【二巻発売】海外のエロ動画サイトで俺だけ無修正ダンジョン配信 ~無双してスパチャNo.1になったら世界中の女性パフォーマーから罵詈雑言がDMで届きました~   作:フーツラ

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第77話 溢れた淫子

 んん? これは嬌声? しかも、幾つも聞こえるぞ?

 

 外から聞こえる声に、意識が呼び戻される感覚。俺は確か、パンスコの町の宿で仮眠をとっていた筈。

 

 ぼんやりとした頭をゆっくり振りながら上半身を起こす。すぐ近くに灯りがあり、柔らかく部屋を照らしていた。

 

 二人の騎士が俺と同じように仮眠をとっている。ハヤトは部屋の外で見張りをしているのだろう。

 

 静かに起き上がり、引き戸を開く。土間に椅子を出して座っていたハヤトが少し驚いた顔をする。

 

「まだ交代の時間じゃありませんよ? 起こしに行きますから、もう少し休んでいてください」

「いや、違うんだ。少し、気になることがあってな。ハヤトは聞こえないか?」

「えっ?」

 

 ハヤトは椅子から立ち上がり、真剣な顔で耳を澄ます。その様子を、ハヤトと同じく見張りをしていた三人の騎士が、不思議そうな顔で見ている。

 

「虫の鳴く声以外、特に聞こえませんが……」

「そうか。ハヤトの【ネイキッド】の熟練度もまだまだだな。ブリーフを脱いで耳に集中してみろ」

「わかりました」

 

 ハヤトは慣れた様子でブリーフを脱ぎ捨て、再び真剣な表情で耳を澄ます。

 

「……ん? これは嬌声? しかも、複数の……」

「あぁ、その通りだ。こんな夜中に、しかも一人や二人じゃない」

「まさか……!? アカネさんが町の人々を魅了して乱交パーティーを!?」

 

 ハヤトは全裸のまま女子部屋に駆け寄り、引き戸を開け放った。俺も部屋の中を確認する。

 

 左からコリンヌとアカネ、マオマオの順番で寝ている。アカネとマオマオは寝具を跳ね除け、ほぼ全裸のような恰好だ。

 

「アカネの仕業ではないか……」

「なに……?」

 

 目を擦りながら、アカネが身体を起こす。

 

「いえ、少し気になることがあって」

 

 答えると、アカネはハヤトがブリーフを脱ぎ捨てていることに気が付いた。ニヤリと笑う。

 

「わかったわ。夕飯を食べた食堂の女が忘れられなくてムラムラしているのね? アカネちゃんが三こすりで抜いてあげるから、こっちにいらっしゃい」

 

 アカネは「わかっているわよ」という表情でハヤトを手招きする。

 

「いや、そうじゃなくて! 聞こえませんか?」

「え……? 何が?」

「何のことわよ~」

 

 流石にうるさかったのだろう。マオマオも起きて目を擦る。

 

「この町のどこかで、複数の嬌声が響いているのを【ネイキッド】で強化した聴力が捉えたんだ。もしやアカネ達の仕業かと思って様子を見たところ、二人とも寝ていたってわけだ」

 

「嬌声?」「やってる声わよ?」と言いながら、アカネとマオマオは耳を澄ます。

 

「何も聞こえないけど……臭うわね」

「そうわよ。臭うわよ……」

 

 臭う?

 

「どういうことだ?」

「何が臭うんですか?」

 

 今度は俺とハヤトが二人に尋ねる。

 

「複数人の汗と愛液と精液の混ざった……」

「祭りの臭いわよ……」

 

 アカネとマオマオは真剣な表情で続ける。

 

「出遅れたわ!」

「末代までの恥わよ!」

 

 二人はスマホとドローンカメラを手にすると、靴だけ履いてほぼ全裸のまま部屋を飛び出した。

 

「おい! どこに行くつもりだ!」

「乱交会場に決まっているでしょ! 馬鹿なの!?」

「馬鹿はお前らだろ!! とまれ!!」

 

 静止を呼び掛けるが、アカネとマオマオは止まらない。俺の言葉は空しく響くのみ。

 

「ハヤト。一応武器を持て。追うぞ」

「はい」

 

 何が起きているのか理解できない騎士達とコリンヌを宿に残し、俺とハヤトは馬鹿二人を追いかける。

 

 道中、ハヤトが不思議そうに問い掛けてきた。

 

「諸越さん。なんで俺達の強化された嗅覚でも感じとれないものを、二人は嗅ぎ取れるんですかね?」

「わからん。深く考えるのはやめよう」

「はい……」

 

 暗闇に包まれたパンスコの町を駆けた。

 

 

# 

 

 

「こんなところでやっていたのね」

「配信開始するわよ~」

 

 辿り着いた先は、村を出て少し森に入ったところに立つ丸太小屋だった。開けた場所の至る所に照明が置かれ、裸の男女が交わる様子を照らしている。

 

 スマホが固定されたドローンカメラが飛び上がり、乱交パーティーの様子を俯瞰で映す。視聴者のコメントを読み上げるずんだもんの声が、闇夜に響く。

 

<これは一体、どういう状況なのだ!?>

<異世界人は貞操観念がしっかりしているのではなかったのだ?>

<これは、アカネが魅了したのだ?>

 

 地上に降りてきたドローンカメラに向かってアカネが語りかける。

 

「私は何もしてないわ! 現地の人が勝手に乱交パーティーを始めていたの! 今から、飛び入り参加するわよ!」

「もう、我慢できないわよ!」

 

 アカネとマオマオは身体をくねらせ、勝手に昂り始める。

 

「ハヤト、どう思う?」

「町の人々の表情を見る限り、正気とは思えません」

 

 ハヤトの言う通り。しかし、乱交パーティー最中の人々の目つきが妖しいのは当然とも思えた。これはただ、性に奔放な町人の集まりなのか……? それとも……。

 

 パーティーに交ざるアカネとマオマオを遠巻きにして眺める。乱交に飽きた視聴者が俺達に話を振ってきた。

 

<諸越とハヤトは交ざらないのだ?>

<早く乱入して盛り上げて欲しいのだ!>

<異世界人の行為はちょっと大味であんまり面白くないのだ!>

 

「交ざるわけないだろ! もう少し様子見をしてただの乱交パーティーだったら、宿に戻るぞ!」

 

<そうだ! コリンヌちゃんを連れてくるのだ!>

<コリンヌちゃんのリアクションでご飯何杯もいけるのだ!>

<諸越、急ぐのだ!>

 

「呼んでくるわけないだろ! まったく――」

「諸越さん! あれを見てください!」

 

 ハヤトが声を上げて指差した先を見る。ある男女が性行為をしていたのだが、その身体から深紫の煙のようなものが上がり始めていた。

 

 深紫の煙はどんどん色を濃くしながら、宙を舞う。

 

「他のカップルからも、煙が出始めました!」

 

 丸太小屋の周囲で交わる男女の身体から、次々に深紫の煙が上がり、中空で集まり始める。

 

 煙は球体を描くようにまとまり、妖しく光り始めた。何かが起きようとしている……。

 

『フフフ。随分と増えたようね』

 

 それは脳に直接響く声。この声の特徴を持つのは――。

 

「悪魔だ」

「ええ」

 

 月を背負うように現れたのは、褐色の肌に黒い紋様を浮かべた女型の悪魔だった。

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