【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
翌日、俺はソマリアダンジョンから少し離れたサバンナ地帯へと来ていた。後ろにはハヤト、アカネ、そしてマオマオがいる。
最初は昨晩の内に【呪術】のスキルについて聞き出そうと思ったのだが、台湾の調査団のメンバーがマオマオを迎えに来たので延期とした。
どうやらマオマオ(本名:メイメイ)が『ExtremeChat』をやっていることは、台湾のメンバーの中では周知の事実らしい。
ただ、一番台湾の冒険者の中で実力が上なので、止められないとか……。力のある変態が一番厄介という事例だ。
翌日、必ず向かわせます! という台湾調査団のリーダーの言葉を信じ、昨晩はマオマオを解放したというわけだ。
「諸越さん、アレですかね」
ハヤトが草むらの中に座る巨大な鳥を指さした。今回のターゲットである、ダチョウだ。
俺達は食料調達兼、防諜の為にキャンプ地を離れていた。マオマオの【呪術】のスキルは世間に知られていないものだ。今はまだ、他国の調査団に知られるわけにはいかない。知られるにしてもハヤトの件が解決してからだ。
「あれはダチョウのメスだな。じっと動かないってことは卵を守っているのだろう。マオマオへのヒアリングは後にして、先に狩ってしまおう。誰がやる?」
三人を見回すとアカネが手を上げた。
「パワーアップした【魅了】で動物のメスも落とせるか試したいの!」
アカネはほぼ完璧に【魅了】をコントロール出来るようになっていた。毎日のようにソマリアダンジョンの高レベルなモンスターを相手にしているだけのことはある。
「任す」
腰のモーラナイフを抜き、不敵な笑みを浮かべながらアカネはゆっくりとダチョウに近づく。
首を上げて警戒を始めたダチョウだが、すぐに様子がおかしくなった。まるでアカネに服従するかのように、コテンと首を下げ地面に伏す。完全に【魅了】が効いたようだ。
アカネは走り出しダチョウの元に達する。そしてモーラナイフで仕留めた。ブンブンと手を振ってこちらに合図を出す。
「よし。解体に入ろう。マオマオは薪を集めてくれ。逃げるなよ」
「逃げないよー。ダチョウ食べたいし」
マオマオはあっけらかんと答えた。何事も深刻に考えないタイプらしい。
俺とハヤトはアカネのところに向かう。ダチョウの血が地面に吸われていた。
「諸越! 卵がいっぱい!」
アカネは地面に並ぶ巨大な卵を指さす。全部で十個もある。ちょっと食べきれないな。卵は持ち帰り用だな。
「よし。二人は胴体部分を解体してくれ。俺は先に首でスープを作る」
地面に横たわるダチョウの胴体から灰色の首を外す。
「諸越さん。これはなんて種類のダチョウなんですか?」
胴体の羽を毟りながら、ハヤトが質問してきた。ハヤトはやはりまだ股間が痛むようで顔を顰めながら作業をしている。
「これはアフリカンブラックと呼ばれる家畜種。牧場で飼っていたものが逃げ出して野生化したものだ。最近は元々の野生種が少なくなった代わりにこいつらが生息範囲を広げている。品種改良のおかげで病気になり難く成長も早いからな」
首の皮を剝ぎながら答えると二人は「へ~」と感心したように声を上げた。
バックパックからまな板と鍋を出し、ダチョウのネックを輪切りにしていく。
鍋に濾過水と輪切りネック、万能スパイス『モリニシ』を入れれば準備完了。さて、そろそろ火を起こしたいのだが……。
遠くに薪を大量に抱えたマオマオの姿があった。随分と欲張りだな。
俺は石を集め、竈をつくり始める。丁度いいタイミングでマオマオが戻ってきた。
「ご苦労。竈に薪を並べてくれ」
「はいよ」
マオマオは慣れた手つきで薪を組んでいく。俺は麻紐をほぐして待つ。
「あっ、いらないよ。私、火をつける」
薪に手を翳し、マオマオは小さな火球を放った。すぐに薪は燃え上がり、焚火は安定する。パフォーマーのイメージが強いが、マオマオはやはり冒険者なのだ。
マオマオが集めた薪の一つを鍋のハンドルに通し、火にかける。後は待つのみ。
「諸越! ダチョウの内臓食べられるの!?」
腹を裂きながらアカネが尋ねた。
「心臓とレバーは問題なく食べられる。串焼きがいいだろう。腸は細菌がいるから傷つけるなよ? 肉に移る」
「了解!」
アカネは心臓とレバーを外すと、まな板の上で一口大に切っていく。ハヤトは薪を割って串を作り始めた。
「私なにするか?」
意外と協力的だな。マオマオは。『ExtremeChat』のランカーは人間力が高いのかもしれない。
「ダチョウのフィレ肉をステーキにするから三センチぐらいの厚さに切ってくれ。骨の内側の柔らかい部分だ」
「わかた」
マオマオは動物の解体にも慣れているようで自分のナイフで簡単に肉のブロックを作り、分厚いステーキ用に切っていく。
俺は沸騰しかけたネックスープを焚火からおろして蓋をし、上に炭をのせた。鍋の周りにも炭を置いて、しばらく放置だ。
そして手早くレバーとハツの串に万能スパイス『モリニシ』を振り、焚火の近くに差す。熱が加わってレバーが縮み、血が地面に滴り落ちた。本当は血抜きした方が臭みはないが、新鮮だから問題ないだろう。
マオマオが切ったフィレ肉を一枚、フライパンに乗せて表面を焼いていく。新鮮なダチョウ肉はレアが美味い。俺一人なら刺身で食べていただろう。
全ての面に焼き色がついたところで、フィレステーキをまな板におく。
「一センチぐらいに切って食器に盛り付けていってくれ」
「わかた」
十分後には四人の皿にガチョウのフィレステーキとレバー・ハツ串が並んだ。そしてコップにネックスープをよそっていく。
「さて食うか」
朝食兼昼飯だ。皆、大層腹が減っていたようでガツガツと食らいつく。
「フィレ肉、やわらかい! とろける!」
「これは美味い」
アカネとハヤトが感嘆の声を上げた。マオマオは無言で食べ進める。表情から、満足していることがわかる。
さて。そろそろ本題に入るか。俺はハツ串を咀嚼して飲み込んだ後、開き直ってピンクのウィッグを被るようになったマオマオを見た。
「マオマオの【呪術】のスキルはいつから使えるようになったんだ?」
「ん。前から使えるけど、最近効果が強力になた」
まったく……。『ExtremeChat』のランカーには怪物しかいないのか……。
「【呪術】はどんなスキルなんだ?」
「えほねー。何かを捧げて結果を得るスキル」
マオマオはフィレステーキを頬張りながら答えた。
「ちなみにハヤトはどうやって呪った?」
「まず呪いの依り代をつくるよ。今回は股間に釘を刺したハヤト人形を作た。それにソマリアダンジョンの第一階層の転移の間にの箱に入れてある魔石。『ご自由にお持ちください』のやつを大量に捧げた。出来心でやた」
ん……。俺がたまに拾って箱に入れてある魔石だ……。
「捧げたら、結果については願うだけでいいのか?」
「そ。ハヤトの股間が痛くなりますように! って願た。こんな効果が長く続くとは思てなかた。悪戯ぐらいのつもりだた。ごめんなさい」
「で、そのハヤト人形はいまどこにある?」
「それが……」
マオマオは口に人指し指を当て、顔を作る。
「突然動くようになって、どっか行っちゃったよ! 魔石、たくさんいっぱい捧げたからかな~?」
ハヤトの顔が険しくなった。
「なぁ、マオマオ。ハヤトの呪いを解除するにはまさかその人形をなんとかしないといけないのか?」
「その通りよ。私が人形に触って呪いを解除する必要ある」
「で、ハヤト人形がいなくなったのはどこだ?」
「ん。ダンジョンの中」
最悪である。
「なぁ。もし、呪いを解除する前にハヤト人形がバラバラに破壊されたらどうなる?」
「んー。それに見合った何かが捧げられていれば、ハヤトの体も破壊されるかも」
レバー串を食べていたアカネの目つきが鋭くなる。
「ねー。ソマリアダンジョンのなかって各国の調査団が倒したモンスターの魔石がゴロゴロ転がってるじゃん? ハヤト人形が捧げ物としてその魔石を取り込み続けてたらヤバいよね!?」
ハヤトの額に汗が浮かんだ。
「モンスターが侵入者と判定してハヤト人形を襲う可能性もあるし、冒険者が新種のモンスターと勘違いして攻撃を仕掛ける可能性もあるな。どちらにせよ危険だ」
「ガストンにお願いして、各国の調査団に通達を出してもらった方がよくない?」
アカネのまっとうな提案。しかし、ガストンの通達が新たな問題を引き起こす可能性もある。
「新たな発見に飢えている各国の調査団が「動く人形」なんて不思議なものを見つけて、素直に渡してくれるだろうか?」
「……最低でも調査対象として解体されてしまうかと……」
ハヤトが体を震わせながら言った。
「マオマオ。ハヤト人形がいなくなったのはダンジョンの第何階層だ?」
「第三階層よ~」
第二陣で第三階層まで達している国はまだそんなにない筈だ。第一陣はもう第六階層以降に進んでいる。まだ、間に合うかもしれない。
「よし。一応、ガストンには知らせておくが自分達でハヤト人形を探そう。マオマオにもついて来てもらうぞ?」
「いいよ~。私悪かったし。でも、一つだけ条件ある。マオマオ垢で配信するのことしたい」
こいつ……。なんとしてでもスパチャランキングだけは譲りたくないらしい。
「わかった。皆もそれでいいか?」
アカネとハヤトは頷く。
四人、ネックスープを飲むと立ち上がり、ガチョウのもも肉と卵をもってキャンプ地へと足早に戻った。
11月から新しい職場になるので慣れるまで更新頻度がゆったりになるかもです! 生暖かい目で応援してください!!