【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
朝食の時間。俺とアカネが川エビのスープとバナナを食べていても、ハヤトは起きて来ない。いつもなら俺よりも先に起きているぐらいなのに……。
昨晩のドラゴンゾンビ戦がそこまで響いているのだろうか? 最後、調子が悪そうにしていたのは事実だが……。
「ハヤトどうしたのかな?」
アカネも心配そうにしている。
「ちょっと覗いてみるか」
食事を終えると、俺とアカネはハヤトのシェルターの前まで行って声を掛けた。
「おい、ハヤト。起きているか?」
「……はい……」
目は醒めているらしい。
「どうした? 具合が悪いのか?」
「……はい……。ちょっと調子が……」
【ネイキッド】持ちのハヤトが体調を崩すなんて……。何があった?
「開けるぞ」
俺はシェルターの入り口のシートを捲り、アカネと一緒に中の様子を窺う。
コットの上でくの字形になったハヤトの姿があった。薄暗い中、苦悶の表情を浮かべている。
「どこが痛いんだ?」
「実は……股間が……」
ハヤトは気まずい様子で答えた。俺はアカネと顔を見合わせる。
「性病だな」
「性病だわ!」
慌てて上半身を起こし、ハヤトは弁解を始める。
「違います! 誰ともしてないですし!」
アカネと顔を見合わせる。
「人以外ってことか?」
「きっとハイオークよ! アカネちゃんに内緒でハイオークのメスを囲っているに違いないわ!」
「俺がモンスターとするわけないでしょ! ……うっ……」
大声を出したら痛みが強くなったようだ。ハヤトがブリーフの上から股間を押さえる。
「全裸になれば【ネイキッド】の効果で痛みも収まるんじゃないか?」
「確かに痛みは和らぎますけど、完全に消えるわけではなかったです……。それに、全裸で外を歩きまわるわけにもいきませんし……」
確かに。戦うわけでもないのに全裸でブラブラしていれば、それは露出狂だ。【ネイキッド】持ちとして、譲ってはいけない一線ではある。
「ちょっと待っていろ」
俺は自分のテントに入り、バックパックからエクスポーションを取り出す。ガストンのアイテムボックスにまだ予備があるしハヤトに使っても問題ないだろう。
再びシェルターに戻り、またコットに横になっていたハヤトの傍に行き、エクスポーションの小瓶を渡した。
「あっ! ハヤトの性病治すのにエクスポーション使うの!? ずるい! 私にはダメって言ったのに!!」
「うるせえ! アカネはちゃんと自己防衛しろ!」
「あ、あの……。本当に性病じゃないので……」とハヤトは身体を起こしながら言う。
「それで、股間は腫れているのか?」
「いえ。見た目は何も変化ありません」
となると内服した方がよさそうだな。
「グイっと一本飲め」
「いつか必ず、お返しします……」
ハヤトは蓋を開けると、一口でエクスポーションを飲み干した。身体全体が淡い光で包まれる。
「どうだ?」
「一瞬痛みは引いたんですけど……また、すぐに」
顔をしかめ、ハヤトは申し訳なさそうにした。
「うーん。駄目かぁ……。よくなるまで、ハヤトはダンジョンアタックを休むしかないか」
「はい……。戦力になれずにすみません」
「テントの中であれば、全裸で問題ないだろう。ずっと【ネイキッド】を発動させていれば治る可能性もある」
ハヤトは頷き、慣れた手つきでブリーフを脱ぎ、コットに横たわる。幾分か表情が和らいでいる。
「アカネちゃんがもっと楽にさせてあげようか!?」
「やめとけ」
手をわきわきさせて今にもハヤトに飛び掛かろうとするアカネを捕まえて肩に担ぎ、シェルターの外に出た。
「わー! 諸越、下ろせ!!」
ミニスカートからパンツを丸出しにしてアカネは足をバタバタさせる。
「ハヤトに余計なことをしないと誓え」
「余計なことじゃないもん! 毒素を抜いてあげるだけだもん! 角っ子のハヤトを楽にしてあげるんだもん!」
やはりアカネは角っ子になったハヤトを気に入っていたのか……。やたらと角に執着していると思ったんだよな……。
「あの~」
背後から聞き覚えのある女の声がした。アカネを下ろして振り返ると遥。そしてその隣には初めて見る長身の若い男がいる。男は妙に肌が白い。化粧でもしているのか?
「遥じゃん! このイケメン、何処で仕入れてきたの? 韓流アイドルみたい!」
アカネの言葉に気を良くした男は、調子良く話し始める。
「俺は新しい日本調査団のリーダー、
「いるにはいるが、今は体調が悪い。挨拶なら日を改めてくれ」
御厨は鼻で笑う。
「別に挨拶ってわけでもないんだが、理事長から伝言を授かっていてね。それに冒険者資格をはく奪され、エロサイトでダンジョン配信を始めたハヤト先輩の心境を聞いてみたいと思って。今、どんな気持ち~ってね。好奇心ってやつだよ」
御厨の後ろで遥は気まずそうにしている。こんな雰囲気になるとは思っていなかったのだろう。
「まぁ、恥ずかしくて出て来れないか~。仕方がないね。遥ちゃん、行こっか」
いやらしい笑みを浮かべたまま、御厨は踵を返す。その時。
「俺に……用か……」
痛みに顔を歪めたハヤトがシェルターから現れた。
「うっわ。本当にパンツしか穿いてないじゃん」
「それが……どうかしたのか……。お前には関係ないだろ……」
御厨の顔が歪む。
「なんだその態度は。あんたがやらかしたせいで、日本冒険者協会は評判がガタ落ちだ! 申し訳ないとは思わないのか……!?」
「……」
ハヤトは言葉に詰まる。ならば俺が言ってやろう。
「ハヤトはこれまで散々、冒険者協会に尽くしてきた筈だ。勝手に期待して無理難題を押し付け、それで失敗したからといって切り捨てた冒険者協会や世間に対して何を謝る必要がある?」
「おっさんは黙っていろよ!」
「いや、黙らんな」
「んだと……!?」
気色ばむ御厨を遥が必死に止めている。これ以上やると、遥が可哀そうだな。終わらせよう。
「ハヤトに伝言があったんじゃなかったのか?」
「ふん。米沢理事長は『ダンジョンで見つけた新しいアイテム』と引き換えに、ハヤトの冒険者資格の再付与を考えてもいいってよ。とはいえ、この様子じゃ無理そうだな。シェルターの中で寝てるがいい。その間に俺達、日本の調査団がソマリアダンジョンを攻略してしちまうから」
「……」
苦しそうに前屈みになっているハヤトを見て、御厨はヘラヘラと笑う。そして、今度こそ立ち去った。