【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第44話 眠れない夜

 ダンジョンからテントに戻り横になるが、眠気がやってこない。怪しい女冒険者を尾行して気が立っているのだろう。

 

 寝そべったままスマホを弄る。『ExtremeChat』のスパチャの額をチェックしていると、お気に入り登録しているアカウントの一つがオンラインになっていた。

 

 マオマオだ。プロフィールは見たことあるが、ライブ配信は未履修。ハヤトへの呪いの件もある。眠たくなるまでの時間潰しに丁度いいだろう。

 

 アイコンをタップした。

 

 ピンクの髪をツインお団子にして、チャイナドレスを着ている。スリットから覗く脚は太股までタイツに包まれ、いかにも男ウケしそうだ。

 

『今日はダンジョンで気持ちよくなるよ』

 

 マオマオはドローンカメラをつかって配信しているようだった。AI制御されたドローンがマオマオのすらりとした肢体を下から舐めるように映す。

 

<ダンジョンに勝手に入ったら駄目でしょ?>

<台湾のダンジョン?>

<これはモンスターとハプニングあるのか!?>

 

『だいじょぶ。ちゃんと許可とった』

 

 視聴者に日本人が多いからだろう。マオマオの片言の日本語で配信していた。エロ大国、日本である。

 

<絶対許可とってないでしょ!>

<マオマオ、いつも許可取ったって言いながら無許可だかんな~>

<そもそもオナニーの許可なんておりないし!!>

<今日もスリルあるな~>

 

 マオマオは足許がハイヒールということもあり、慎重に進んでいく。ドローンカメラに向かって前方を指さすように指示を出した。

 

 ドローンカメラは先行し、ダンジョンの先を映す。しばらくは真っ直ぐ進み、十字路で止まってグルリと360度回った。

 

 一瞬、遠くにモンスターの姿が見える。

 

<本当にダンジョンだった!>

<What is that monster?>

<結構デカかったよね?>

<ちょっと赤黒いモンスターだった>

 

 あれは……ハイオーガだ。しかも複数体いた。台湾にはダンジョンが一つしかなかった筈。ハイオーガが出現するなんて情報はあっただろうか?

 

 ドローンカメラは急いでマオマオのところに戻る。スマホで画面を確認していたマオマオは声を潜めて、ドローンカメラに話し掛けた。

 

『モンスターいたね……。これはスリルある』

 

 マオマオの顔が俄かに蕩ける。危険な状況で興奮する性質らしい。変態である。

 

 視聴者は盛り上がり、それに乗せられマオマオは乱れていく。

 

 五分ほどしたところでドローンカメラがくるりと回転してダンジョンの先を映した。画面にはハイオーガが三体。マオマオの存在に気が付いたようで、雄叫びを上げて走り出す。

 

<モンスター来た!>

<マオマオ逃げて!!>

<このままだと本当に逝っちゃう!!>

 

 マオマオは服をはだけさせたまま走り始めた。その背後にはハイオーガ。鋭い爪で柔肌を引き裂こうと迫る。

 

<やばいやばいやばい!!>

<Hurry!!>

<これどうなっちゃうの?>

 

 思いの外、マオマオは脚が速い。ハイオーガに追いつかれることはなく、安全地帯である転移の間に逃げ込んだ。

 

 暫くは辺りをウロウロしていたハイオーガだったが、やがて諦めて去って行った。

 

<滅茶苦茶スリリング!>

<これはスパチャ投げるわ~>

<一人だけ新しい遊びを始めるマオマオwwww>

 

『はぁ……。死ぬかと思たよ。とても興奮した』

 

 変態である。

 

『もう一回チャレンジするね。これでお終い』

 

 俺はスマホのホームボタンを押して画面を閉じた。そしてじっと考え込む。

 

 十分ほど悩んだ後、バックパックを背負ってテントから出た。シンとした暗闇の中、ダンジョンに向かって進む。

 

 第一階層の転移の間に入り、そのまま転移石に手を当てた。武器は持たずに。頭の中に思い浮かべる数字は【3】。つまり第三階層。視界が白い光に包まれ、一瞬瞼を閉じる。

 

 瞼を開いた先では一人の女が着替えをしていた。転移の間の入り口を気にしながら、鎧を身に着けている。その足元にはピンク髪のウィッグとチャイナドレス、大人の玩具が乱雑に置かれてある。

 

 女は転移の間の外にいるモンスターに気を取られているようで、こちらには全く気が付かない。

 

 チャイナドレスやウィッグ、大人の玩具をリュックにしまうと女はやっとこちらを向いた。正面から目が合う。

 

「……あっ……!? 気が付いたらこんなところに! 私、一体なにしてましたか!?」

 

 強引すぎる誤魔化し方だ。

 

「お前……、マオマオだろ!!」

 

 女は一瞬固まった後、額に汗をかきながら反論する。

 

「私はメイメイよぉ! マオマオなんて名前じゃない!」

 

 俺はスマホを取り出し、ブラウザで『ExtremeChat』を開いた。そしてマオマオのアカウントを表示して女に突きつける。

 

「このピンクのウィッグ、お前のリュックの中に入っているのと同じだろ!」

「台湾人の女は皆リュックにピンクのウィッグ入れてる。珍しくない!」

 

 まだ白を切るつもりか。

 

「このピンクの大人の玩具、お前のリュックの中に入っているのと同じだろ!」

「台湾人の女は皆リュックにピンクの大人の玩具入れてる。珍しくない!」

「んなわけあるか!! 勝手に台湾人女性のイメージを崩すな!!」

 

 マオマオは一瞬、しゅんとなる。

 

「ガストンから台湾の調査団に女性がいると聞いていたが、まさか『ExtremeChat』のマオマオだったとはな……」

「何か文句あるか? 冒険者が副業するは禁止されていない! ダンジョンで自慰行為するは禁止されていない!」

「ダンジョンでの自慰行為は禁止するまでもないからだ!」

 

 キッ! と俺を睨み付け、マオマオは拳を握る。何故そんなに自慰行為に自信をもっているのか全く理解できないが、そこを責めても仕方がない。ソフトランディングでいこう。

 

「別にそれを咎めるつもりはない。俺がマオマオに聞きたいのハヤトに対する【呪い】の件だ。あれは、マオマオのスキルなんだろ?」

「そうわよ! ハヤトの野郎! ショタ化でスパチャ荒稼ぎしやがって!! ファッキン、アスホール!!」

 

 滅茶苦茶口が悪くなった。マオマオからすると、ぽっと出のハヤトが物凄い勢いでスパチャを稼いでいるのは許せないのだろう。

 

「どうすれば、ハヤトの【呪い】を解いてくれる?」

「うーん。呪い解くはちょっと難しいかも」

 

 マオマオは口元に指を当て、考え込む。

 

「どういうことだ?」

「呪いの人形、どか行っちゃったから」

 

 ニカッ! と笑って見せる。

 

「詳しく聞かせてもらおうか……」

 

 俺はマオマオの手を掴み、ダンジョンの外へと連行した。

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