【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第50話 米沢と御厨

 日本冒険者協会の会議室は二人の男が生み出した緊張感に包まれていた。

 

 室内にいるのは現会長の米沢、一人。ただ、彼が凝視するWEB会議用のモニターにはバツの悪そうな顔をした、センターパートの若い男が映っていた。

 

 二人は黙り込み、会議室時計の長針が何度か動く。

 

 ようやく、米沢の口が開いた。

 

「御厨。なぜ今日まで会議の打診に応じなかった?」

「申し訳なかったです……。体調が優れなくて……」

 

 御厨は顔を青白くして、視線を泳がせる。

 

「尻か?」

「……体調が優れなくて……」

 

 弱々しくはぐらかす御厨に対し、米沢は追求を強める。

 

「火消しの為に私がどれだけ駆けずり回ったと思っている? 御厨からの報告もなく、ソースはエロサイトのアーカイブ動画だけ。これで、各方面にまともな報告ができると思うか?」

「いえ……」

「今更かもしれないが、報告をしてくれ」

 

 米沢に促され、御厨はポツリポツリと話し始める。ソマリアダンジョンに到着してから、順調に攻略を進めたこと。ダンジョンで変わった人形を見つけたこと。その人形を「ユニークモンスター」だと思い、捕獲したこと。

 

「ふん。しかし、それは台湾の冒険者メイメイのスキル【呪術】によって生み出されたものだったと」

「そうです。あの人形はハヤトを呪うためのものでした。俺が人形の股間に刺さった釘を触ったところ、ハヤトは股間を押さえて痛がりはじめたのです。間違いなく人形とハヤトは連動していました」

 

「ふん」と言って、米沢は考え込み始めた。御厨は次の言葉をじっと待つ。

 

「それで、御厨はどうやって挽回するつもりだ? まさかこのままおめおめと日本に戻ってくるつもりではあるまいな?」

「それはないです……!! 俺達は……ダンジョンの先を目指そうと思います……」

「それでいい。お前達は前に進むしかないのだから。で、諸越達への対処はどうする?」

 

 御厨は顔を引き攣らせ、答える。

 

「奴等にはなるべく関わらないようにします。俺達のミッションはソマリアダンジョンの調査です……」

「それはその通りだ。奴等に関わる必要はない。ただ、世間に対するアピールはどうする? アカウントはBANされたままだろう? 新たに御厨達が日本調査団としてアカウントを新設しても申請が通るかどうか……」

 

 米沢は眉間に皺をよせ、息を吐く。

 

「遥のアカウントでダンジョン配信は続けようと思います。すでに話は通してあるので」

「ふん。今のタイミングでは仕方あるまい。遥と御厨達でダンジョンアタックを続けるしかないか……。遥を出すことで、世間の日本調査団に対するイメージも一旦リセットできるだろうしな。ただ──」

 

 射抜くような米沢の視線をモニター越しに送られ、御厨は背筋を伸ばす。

 

「──もう失敗は許されないからな。全てを掛けてソマリアダンジョンに臨め! いいな!」

「はい……」

 

 御厨が弱々しく返事をすると、WEB会議は切断された。会議用のモニターは灰色の背景だけになる。

 

 米沢はすぐには立ち上がらず、腕を組んで思案に暮れる。そして、呟いた。

 

「【呪術】か。似ているな……」

 

 考えがまとまったのか、米沢は立ち上がり会議室を後にした。

 

 

#

 

 

 重たい空気が漂う日本調査団のキャンプ地。御厨は個人テントから出ると、大きな天幕へと入った。御厨と似たような雰囲気の長身の若い男が二人、さっと立ち上がって迎える。

 

「どうでした? 御厨さん」

「お怒りだよ。『全てを掛けてソマリアダンジョンに臨め!』と叱咤を受けた」

 

 御厨の話を聞いて、男二人は同じタイミングで眉を下げた。

 

「どうするんです?」

「やるしかないだろ……」

 

 御厨は左手首をすっと前に出す。白いテーピングが巻かれている。御厨は端をつまむと、グルグルと巻き取るようにテーピングを外した。

 

 現れたのは、手首に埋め込まれた禍々しい目玉のようなもの。

 

「【スキルブースター】にありったけの魔石を食わせて【テイム】と【ブースト】のスキルを強化してダンジョンを攻略する。もう様子見はなしだ。幸い、ソマリアダンジョンの一階、転移の間には各国の調査団が捨てた魔石が山になって転がっている。燃料には困らない」

 

 二人は息を呑み、自分達の左手首に視線を落とす。それぞれ御厨と同じように、白いテーピングが巻かれていた。

 

「しかし……副作用についてはまだ懸念が……」

「もう十分に試験運用はした! スキルブースターを使用した後も身体に変化がないことは証明出来ている!!」

 

 御厨が強く主張すると、二人は黙り込む。今度は柔らかい口調で御厨は諭し始めた。

 

「大丈夫だ。何か異変を感じたら、【スキルブースター】の使用をやめればいいだけだ。それにいいのか? このまま表舞台からされば、俺達はホモ野郎のレッテルを貼られたままだ。一生、SNSでネタにされ続けることになる。きっとミーム化されるだろう」

「それは……嫌です……」

「耐えられない……」

 

 二人は顔を上げ、しっかりと御厨の目を見た。

 

「俺達をコケにした諸越達よりも早くダンジョンを踏破し、奴等と世間を見返してやるんだ! 俺達の力で!!」

「「はい!!」」

 

 三人の決意を聞いて、御厨の手首に埋め込まれた目玉が妖しく輝いた。




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