【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第36話 ダンジョンの外

「まさか【ネイキッド】持ちがこの世に二人になるとは……た、驚きだよ」

 

 ガストンはパンツ一丁で応接ソファーに座るハヤトを見て、しみじみと言った。

 

「恐れ入ります」

 

 別にガストンは褒めている訳ではないぞ、ハヤト……。

 

 俺達はガストンのコンテナハウスでそれぞれの近況を確認していた。というのも、俺達三人は状況が落ち着くまで、ずっとダンジョンの中に身を隠していたからだ。

 

「【超越】の名残は頭の角だけなのか?」

「はい。他は何も。頭の中に浮かぶスキル構成も諸越さんと同じになっています」

「【犠牲の心臓】にそんな効果があるとはなぁ。これから得るスキルはどうなると思う?」

 

 ガストンは顎髭を触りながら、俺を見た。

 

「新しいスキルが伝染することはないだろう。これから俺とハヤトのスキル構成は各々で変わってくる筈だ。結果が出たら連携するよ」

「助かる」

 

 今後、アメリカ調査団も【犠牲の心臓】を得る可能性はある。いや、効果を知っているのだから、ドロップするまで何回でもドラゴンゾンビに挑むつもりかもしれない。

 

 アメリカの要人を狙った暗殺事件は毎年起きているのだから、需要は計り知れないだろう。使用者側のことを考えなければ……。

 

「もし、俺の身体に変化があれば報告しますよ。貴重なデータになるでしょうから。なにせ【犠牲の心臓】で生き返った人間は俺だけですから」

「感謝する」

 

 調査団のリーダーという肩書が外れ気負いがなくなったのだろう。ハヤトは俺やガストン、アカネに対して敬語を使うようになっていた。表情も以前より柔らかくなった気がする。

 

「で、モロコシの方の体調は?」

 

 探るようなガストンの視線。

 

「【犠牲の心臓】を使った直後は漠然とした喪失感があったが、今はもう感じない。【ネイキッド】の効果だろうな」

「ふん。相変わらず無茶苦茶だな」

 

 ガストンは呆れた様子で息を吐いた。今度は俺が質問する番だ。

 

「中国はどうだ?」

「アメリカとイギリス、フランスの調査団で監視しているが急に動きがなくなった。魏の失敗が効いているようだ。油断は出来ないが、当分は何もないと考えている。圧力のかけ方については世界冒険者協会に任せてほしい」

「分かった。落とし前のつけ方は、ガストン達に任せる」

 

 ガストンは頷き、ローテーブルのマグカップを手にしてコーヒーを啜る。

 

「そういえば、アカネに監視を付けていたんだな。全く気が付かなかったよ。【隠遁】を持った冒険者がいるのか? アメリカの調査団には」

「さぁ、どうだろうな」

 

 不敵な笑みを浮かべてガストンははぐらかす。

 

「アカネちゃんは監視されてても平気だよ! むしろ興奮する!」

「……そうか」

 

 いつも通りのアカネだ。

 

「ハヤトは今後もソマリアダンジョンに挑むんだよな? 拠点はどうするんだ? 日本のキャンプで寝泊まりするわけにはいかないだろ? コンテナハウスを出してやってもいいが、アメリカ調査団の支援を受けていると思われると角が立つよな?」

 

「流石にコンテナハウスは目立ち過ぎますね。寝床に関しては自分でなんとかしますよ。今日の午後にでもシェルターを作るつもりです。アカネさんの隣あたりに」

 

 アカネの護衛を兼ねる意味ではいいが、絶対に夜這いの対象になるからな。

 

「なるほど。ExtremeChat勢で固まっている方が無難だろうな。色々と」

 

 暇になったアカネがハヤトの頭の角をしごいて遊び始めた。

 

「他に何か確認事項はあるか?」

 

 ガストンは打ち合わせを終わらせようとする。しかし俺達にはまだ用があった。

 

「実は頼み事があってな……」

「ふん。言ってみろ」

 

 角をしごかれてハヤトが顔を赤くしている。もしかして、気持ちいいのか?

 

「ハヤトがいた隠し部屋だが、実は宝箱があったんだ。その中身は――」

 

 床に置いているバックパックからナイロンバッグを取り出す。中には奇妙な文様の腕輪が入っている。

 

「また、怪しいものを見つけたな。【鑑定】してほしいってことだろ?」

「あぁ。金ならいくらでも出す」

 

 その横で「角、大きくならない!」と不満そうにするアカネ。当たり前だろ。そしてハヤト、拒めよ!

 

「金はいらない。モロコシが俺のアイテムボックスに置いてるものの内、何か一つを譲ってもらう。で、どうだ?」

「それでいい」

 

 交渉成立だ。

 

 ガストンは【鑑定】持ちの冒険者を呼びに、席を立った。

 

 

#

 

 

 鑑定結果を聞いた後、ハヤトの荷物を取りに日本のキャンプに向かう。

 

 俺達の気配に気が付いたのか、一つのテントの入り口が開き、遥が顔を出した。

 

 ハヤトと遥が顔を合わすのは久しぶりの筈だ。

 

 顔を強張らせたまま、遥はハヤトの元へと歩いてきた。

 

「……元気そうですね」

「あぁ。心配かけたな」

 

 それよりも、ハヤトはパンツ一丁なんだが?

 

「遥は諸越さんの配信を見たのか?」

「はい……。スキルが伝染したって……」

「他にも色々とあったんだが、それは追々伝える。今日は荷物を取りに来たんだ。流石に調査団のキャンプには居られないからな」

「はい……」

 

 遥は寂しそうな顔をする。

 

「協会からは何か連絡があったか?」

「ありました。『新しいリーダーが到着するまで、待機』とのことです」

 

 まぁ、そうだろうな。焦ってソマリアダンジョンに挑んでも良い結果にはならないだろう。

 

「ハヤトさんは……ソマリアダンジョンの先を目指すんですよね?」

「そうだ。一人の人間としてな」

 

 様々な意味が込められた言葉を受け止め、遥は瞳を潤ませた。

 

「荷物を取らせてもらう」

 

 そう言ってハヤトは遥の横を通り過ぎ、大きなテントへと入っていった。そしてバックパック二つ分の荷物を持って直ぐに出てくる。

 

 遥とハヤトがすれ違う。

 

「あの!」

 

 ハヤトが足を止めた。

 

「これからもずっと応援してますから! 見たこともない世界を見せてください!!」

「あぁ」

 

 時は動き始め、ハヤトは歩き出した。パンツ一丁で。

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