【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第73話 誤解を解く

「こっちの世界に来てから誰ともしてなくて夢精しそう! ねえ、コリンヌ。男の紹介が無理なら、私とレズプレイして地球をわかせてみない!?」

 

 神殿から練兵場へ向かう道中。アカネは自分のスマホにインストールした翻訳アプリに音声入力を繰り返す。

 

 アプリは少し思考してから、何度目かの冷淡な声を返した。

 

『申し訳ございません。こちらの翻訳もお断りします』

「なんでよ!! レズプレイなら問題ないでしょ!!」

「本当よ! この翻訳アプリ、壊れてる!!」

 

 AIの正しい判断に対し、アカネとマオマオが歩きながら大声を上げる。

 

 すれ違う人々が何事かと振り返り、コリンヌが困った顔をしていた。

 

「流石のAIもアカネの言うことは理解できないし、したくないようだな」

「ですね」

 

 俺の発言にハヤトは小さく頷いた。その途端、前を歩いていたアカネが振り返り、こちらに絡む。

 

「それ、どういうこと……。まさか、シコギュラリティに到達したっていうの?」

 

 ん?

 

「シコギュラリティってなんだ?」

 

 アカネは足を止め、急に真面目な顔を作る。

 

「シコギュラリティとは……人間の性欲がAIの理解を超える性的特異点のことよ」

 

 マオマオもアカネの横に立つ。

 

「私達は遂に、その域に達してしまたのか」

「これから私達の性欲は指数関数的に加速し、AIを突き放すことになるわ……」

 

 二人、遠い目をして空を見上げた。

 

「うるせえ。さっさと前向いて歩け」

「早く行きましょう」

 

 ハヤトと協力して馬鹿二人の身体をくるりと回し、背中を押す。

 

「わっ! AIに支配された人間が私達を雑に扱った!」

「これは人間の衰退を招く事態わよ!」

「いいから! 歩け! 練兵場に行くぞ!」

 

 二人はキーキー喚きながらも歩き始める。

 

 騒ぎに驚いたコリンヌがハヤトの横についた。ハヤトはすっとスマホを差し出し、コリンヌに音声入力させる。

 

『なにか問題発生ですか?』

 

 アプリはコリンヌの言葉を翻訳してみせた。しっかりと機能しているらしい。

 

「いいえ。アカネとマオマオが下らない冗談を言い、それを注意しただけです」

『そうですか。なら良かったです』

 

 コリンヌは表情を明るくし、テキパキと歩き始めた。

 

 

#

 

 

 青空に響く掛け声。長剣が振るわれる度に陽の光を反射し、煌びやかに閃く。

 

 練兵場では相変わらず、全裸の屈強な男達が鍛錬を続けていた。

 

 以前は三百程度だったが、数は増え、既に五百人はいるだろう。

 

「あぁぁぁ……!! ムラムラするうぅぅぅ……!!」

「剣を捨てて、私達を抱くわよ!!」

 

 異世界に来てからパコリング配信を出来ていないアカネとマオマオが裸の男達を見て、身体を捩らせる。

 

「コリンヌ。ホエンベルクさんを呼んできてくれませんか?」

 

 ハヤトが翻訳アプリに訳させると、コリンヌはペコリと頷く。そして、顔を赤くしながら裸の騎士の集団へと近づいていった。

 

 程なく、赤髪の偉丈夫が俺達のところへやってくる。ホエンベルクは軽く手を挙げ、俺達に友好の意を示した。

 

「ハヤト。早く誤解を解こう」

「はい」

 

 ハヤトはスマホを顔に近付け、音声入力を始める。

 

「伝えたいことがあります。俺達が裸で戦うのは、【ネイキッド】という裸になると身体能力が飛躍的に向上するスキルを持っているからなんです」

 

 AIは少し思考した後、現地の言葉で俺達の事情をホエンベルクに伝えた。ホエンベルクは大きく瞳を見開く。

 

 考え込んだ後、ホエンベルクはスマホに向かって言葉をぶつけた。

 

『私達が裸で訓練をしていたのは、意味のないことだったのか……?』

 

 ハヤトがちらりと俺の顔を見た。どう答えてよいか迷っているのだろう。

 

「はっきり言った方がいい」

「そうですよね……」

 

 ハヤトはしっかりとホエンベルクを見つめたまま、翻訳アプリに音声入力をする。

 

「残念ですが、その通りです。裸で剣を振っても身体能力が向上することはありません」

 

 AIの翻訳を聞き、肩を落とすホエンベルク。さっきまでの溌剌とした雰囲気が消え失せる。そして、背後にいる騎士の集団を振り返った。

 

 これからホエンベルクは約五百人に話さなければならない。「裸で訓練することに意味はなかった」と。

 

 ここまで過ごした限りの印象では、この世界の人々は貞操観念が高い。みだりに肌を出すことはないし、男は女に行為を誘われたとしても、簡単には応じない。慎み深いのだ。

 

 そんな彼らが魔人に対抗する力を得るため、恥も外聞も脱ぎ捨て、裸で剣を振り始めた。秒で全裸になる俺達とは覚悟が違う。

 

 これからホエンベルクは、その覚悟を無にしなければならない。

 

 ホエンベルクは俺達の方に向き直り、神妙な表情でゆっくりと話し始める。

 

『どうやってその【ネイキッド】というスキルを得たのですか?』

「俺は……この諸越さんに命をわけてもらうことで、【ネイキッド】を得ました」

 

 ハヤトが少し恥ずかしそうに答えた。

 

 AIの翻訳を聞き終えると、ホエンベルクがじっと俺の顔をみる。深く頷くと、くるりと反転して背中を見せた。そして、剝き出しの尻を俺に向けて突き出し、声を上げる。

 

『どうか、私にも命をわけてください!』

 

 いつの間にか宙を舞っていたドローンカメラが俺とホエンベルクを引いた絵で捉えた。ドローンカメラにはアカネのスマホが固定されていて、視聴者のコメントが聞こえてくる。

 

 

<…!? これは一体どういう状況なのだ……!?>

<命をわけてくださいって聞こえたのだ……!!>

<異世界で初めての音声あり配信がこれなのだ……!?>

<てかやっぱり、諸越とハヤトはこうやって命のやり取りをしたのだ……!?>

<ウッホ……!! いい尻なのだ! 諸越、さっさと頂くのだ!!>

 

 

 少し離れたところでアカネとマオマオが腹を抱えて笑っている。大人しくしていると思ったらあいつ等……。

 

「ち、違うんです! 俺は別の方法で命をわけてもらったんです! なんというか、胸に……心臓……」

 

 慌てたハヤトが中途半端な言い訳をし、翻訳アプリが異世界語に翻訳した。

 

 それを聞き、ホエンベルクはさっと向き直ると、俺の前に膝立ちになって手を広げ、大胸筋をアピールした。

 

「諸越! はやく胸に! 命を分けてあげて!!」

「そうわよ!! 胸に!!」

「うるせえ! 物事をややこしくするな!!」

 

 それからハヤトは落ち着きを取り戻し、翻訳アプリを駆使してなんとかホエンベルク達に服を着せることに成功した。

 

 ただホエンベルクだけは、俺に熱い視線を向けるのをやめようとはしなかった。




昔、なろうやカクヨムに投稿した作品をハーメルン用に改稿して投稿してます。
現代ダンジョンものです。暇つぶしに是非!


『性格の悪さを神様に買われて加護を得ました』
https://syosetu.org/novel/369078/
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