パーシュアとサマルが去った後、俺は貴田さんの家に居た。
「貴方、私を都合の良い女扱いしてるでしょ?」
「いや、俺の家には満が居るし。……頼れるのは貴田さんだけだから」
「まったく……。まあ、私としても聞きたいことはあるからね」
「……それって、さっき言っていたことと関係ある?」
以前俺がお世話になった和室に今はアビスマータが寝ている。その横で、俺達は会話しているのだ。
最初、アビスマータを抱えて貴田さんと合流した時、彼女はアビスマータを見て、「先輩……!?」と驚愕していたのだ。その事について質問すると、
「ええ。私の勘違いじゃなかったら、アビスマータと名乗っていた魔法少女は……昔、私の命を救ってくれた恩人で、私が魔法少女を志したきっかけにもなった人。魔法少女ホーリーメイデンの変身者、梓川華恋先輩だと思う」
「魔法少女、ホーリーメイデン……」
思わず聞き返す。すると、貴田さんはコクリと頷き更に話す。
「一年前、私が魔法少女になりたての頃。華恋先輩が行方不明になったの」
「行方不明って……」
「先輩の住居が破壊され、先輩の家族全員の死体が見つかったの。けど、先輩の姿が見つからなかったから、行方不明扱い」
思わず眠っているアビスマータ……いや、梓川さんの顔を見てしまう。彼女に一体何が起こったというのだろうか。
「……取り敢えず、今日の所は貴方は帰りなさい、四方田君。先輩に関しては私の方からおばあちゃんにも話しておいて、見といてあげるから」
「……ありがとう。けど、念の為見張り役でキュービットを置いていってもいいかな?」
「まあ、心配なのは分かるし、いいけど。……けど、覗きは止めなさいよ?」
「やらないよ!?」
貴田さんに揶揄われつつも、和室の中に三体ほどキュービットを待機させ、俺は貴田さんの家を後にした。
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帰宅すると、満の部屋の前で母さんがウロウロしていた。
「どうしたの母さん」
「ああ、一!!満がね、帰ってきたと思ったら部屋に篭っちゃったのよ!!一体何があったのかしら!!」
心配している母さんを見て、今日あった出来事を思い返す。まあ、満にとってはとてもショックな出来事だっただろう。
「あー……さあ?」
が、俺は本来知らない身だ。そう言って惚ける事しか出来なかった。
(……いつか、満とも話をしないとな)
俺はそう考えつつ、自室へ戻った。まずは、高田さんが預かってくれていた今日の分の宿題を終わらせないと。