【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第31話 目覚め

 自分のダンジョンアタックを終えた後、いつものように夕食を作っていると暗闇から足音が聞こえた。音が軽い。女か?

 

「こ、今晩は……」

 

 焚火が照らしたのは日本調査団のメンバーの一人、遥だった。何か用があるらしいが、言い出しにくいのかまごまごしている。

 

「近くに立たれると落ち着かない。用があるなら座ってくれ」

「はい……」

 

 遥は焚火の前に体育座りになり、物憂げな表情を浮かべる。

 

「黙ってそんな顔を見せられたら飯が不味くなる。何があった?」

 

 重い口を開き、遥は語り始めた。

 

「さっきハヤトさんが戻ってきたら、様子がおかしくて……。私達と会話もせず、何かに取り憑かれているみたいな表情をしてテントに行ってしまって……」

「奴のことか。今日の午前中に第三階層であったぞ。あの勢いだと明日には第五階層のフロアボスに挑むかもしれない」

「……諸越さんから見て、どう感じました? ハヤトさん、変わりましたよね?」

 

 遥は上目遣いで尋ねる。

 

「身体能力が爆発的に向上していたのは間違いない。少々言葉が怪しかったが、自分の強さに酔っていたようにも思えた。今まで隠していたスキルを使ったか、もしくはスキルがレベルアップした。新たにスキルを覚えた可能性もある」

「あんな劇的に身体能力が向上するスキルってあるんですか? ハヤトさんの配信を見たけど、思い当たらなくて……」

 

 視線を焚火に落とし、遥は思い悩む。

 

「ユニークスキルであれば考えられる。俺の【ネイキッド】のようにな。隠し階層で見つかるスキルオーブを使えば、ユニークスキルを習得できる可能性はある。ただし……」

「ただし?」

「何かしらの制限や代償があるだろう。俺が裸でしか全力で戦えないように」

 

 遥は唾を飲み込む。きっと予想していたのだろう。俺の答えを。

 

 少し間があった後、遥は顔を上げて俺をじっと見つめる。

 

「もし、ハヤトさんの身に何か起こったら、力を貸してくれませんか……? 諸越さんに頼むのは筋違いなのは分かっています。でも、頼れる人は諸越さんだけなんです。私達には今のハヤトさんを抑える力がありません……」

「都合のいい話だな」

「私に出来ることであれば何でもします!」

 

 遥は拳を握って主張した。

 

「俺が今、興味を向けているのはソマリアダンジョンだけだ。君に頼むことは何もない」

「……そう、ですよね……」

 

 急に声が萎んだ。表情も暗くなる。

 

「ただ、俺のダンジョンアタックに影響のない範囲で気に掛けてはおこう。若者が不幸になる姿を見たいわけじゃない」

「有難うございます……!!」

 

 遥は声を弾ませる。

 

「まだ体調は万全じゃないだろ? 今は自分の身体のことを考えて休め」

「はい! そうします。本当に有難うございます」

 

 立ち上がり、遥は頭を下げてから日本のキャンプ地の方へと歩いていった。エクスポーションぐらいで随分と俺の評価が上がったらしい。

 

 しかし、俺に何とか出来るのか? は不明だ。ハヤトは賽を投げてしまっている。奴はもう引き返せないのだ。

 

 そんなことを考えていると、フライパン上のティラピアの切り身が香ばしい煙を上げ始めた。焚火からおろし、箸でつついて焼き具合を確かめる。

 

 丁度いい。

 

 一口サイズの白身を口に運ぼうとした時、また暗闇から足音がした。音は軽い。女だ。

 

「諸越! ちょっと聞いてよ!」

 

 アカネだった。ずれたチューブトップを直しながら歩いてくる。

 

「なんだ?」

「ハヤト、絶対おかしいんだけど!」

「またハヤトの話か……」

「またって何よ!」

 

 俺の横に勢いよく座り、アカネは勝手にティラピアに手を付け始める。

 

「さっき日本調査団の遥がきて、ハヤトがおかしいと言っていた」

「えっ……!? あの子も全裸密着4545【魅了】をハヤトに仕掛けたの!? 清楚そうに見えるのに、意外と淫乱なのね!」

 

 否定するのが面倒くさい。

 

「で、ハヤトの何がおかしいんだ?」

 

 アカネは顔をぐっと近づけ、口角泡を飛ばす。

 

「この! スーパーミラクルキュートで超絶ナイスバディーのアカネちゃんが全裸で密着して【魅了】を仕掛けたのに、レジストしやがったのよ!! 数多の著名人を唸らせたフェザータッチも通じなかった!! 『邪魔だ。どけ』しか言わないの!! あいつ、絶対おかしいわよ!!!!」

 

 こいつ、本当に夜這いを仕掛けたのか……。

 

「他にハヤトについて気が付いたらことはあったか?」

「あいつ……男が好きなんじゃないかしら?」

「ありがとう。もういいぞ」

 

 アカネはティラピアをもう二口ほど食べると、すっくと立ち上がった。

 

「ティラピア食べたらイライラがムラムラに変わってきたから、すぐ落とせそうな男を探してくる!」

「ティラピアにそんな効果はない」

「夜通しになる可能性があるから、明日はダンジョンはお休みにするわ! 諸越は自分のダンジョンアタックを進めて、どうぞ」

「そうさせてもらう」

 

 暗闇に溶けるように、アカネの姿は消える。

 

 俺はさっと後片付けをして、明日に備えることにした。ハヤトのことはあるが、俺には俺の冒険がある。

 

 第十階層のフロアボスだ。

 

 

#

 

 

 早朝。空はまだ薄暗く、辺りにはアカネの嬌声が響く頃。俺はテントを抜け出し、ソマリアダンジョンへと向かった。

 

 転移の間に入り、転移石に右手を当てる。頭の中で【10】を念じると一瞬視界が白くなり、転移が完了した。

 

 第十階層。ソマリアダンジョンで二度目のフロアボス戦だ。

 

 俺はバックパックからドローンカメラを取り出し、スマホをベルトで固定した。激しい戦いになると、身体にスマホを装着していると邪魔になるからだ。

 

 きっとこの先はかつてない戦いが待っているだろう。出来る限りの準備をしておきたい。

 

 ドローンカメラの電源をオンにしてライブ配信を始める。すぐに同時接続数が四桁になった。数は増え続けている。

 

「今日は第十階層のフロアボスに挑む」

 

 俺が宣言すると、直ちにずんだもんが視聴者のコメントを読み上げた。

 

<今日は諸越のライブ配信の時間が早いのだ!>

<アカネはまだフランスの冒険者とパコリング中なのだ!>

<諸越の朝は早い。のだ!>

<モロコシ、私はあなたのことを応援しています。のだ!>

<モロコシの戦いを毎日たのしみにしています。だから死なないで欲しい。のだ!>

 

 最近は翻訳ツールで日本語を書き込む海外勢も増えているようだ。注目度が上がっているのを感じる。益々、無様な戦いは出来ない。

 

「さっそくで悪いがここから先はチケットチャットにさせてもらう」

 

<命を張っているから当然なのだ!>

<はやくパンツ脱ぐのだ!>

<戦いがみたいからチケット購入するのだ! 諸越のモロ出しを見たいわけではないのだ!>

<言い訳がましいのだ!>

 

 俺はドローンカメラに固定しているスマホを弄り、チケットチャットを開始した。一瞬で参加者が一万人を超える。それほどまでに、第十階層のボス戦は注目されているらしい。

 

 俺は深呼吸をして精神を統一し、一気にブリーフを脱いだ。身体の奥底から力が溢れてくる。バックパックを背負い、フレイムタンを握って転移の間を出た。

 

 百メートルほど歩くと黒く巨大な扉が見えてきた。オークキングの時よりも遥に大きいそれには、夥しい量の髑髏が埋め込まれている。アンデッド階層の締めくくりに相応しい気味の悪さだ。

 

 軽く息を吐き、扉に触れる。波紋が広がるように扉の髑髏達がカチカチと顎を鳴らし始めた。やがて階層全体が震え始め、扉が左右に分かれる。

 

 途轍もなく広大な空間だった。天井まで百メートルはあるだろう。一体、どんなモンスターが現れるのか……。

 

 一歩ボス部屋に足を踏み入れた途端、地面に一つ魔法陣が浮かび、それは物凄い速度で増殖する。全ての魔法陣はグルグルと回転を始め、空間に巨大な何かが浮かび上がってくる。やがて、ハッキリと姿を見せた。

 

<ドラゴンゾンビなのだ!>

<首がたくさんあるのだ!>

<ヒュドラなのだ?>

<これ、滅茶苦茶でかいのだ!>

 

 確かにデカい。オークキングが二十メートルだったとすると、それの倍近くある。はっきりいって、一対一で戦う相手ではない。

 

 多頭のドラゴンゾンビは俺を見つけると、五本の首をくねらせ、唸り声をあげた。怨みが籠ったような、悍ましい響だ。

 

 しかし、怯むわけにはいかない。俺はソマリアダンジョンの先に進む。

 

 素早くバックパックを下ろすと、中からオークキングの王冠を取り出して被る。視界が一瞬で高くなり、ドラゴンゾンビと一人で戦えるサイズの身体となった。

 

<怪獣同士の戦いなのだ!>

<この時を待っていたのだ!>

<フレイムタンだけサイズがあっていないのだ!>

 

 俺はフレイムタンの剣身を握り、グッと魔力を込める。膨れ上がった炎が掌を焼く代わりに、全長二十メートルの灼熱の剣が現れた。

 

 ドラゴンゾンビが一瞬怯む。

 

「斬ッ!」

 

 一息で踏み込み、一本の首を斬りつける。腐肉が焦げる臭いとともに、ドサリと首が落ちた。残りの首が悲鳴を上げる。

 

<これはいけるのだ!>

<諸越やってしまうのだ!>

<フルチンドラゴンスレイヤーなのだ!>

 

 次の首を狙おうとした瞬間、真ん中の一番太い首が大口を開け、口腔が光った。慌てて腕を身体の前でクロスさせる。

 

「愚ァァアアアア……!!」

 

 腐臭を伴ったブレス。息をするだけで呼吸器が燃え上がるように痛む。

 

 俺は安全地帯を求めて地面を蹴り、ドラゴンゾンビから距離を取った。

 

 ブレスの直撃を受けた前腕の肉が腐り落ち、【ネイキッド】による再生が始まる。普段より治りが悪い。

 

 ドラゴンゾンビは俺との距離を詰める代わりに、自分の周りに液体を吐き出し始めた。液体は地面を犯すように広がり続ける。

 

<吐いてるのだ?>

<ドラゴンゾンビ、二日酔いなのだ?>

<臭そうなのだ!!>

<昨日、先輩に深夜三時まで連れ回されたのだ?>

 

 視聴者は呑気だが、あれはブレスと同じ成分だろう。つまりドラゴンゾンビの周囲に毒の沼が広がっていることになる。

 

「愚ァァアアアア……!!」

 

 今度は腐龍の首が毒のブレスを撒き散らし始めた。ボス部屋の空気がどんどん瘴気に侵蝕され、呼吸が苦しくなる。肺や喉の再生に【ネイキッド】のリソースが割かれているのか、いつもより力が湧いてこない。

 

 これは時間をかければかけるだけ不利になりそうだな……。犠牲を覚悟で短期決戦に臨むしかない。

 

 前腕が再生したところで、俺は全力で地面を蹴って駆けだした。毒沼に足を踏み入れると煙を上げて肉が溶け始める。しかし、止まるわけにはいかない!

 

 激痛に耐えながら踏み切り、ドラゴンゾンビに向かって飛び掛かる。

 

「愚ァァアアアア……!!」

 

 全身にブレスを浴びる。しかし怯まない。ドラゴンゾンビの巨体に組み付き、フレイムタンを突き刺す。ここからは我慢比べだ。

 

 一気に魔力を解放する。ドラゴンゾンビの体が煉獄の炎に包まれた。しかし――。

 

「愚ァァア……!!」

 

 四つ首が俺の身体に食らいつき、そのまま毒を吐き出す。煙があがり、肉が崩れ始める。だが、諦めない。俺はこいつを倒す。そう決めている。

 

「ウオォォォオオオ……!!」

 

 一か八かの魔力の全力解放。赤かった炎が青白くなり、ドラゴンゾンビの

動きが鈍くなる……。

 

 やがて……完全に停止した。残ったのは炭になった五つ首の龍だったもの。

 

 ドローンカメラカメラが寄ってきて、スマホから視聴者の声が流れる。

 

<勝ったのだ……!!>

<今回はやばいと思ったのだ!!>

<誰も骨までモロ出しにしろと言ってないのだ!!>

<何がドロップするのだ?>

 

 ドラゴンゾンビの巨体が煙となり、同じタイミングで毒の沼も消えた。そしてオークキングの時よりも大きな魔石と――。

 

<心臓なのだ?>

<びくびく動いているのだ!>

<黒くて見るからに怪しいのだ!>

<絶対にあかんやつなのだ!>

 

 ――不気味に拍動する黒い心臓がドロップしていた。

 

 俺はオークキングの王冠を脱ぎ、人間のサイズに戻る。

 

<諸越、どうするのだ?>

<今晩のおかずにどうなのだ?>

<明日起きたら首が五本になっているのだ?>

 

 絶対にないとは言い切れないのが怖い。

 

「さすがにこいつは鑑定するまで触れられないな」

 

<諸越が日和ったのだ!>

<諸越なら刺身でいくとおもったのだ!>

<がっかりなのだ!>

 

「うるせえ! こんなもん食えるか!」

 

 バックパックの場所まで戻り、俺は採取用のトングとナイロンバッグを取り出した。そして、謎の心臓を拾い上げて収納する。ずっと拍動していて気味が悪い。

 

「この辺でチケットチャットを終了する。明日からは第十一階層の攻略になるだろう」

 

 俺の宣言に反応するかのように、ボス部屋の壁にぽっかりと穴が開いた。その先には第十一階層への階段がある筈だ。

 

 ドローンカメラ越しに視聴者と他愛のない会話をしながら歩き、俺は第十一階層へと達した。

 

 

#

 

 

 到達階層を更新してダンジョンを後にし、自分のテントに戻ろうとすると人影があった。開いたノートPCを持った遥だ。待ち構えるように立っている。

 

 俺を見つけると駆けてくるが、その表情はどこか不安気だ。

 

「あ、あの! フロアボス戦の勝利、おめでとうございます」

「なんだ、観ていたのか?」

「薄目で……」と遥は頬を赤らめる。

 

「わざわざその件を?」

「あっ、いえ。これを見てください!」

 

 差し出されたノートPCのモニターには大手動画配信サイトが映っている。

 

「ハヤトさんが、第五階層のフロアボスに挑むみたいなんです!」

 

 見ると、ハヤトがボス部屋の前に立っていた。今まさに、扉に手を触れようとしている。もし、ハヤトに何かあれば現場に向かって欲しいということだろう。

 

「ちょっと! 二人でなんのエロ動画みてるの? 昨晩のアカネちゃんのパコリングアーカイブ動画かな?」

 

 騒ぎを聞きつけてシェルターから飛び出してきたアカネが、あくびをしながら言う。

 

「……違います。ハヤトさんのフロアボス戦です……」

 

 呆気にとられながらも返すと、アカネが寄ってきて遥の肩を抱き、ノートPCを覗き込んだ。

 

「面白そう! アカネも見る!」

 

 モニターにはボス部屋が映し出されていた。ハヤトは俺と同じようにドローンカメラにスマホを装着しているらしく、視聴者のコメントが随時読み上げられている。だたし、ずんだもんではない。

 

<いよいよボスが出てくるんだよね?>

<オークキングでしょ? 滅茶苦茶デカいらしい>

<うわわ! 出た!>

 

 紫色のいかづちが魔法陣に落ち、それがモンスターの体を形どる。全長二十メートルにもなるオークの王。オークキングだ。

 

 俺の時と同じように王冠を被り、マントで全身を隠している。

 

<ハヤト、どうやって戦うつもりなのかな?>

<今まで通りワンパンでしょ!!>

<あっ、動いた!>

 

 ハヤトの身体が残像を残して消える。ドローンカメラがオークキングを映すと、二十メートル近く跳躍したハヤトの姿があった。

 

 ドガッ! と鈍い音をドローンカメラが拾い、ハヤトに顔面を殴られたオークキングの巨体がぐらつく。

 

<凄い! まじで殴った!>

<ハヤトやばい! 凄すぎる!>

<人間超えてるでしょ!>

 

 ハヤトはオークキングの身体を足場にして更に飛び上がると、身体を弓なりに反らし、強烈な回し蹴りを豚面にお見舞いした。オークキングは頭を揺らし、地面に膝を着く。

 

「やるじゃん!」とアカネが言うと、ドローンカメラがピントをハヤトの顔に合わせた。

 

 ハヤトの……黒目の部分が……赤い。

 

<あれ? カラコンなんてしてたっけ?>

<さっきまで普通だった気がするけど……>

<赤目のハヤトもカッコイイ!>

 

 いまだにフラフラしているオークキングに向けて、ハヤトは右手を突き出した。その掌から黒い剣のようなものがズズズと伸びる。見るからに禍々しい。

 

<えっ、なにあれ?>

<ちょっとグロイ>

<ハヤト?>

 

 ハヤトは黒剣を握ると再び飛び上がる。跳躍の頂点で大上段に剣を振り上げ、そのまま落下を始めた。ハヤトの意思に反応するように、黒剣は剣身を巨大化させる。

 

 オークキングの頭上にハヤトが迫る。そして、黒剣が……。

 

 ドシャン! という音とともに、オークキングの体にモザイクが掛かった。頭が弾けたのだろう。首無しの巨体が地面に崩れ落ちるのが分かった。

 

 ハヤトが着地すると、黒剣がズズズと掌に入っていくのが見えた。

 

<ハヤト、本当に人間?>

<私、吐きそう……>

<なにこれ>

 

 ドローンカメラがハヤトに接近し、その顔を大写しにした。頭にねじれた角が二本見える。それは徐々に伸びているようで、それにつれてハヤトの表情が変わっていく。口角が吊り上がり、目つきが鋭くなる。

 

<バケモノ……>

<ハヤト、怪物だったの……?>

<私達のこと騙してたの?>

 

「やめて!」

 

 視聴者のコメントに遥が反応した。その瞳からは涙が零れ落ちる。

 

「なんで……そんなことを言うの……!?」

 

 しかし、視聴者は止まらない。

 

<ハヤトが強かったのはモンスターだったから?>

<人間のふりをしていたってこと?>

<やっば。日本中、ずっと騙されてた>

 

「そんなわけないでしょ! ハヤトさんは人間よ!」

 

<これ、誰が責任とるの?>

<いままでのスパチャ、返して欲しい>

<ハヤトを討伐しないと!>

 

 ハヤトがドローンカメラを睨みつけた。その赤い瞳の瞳孔は縦に長い。

 

<やばいやばいやばい>

<これ、悪魔じゃん>

<目がキモイ>

 

『ウルサイ』

 

 ガシャン。と音がして、ハヤトのライブ配信は終了した。ドローンカメラとスマホを破壊したのだろう。

 

 遥はノートPCのモニターを呆然と眺めている。

 

 アカネと顔を見合わせた。さすがに空気を読んでじっと黙っている。

 

 

 別の日本調査団のメンバーが迎えに来るまで、遥はずっと固まったままだった。

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