【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
日本の調査団から離脱した翌日、早速ハヤトは『ExtremeChat』にアカウントを作成した。アカウント名は『HAYATO』。実にシンプル。
そして挨拶を兼ねてのライブ配信が今、まさに始まろうとしていた。
下ろし立てのドローンカメラに予備のスマホを装着し、ハヤトはソマリアダンジョンの第一階層に挑もうとしている。ちなみに俺は後方腕組みポジションだ。
「え、えー。はじめましての人も多いと思います。ハヤトといいます。聞こえてますか?」
ドローンカメラに向かってハヤトは話し掛ける。なんの告知もしていなかったにもかかわらず、早速視聴者からコメントが返ってきた。俺の指導により、コメント読み上げボイスはずんだもんに設定されてある。
<聞こえているのだ!>
<本当にハヤトなのだ!>
<本当にパンツ一丁なのだ!>
<うほー美男子のパンイチたまんね~のだ!>
予想していたことだが、俺のアカウントとは若干、視聴者層が違うようだ。
「今日から本格的にソマリアダンジョンの攻略に臨みたいと思います。第一階層から」
<なぜ第一階層からなのだ?>
<ハヤトは第六階層まで進んでいるのだ!>
<ハイオークが好きなのだ?>
「ええっと。なんていうか、新しい気持ちで最初からやってみようかなって感じです。実際、生まれ変わったみたいなもんなので。すぐに第六階層まで踏破するつもりですけど」
<なるほどなのだ!>
<応援するのだ!>
<装備の説明をするのだ!>
「あっ、そうですね。この剣なんですが……」
ハヤトはドローンカメラに向けて、右手に持つ長剣を掲げた。
「これはグラビティソードっていいます。重力魔法が付与されている魔法剣ですね。諸越さんから借りました」
<諸越さん? なのだ?>
<さん付けなのだ?>
<諸越に指導されたのだ?>
<ハヤト、謙虚になっているのだ!>
「今更だろ! って怒られるかもしれませんけど、俺、めちゃくちゃ諸越さんにお世話になったんで」
<おい諸越! 後ろで腕組みして偉そうなのだ!>
<諸越が命(意味深)を与えたせいでハヤトが謙虚になってしまったのだ!>
<諸越、ニヤニヤしすぎなのだ!>
ニヤニヤなんてしてねーよ。
「じゃあ、早速ダンジョンアタックを開始します」
ハヤトは転移の間から新たな一歩を踏み出した。少し離れて俺も付いていく。
しばらく歩くとお決まりの展開。ハイオークの登場だ。今回も三体。
さて、ハヤトは一人で切り抜けられるのだろうか……。
「ブィィィ……!!」
先頭のハイオークが雄叫びを上げながらハヤトに迫る。凶悪なハンマーを振り上げ、踏み込みと同時に脳天に向けて振り下ろす。
ガチン。と金属同士がぶつかる音。ハヤトは【ネイキッド】によって強化された筋力でなんなくハイオークの一撃を受け、そして弾き返す。
大きくあいたハイオークの胴体にむけ、ハヤトはバックステップをしながらグラビティソードを横薙ぎに振るった。インパクトの瞬間、グラビティソードが光る。
バシャッ! とハイオークの体が一瞬で液体となり、吹き飛んだ。後続の二体は血飛沫を浴びてパニックになる。
グラビティソードの基本は重量変化による物理攻撃だ。攻撃対象に接触する瞬間、その重さを何十倍、何百倍にもすることにより驚異的な破壊力を生む。
しかし扱いが難しい。思い通りの威力を発揮するには非常に繊細な魔力操作が要求される。
ハヤトはそれを一度でやってのけた。ほぼ、ぶっつけ本番で。この男、パーツの組み合わせ次第では化けるぞ……。
「滅ッ!」
すくみ上がっているハイオーク二体に対し、ハヤトは容赦なくグラビティソードを当てて血飛沫へと変えた。ダンジョン内が急にシンとなる。
<……なんか思ってたのと違うのだ……>
<……ハヤト、ゴア系なのだ……?>
<……新しい扉が開きそうなのだ……!>
「いや~、初戦なんで緊張しちゃいました」
<お、おう。そうかなのだ……>
<初めてにしてはよく出来ていたのだ……>
<もうちょっと力を抜いたらもっとよくなるのだ……>
視聴者も大分戸惑っているな。新生ハヤトの戦闘スタイルに。
「今日は初日なんで、張り切って行けるところまで行っちゃいますね!」
ハヤトのダンジョンアタックは続く。
#
もう外は深夜という時間。ハヤトはまだダンジョンアタックを続けていた。
現在は第三階層の転移の間で小休憩中。ハヤトはここまで完全に一人の力でモンスターを退け、いや破壊していた。
最初は呆気に取られていた視聴者達も今は慣れ、緊張感はありつつ、和気あいあいとした雰囲気でライブ配信が行われていた。
<ところで、ハヤトの右手首の腕輪はなんなのだ?>
<オシャレなのだ?>
<【ネイキッド】の邪魔にはならないのだ?>
「あっ、これですか? 実はソマリアダンジョンの宝箱で見つけたアイテムなんです。諸越さんの王冠とかと同じで、装飾品扱いらしくて【ネイキッド】には影響ないですね。結構おもしろい効果があるんで、この腕輪を使って今日のダンジョンアタックは終了とします」
そう言って、ハヤトは転移の間を出た。ドローンカメラも追従する。そして、俺も。
第三階層に現れるのは難敵ハイオーガ。ハヤトのグラビティソードによる攻撃が当たれば一撃だろうが、そもそも当てられるのか? が問題となる。それほど、ハイオーガのアジリティは高い。
しかし、ハヤトは自信を持った足取りで進む。視聴者と会話する余裕すらある。
「おっ、そろそろモンスターが現れそうですね。足音が聞こえました」
はるか前方にハイオーガの影が三つ。まだ距離は離れているが油断は出来ない。奴等は一瞬で詰めてくる。
ハヤトはグラビティソードを構える代わりに、左手を右手首の腕輪に重ねた。
「この腕輪の名前は【小人の腕輪】。魔力を込めることにより、使用者の身体を小さくするんです……」
魔力が込められると【小人の腕輪】は妖しく発光し、効果を発揮する。瞬く間にハヤトの身体が縮んでしまった。170cm以上あった身長が130cmほどに。
そして、ぶかぶかになったブリーフがはらりと脱げた。
<ちょっと待ってくれなのだ……!!>
<そんなキャストオフのパターン聞いてないのだ……!!!!>
<小人化⇒パンツぶかぶか⇒【ネイキッド】発動はずるいのだ……!!!!>
<can't believe it.なのだ!!>
<駄目だ……! お腹が痛いのだ……!!!!>
ハイオーガはハヤトの突然の変化に呆気に取られ、足を止める。一方のハヤトは全裸になったことにより【ネイキッド】が本領を発揮。弾丸のような速度で飛び出した。
トンッ! トンッ! トンッ! と、三体のハイオーガにグラビティソードを当てる。まるで挨拶するかのように。
しかし結果はえげつない。まるで隕石にでもぶつかったかのように、ハイオーガの体は一瞬で血飛沫となった。
<合法角っ子フルチンショタがゴアなのだ!>
<初日からキャラ付け頑張りすぎなのだ……!!>
<これは絶対、アカネが放っておかないのだ……!!>
<ハヤト、『ExtremeChat』にようこそなのだ……!!!!>
ハヤトが真にExtremeChat民に認められた瞬間だった。