【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
「モ、ロ、コ、シ」
再度、ハヤトは俺の名前を呼んだ。そしてゆっくりと立ち上がる。赤い瞳、縦長の瞳孔で俺を見つめる。敵意は感じないものの、表情が怪しい。
ハヤトの様子に驚いたアカネは俺の身体を盾にするように隠れ、ピタリと背中についた。
俺はフレイムタンを地面に突き刺し、敵意がないことを示す。そして、ゆっくりとハヤトに話し掛けた。
「起こして悪かったな。随分と長く寝ていたようだが」
「身体ガ、変わりツツ、アルカラナ。休息ガ必要ダ」
変態中の蛹状態ということか?
「そのスキルはなんだ? スキルの影響だろ? お前が変わったのは?」
「【超越】」
「【超越】? 人間を超えたというのか?」
「今ハ、ソノ途中だ」
ただのモンスター化ということではなさそうだな。人間の形を保っているのも、その辺に要因がありそうだ。
「ハヤト。お前は研究対象として各国の調査団から狙われている。俺と一緒に来れば、世界冒険者協会が保護してくれる。俺やガストンは冒険者が企業のオモチャになるようなことだけは許せないんだ」
「フフフ。モルモット扱いか。【超越】シタつもりダッタノニ、実際ハ堕チテイタとは……。俺ハ何処で失敗シタノダロウか……。何故、コンナコトニ……」
ハヤトの表情が更に不安定になる。理性を失っているわけではなさそうだが、とても脆そうだ。
「長い間、失敗を避け続けた結果が今なのかもしれない。俺は最近、ハヤトを探す傍ら、ハヤトのことについても調べた。素晴らしい実績だ。日本のダンジョンに関するレコードのほとんどはハヤトの名前だった。十代の頃から活躍するハヤトを見て、いつしか世間はお前に完璧さを求めるようになったのだろう。そして、それに応え続けるうちに、歪みは大きくなった……」
徐々にだが、ハヤトに変化が生まれ始めた。しばらく黙り込んだあと、ポツポツと話し出した。
「俺ハ、モロコシが羨マシカッタんだ。自由奔放ニ振る舞う姿ニ嫉妬した。モロコシを見てイルト、冒険者になり立ての頃を思い出シタ。胸が熱クナッタ。ソレガ、許セナカッタ」
ハヤトは吐き出すように言う。
「ふん。結局お前も冒険者ってことか。ならば俺からガストンに話しておく。保護の話は一旦保留だ。ハヤトもソマリアダンジョンの先を目指せばいい。ちょっかいを出してくるやつがいれば、俺がぶっ飛ばす。それに、常時配信していれば手を出してくる奴等もそうそういないだろう。誰も追いついてこれないぐらい、深層に行ってもいい」
瞳の赤い色が少し薄くなった気がする。
「本当ニそんなことが可能ナノカ? 人々は俺を受け入レテくれるのか?」
「それについては心配しなくていい。NGなし。なんでもありの動画配信プラットフォームがあるからな。ハヤトだって知っている筈だ」
「エクストリーム――」
突然、ハヤトの動きが止まった。唇が痙攣し始め、ガクリと膝が落ちて地面に崩れ落ちる。
「……!?」
背中に痛みを感じるとともに、全身の感覚が酷く曖昧になった。自分の身体が何処か遠くに行ってしまったようだ。
ドサリと鈍い音がして視界に地面が広がった。辛うじて首だけが動く。アカネも俺のすぐ傍に倒れていた。
パチパチと拍手が空間に響き、奇妙な日本語が聞こえてきた。
「はいはいはい。感動したですよ。いいですね~冒険者。モロコシーサンも、ハヤトーサンも熱くなて、隙だらけでしたよ。お陰様でお仕事簡単」
現れたのは中国調査団の魏だった。大きなコンテナを背負い、右手に禍々しい紋様の描かれた短剣を持っている。
「何故、ここ、が」
「あれ? まだ喋れるの? モロコシーサン、凄いね。ありったけの麻痺毒受けたるのに。何故ここが分かた? それは貴方のバックパックに発信機ついてるから。モロコシーサン、冒険者として一流でも、諜報員としては三流以下ね」
魏はスタスタと歩き、ハヤトに近づく。そして鎧を剥がすと胸に短剣を突き刺した。何度も何度も。
「やめ、ろ! 何故、殺す!?」
「ふふふ。別にハヤトーサン、そんなに重要じゃない。首だけあればいい。生け捕りするのはアカネーサン。本命はアカネーサンの【魅了】よ。結局、両方手に入ることになたけど。千載一遇のチャンスです。誰も知らない隠し部屋で完璧な犯行です」
馬鹿な……!! どういうことだ……!?
魏はハヤトに跨るように座り、首に短剣を当てる。
「アカネーサンにはずっとアメリカの見張りついてた。それが今回のハヤトーサンのお陰で手薄になた。今日なんて誰もいない。ガストンも来れない。配信もしてない。見事に陽動にひかかたよ。冒険者、みんな馬鹿たね~。うーん、ハヤトーサンの首なかなか切れないね~」
こいつ……冒険者を……何だと思ってやがる。
「あ、かね」
俺の問いかけに、アカネは微かに反応した。右腕が動き、地面に突き刺さったままのフレイムタンを払う。フレイムタンは俺の身体に覆いかぶさるように倒れてきた。アカネの幸運値が作用したか? それともアカネの麻痺毒が少なかったのか?
熱い。という感覚はない。しかし、焦げ臭い。まるでブリーフが燃えているような臭いがする。そして、身体の底から力が湧いてきた。今なら動ける。
「次はモロコシーサンの番だよ。その次はアカネーサン。アカネーサン、ちょっと脚があるとコンテナ入らないから、切っちゃうね。麻痺してるから痛くない安心して。私と一緒に中国行こうね~」
足音が近づいてきた。魏は俺のすぐ目の前で止まる。チャンスは一度きり。そして、今だ!
両手で魏の足首を掴み、身体を捻りながら思いっきり引っ張る。情けない声とともに、魏の身体は地面に転がった。
ブリーフを脱ぎながら立ち上がり、足刀を魏の右手首に落とす。短剣を握ったまま切断され、悲鳴が上がった。
仰向けで倒れている魏の身体を右足で踏みつけながら、フレイムタンを拾う。魔力を込めると剣身を覆う炎が青白くなった。
「な、なんで動けるの……? ブリーフはいてたでしょ!」
「少しでもブリーフに穴があけば、【ネイキッド】の効果は倍増するんだよ。俺の配信を全て細かくチェックしていれば分かったことだ。諜報員として三流以下だな」
魏は俺を睨みつける。
「私を殺すと国際問題になるよ」
「俺はどこの冒険者協会にも属していないから関係ない。それに、お前の仲間たちは陽動として第七階層にいるんだろ? 今頃、【調整】が働いて激増したスカルジェネラルの対応に追われているのではないのか? つまり、千載一遇のチャンスです。誰も知らない隠し部屋で完璧な犯行です」
「死ね!!」
地面に転がっていた短剣が突然飛び上がり、俺の胸に刺さる。と同時に俺はフレイムタンを魏に突き刺した。
「【念動】か」
「早く死ね!!」
短剣が心臓に向かって徐々に入ってくるのが分かる。しかし、俺の勝ちだ。フレイムタンに全力で魔力を込めると、魏の身体は青白い炎に包まれ一瞬で炭化した。大胸筋に力を込めると短剣は抜け落ち、地面で乾いた音を立てる。
俺は地面に投げ出されたバックパックからエクスポーションを取り出し、アカネを起こした。半分を口に含ませ、半分を焼け爛れた右腕にかける。ほどなくしてアカネは動けるようになった。
「ハヤトは?」
アカネの問いに俺は答えることが出来ない。フラフラ立ち上がると、アカネはハヤトの元へと歩いていく。
「諸越。さっきの薬、もうないの」
「まだある。しかし――」
「ちょうだい! ハヤトを治してあげないと」
俺はバックパックを拾い上げ、二人の元に向かう。アカネは切断されたハヤトの頭を胴体につなげ、俺に手を差し出した。
「薬!」
気迫に押されてエクスポーションを渡すと、アカネはハヤトの首に半分を、血だらけになった胸にもう半分をかけた。みるみるうちに首は繋がり、胸の傷はふさがる。
しかし、どれだけ時間が経ってもハヤトが目を覚ますことはない。あるはずがない。ハヤトは既に死んでしまったのだから。
「こんな死に方ってある? 私のついでみたいな理由でハヤトは殺されたのよ……」
アカネの涙がハヤトの胸に落ちる。しかし、奇跡は起きない。心臓は止まったままだ。
「アカネ。俺には一つだけ手段がある」
「えっ?」
涙を流しながら、アカネは大きく瞳を見開く。
俺はハヤトの亡骸の脇に座り、バックパックからナイロンバッグを取り出した。中には黒い心臓が入っていて、不気味に拍動を続けている。
「これは【犠牲の心臓】というアイテムだ。使用者の命を分け与えることで、死者を蘇らせることが出来るらしい」
「じゃあ、私が使うわ!」
【犠牲の心臓】を掴もうとするアカネの手を遮る。
「これを使えば確実に寿命は縮まるだろう。アカネに使わせることは出来ない」
「でも――」
「俺には【ネイキッド】がある。命を分け与えるぐらい、大した話じゃない。それに、遥にも頼まれているからな」
またアカネはポロポロと涙をこぼし始める。こいつ、こんなに泣くキャラだったか?
「どいてくれ」
アカネは頷き、ハヤトの亡骸から少し距離を取った。
俺はナイロンバッグから【犠牲の心臓】を取り出し両手で掴む。拍動が激しくなり、俺の身体が妖しい紫の光に包まれた。神聖な雰囲気なんてちっともない。
【犠牲の心臓】を胸の上に置くと、ハヤトの身体も紫の光に包まれる。そして、俺の身体の中の何かがごっそりと削られ……。
すっと溶けるように【犠牲の心臓】はハヤトの身体に入っていった。そして、ビクンと全身が跳ね上がる。
「……生き返ったの?」
アカネの声に反応するようにハヤトの瞼が微かに動く。
「ハヤト?」
「諸越……」
開かれたハヤトの瞳はすっかり人間のモノに戻っていた。頭の角はそのままだが。
ハヤトは上半身を起こして俺とアカネの顔を何度も見ている。何が起こったのかあまり理解出来てない様子だ。
「ねぇ……」
急にアカネが神妙な顔をした。
「どうした?」
「私とハヤトがやったら異種姦になるのかな?」
「しらねーよ!」
やはりアカネにシリアスは無理らしい。
#
【完全無修正】ExtremeChat☆part1799【最高にヌケる】
今最も熱いアングラエロサイト『ExtremeChat』について語るスレです。
先月のスパチャランキング
1位 諸越大徳(Somalia)
2位 さぶ越(Somalia)
3位 Akane_a.k.a_doinran(Japan)
4位 Maomao(Taiwan)
5位 Eleonora(Ukraine)
201.名無しさん@4545
最近、諸越のライブ配信ないけど大丈夫かな? もしかしてソマリアダンジョンで死んじゃった?
202.名無しさん@4545
ドラゴンゾンビのドロップアイテム食べて食中毒で寝込んでるんじゃない?
203.名無しさん@4545
普通にあり得る。
204.名無しさん@4545
【悲報】諸越、ドラゴンゾンビの心臓食べて五つ首になる。
205.名無しさん@4545
切っても切っても【ネイキッド】で首生えてくるのホラーなんだけどwww
206.名無しさん@4545
それよりアカネが心配。毎日やってた夜のパコニックが途絶えてる。
207.名無しさん@4545
いや、毎日やってるのが異常だから……。たまには休んでもろて。
208.名無しさん@4545
前回の配信で「ソマリアダンジョンに世界中の調査団が集まったらパコリンピックを開催する!!」って言ってたのに……。どうしたんだろう。
209.名無しさん@4545
そんなこと言ってたのかよwwww
210.名無しさん@4545
パコリンピック、競技が一種類しかないじゃんwwww
211.名無しさん@4545
あれ、諸越のアカウントがオンラインになってるよ。
212.名無しさん@4545
おっ、マジか。これから配信かな?
213.名無しさん@4545
おっ、始まった。
214.名無しさん@4545
!?!?!? なんでハヤトいるの……!!!!
215.名無しさん@4545
なんでハヤトまでパンツ一丁なんだよwwwwwww
216.名無しさん@4545
絵面が強烈過ぎるwwwwwww
#
<どういうことなのだ!?>
<早く説明するのだ!!>
<ハヤトは諸越に脅されているのだ?>
<ハヤト! 早く逃げるのだ!>
<アカネまでいるのだ! 逃げられないのだ!>
ソマリアダンジョン第六階層の転移の間。ライブ配信を始めるなり、チャット欄がコメントで埋め尽くされ、ずんだもんは大忙しで読み上げる。
ハヤトは面食らった様子でスマホが装着されたドローンカメラを眺めていた。パンツ一丁で。これは別に俺が嫌がらせでハヤトに強制しているわけではない。仕方のないことなのだ。
「視聴者の皆はなぜハヤトが『ExtremeChat』の俺のライブ配信に出演しているか疑問に思っていることだろう」
<当然なのだ!>
<さっきから説明しろと言っているのだ!>
<ハヤト顔が赤くて可愛いのだ!>
「簡単に説明すると、俺のユニークスキル【ネイキッド】がハヤトに伝染してしまったからだ。そこで己の冒険を皆に伝える場所は『ExtremeChat』しかないと、ハヤトは考えたのだ」
勿論、日本冒険者協会とのいざこざもある。頭の角だって他ではアレコレ言われるだろう。しかし【ネイキッド】のインパクトには叶わない。些細な出来事だ。
<!?!?!?>
<そんなのありなのだ!?>
<何をしたら伝染するのだ?>
<まさか!? 二人はそんな関係だったのだ!?>
「勘違いしないでくれ。ちょっと命を分け与えたら、アクシデント的に【ネイキッド】も伝染してしまったんだ」
<命を?>
<分け与える?>
<なのだ?>
<これは完全に黒なのだ!>
駄目だ。何を言っても悪い方向にしか転ばない。俺が呆れて黙っていると、ハヤトがドローンカメラに向かって話し始めた。
「俺が【ネイキッド】持ちになったことは本当だ。ダンジョンで戦うには最低でもパンツ一枚になる必要がある」
<そんな身体にされてハヤトが不憫なのだ!>
<諸越、責任とるのだ!>
<もう責任とっている可能性があるのだ!>
弱点になるのでハヤトは明言しなかったが、【ネイキッド】持ちは衣服を二枚以上身につけているとデバフが掛かって身体能力が低下する。戦う可能性がある場所ではパンツ一丁でいるしかない。ニュートラルな状態が存在しない、ピーキーなユニークスキルだ。
ちなみにハヤトに伝染したスキルは【ネイキッド】だけではない。俺が今までに覚えていたスキルは全て伝染している。その代わり、それまでにハヤトが覚えていたスキルは全てなくなってしまったらしい。完全に上書きされた感じだ。
「それじゃー、パンイチ男二人と美女パーティーでのダンジョンアタック開始だよ! 今日は第六階層、行ってみよう!!」
アカネはドローンカメラに向かって飛び上がり、そのまま転移の間から出ていく。慌ててハヤトが追いかける。
<とんでもない色物パーティーなのだ!>
<真面目にやってるモンスターに失礼なのだ!>
<しかしこれ、最強パーティーではないのだ?>
確かに最強かもしれない。決して表で取り上げられることはないだろうけれど。そんなことを考えながら、俺も転移の間を後にした。当然、パンツ一丁で。
完結の雰囲気だしてますけど、全然完結じゃないです!! この悪夢のような物語は続きます!!!! 応援よろしくお願いします!!!!