【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第68話 異世界二日目

 結局、異世界での一日目は大きな動きはなく終えることになった。

 

 日が暮れる頃まで応接間で過ごし、夕方になるとベッドのある客間に案内されたのだ。客間は二つ用意されており、アカネとマオマオで一室。俺とハヤトで一室という割り振りだった。

 

「明日からどうなるんですかね? あまり、勝手に行動できる雰囲気ではないですけど……」

 

 客間にデリバリーされた夕食を備え付けの丸テーブルで食べながら、ハヤトは呟く。少し、焦りを感じる。

 

「焦る気持ちは分かるが、じっくり行くしかない。闇雲に動いても、悪魔と遥に辿り着くことは出来ないだろう。まずは情報収集。その為にはこの世界の人々と気持ちを通じ合わせる必要がある」

「そうですね」

 

 ハヤトは少し冷めたスープを啜る。味を楽しむ余裕はなさそうだ。

 

「幸い。と言っていいのかは分からないが、MKRYが遥に危害を加えることはそうそうないと思える。別に、殺そうと思えばいつでも遥を殺すことは出来た筈。MKRYはこの世界で、俺達に嫌がらせをしたいんだ。遥は俺達を釣る餌だ。自分で餌を食べる釣り人はいないだろ?」

「はい……」

 

 食事を終え、ティーポットに用意された茶を飲みながらハヤトは客間を見渡す。

 

「随分と立派な部屋ですけど、この施設はなんなんでしょうね?」

 

 ハヤトの言う通り、客間の壁や床は磨き上げられた石で作られており、みるからに立派だ。そしてフレイムタンやアイスソードをそのまま壁に立てかけていても問題ないぐらい、丈夫だ。

 

「すれ違う人の服装や、壁のレリーフを見る限り、神を祭っている施設のようだな」

「神殿……ですか」

「あぁ」

 

 口に手を当て、ハヤトは考え始めた。そしてチラリと俺の方を見る。

 

「もしかして、俺達って神のシモベのように思われていたりします?」

 

 急にある言葉を思い出した。それは初めてソマリアダンジョンでオークキングを倒した時に耳にした──

 

「【剥キ出シノ勇者】」

 

 ──言葉。

 

「はい?」

「オークキングが俺のことをそう呼んだんだ。『剥キ出シノ勇者ヨ』と」

「……それって、俺達が勇者としてこの世界に招かれたってことですか?」

 

 思わず、腕組みをしてしまった。そんなことがあるだろうか? しかし、オークキングは「先ニ進メバ、更ナル驚キニ出会ス事ニナルダロウ」とも言っていた。ソマリアダンジョンが異世界と繋がっていることを示唆していたとも考えられる。

 

「可能性はあるな。その方がコリンヌ達の俺達に対する丁寧な態度にも納得できるし」

「……アカネさんとマオマオさんが勇者で大丈夫なんでしょうか?」

「いや、大丈夫じゃないな……。あいつらがやらかさないように監視しておかないとな。変な配信してないよな?」

 

 ハヤトは丸テーブルに置いていたスマホを慌ててチェックする。

 

「諸越さん、大変です! あの二人、『異世界道中チンクリゲ』ってタイトルで配信をやってます!!」

「絶対にやめさせるんだ! 場所は分かるか……!?」

「たぶん、この神殿の中です!」

「急ぐぞ……!!」

 

 訂正する。異世界での一日目はドタバタだ。

 

 

#

 

 

 深夜までアカネ達と追いかけっこをした後、俺とハヤトは泥のようにベッドの上で眠った。異世界転移で身体に負荷がかかっていたようだ。普段は小さな物音でも意識が覚醒するのに、朝までぐっすり眠ってしまっていた。

 

 上半身を起こして部屋を見回す。特に変わったところはない。武器やバックパックも無事だ。

 

「……おはようございます……。すみません。無警戒にぐっすり眠ってしまったようです」

「俺もだ。幸い、何もなかったようだ」

 

 少しすると、扉がノックされる。返事をすると、メイドとコリンヌが入って来た。メイドの押すティートローリーには朝食が乗っている。やはり、俺達は持て成されているらしい。

 

「おはよう」

「おはようございます」

 

 俺達が声を掛けると、コリンヌ達は少し驚いた顔をして、挨拶を返す。

 

「おい、ハヤト。会話データの為に、八塚と会議通話しておいた方がいいんじゃなかったか?」

「あっ、そうでした」

 

 これは八塚からの提案だ。毎回撮影した動画を送信するのではなく、ドローンカメラを接続した状態で八塚と会議通話を行い、録画は八塚側で行う。ということらしい。AIのエージェントを仕込んだ会議アプリにリアルタイムで異世界言語を学習させることができるそうだ。

 

 たった数時間でこの準備を整えた八塚の調整力に脱帽だ。

 

 丸テーブルに並べられた食事をしながら、なるべくコリンヌに話し掛ける。身振り手振りを交えながら。「このパンを焼いたのは誰だ?」「この魚の名前は?」「コリンヌはもう朝食を食べたのか?」というように。

 

 コリンヌは立ったまま、身振り手振りと異世界言語を返してくれた。そしてその様子がAIエージェントに送られる。会話のシチュエーションと身振り手振りを単語の連続と紐づけながら、既存の言語パターンに当てはめていくそうだ。

 

 朝食を終えた頃、再び扉がノックされ、返事をする前にアカネとマオマオが入ってきた。当然のように丸テーブルに座り、話し出す。

 

「いや~昨日の配信、謎に盛り上がったね! 無音でやったのが逆に新鮮でよかったみたい。コメント欄が凄いことになってた!」

「スパチャもガッポリだったわよ!」

 

 二人はご機嫌だ。まったく……。

 

「おい。まず、反省しろ。普通だったら捕まるところだぞ? お前達は神聖な神殿で夜這いを掛けようとしたんだから」

「えぇーそんなのわかんないじゃん! 夜這いウェルカムな文化かもしれないじゃん!」

「そうわよ! モロコシュはすぐに異文化を分かったふりする。よくない!」

 

 こいつら……。

 

「性行為をライブ配信してウェルカムな文化がこの世界にあるわけないだろ! 考えろ!!」

 

 二人は耳を塞ぎ、「べー」と舌を出している。まるで反省の色、なしだ。

 

「……〇▽×□□……?」

 

 気を遣ったのか、丸テーブルのすぐ傍に立つコリンヌが手を広げながら、俺達四人に話し掛ける。「まあまあ、落ち着いて」という感じで。

 

 そして会話が途切れたところで、コリンヌはティートローリーの下段からスケッチブックのようなものを取り出した。そして、クレヨンのようなものでスラスラと何かを描き始める。そして、くるりと胸の前で回転して俺達に見せた。

 

「王様?」

「そう見えるわね~」

 

 コリンヌが描いたのは、王冠をかぶり、背の高い椅子に座る男だった。十人が十人、王様と答えるだろう。

 

 俺達の反応に満足そうに頷くと、コリンヌはまた絵を描き始めた。今度は少し時間が掛かっている。描き終えると、再びスケッチブックを回転。王様と離れたところに顔が四つ。ショートカットの女、お団子頭の女、角の生えた男、髭の生えた男。つまり、俺達四人組だ。

 

「へえ、似顔絵うまいじゃん」

「よく特徴をとらえているわよ~」

「本当に上手ですね」

 

 褒められているのが分かったのか、コリンヌは頬を少しだけ赤くする。そしてスケッチブックを俺達の方に向けたまま、絵に一本の矢印を描く。その矢印は俺達四人から王様の方へと向かっていた。つまり……。

 

「これから、王様に会いに行くってこと……!?」

「いいイベント来たわね。チケットチャットチャンスわよ」

 

 異世界に来ても二人の商魂は逞しい。

 

「しかし大丈夫だろうか?」

「えぇ、そうですね」

 

 俺とハヤトの考えは一致している。コリンヌに諭すように語りかける。

 

「アカネとマオマオは連れていかない方がいい。こいつら、スキルを駆使して絶対に王様とパコリングライブしようとするからな。絶対にやらかす」

 

 すかさず、反論。

 

「諸越とハヤトの方がヤバイでしょ! 王様に会うのに、パンツ一丁なのよ!? 少しでも危険を察知するとすかさずブリーフを脱ぎ捨てるわ!」

「そうわよ! 美女二人に迫られるのと、フルチンの男二人に迫られるの、男としてどっちが怖いか明白わよ!」

「俺達は迫らない!!」

 

 白熱する議論にコリンヌは「まぁまぁ」と手を広げ、諭すように何かを語る。言葉の意味は分からないが、場を収めようとしているの伝わった。コリンヌを困らせるべきではないか……。

 

 少しクールダウンしてから、話す。

 

「昨晩の騒ぎについてはコリンヌ知っている筈だし、俺とハヤトの事情についても理解している。その上で、俺達四人を王様に会わせようとしているのだろう。お互いの主張は一旦ひっこめて、コリンヌに従おう」

「そうね。オコリンヌにならないうちに行きましょう」

 

 俺はコリンヌからスケッチブックとクレヨンを借りると、大きな〇を描いて王への謁見を受け入れた。




※表現に注意した本作の【配慮版】の投稿をカクヨム様で始めました。配慮が足りない部分がありましたら、教えてください!

↓↓↓【配慮版】↓↓↓
https://kakuyomu.jp/works/16818093084526944064

いつの間にかカクヨムにもずんだもんが現れるようになった! 異文化交流だ!
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