【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第53話 ガストンの懸念

『日本調査団は素晴らしい活躍じゃないか。リーダーは御厨と言ったか?』

 

 日本冒険者協会、会議室。web会議用の大型モニターの向こうで経団連の副会長が満足気な表情を浮かべていた。それに対し、米沢が自信に満ちた声で返す。

 

「ええ。御厨です。私が手塩にかけて育てた冒険者で、次世代を担う存在です」

『今までにないスタイルの冒険者だと世界中で話題になっているそうじゃないか?』

 

 米沢はニヤリと口元を緩める。

 

「その通りです。今までの冒険者は【自分が強くなりたい!】というマインドが強かった。だから限界もありました。しかし、御厨達は違います。モンスターを操り、モンスターを強くする。どんなに強いモンスターが現れようとも、【テイム】すれば問題ない。モンスターこそが、御厨達の力なのです」

『しかし、なぜ他の国の冒険者は御厨達と同じことをやらないんだ?』

 

 当然の疑問を副会長は口にした。

 

「真似できないからですよ。通常、【テイム】はスキルレベルが上がるまで全く役に立たないスキルです。【テイム】で戦えるようになるには途方もない時間がかかります」

 

 副会長の目つきが鋭くなる。

 

『御厨達には何か秘密があるということだな?』

「その通りです。御厨達は特別な訓練をすることによって【テイム】のスキルレベルを飛躍的にアップすることに成功しました。その訓練はどの国でもやっていない、極めて秘匿性の高いものです。申し訳ないですが……」

『分かっておる。別にその訓練方法を開示しろとは言わない。ただ、他の国に盗まれるような間抜けなことはないように。特に、米沢は中国の冒険者協会と繋がりが強い』

 

 米沢はwebカメラに向かって笑顔を作り、おどけた様子で両掌を上にあげる。

 

「副会長は誤解なさっています。私は中国の冒険者協会を利用しているだけです。御厨達の育成に中国は一切、絡んでおりません」

『それならいいが……』

 

 その後、米沢は日本調査団のスケジュールについて説明し、経団連との定例会をそつなく終えた。

 

 シンとした会議室で一人、米沢はほくそ笑む。

 

「世界中で話題になっている。か。ふふふ」

 

『……これから、もっと世界を驚かせことになる……』

 

 米沢の口から、奇妙に掠れた声が響いた。まるで、別人のような。俄かに表情は虚ろになり、身体の周りに奇妙な靄がかかり、輪郭が曖昧になっている。

 

「そうだな。御厨達には先を急がせよう」

 

『……あぁ。もっと巨大な魔石が必要だ……』

 

 コンコン。と会議室の扉がノックされる。米沢の身体の周りに立ち込めていた靄はさっと引っ込み、いつも通りの表情になった。

 

「理事長! 次の予定のお客さんがお見えになっています!」

「あぁ、すまない。すぐに応接室に行く」

 

 職員の声に米沢は立ち上がり、会議室を後にした。

 

 

#

 

 

「呼び出して悪かったな」

 

 アメリカ調査団のキャンプ地。いつものコンテナハウス。

 

 ソファに座るガストンは少し疲れた様子で脚を組み、その上に肘を置いて身体を前傾させていた。今日のダンジョンアタックで消耗したのだろう。

 

「いや、俺も会話したいと思っていたところだ」

「俺もです」

 

 ガストンの対面には俺とハヤトが座っている。アカネとマオマオは夜のパコニックへ出掛けているので不在だ。きっと、アメリカ調査団の凄腕冒険者が二人を監視していることだろう。

 

「二人の意見を聞きたいのは、日本調査団のミクリヤ達についてだ」

 

 やはり。ハヤトも予想していたらしく、頷いている。

 

「俺はミクリヤ達が進めるのは第五階層までだと思っていた。オークキングを倒しても、第六階層以降のアンデッドには通用しないと高を括っていた。しかし奴等は俺の予想を裏切り快進撃を続けている。もう間もなく第十階層、ドラゴンゾンビに挑もうというところまできた。もし第十一階層に達すれば、アメリカやロシア、中国と並ぶことになる」

 

 ガストンは淡々と語る。話しながら、自分の頭の中を整理しているようだ。

 

「アメリカのベテラン冒険者に一人、【テイム】を得意にしている奴がいる。ミクリヤ達を除けば、俺が知る限り一番の【テイム】の使い手だ。そいつに聞いてみたんだ。一人で何体のモンスターを【テイム】出来るのか? と」

 

 唾を吞み込む音がハヤトから聞こえる。

 

「全盛期でも三十体。それも、すべてゴブリンだったそうだ」

「一方の御厨達はスカルジェネラルやヴァンパイアを【テイム】し、一人で百体以上の軍勢を率いている」

 

 俺の言葉にガストンは顔を歪める。

 

「異常だ……。絶対に何か裏がある筈。しかし、それが分からない。モロコシ

達は何か情報を掴んでいないのか……?」

「残念だが何も」

 

 ガストンは「ふう」と息を吐く。あてが外れてがっかりしているのだろう。

 

「一つ、気になることがあります」

 

 ハヤトが静かに声を上げた。

 

「なんだ?」

「さっき聞いたんですが……。御厨達は食料と一緒に魔石を運んで来るよう、遥に頼んでいるらしいんです」

 

 ガストンは顔を上げ、眼光を鋭くする。

 

「魔石を? 第一階層の転移の間に捨てられてあるやつか?」

「そうです。これまでの癖でつい拾ってしまい、特に使い道がないので皆が置いていく魔石を御厨達は求めているらしいのです」

 

 魔石をなぁ。まさか……。

 

「モロコシ。何か思い当たることがあるのか?」

「魔石を使うスキルと言えばマオマオの【呪術】がそうだ。魔石を捧げて何か得体のしれないモノを依り代に降ろす。そして依り代を通して呪った相手に影響を与える」

「ミクリヤ達は何か得体のしれないモノに魔石を捧げ、自分達を強化してもらっている……!?」

 

 ガストンの予想に、俺はゆっくりと頷く。

 

「諸越さん……。マオマオさんの【呪術】では大量の魔石を捧げることによって、依り代が意思を持ったように動きだしました。御厨達が魔石を捧げる相手もその内、意思を持つのではないでしょうか?」

 

 ハヤト人形の件で痛い思いをしたハヤトが顔を曇らせる。

 

「少し、ミクリヤ達の監視を強めるか」

「それは俺がやります。遥が心配ってのもありますし」

 

 ガストンの言葉にハヤトが答えた。強い意志を持った瞳をしている。

 

「流石にハヤト一人では何かあった時が大変だ。御厨達はExtremeChat勢でなんとかしよう」

 

 俺がそう答えると、ガストンは「頼む」と静かに頭を下げた。

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