【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第18話 夜のニュース番組と諸越の日常

『本日のトップニュースです。日本冒険者協会はソマリア暫定国民政府に対し、三億円の無償資金協力と、ソマリアダンジョン調査団の派遣を発表しました』

 

 広いリビングにもかかわらず、八塚舞はテレビのすぐ前に座り、二十二時のニュース番組を真剣に観ていた。

 

 女子アナウンサーがアフリカ情勢に詳しいという国際ジャーナリストに話を振る。

 

『ソマリア暫定国民政府とは一体、どのような組織なのでしょう?』

 

『はい。まず、ソマリアの現状からお話しさせて頂こうと思います。2030年以降、ソマリアではずっと複数の武装勢力が争っている状態なんですね。主要各国が認める政府はありません。今回、日本冒険者協会が資金協力を行うソマリア暫定国民政府というのは各武装勢力間の調停を行っている組織だと考えてもらうとよいでしょう』

 

『なるほど』と女子アナウンサーは頷き、質問を続ける。

 

『では今回の資金協力にどのような意味があるのでしょう?』

『暫定国民政府に資金協力することで、調査団の安全を確保しようとしているのでしょう。まぁ簡単に言ってしまえば、金を払うから武装勢力を抑えてね。ってことです』

『よく分かりました。次はソマリアダンジョンについてですが……』

 

 そう言って女子アナウンサーはフリップボードを取り出す。描かれているのはソマリアの地図だ。

 

『首都モガディシュから南にいった森林地帯にあります。約二十年ぶりに発生したダンジョンということで一時期話題になったのですが……』

 

 今度はダンジョン専門家という肩書の男に話を振る。

 

『一体、なぜ調査団を派遣するのでしょうか? 国外のダンジョンに対して日本冒険者協会が主導して調査団を送るのはこれまでなかったことです』

 

『それには二つの理由があります。一つ目はソマリアダンジョンが他のダンジョンとは大きく異なるからです。すでに人語を話すモンスターや人間を巨人化させるアイテム等が発見されており、今後も様々な発見が期待できます』

 

『人語を話すモンスターですか? これは驚きですね』

 

 アナウンサーのリアクションに、八塚は苦虫を嚙み潰したような顔をする。諸越大徳の冒険者資格はく奪の件を責められている気分になったのだろう。

 

『もう一つはソマリアに冒険者協会がないことです。各国のダンジョンは各国の冒険者協会が管理することになっていますが、ソマリアにはそれがない。つまりソマリアダンジョンで取得した魔石やアイテムについて適用されるルールは一つ。世界冒険者協会が定めた【一番最初に手に触れた者の所有物とする】だけなんです』

 

『どんなアイテムがドロップしても、早いもの勝ちってことですか?』

 

『その通りです。通常は各国の冒険者協会が定めたルールに従う必要があるのに、ソマリアダンジョンは非常にシンプルなルールがあるのみ。なので、主要各国は競って調査団を派遣するのです』

 

『国の威信をかけたダンジョン攻略になりそうですね』

『実際、各国はトップクラスの冒険者をソマリアダンジョンに送り込むことを発表しています。日本もA級冒険者の派遣を決めています』

『では、本日発表された調査団のメンバーをお伝えしたいと思います。こちらです』

 

 女子アナウンサーが『ソマリアダンジョン調査団メンバー』と書かれたフリップボードを見せる。

 

『注目の冒険者はどの方でしょうか?』

『それはやはりハヤトでしょう。日本最年少でA級冒険者になった天才です。最近は後進の育成に注力していましたが、いまだに日本最強だと私は考えています』

『はい。調査団の活躍に期待ですね。続いては――』

 

 八塚はテレビの電源を切ると、そのままゴロンと絨毯に寝転んだ。

 

「勝手なことを言って……!」

 

 その声に反応する者は当然いなかった。

 

 

#

 

 

「今日は視聴者からの希望に答え、ワニを捕獲して食べてみようと思う」

 

<第七階層で予備の長剣が折れたから仕方がないのだ!>

<エロチャットでワニの捕獲は草なのだ!>

<ワニの捕獲に同時接続数負けるの悔しいのだ!>

 

 視聴者の言う通り、俺の予備の長剣は第七階層で折れてしまった。短剣やハンマー等の武器もあるにはあるが、ソマリアダンジョンでリーチの短い武器で戦うのは危険だ。

 

 本当は長剣が調達できるまでライブ配信を休もうと思ったのだが、視聴者の希望でワニの捕獲を行うことになった。前に配信で「近くにワニがいた」と話したことを覚えていたらしい。

 

 また、ガストンから「到着が予定より遅れる」と連絡があったことも大きい。時間があるのなら、ちょっと寄り道もいいだろうという意識になった。

 

「今日のターゲットはナイルワニだ。アフリカ全土に生息する大型のワニで、成長すれば全長が五メートルを超える。非常に凶暴で年間何百人もが犠牲になっている」

 

<世界仰天映像とかで出てくるワニなのだ!>

<人食いワニなのだ!>

<諸越はワニ食い人なのだ!>

 

「それでは早速、ワニを探しに行こう」

 

 ダンジョン横のキャンプ地から、川へと向かう。周囲は既に暗く、これからナイルワニが活発に動く時間帯だ。

 

 ドローンカメラが強烈なLEDライトで周囲を照らすと、羽虫が集まる。虫の苦手な視聴者が悲鳴を上げた。

 

<諸越は虫に刺されないのだ?>

<そういえば虫刺されの跡がないのだ!>

<強力な虫よけを塗っているのだ?>

 

「パンツ一枚の状態であれば【ネイキッド】で皮膚も強化されているので虫に刺されることはないんだ。逆に服を着ていると虫に刺される」

 

<滅茶苦茶なのだ!>

<そろそろ下着メーカーの案件くるのだ!>

<世界で一番見られる下着なのだ!>

 

 雑談をしながら十五分ほど歩くと、早くも川が見えてきた。夜行性の生き物の瞳がライトに反射して光る。

 

「さて。集中してワニを探すのでちょっと待ってくれ」

 

 俺は目をつむって意識を鼻に集中する。様々な匂いの粒子の中から、ナイルワニに関するものを感じ取る。

 

「よし見つけた。あっちだ」

 

<どんな理屈なのだ!>

<ワニ逃げてなのだ!>

<ワニもブリーフ男に迫られた経験はないのだ!>

 

 三百メートルほど川を上ったところにナイルワニの成体がいた。浅瀬に体を沈め、獲物がやってくるのをじっと待っている。

 

「では、ナイルワニの捕獲に移る。これからやることは危険なので、絶対に真似しないでくれ」

 

 俺は左手に装着していたスマホを外してドローンカメラにぶら下げる。そして背負っていたバックパックを下し、中からオークキングの王冠を取り出した。

 

 一度深呼吸してから、王冠を被る。

 

 身体が熱い。そして、視界が変化する。瞬く間に俺は身長二十メートルの巨人になった。

 

 ドローンカメラからずんだもんの読み上げが聞こえる。

 

<真似できるわけないのだ!>

<巨人化はずるいのだ!>

<ブリーフ破けてるのだ!>

 

 しまった! 無料配信中にモロ出しになってしまった……!! しかし、失ったブリーフは戻らない。前に進むのみ。

 

 俺は浅瀬に入り、呆気に取られて固まったナイルワニを片手で掴んだ。バタバタと暴れるが、巨人の握力で軽く絞めるとすぐに大人しくなる。

 

「なんとかナイルワニの捕獲に成功した。このあとキャンプに戻って調理していく。そっちはチケットチャットにするから、よろしくな」

 

<ブリーフ脱がなかったのは自分のミスなのに腹いせでチケチャはずるいのだ!>

<我々は悪くないのだ! 無料でやれなのだ!>

<クレームいれるのだ!>

 

 翌日、メインアカウントが凍結された。クレームが殺到したに違いない。

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