【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
世間的にはソマリアダンジョンの攻略においては俺が第零陣、アメリカやイギリス、中国やロシア、日本等が第一陣と呼ばれているらしい。
「で、その第二陣ってのにはどんな国が含まれているんだ?」
ハヤトのダンジョンアタックにアカネと後方腕組み勢として参加した後の夕食時。ナイルワニを捌いているとガストンがやってきて、第二陣の話を始めた。
「韓国や台湾、インドやブラジル、タイやベトナム等だな」
特に機密事項というわけではないようで、ガストンは気安く話している。
「……ついにパコリンピック開催の時が来たようね……」
ワニの皮剥ぎの手を止めてアカネが神妙な顔をした。同じく皮剝ぎをしているハヤトは首を捻っている。
「変な病気もらっても知らないからな……」
「エクスポーションをキメルから大丈夫!」
「そんな理由でエクスポーションは絶対に使わせない」
「ケチ!」と叫んでから、アカネは皮剥ぎを再開する。
実際のところ、アカネはきちんと衛生管理はしているようだった。ダンジョンアタックを繰り返して身体能力も向上しているので、そうそう病気にかからないというのもあるだろうが……。
「そういえば今度やって来る台湾の調査団にも女性の冒険者がいるらしいぞ」とガストン。
「パコリンピックのライバルが増えたわね……」
分からない。パコリンピックのルールが分からない。
「諸越さん。この後、どうすればいいんですか?」
ナイルワニの皮剥ぎを終えたハヤトが尋ねる。どうやら、ワニを食べるのは初めてらしい。
「素揚げにするから一口サイズに切って、そこに置いてくれ」
俺は切り株の上に置かれたバナナの葉を指さす。ハヤトは軽く頷き、手早くナイフを動かし始めた。
「素揚げにするのか。俺にも食わせてくれ」
「肉は幾らでもあるからな。好きなだけ食べていってくれ」
ワニ肉の美味さを知るガストンが喉を鳴らした。俺は期待に応えるため、深型のフライパンにモリイノシシの脂身を大量にいれて焚火にかける。
少しすると脂が溶けだし、フライパンに溜まり始めた。4cmほど油の層が出来たところで脂身を取り出し、ワニ肉を素揚げにしていく。そして仕上げは万全スパイス「モリニシ」。
低脂肪、高たんぱく質のワニ肉に甘味のあるモリイノシシの脂が加わり、スパイスが味を引き締める。ソマリアダンジョン周辺でとれる食材の組み合わせとしては最高峰の美味さだろう。
自分一人であればこんな手の手間のかかることはしない。しかし周囲に人がいると、多少は料理にも工夫をしたくなるものだ。
「うっま!」
「これは美味い」
アカネとハヤトが感嘆の声を上げる。ガストンは無言でパクパク食べている。
揚げ終えたワニ肉をバナナの葉の上に置いた途端、手が伸びてきて直ぐに消える。忙しい。
「あっ、俺がワニ肉揚げますよ。諸越さんも食べてください」
「すまんな」
ハヤトは本当に変わった。毎日、果敢にダンジョンに挑戦し、冒険を楽しんでいる。今日だって第五階層のオークキングを一人で倒してしまった。同じことを出来る冒険者が世界にどれぐらいいるだろう? というレベルだ。
「そうだ。日本冒険者協会の理事長が変わったらしいぞ」
たらふくワニ肉を食べて落ち着いたのか、ガストンがやっと口を開いた。反応したのはハヤトだ。
「八塚さんが……」
一瞬表情を暗くするが、すぐにいつもの顔に戻った。そしてガストンに尋ねる。
「後任は誰か分かりますか?」
「ええっと。男だったな。名前はヨネ……」
「米沢さんですか」とハヤトはなんとも言えない顔をする。
目敏いアカネがハヤトの表情の変化を見逃さなかった。
「え、ハヤト。その米沢って人と何かあったの? 一人の女を取り合った末、『まぁ、いいか』で三人でプレイして、それ以来微妙な関係とか?」
なんだその具体性は……?
「いや、そーいうことは全くないですね」
「ふーん。外れたか~」
外れに決まっているだろ……。
「……米沢さんは次世代の冒険者を育成するっていろいろやってた人なんで。次に来る日本の調査団のリーダーも米沢さんの派閥の人なのかなって」
なるほど。前理事長派閥の冒険者で構成された今の調査団のメンバーと新しいリーダーの摩擦を心配しているのだろう。
「もし何かあれば、遥達の相談にのってやればいい」
「はい。そうします」とハヤト。とても素直だ。
「何かあればアカネちゃんが【魅了】で落として傀儡にするから大丈夫よ!」
「絶対にやるなよ」
「アカネちゃん知っているんだ。『絶対にやるな』は、『やれ』って意味だって」
「うるさい。絶対にやるな」
中途半端な奴だと【魅了】で本当にアカネの言いなりになってしまうからな……。注意が必要だ。
「諸越。コーヒーにしよう」
ガストンが【アイテムボックス】から薬缶とコーヒー豆、ドリッパーを取り出しながら言った。
「甘いモノが欲しくなる~! ガストン、何かないの!」
「もちろん、ある」
厚くて歯ごたえのあるカウボーイクッキーを齧りながらコーヒーを啜り、その日はお開きとなった。