【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第13話 A級冒険者ハヤトのダンジョン配信②

 経団連副会長からソマリアダンジョンへの調査団派遣を依頼された翌日。八塚舞は朝から理事長室の執務机に向かい、険しい表情でメールを打っていた。

 

 メールの内容は勿論、調査団に関するものだ。ダンジョンに関する厄介事を処理する特務課の責任者に向けて、調査団の準備を指示していた。

 

 メールを送り終え、八塚は時計を見る。10時になろうとしていた。

 

 急に表情を明るくした八塚はPCのブラウザを立ち上げ、大手動画配信サイトにアクセスした。

 

 ちょうどA級冒険者ハヤトのダンジョン配信が始まる時間だったのだ。

 

 PCのスピーカーからはハヤトの明るい声が響く。

 

『みんなおはよう! A級冒険者のハヤトです! 今日は前回に引き続き【A-generation】のメンバーとダンジョンアタックを行います! 今回の舞台は──』

 

 カメラが切り替わり、女子5人組が画面に映る。その背後には墓石がいくつも見えた。

 

『谷中ダンジョンです!!』とA-generationのリーダー、遥が声を上げた。タイミングを合わせてハヤトがフレームインし、遥の隣に並ぶ。

 

『谷中ダンジョンはアンデッドが出現することで有名なんだけど、A-generationのみんなは大丈夫かな?』

『私はちょっと苦手かなぁ……』と遥。それに視聴者が反応する。

 

<第一階層はスケルトンしか出ないから平気>

<ハヤトの光魔法で一撃だしね>

<A級ってことは皆んな【ホーリーライト】使えるんじゃない?>

 

『さて、どうだろう? 答え合わせは中に入ってからかな。早速、ダンジョンアタックを開始するよ!』

 

 ハヤト達は谷中霊園の中にぽっかりとあいたダンジョンの入り口へと入っていく。転移の間を素通りしたことから、第一階層へ挑むらしかった。

 

 八塚は優しい目つきでハヤトを追いかける。

 

『さぁ、早速スケルトンが出てきたよ! A-generationのみんな、闘えるかな?』

『えぇー』と言いながら、リーダーの遥が前に出る。

 

 スケルトンはカチャカチャと音を立てながら遥に迫った。

 

『いやぁぁー。怖い! 【ホーリーライト】!」

 

 遥の手から眩い光が放たれ、スケルトンの体を包んだ。途端、糸が切れたようにスケルトンは倒れ、ただの骨の山となり、やがて煙となって魔石を残した。

 

<やっぱり【ホーリーライト】使えるじゃん>

<さすがA級だなぁ〜>

<顔もスタイルもよくてA級はずるい〜>

<しょうもな。ただの予定調和じゃん>

 

 最後のコメントを見て、八塚の顔が険しい表情になる。

 

 ハヤトはスマホでコメント欄を眺め、好意的な投稿だけピックアップして読み上げ、反応を続ける。アンチコメントは徹底的にスルーされていた。

 

 しかし今日のアンチはしつこかった。A-generationのメンバーが交代でスケルトンを葬っている間、延々とコメントを続ける。

 

<世界中のダンジョンファンはソマリアダンジョンの配信見てるのに。日本人だけだよ。こんなおままごと見て喜んでいるのwww>

 

「何よこいつ! 失礼ね!」

 

 八塚はPCに向かって声を荒げる。コメント欄の大半は八塚と同じような反応だった。

 

<アンチうざ>

<若者の才能に嫉妬するアンチwww>

<こいつ、絶対旧世代だろ>

<旧世代のヒガミきち〜>

 

 しかしアンチはやめない。

 

<アメリカはソマリアダンジョンに調査団の派遣を決定したのに、日本のA級冒険者は枯れたダンジョンで魔石拾いかwしょうもなwww>

 

 ハヤトの眉間にシワが寄った。

 

<アンチ構ってちゃん過ぎる>

<アンチしつこいな〜BANできないの?>

<ハヤト、アンチ黙らせて!>

 

 我慢の限界に達したハヤトがアンチと絡む。

 

『なんか勘違いしてる人が多いみたいだけど、ソマリアダンジョンの配信が受けているのはただグロい映像が観れるからなんだってよ。知り合いのダンジョン配信評論家が言ってた。そこに、俺達みたいな洗練されたスキルや魔法による戦いはない。旧世代の元C級冒険者による素人丸出しの戦いなんて、日本の目の肥えた視聴者は観ないんだよ』

 

 ハヤトの言葉にA-generationのメンバー達も頷く。

 

 しかしアンチは引かない。

 

<じゃあ、ソマリアダンジョン行ってみろよ! 元C級の諸越が攻略を進めているんだから、A級のお前らなら余裕だろ?>

 

『ふん。勿論、俺達ならソマリアダンジョンの攻略も問題なく進めることが出来る。何せ厳しい試験を突破したA級冒険者だからね。ただ、ソマリアに行くかどうかは冒険者協会が決めることだよ。多分、調査団の派遣はないんじゃないかな? 特にメリットを感じないし』

 

 ハヤトの言葉に八塚は複雑な表情をする。今しがた、ソマリアダンジョン調査団を組織するように指示を出したばかりだからだ。

 

<そういえば、アメリカはS級冒険者のガストン・フリードマンがソマリアにいくらしいね>

<ガストンに釣り合うのは日本だとハヤト>

<格で言えばハヤトぐらいだよね>

<ハヤトがソマリアダンジョン行ったら速攻で完全攻略しちゃいそう>

 

『はははっ! みんな気が早いよ! 協会はまだ何も発表してないからね。まぁ、ガストン・フリードマンが出張るなら、日本で対抗出来るのは俺ぐらいだろうけど』

 

 ハヤトは満更でもない表情をする。

 

『さぁ、アンチのせいで話題が逸れちゃったけど、ダンジョンアタックを続けるよ! どんどん進んでいこう!』

『はい!』

 

 その後、ハヤトとA-generationのメンバー達は攻略法通りに谷中ダンジョンを進み、第5階層のフロアボスを倒したところで配信を終了した。

 

 八塚はその様子を何処か困った顔をして眺めているのだった。

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