ライダーさ。そして研究するにつれて、正と負、両方の魔力を宿す事で人類は魔人へと進化する事が可能だと判明したのさ!だから、私は魔力を奪う機能をそれぞれに追加した。アビスマータも、君の後ろにいる彼女も。それに気付かずに仮面ライダーの力を多用してくれた。お陰で今日!私の研究はさらなる段階へ進めるよ!
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「だから、君達には感謝しているよ」
『スゥイートチョコ』
懐から取り出したスゥイートチョコギジキュービットを起動させ、アフールドライバーを腰に装着するメロ。
メロが持つスゥイートチョコギジキュービットと手元にあるスゥイートチョコギジキュービットを見比べ、驚愕して満が叫ぶ。
「なんで、それを……!?」
「まだ気付かないのかい?君の持ってるそれはもう用済みだからね。変身のための機能を削除したのさ。四方田満、君には本当に感謝してるよ。君から貰った正の魔力は、私が有効活用してあげるさ」
「そんな……」
ショックからか崩れ落ちる満。興味を失ったのか、満には目もくれずに、アフールドライバーへスゥイートチョコギジキュービットを装填する。
『Got Boost Link……』
『スゥイートチョコ……』
『A Pursuer……』
「字はそうだなぁ……。パーシュア。そう、仮面ライダーパーシュアとでもしようか!」
禍々しい鎧を纏った仮面ライダー、パーシュアはそう言って愉快そうにケタケタと笑い声を上げて生まれ落ちたのだった。
これで本当のディメイア幹部最後の一人、メロ・アウルムスがその姿を現した!!
ディメイア三幹部は仮面ライダーシリーズの怪人においては特別視されてる蜘蛛、蝙蝠、コブラ(蛇)が元ネタで、それぞれ蜘蛛、蝙蝠、蛇の姿をした怪物がモチーフになっています!シバルバさんのモチーフはこれでもうバレちゃうかな……?
メロ・アウルムスの名前の由来は、メロは妖怪の女郎蜘蛛の女郎の部分の別の読み方、女郎から。アウルムスは節足動物の方の女郎蜘蛛と混合されがちな黄金蜘蛛の黄金を意味するラテン語Aurumから。
因みに、変身アイテムがスゥイートチョコなのは、蜘蛛は食べるとチョコレートの味がするという話から来ています!
メロ・アウルムスの名前の由来に読んでて気付いた人は居ないでしょ、多分!!