市立音夢中学校二年二組の教室。午前中最後の授業が終わり、親しい友達同士で食事しに生徒達は賑やかに教室を出て行く。
そんな中、一人の少女が頬杖をつき、窓際にある自分の席でボンヤリと空を見上げながら物思いにふけっていた。
(あの男は一体何者だったの……?)
魔法少女ノブレスセイレーンとして活動していた際、自身の目の前で人型の魔物をいとも容易く屠った謎の人物について考察していると、視界に影がかかった。
「海歌ちゃん。ぼーっとしてるけど、お昼食べないの?」
「桃……」
ニコニコと笑顔を浮かべる少女、桃。海歌の幼馴染みでもある。
「……もしかして、また考えてたの?あの仮面ライダーとか言う人の事」
「うん……」
静かに頷く海歌に桃は「仕方ないなぁ……」と小さく言うと、腕を掴み、無理やり立たせた。
「ちょっ……」
「考え事は別にいいけど、食べる時間がなくなっちゃうよ!」
「分かった、分かったから引っ張らないで……!」
海歌を強制的に引き連れて食堂へと向かう桃へ、海歌は抗議をする。が、結局それはすべて黙殺されてしまうのだった。
「百合って良いよな……」
どうも。いつもスレではイッチと呼ばれている。仮面ライダーキュビズムこと、四方田一です。
先程、すれ違ったクラスメイトの美少女二人、貴田海歌さんと新庄桃さんが手を繋いで廊下を走っていく姿を見て、思わず呟いてしまいました。
:確かに……
:百合は良いぞ。見ていて救われる。
:所詮、百合はNTRハーレムのスパイスじゃけぇ
「何だテメェ……ッ!」
:イッチキレた!
:怖え……
いや、そりゃキレるでしょ。百合の間に挟まる男は死ぬべし!日本文徳天皇実録*1にも書いてある*2事だ。
スレに現れた百合への反逆者への制裁を、他のスレ民達に任せつつ廊下を歩いていると、ポケットに入れていたライジングヒーローキュビズムが突然鳴き出した。
「どうした……って、魔物かよ!?」
慌てて物陰に移動して尋ねると、魔物が学校の近くに現れたと言い出したのだ。
:ヤバいじゃん!?
:不味いじゃん!?
:アゼルバイジャン!!
:おっとぉ?
:これは……
:【審議中】 ( ´・ω) (´・ω・) (・ω・`) (ω・` )
「ちょっとそれは面白くない」
スレで唐突に巫山戯た人にそう言うと、他のスレ民達もこぞって「無いわー」と言い出す。……流石にちょっと可愛そうかも?
「……って、此処らへんに人は?」
「キュビッ!!」
「居ないのね。なら……!」
『ライジングヒーロー!!』
腰にキュビズムドライバーを具現化させ、手に持っていた『ライジングヒーローキュービット』のスイッチを押して起動音を鳴らす。
そして、ベルトに空いている凹みにキュービットをセットし、変身動作とポーズを決める。
「変身!」
気合を込めて小さく叫び、*3ドライバーにセットしたキュービットを操作する。
『CUBE UP!!』
『仮面ライダーキュビズム!!ライジングヒーロー!!』
視界が一瞬だけ蒲公英色に染まり、軽く全身に衝撃が走ると、俺の姿は蒲公英色の装甲に包まれた戦士、仮面ライダーキュビズムへと変貌していた。
「……よし、ぱっぱと済ませるか!」