【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~ 作:フーツラ
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んん? これは嬌声? しかも、幾つも聞こえるぞ?
外から聞こえる声に、意識が呼び戻される感覚。俺は確か、パンスコの町の宿で仮眠をとっていた筈。
ぼんやりとした頭をゆっくり振りながら上半身を起こす。すぐ近くに灯りがあり、柔らかく部屋を照らしていた。
二人の騎士が俺と同じように仮眠をとっている。ハヤトは部屋の外で見張りをしているのだろう。
静かに起き上がり、引き戸を開く。土間に椅子を出して座っていたハヤトが少し驚いた顔をする。
「まだ交代の時間じゃありませんよ? 起こしに行きますから、もう少し休んでいてください」
「いや、違うんだ。少し、気になることがあってな。ハヤトは聞こえないか?」
「えっ?」
ハヤトは椅子から立ち上がり、真剣な顔で耳を澄ます。その様子を、ハヤトと同じく見張りをしていた三人の騎士が、不思議そうな顔で見ている。
「虫の鳴く声以外、特に聞こえませんが……」
「そうか。ハヤトの【ネイキッド】の熟練度もまだまだだな。ブリーフを脱いで耳に集中してみろ」
「わかりました」
ハヤトは慣れた様子でブリーフを脱ぎ捨て、再び真剣な表情で耳を澄ます。
「……ん? これは嬌声? しかも、複数の……」
「あぁ、その通りだ。こんな夜中に、しかも一人や二人じゃない」
「まさか……!? アカネさんが町の人々を魅了して乱交パーティーを!?」
ハヤトは全裸のまま女子部屋に駆け寄り、引き戸を開け放った。俺も部屋の中を確認する。
左からコリンヌとアカネ、マオマオの順番で寝ている。アカネとマオマオは寝具を跳ね除け、ほぼ全裸のような恰好だ。
「アカネの仕業ではないか……」
「なに……?」
目を擦りながら、アカネが身体を起こす。
「いえ、少し気になることがあって」
答えると、アカネはハヤトがブリーフを脱ぎ捨てていることに気が付いた。ニヤリと笑う。
「わかったわ。夕飯を食べた食堂の女が忘れられなくてムラムラしているのね? アカネちゃんが三こすりで抜いてあげるから、こっちにいらっしゃい」
アカネは「わかっているわよ」という表情でハヤトを手招きする。
「いや、そうじゃなくて! 聞こえませんか?」
「え……? 何が?」
「何のことわよ~」
流石にうるさかったのだろう。マオマオも起きて目を擦る。
「この町のどこかで、複数の嬌声が響いているのを【ネイキッド】で強化した聴力が捉えたんだ。もしやアカネ達の仕業かと思って様子を見たところ、二人とも寝ていたってわけだ」
「嬌声?」「やってる声わよ?」と言いながら、アカネとマオマオは耳を澄ます。
「何も聞こえないけど……臭うわね」
「そうわよ。臭うわよ……」
臭う?
「どういうことだ?」
「何が臭うんですか?」
今度は俺とハヤトが二人に尋ねる。
「複数人の汗と愛液と精液の混ざった……」
「祭りの臭いわよ……」
アカネとマオマオは真剣な表情で続ける。
「出遅れたわ!」
「末代までの恥わよ!」
二人はスマホとドローンカメラを手にすると、靴だけ履いてほぼ全裸のまま部屋を飛び出した。
「おい! どこに行くつもりだ!」
「乱交会場に決まっているでしょ! 馬鹿なの!?」
「馬鹿はお前らだろ!! とまれ!!」
静止を呼び掛けるが、アカネとマオマオは止まらない。俺の言葉は空しく響くのみ。
「ハヤト。一応武器を持て。追うぞ」
「はい」
何が起きているのか理解できない騎士達とコリンヌを宿に残し、俺とハヤトは馬鹿二人を追いかける。
道中、ハヤトが不思議そうに問い掛けてきた。
「諸越さん。なんで俺達の強化された嗅覚でも感じとれないものを、二人は嗅ぎ取れるんですかね?」
「わからん。深く考えるのはやめよう」
「はい……」
暗闇に包まれたパンスコの町を駆けた。
#
「こんなところでやっていたのね」
「配信開始するわよ~」
辿り着いた先は、村を出て少し森に入ったところに立つ丸太小屋だった。開けた場所の至る所に照明が置かれ、裸の男女が交わる様子を照らしている。
スマホが固定されたドローンカメラが飛び上がり、乱交パーティーの様子を俯瞰で映す。視聴者のコメントを読み上げるずんだもんの声が、闇夜に響く。
<これは一体、どういう状況なのだ!?>
<異世界人は貞操観念がしっかりしているのではなかったのだ?>
<これは、アカネが魅了したのだ?>
地上に降りてきたドローンカメラに向かってアカネが語りかける。
「私は何もしてないわ! 現地の人が勝手に乱交パーティーを始めていたの! 今から、飛び入り参加するわよ!」
「もう、我慢できないわよ!」
アカネとマオマオは身体をくねらせ、勝手に昂り始める。
「ハヤト、どう思う?」
「町の人々の表情を見る限り、正気とは思えません」
ハヤトの言う通り。しかし、乱交パーティー最中の人々の目つきが妖しいのは当然とも思えた。これはただ、性に奔放な町人の集まりなのか……? それとも……。
パーティーに交ざるアカネとマオマオを遠巻きにして眺める。乱交に飽きた視聴者が俺達に話を振ってきた。
<諸越とハヤトは交ざらないのだ?>
<早く乱入して盛り上げて欲しいのだ!>
<異世界人の行為はちょっと大味であんまり面白くないのだ!>
「交ざるわけないだろ! もう少し様子見をしてただの乱交パーティーだったら、宿に戻るぞ!」
<そうだ! コリンヌちゃんを連れてくるのだ!>
<コリンヌちゃんのリアクションでご飯何杯もいけるのだ!>
<諸越、急ぐのだ!>
「呼んでくるわけないだろ! まったく――」
「諸越さん! あれを見てください!」
ハヤトが声を上げて指差した先を見る。ある男女が性行為をしていたのだが、その身体から深紫の煙のようなものが上がり始めていた。
深紫の煙はどんどん色を濃くしながら、宙を舞う。
「他のカップルからも、煙が出始めました!」
丸太小屋の周囲で交わる男女の身体から、次々に深紫の煙が上がり、中空で集まり始める。
煙は球体を描くようにまとまり、妖しく光り始めた。何かが起きようとしている……。
『フフフ。随分と増えたようね』
それは脳に直接響く声。この声の特徴を持つのは――。
「悪魔だ」
「ええ」
月を背負うように現れたのは、褐色の肌に黒い紋様を浮かべた女型の悪魔だった。