魔法少女世界の特撮ヒーロー   作:瓶詰め蜂蜜

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EPISODE12 幻想の乙女達と転生者ワイらⅡ

 美鈴さんの攻撃から大図書館ネキに庇われ、俺は自分の事と、大図書館ネキとの関係を所々誤魔化しながら説明した。

 

「つまり、マキア様は世界の隔たりを超えて不特定多数と意思疎通ができ、その人間はそこで知り合った友人である。と……」

「そういうことよ」

 

 どこから出したのか分からないテーブルセットの椅子に座り、優雅に紅茶を飲む大図書館ネキ。

 

「まあ、マキア様ならあり得そうな話ですが……。その人間はどうやって幻想郷に来たのですか?」

 

 胡乱げな表情の美鈴さんに尋ねられ、俺は説明しようとパラレルコネクトキュービットを取り出そうとする。が、

 

「……あれっ!?パラレルコネクトが居ない!?」

 

 慌てて自分の服のあちこちを触りながら探すが、何処にも居ない。

 

「……もしかして行方不明かしら」

「はい……」

 

 大図書館ネキに力なく答えると、大図書館ネキは頭を押さえた。

 

「それじゃあ、貴方。元の世界に帰れないわよ」

「ですよねぇっ!!」

 

 泣きそうになりながら叫ぶ。そこで美鈴さんが冷や汗を垂らしながら聞いてきた。

 

「なんだかよく分からないですけど……何かまずいんですか?」

「正直に言うと、最悪に近いわ」

 

 大図書館ネキは顔を引き締め説明を始めた。

 

「元々、彼がこちらに来た原因となったパラレルコネクトキュービットと呼ばれる物は『世界同士を分かつ壁に干渉する力』が有るの。それで、下手にこの力がこの幻想郷で暴走してしまうと、最悪の場合、幻想郷自体が滅びるわ」

「まずいじゃないですか!?」

「そう、まずいのよ」

 

 真面目な様子で頷く大図書館ネキを見て、申し訳無さで縮こまる。

 

「とにかく、早い所見つけ出さないといけないわ。パラレルコネクトキュービットを」

 

 

_____________________________

 

 

Side:Another

 

「きゅ〜……」

 

 静謐な森の中、ピョンピョンと跳ね回っては寂しそうに鳴く存在があった。

 

「きゅび、パラ〜」

 

 そう。一と逸れたパラレルコネクトキュービットだ。パラレルコネクトキュービットも、一やマキア達転生者も知るよしはないが、現在パラレルコネクトキュービットが居るのは妖怪の山、その中腹である。

 

ガサガサ……

 

「きゅびっ!?」

 

 近くの茂みからのっそりと現れた名も無き山犬の妖。妖はパラレルコネクトキュービットから漏れ出る力に引き寄せられてきたのだ。

 

「グルル……?」

「きゅ、キュビ……?」

 

 その妖はとても飢えていた。故に……

 

「グルルァッ!!」

「キュッ……!!」

 

 パラレルコネクトキュービットを丸呑みにした。そして、

 

……!!』

 

 その姿は歪み、歪な人型の山犬が赤と白の浄衣を纏ったかの様な姿へと転じた。

 

「グルルル……。ハラ、ヘッタ……」

 

 本来話せなかったはずの言語をカタコトながらも発し、山犬だった妖はのそのそと森の中を進んで行った。

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