【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
早朝のソマリア。
俺とハヤトが川で洗濯をしていると、背後で何者かの気配がした。素早く立ち上がり、身構える。ハヤトも俺の横で拳を握っていた。
「きゃっ! 何で全裸なんですか……!?」
そこにいたのは日本調査団の遥だった。顔の前に両手をもってきて、隙間からこちらを覗いている。
「そりゃ、ブリーフを洗濯しているからだろ。月曜日の朝は一週間分の洗濯をして、乾かしてからキャンプに戻るようにしているんだ」
俺の横でハヤトも頷いている。もうすっかりスキル【ネイキッド】と共に生きることに慣れたようだ。
「とにかく、パンツを穿いてください!」
ハヤトと顔を見合わせる。呆れた様子だ。たぶん、俺も同じような顔をしているだろう。「ここは自分が」と軽く手を挙げ、ハヤトは諭すように遥に語り始めた。
「遥。いま、ブリーフを穿くことはできない。さっき諸越さんが言った通り、全て洗濯中だ。つまり、濡れている。濡れたブリーフを穿くことはとても気持ちの悪いことなんだ。分かるか?」
遥は少し言葉に詰まる。しかし、譲らない。
「じゃあ、葉っぱか何かで隠してください!」
「そんな恥ずかしいことできるわけないだろ?」
ハヤトが当然のことを言った。葉っぱで股間を隠すなんて現代人のやることではない。馬鹿げた提案だ。
「なんで恥ずかしいんですか? 全裸の方が恥ずかしいでしょ!?」
「はぁ」と息を吐き、ハヤトは遥をじっと見つめる。
「遥。想像してみてくれ。好きな人に裸を見られるのと、貝殻ビキニの姿を見られるの。どちらが恥ずかしい?」
両手の向こうで遥の顔がハッとなる。
「……それは、貝殻ビキニの方が恥ずかしいです……」
「わかってくれたか。それで、俺達に何か用か?」
観念した遥は両手を下ろし、俺達から視線を逸らしてモジモジしながら話し始めた。
「あの……私……。御厨さん達とダンジョンアタックすることになったんです」
ふん。あのまま日本に戻るのかと思ったら、御厨達はまだソマリアダンジョンに潜るつもりなのか。思ったより、メンタルが強いな。
どう返していいか迷ったハヤトが俺に視線を送る。俺がヒアリングをするか。
「他の日本調査団のメンバーではなく、遥を指定したんだな?」
「はい。私の動画配信サイトのアカウントで、一緒にダンジョン配信して欲しいって。すでに、日本冒険者協会の会長の許可も取っているらしいです」
「確か、御厨達が使っていた日本調査団の公式アカウントはBANされているんだったな。だから、遥の個人アカウントでと」
「はい……」
遥は不安そうにする。
「同じ日本調査団のメンバーなんだから、一緒にダンジョンアタックするのは当然の流れに思えるが。別にあいつ等だって素面の時はホモプレイしたりはしないと思うぞ?」
「それがなんか、気合が入り過ぎていて怖いんです。三人とも目が血走っていて。鼻息も荒くて。前はクールな印象だったのに、三人ともガツガツしている感じで……」
ハヤトと顔を見合わせる。まさか……。
「もしかしてダンジョン内でプレイするのが癖になったのかもしれないな……」
「はい。アカネさんが扉を開いてしまいましたか……」
遥の表情が更に暗くなる。
「私、どうしたらいいでしょう? 男の人同士が急に目の前で……その……プレイを始めたら……トラウマになってしまいそうで……」
もっともである。
「いつからダンジョンアタックを?」
「今日の午後からです」
ハヤトが俺に視線を送る。「なんとかならないか?」と。前は一緒に活動していた仲だ。心配なのだろう。
「わかった。御厨達とダンジョンアタックをする時は事前に教えてくれ。遥アカウントのライブ配信をチェックするようにしておく。もし、御厨達がおっぱじめたら、俺が遥を迎えにいく」
「ありがとうございます!」
遥は深々と頭を下げる。顔がハヤトの股間のすぐ近くにきた。こいつ、わざとやっているのか……?
俺の疑問に答えることはなく、遥は小走りに去っていった。
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「諸越、ハヤト! 何の動画観てるの? 昨晩のアカネちゃんの配信のアーカイブ動画? ブラジル調査団との熱い戦いを二人して観ているわけね? やっぱり南米の人はリズムが違ったわよね~。絶対、サンバの影響があると思う」
「黙れ」
「静かにしてください」
キャンプ地にある大きな切り株にノートPCを置き、遥と御厨のダンジョン配信を観ていると、昼まで寝ていたアカネがやってきた。
俺とハヤトの間に割り込むようにしてアカネはPCのディスプレイを覗き込む。
「なんだ、私の動画じゃないじゃん」
残念そうな声。それに釣られるようにして、今度はマオマオがシェルターから飛び出してきた。
「きっと諸越とハヤトは私の昨晩の配信のアーカイブ動画を観ているよ! ブラジル調査団のキャンプ地でアカネのパコリングを覗きながら自慰配信したやつ! とても評判よかた!」
「黙れ」
「静かにしてください」
マオマオはアカネの隣に割り込み、PCのディスプレイを覗き込む。
「なんだ、私の動画じゃない」
「なんでわざわざお前達のアーカイブ動画を観なきゃいけないんだよ。俺達は遥と御厨達の配信を観ているんだ」
アカネとマオマオは顔を見合わせる。
「まさか……ホモ疑惑を払拭するために、御厨達は遥とパコリングを……!?」
「そうわよ……間違いないわよ……」
もう放っておこう。
「あっ、始まりましたよ」
ハヤトの声と共にダンジョン配信は始まった。ディスプレイには鎧姿の遥が大きく映っている。
『今日は私の個人アカウントでダンジョン配信をやろうと思います』
事前の周知などなかった筈だが、遥はアイドル。すぐに同時接続数は上がり、コメント欄が賑やかになる。
<おっ、遥ちゃん! もう怪我は治ったの!?>
<久しぶり! 元気そうで安心した>
<まさか、一人でソマリアダンジョンに挑むの? ちょっとそれは……>
ドローンカメラが遥の背後にレンズを向ける。そこには長身センターパートの若い男が三人。御厨達だ。
<あっ……>
<御厨達がいるなら安心かな?>
<お、おう。遥ちゃんが危ない目に遭うことはなさそう>
視聴者達の反応は微妙だ。遥ファンとはいえ、御厨達の痴態については知っているだろうからな。
『それでは第一階層から行きたいと思います。私の復帰戦、温かく見守ってくれたらうれしいです』
遥と御厨達はソマリアダンジョンの第一階層を進んでいく。お約束のハイオークが登場するがすぐに【テイム】され【ブースト】によって強力な兵器となる。
全く危なげなく、ダンジョン攻略は進む。
「諸越さん」
「あぁ」
ハヤトも気が付いたようだ。御厨達の変化に。
「アカネ」
「うん」
アカネとマオマオも気が付いたらしい。
「【ブースト】が強化されている」
「男色に目覚めているわ」
こいつら、一体何を観ているんだ……。
俺とハヤトは下ネタしか話さない怪人二人と一緒にダンジョン配信の視聴を続けた。