【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
村と呼ぶべきか。町と呼ぶべきか。
悪魔の羅針盤に導かれ辿り着いた先は、立派な石垣に囲まれた集落だった。入り口に木製の立派な門があり、門衛が二人立っている。
集落に至るまでは延々と畑が続いていたので、農業が盛んなのだろう。
馬車から降りてドローンカメラで俯瞰したところ、家屋の数は三百以上。住人は軽く千人を超えているはず。倒壊した建物等はなく、悪魔が暴れた痕跡は見えない。
「この街のどこかに?」
翻訳アプリ越しに問い掛けると、コリンヌは険しい顔で頷いた。「悪魔」という言葉を口にすることさえ、汚らわしいという様子で……。
「ふーん。悪魔がいるわりには静かね」
アカネは門衛にウィンクしながら呟く。門衛の一人は魅了されたようで鼻の下をだらんと伸ばし、全身の力が抜けたようになった。
「なんて名前の村なんですか?」
『パンスコというみたいです。私も初めて来ました』
コリンヌは何度も地図を確かめながらハヤトの質問に答えた。
「パンスコ! なんか性に奔放な感じがする!」
「これはパコリング配信が捗る予感わね~」
馬鹿二人は放っておこう。
「とりあえず、中に入ろう。 宿はあるんだろ?」
『たぶん、あると思います』
コリンヌは魅了されていない門衛に近寄り、事情を説明する。今回、俺達の素性は隠されていない。「異界の勇者」であることを全面に押し出している。
これには政治的な意味合いもあるらしい。「異界の勇者」が悪魔討伐の旅に出ていると国中に伝えることで、国威発揚を狙っているとか。
少々面倒臭くもあるが、悪魔の注目を集めればMKRYへ近付く可能性が高い。
俺達は全面的に王国に協力することにしていた。
『宿まで案内してくれるらしいです。行きましょう』
門衛の一人に先導され、俺達と二台の馬車、五人の騎士がパンスコの門を潜った。
もう間もなく夕暮れという時間帯。
俄かに気温が下がり、露出の多いアカネとマオマオが通り抜ける風に身を震わせ、自らの肩を抱いた。
アカネは胸元ががっつり開いたタンクトップにホットパンツ姿。マオマオは下着が透けて見えるチャイナドレスを着ている。寒くて当たり前だ。
「冷えてきたわ。早く男の肌で暖まらないと凍えちゃう!」
「最低、二人。いえ、三人は必要わね~」
「悪魔が潜んでいる可能性が高いんだからな! 夜、勝手に抜け出すなよ!」
注意すると、二人は「はいはい。わかってますよ~」と軽く流した。こいつ等……絶対夜這いをかけるつもりだな……。
『今晩はここに泊まります。一応、宿ですが、普段は村の集会場らしいです。あまり快適ではないかもしれませんが……』
コリンヌが申し訳なさそうに指さしたのは、他の家屋より大きめの平屋だった。集会場と言われれば、確かにそのように見える。
俺とハヤトは自分達の武具だけを馬車から下ろし、宿に入った。
引き戸を開くと土間が広がり、奥に二つ、板張りの部屋が見える。
『寝具は納戸の中にあるそうです。男女で別れて部屋を使いますか?』
コリンヌの言葉をアプリで翻訳したハヤトが俺を見上げる。
「そうしよう。向かって左を男部屋。右を女部屋とする。食事はどうする?」
『宿で食事は出ませんので、村の食堂で食べましょう。情報も集めたいですし』
確かに情報は欲しい。今のところ異変は感じないが、暮らしている人は何か違和感を覚えているかもしれない。
護衛の騎士を見張りとして宿に残し、いつもの四人とコリンヌでパンスコの町を歩く。すれ違う人は俺とハヤトの姿を見て目を見開くが、それ以上のリアクションはない。
すっかり陽が落ち、茜色に染まった空を見上げると雲が物凄い速度で流れていた。
「どうしました?」
「いや、天気が崩れそうだなと思ってな」
俺につられてハヤトも空を見上げる。
「本当ですね。さくっと夕飯を食べて宿にもどりましょう」
「あぁ。その方がよさそうだ」
コリンヌに案内されて入ったのは、この村で一番人気だという食堂だった。門衛のお勧めらしい。
若い給仕の娘が俺とハヤトの股間を見て「ワーォ」と声を上げ、ニヤニヤと目を細める。
「あら? 随分と積極的な子ね。諸越、抱いておやり」
「お前、どんな立ち位置だ。黙っとけ」
アカネを封殺しつつ、案内された六人席に着く。 コリンヌが注文している間も給仕の娘は俺やハヤトに何度も目配せをした。
こっちの世界にも積極的な女はいるらしい。揶揄われている可能性もあるが……。
「なんかさっきからすっごくエロい目で見られてる!」
「マオマオも感じているわよ!」
食堂の中の八割は男性だ。そのほとんどが酒を飲みながらチラチラと俺達の卓を見ていた。
食事が運ばれて来てからも変わらない。むしろエスカレートしている。露骨に舌なめずりしている輩までいる。
「アカネもマオマオも、明日からもう少し露出を控えろよ。田舎の男達には少々刺激的らしい」
「控えるわけないでしょ! 死ねって言うの!?」
なんで露出を控えたら死に直結するんだ……。
「しかし、ここまで見られたら落ち着かないですね。もう行きましょう。天気も心配ですし」
「そうだな。情報収集って感じでもなさそうだし」
テーブルの皿が空になったタイミングでハヤトが退店を切り出す。コリンヌが苦笑いしながら同意し、先に立ち上がって会計を済ませにいった。
「ねえ! ちょっとフリーセッションして来ていい?」
「いいアイデアわね!」
フリーセッション……?
「言い方を変えても駄目だ。悪魔が潜んでいるかもしれないのに、乱交なんてやってる場合じゃない」
アカネとマオマオの腕を掴み、むりやり食堂の外まで引き摺る。もうすっかり陽は落ち、空気が湿り気を帯びていた。いよいよ雨が降りそうだ。
「悪魔に関する調査は明日以降にしよう。今日は宿に戻るぞ」
「はい」
ブーブー文句を垂れる馬鹿二人を肩に抱え、宿に向けて夜のパンスコの町を歩く。街灯なんてものはなく、家々から漏れる光りだけが頼りだ。
「静かですねぇ」
「あぁ」
「一体、どんな悪魔が潜んでいるんでしょう?」
「見当もつかんな」
闇夜に響くのは俺とハヤトの声。そして、馬鹿二人の苦情だけだった。
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