浦和の桜吹雪   作:Simca Ⅴ

18 / 46
 今回のストーリーを描く上で、いくつか修正した箇所があります。
 例えばメジロクーパーは鹿毛から芦毛に変更していますが、これはpixivで某投稿者さんのAI生成ウマ娘のイラストを見ている内にメジロクーパー(+あと一人)のイメージが固まっていったためです。
 もし修正が不十分な箇所を見つけたら筆者に教えていただけるか、誤字修正をしていただけると大変助かります。

 長話にお付き合いいただき申し訳ないと同時に、ありがとうございました。

 そして、お待たせしました。
 どう描くべきか悩みましたが、中央トレセン学園編です。

※2025年3月14日追記……関東オークスを、この話では「南関東オークス」として言及させていただきました。この時間軸のウマ娘世界では北関東のレース場が3つとも生き残っていて北関東クラシック三冠・ティアラ三冠も開催しているためです。



ウマ娘編③「中央トレセン学園へ」※後書きにおまけ有り

 4月1日。

 桜の満開から少し過ぎた暖かな春の朝。

 東京都府中市某所に所在するマンションの一室で目を覚ました1人のウマ娘。

 

(……あぁ、そうだった……)

 

 見慣れない天井だ───そんなことを思ってしまった若草色の髪のウマ娘だが、つい昨日ここに引っ越してきたことを思い出し、寝ぼけながら体を起こした。

 向かい側のベッドを見ると、ルームメイトはまだ眠っていたが、寝相が悪いようでシーツがグチャグチャだった。

 相手は芦毛のボブカットヘアに、前髪の左側にピンク色のメッシュが掛かっているウマ娘だ。

 

(……この子、これでもメジロのお嬢様なんだっけ……?)

 

 群馬トレセンでの強化合宿時に初めて知り合った時のことを思い返すが、こんな寝相を見てからだとホラでも吹かれたか狐に摘まれたような気分にもなる。

 

(……って、もうこんな時間!?)

 

 時計を見るともう午前7時だった。

 

「クーパー、クーパーちゃん、起きて!!」

 

 若草色の髪のウマ娘は慌ててルームメイトの体を揺すって起こしにかかる。

 

「うぅーん……あ、おはよぅ、ハルナさぁん……」

「おはよう! さっさと早く着替えなきゃ!!」

「どうしたのそんなに急いで?」

「だって今日は4月1日でしょ!」

「……?」

「金曜日! 平日! 入学式!!」

「…… あぁー!?

 

 ようやく状況を理解したルームメイトと共に慌ただしく通学の準備に取り掛かる。

 いつも通りに髪を整え、彼女が好きな和菓子を模した耳飾りを左耳に結い、いつもの着慣れた制服に袖を通そう───としたのだが。

 

「ハルナさん! 今日からはそれじゃなくてこっちでしょ!」

「……あ!」

 

 条件反射というか染み付いた習慣故か、若草色の髪のウマ娘は紺色のブレザーの制服を着てしまいそうになり、慌てて着替え直した。

 改めて着直した制服は───青紫色を基調にしたセーラー服風の女子制服。胸には金の蹄鉄がついたリボンが付いているのだが、これが中々真っ直ぐにならなくて微妙に苦戦した。

 

「ハルナさん、急いで急いで!」

「ちょっと待って、これ、中々揃わなくて……」

「貸して。リボンはこんな感じで……はい、オッケー、曲がってたの直しましたよ」

「ありがとう」

 

 一瞬だけ、姿見に映った自分自身を見る若草色の髪のウマ娘。

 凛とした顔つきからは挑発的というか自信有りげな表情が伝わってくるが、彼女の本心は緊張して心臓がバクバクと五月蝿く鳴っていた。

 結んだ若草色の髪は開けていた窓から吹き込んだ桜吹雪を運ぶ風に靡いており、胸の白いリボンに付いてる金色の蹄鉄飾りは朝日の光で輝いていた。

 

「……うん。さいたまトレセンの制服姿もかっこよかったですけどね」

「あたし、衣装負けしてる?」

「まさか。そんなことないですよ。プレジャー先輩のお古だそうですが、中央の制服もよく似合ってますよ!」

「あら、……ありがとう。さぁ、行かないと」

 

 そして、通学用のショルダーバッグを肩から下げて登校。

 慌ただしくマンションの非常階段を駆け降りて、一階にあるコンビニで菓子パンを買ってそれを食べながら登校する。

 しかし幸いなことに、走るほど急がなくても間に合うことに気付くと、2人はスピードを緩めた。

 

「はぁ、はぁ、そこまで急ぐ必要なかったかも……」

「ですね……ボクのせいでハルナさんまで遅れそうになるなんて申し訳ないです」

「そんなことない。むしろ間違えてさいたまトレセンの制服を着ちゃった時なんてクーパーちゃんが言ってくれなかったら気付くのが遅れてたと思う。着慣れない制服に手間取ったけど、それも助けてくれたし。……だけど、クーパーちゃんも災難だよね。地震の影響で美浦寮が断水になっちゃって入寮できなくなっちゃうなんて」

「あれには困りました……」

 

 ハルナのルームメイトの名はメジロクーパーという。

 あの名門メジロ家のウマ娘故か、普段の態度には気品ある仕草が垣間見える。

 

 ただし、朝は弱く、寝相が悪い。

 普段と寝起きの状態のギャップ差が激し過ぎて、ルームメイトのハルナは時々このメジロクーパーが名門の出である事をつい忘れてしまいそうになるのだが、本来であれば、ハルナのルームメイトにはならないはずだった。

 というのも、彼女たちが通うことになる学校、日本ウマ娘トレーニングセンター学園。通称「中央トレセン学園」は全寮制である。

 この世界ではウマ娘たちが主役となるレースが人々を沸かせる一大スポーツイベントとなっているが、中央トレセン学園は、日本全国から選りすぐりの実績を持つウマ娘たちが集う。

 その数、中等部・高等部、そして大学部と大学院部、計12学年で2000人に及ぶマンモス校であり、おおらかな校風の下、個性豊かな面々が日々切磋琢磨してレースを興行として盛り上げ、彼女らが行なうレースは見る者たちを魅了して止まない。

 そんな中央を、ある者たちは「トップスターたちの殿堂」として神格化しているが、またある者たちは「魔窟」と呼んで羨み、畏れてもいた。

 

 だが、そんな輝かしい栄光を支えるものの中に、充実した中央トレセン学園の施設の存在があることを忘れてはならない。

 

 そもそも、中央も地方もほとんどが寮制なのは集団生活を経験して、いつかレースを引退して社会に出た時に備えて社会性を身につけることの他、やはりアスリートは体が資本である。故に、寝不足や夜更かしにならないよう、規則正しい生活を送らせるために、消灯時間が設けられているためだ。

 

 そして、中央トレセン学園には「美浦寮」と「栗東寮」という主に2つの学生寮が存在するのだが、先日の東日本大震災の影響はここにも波及しており、地震の影響で美浦寮の地下の水道管が破れて、断水を余儀なくされたという。

 

 メジロクーパーは今季から中央トレセン学園に通うことになり引っ越してきたのだが、入寮先がその有様で入居がままならず、臨時に割り当てられた部屋があのマンションの一室であり、そのマンションの一室にハルナが一歩遅れて入居してくる形となり、図らずもトレセン学園の寮室と同じように二人一組で過ごすことになった。

 あくまでも一時的な処置なので、この同居がいつまで続くかはまだ誰にもわからなかった。

 

 間も無く、大きな校門と青い校舎が見えてきた。

 今日もその青い校舎を目指して登校するウマ娘たちであるが、

 

「うわっ!」

「ちょ……!」

 

 穏やかな春の朝に似つかわしくない、ドンッという鈍い音がした。

 それは、中央トレセン学園正門手前の曲がり角、府中市某所の路上で2人のウマ娘が、出会い頭にぶつかった音。

 幸いだったのは、2人とも普通に歩いていただけだったことだろうか(片方が学友とのお喋りに気を取られて他所見していたことはこの際置いておくとする)。

 

 ウマ娘というのは、巡航スピードだけで時速40kmに達するというし、レースでの瞬間最高速度で時速75kmを叩き出せるウマ娘も世の中にはいるという。なお、群馬にはそれが霞んで見えるような時速90kmを叩き出したイカれたウマ娘の伝説もあるのだがこの際それは置いておく。……何が言いたいかと言えば、もし最高速度、ないしは巡航速度であっても、ウマ娘がぶつかってきたら双方無事では済まないということだ。

 

 尤も、もう片方にとってはある意味無事では済まない事態に陥った。

 

「あぁー! 何てこった!!」

 

 金色の栗毛のウマ娘は目の前の惨状に絶叫し、そして膝から崩れ落ちた。

 

「ご、ごめん、大丈夫……?」

 

 恐る恐る衝突したもう片方のウマ娘は金色の栗毛のウマ娘に慎重に声を掛けて手を差し伸べようとするのだが、その栗毛のウマ娘はその手を振り払い、

 

「てんめぇー! 何しやがるし!!」

 

 朝の通学路にまるで地響きのような憤怒がこだまする。

 何事かと通り掛かったウマ娘たちの注目も集まるが、当事者の1人である栗毛のウマ娘には周りが見えていなかった。

 しかし、栗毛のウマ娘が自分に怒りの矛先が向けられていることは衝突した側───若草色の髪をしたウマ娘も理解しているし、そもそもは自分の前方不注意が招いた結果である。

 ついでに、若草色のウマ娘と話していた芦毛のウマ娘も申し訳なさそうにオロオロしていた。

 おまけに、目の前に広がる惨状というのが……。

 

「うわぁ、勿体無ぇ……」

 

 大声を聞きつけた野次馬の1人がその状況についてそんな一言を思わず漏らした。

 路上のコンクリートの上に、蓋が外れた弁当箱と、そこから飛び出した中身がぶちまけられていたからだ。

 若草色の髪のウマ娘は即座に謝って、弁当箱の中身を拾おうとするのだが、

 

「エスポちゃん?」

「ひゃい!?」

「……どうしたの?」

 

 まさかその()()にここで出くわすとは思わなかったようで、金色の栗毛のエスポというウマ娘は変な声を出してしまう。

 振り返ると、そこにやってきたのは1人の男性。スーツ姿で、その襟に付けているのは中央トレセン学園所属を表す輝くトレーナーバッジ。

 彼の顔を見た途端、エスポは先ほどの憤怒の表情から一転、急に泣き出してしまった。

 

「ウワアァァァァンッ!」

「あぁ、もう、よしよし、どうしたんだ?」

「だってぇ、だってあーし、折角作ったお弁当がぁ……うえぇぇぇっ!」

「あ、あの……その、ごめんなさい。私が悪いんです……他所見なんてしていたからこんなことに……」

「私だってハルナちゃんとおしゃべりしていて周りをちゃんと見てなくて……ごめんなさい、佐々後さん、エスポワールシチーさん」

「いやいや、しょうがないよ、わざとじゃないんだし。ほら、エスポももう泣かないの」

「うぅ……グスッ……」

 


 

「ということがありまして……」

「災難! 朝から大変だったな」

 

 中央トレセン学園の理事長室。

 そこにいたのは部屋の主人であり、中央トレセン学園の理事長でもある秋川やよいと、その秘書である駿川たづなと。彼女たちと面談をするためにやってきた若草色の髪のウマ娘───今朝の騒動の当事者の片方になってしまったウマ娘のハルノウラワ。

 さらに、今朝の騒動の当事者のもう片方である金色の栗毛のウマ娘───その名をエスポワールシチーといい、彼女の担当トレーナーである佐々後(ささご)哲浩(てつひろ)と、間接的とはいえ原因を作ってしまった前髪にピンクのメッシュが入った芦毛のウマ娘───メジロクーパーもこの場に集められていた。

 

「い、いえ、私の前方不注意が原因であんなことになってしまったので……こちらこそ、初日からお騒がせして申し訳ありませんでした」

 

 ハルノウラワはそう言って、エスポワールシチーと佐々後トレーナーの2人に深々と頭を下げ、

 

「でも元はと言えばボ……私が会話で夢中になって、二人して周りが見えていなかったせいでこんなことになってしまい、申し訳ありませんでした!」

 

 続いてメジロクーパーも謝罪した。

 

「……こっちこそ、あーしも大騒ぎして悪かったよ」

「うちのエスポがすみませんでした」

 

 エスポワールシチーと佐々後トレーナーの2人もハルノウラワとメジロクーパーにそう頭を下げた。

 

 

 

「なるほど……どーりで見たことねぇウマ娘だなぁと思ってたらフリオーソみたいな特別留学組か」

「は、はい。よろしくお願いします。エスポワールシチー先輩!」

「せ、先輩って、堅苦しいのはよしとくれよ……」

 

 ハルノウラワ。

 さいたまトレセン学園所属のウマ娘だったが、今月から特別留学制度で中央トレセン学園の門をくぐることが許されたという。

 しかし、

 

「ハルノウラワよ。中央トレセン学園へようこそ。歓迎しよう。この後、中央トレセン学園の施設を担当トレーナーらと見て回ると良い。しかし! その前に1つ尋ねたいことがある」

「……はい」

 

 ここで秋川やよいは疑問に思っていたことを質問として投げかけた。

 

「何故、期限切れ2週間前に突然特別留学を受けることにしたのだ? 去年ウラワール理事長が提案した時などはまるで興味が無かったようだったと聞き及んでいるのだが」

 

 特別留学制度。

 地方トレセン学園に籍を残したまま中央トレセン学園に通い、トレーニング施設、及び授業に参加することが出来る地方のウマ娘にとってはまさに夢のような制度だが、その制度の適用対象に名を連ねるのは狭き門をくぐり抜けた実力あるウマ娘たちに限られる。

 船橋のフリオーソ、さいたまのハルノウラワなどなどが、まさにその数少ないウマ娘に当て嵌まる。

 

 しかし、ハルノウラワは12月に打診を受けた時点では乗り気では無く、一応、先月(3月)半ばまで決定を保留にしていた。それ自体は別にいいのだ。問題はその「心変わりの理由」だった。

 

「その……ぶっちゃけてもよろしいですか?」

「……構わないぞ」

「ありがとうございます」

 

 やよいは、ハルノウラワが忌憚無く意見を述べられるようにそう許可した。

 すると、ハルノウラワはポツポツと口にした。

 

「……正直言うと、私の実力で中央のウマ娘さんたちと張り合えるとは思えなくて」

 

 やよいはハルノウラワがそう言う理由に心当たりがあった。

 というのも、ハルノウラワがさいたまトレセン学園に在籍していた時に積み上げた戦績についても頭に入れている。

 例えば、兵庫ジュニアグランプリ・2着。その時の対戦相手は……。

 

「兵庫ジュニアグランプリで、オルフェーヴルにあと一歩のところで差されていたな」

「!」

「しかし、あのレースでの君の走りは、オルフェーヴルに引けを取るものではなかったはずだ。君はもっと自信を持っていいぞ」

「……ウラワール理事長にも同じことを言われました」

 

 「たははは」と、そうハルノウラワは力無く笑う。

 

「では何故、今更というか、期限が切れる直前になって了承したのだ?」

 

 実はこれについて、やよいはあまり良い気分がしなかった。

 別にハルノウラワのことを色眼鏡で見るつもりはないのだが、特別留学制度にも細かいが()()と言えるような問題がある。

 制度の欠陥とかそういった大きな話ではない。どうやっても()()()()()()ものがある。

 

「例えば、制服だが……」

「その……返答期限以内に特別留学制度を使うこと自体は問題のないことなのですが、特別留学をするのであれば、なるべく期限末を避けた方が色々と準備が出来たはずです。特別留学とはいえ、中央トレセン学園の一員として過ごしていただく上では中央トレセン学園の制服を用意しなければなりませんから」

 

 やよいに代わり、たづながそう説明した。

 

 特別留学の期限は春入学であれば同年度の3月末、秋入学だと9月末。

 特別留学を受けるか否かは担当トレーナーと担当ウマ娘の裁量に任されるが、仮に承諾していざ春入学・秋入学をするとしても制服の用意に最短で2週間、最長だと1ヶ月近く待たされる事もザラなのだ。

 

「は、はい。その点は大変に申し訳ありませんでした。それで、中央トレセン学園に通っていた先輩のお古をいただいて……」

「その先輩の名は?」

「セイウンプレジャーさんです」

「セイウンプレジャー……確か去年か」

「は、はい……」

 

 やよいもたづなも、学園を去って行ったウマ娘を一人一人覚えているわけではない。

 しかし、セイウンプレジャーは5年近く中央に在籍していた。

 オープン戦から中々勝ち上がれないが、芝がダメならダートで、中距離がダメならマイル、マイルがダメなら短距離でという具合にしぶとく粘り強く中央トレセン学園の末席に残り続けていたから2人はよく覚えていた。

 そんなセイウンプレジャーも一昨年に怪我をして出走できなくなり、去年度に中央トレセン学園を去り、さいたまトレセン学園に移籍したという。

 そのセイウンプレジャーのルームメイトになったハルノウラワが今度は重賞を勝ちダートG1を勝ち、特別留学制度の推薦を受けて今ここにいるのだから不思議なものだ。

 ちなみに、そのセイウンプレジャーは移籍先でオーバルスプリント・4着同着という成績を残し、今期は7月のさくらんぼ記念を目指しているという。

 

「確かに制服は新品じゃないですし、特別留学もギリギリになって決めてしまいました。それでも、私がここに来たのは……」

 

 言うのは恥ずかしい、でも、それ以外に言いようがない。深呼吸してから、ハルノウラワは独白した。

 

「中央で強くなって、場所を問わず色んな所を走って、みんなを笑顔に出来るレースをしたい」

 

 自分でもわかるぐらいにハルノウラワは顔が真っ赤だった。だが、それこそが偽らざる本心から来る答えだったことは、たづなもやよいも彼女の目を見て確信した。

 

「あの東北の大震災で、日本中から笑顔が消えてしまいました。……正直言うと、あの震災が起きた頃に至っても私は特別留学をするかどうか迷っていたんです。でも、そんな困難な中でも……実はあの時、私は強化合宿のために群馬トレセン学園にお世話になっていました」

 

 ハルノウラワの脳裏には、あの強い揺れの後、倒れた棚を立て直す職員の人を手伝った時の出来事や、震災の翌日に救援物資として食糧や飲料、日用品をトラックで運んできてくれたシマカゼタービンを始めとする瀬名酒造や地元の人々の暖かさ、ナコウトプカラを始めとする群馬トレセン学園の生徒たちが桜葉理事長始め群馬と栃木のウマ娘協会の上層部に食い下がって中止予定だった高崎レース場一般開放イベントを開催して、そこで一般の客さんの目の前で白熱した模擬レースを繰り広げたことなどなど。未曾有の大災害が起きても前を見ようとする人々の姿が浮かんだ。

 

「その現地の人々や群馬トレセン学園のみんなに元気付けられて、それで特別留学で中央に行く決意が出来たんです。でも、「中央に行って何をしたいのか」、いや、「どんな自分になりたいか」っていうヴィジョンは全く浮かばなくて……そんな私たちに中央のウマ娘たちがドバイで()せてくれました」

 

 

 

【トランセンド、ヴィクトワールピサ、日本のウマ娘2人が先頭で残り300m! 先頭ヴィクトワールピサだ、ヴィクトワールピサ先頭! トランセンドも粘っている、日本のウマ娘2人が2番手までを占めている! 外からオロールヤストレヴ、イタリアのハヤブサが外から差してくる! しかしヴィクトワールピサ、トランセンド、あと100だ! 頑張れ日本! ヴィクトワールピサ、トランセンド、日本のワンツーなるか! ヴィクトワールピサ、トランセンド、日本ワンツーです!! やりました、ヴィクトワールピサ、夢を追い、夢を叶えたヴィクトワールピサ!】

 

 3月末、日本のウマ娘たちの中には、ドバイからのレース中継をリアルタイムで見て聞いていた者たちがいた。

 ハルノウラワも実はその内の1人であり、若草賞のために遠征先した先の福山トレセン学園の宿泊施設で、リアライズノユメを含めた数人でそのレースの生中継を観戦して日本のウマ娘たちを応援していた。

 そして、遠くドバイで日本のウマ娘2人が激走し、ドバイワールドカップを初めて手にした時は大いに盛り上がった。

 なお、この時の日本時間は夜中の午前2時40分だったので、普通なら寮長や近所から怒られたり苦情が入ってもおかしくないほど騒いだのだが、震災の傷が癒えていない中でヴィクトワールピサとトランセンドが刻みつける栄冠を見届けるため、何なら福山レース場では関係者も近所の人々ですらターフビジョンに夜通し釘付けで、明け方にも関わらず朝まで勝利を祝ったほどだった。

 

「……あのお2人の姿を見て、ヴィジョンが定まりました。あれを見て心が決まったんです。それで無理を言うことになってしまい……」

 

 制度上問題がないとはいえ、事前準備が間に合わない春入学の期限ギリギリでの中央トレセン学園行きの決定。

 しかし、それは単にハルノウラワの気紛れではなく、かと言って、中央トレセン学園の施設の充実度に目が眩んだというわけでもなく。

 迷いと悩みを反芻した末、きっかけになった出来事と、間も無く訪れた決定打から生まれた信念による行動。

 

「……そうか」

 

 それら全てが伝わってきて、やよいは静かに口少なめに、だが、

 

「改めて歓迎しよう。ハルノウラワ」

「ありがとうございます、私、頑張ります!」

「うむ、期待しているぞ」

 

 改めて新たな留学生を歓迎して、エールを送った。

 

「……グスッ」

「また泣いてるの?」

「は、はぁ?!ち、ちげぇーし!」

 

 ハルノウラワの直向きな姿勢に思わず涙を誘われたエスポワールシチーだが、佐々後トレーナーに茶化された。

 

「……ところで、ハルナちゃんの担当さんは?」

 

 思い出したかのように佐々後トレーナーがそう言った直後、理事長室のドアをノックする音がした。

 

 ───コンコンッ

 

「失礼します、……理事長。宮松です」

「よろしい、入りたまえ」

 

 そこにやってきたのは、日焼けしたような肌に栃栗毛の赤み掛かった髪が目立つトレーナースーツ姿のウマ娘。

 その人物を見た途端、ハルノウラワは思わず笑顔になり、こう呼んだ。

 

「明美姉ちゃん!」

「久しぶり、ハルナちゃん。相変わらず元気そうで安心したわ」

「えっと……君たちは知り合いだったのかな?」

「はい。ハルナちゃんは幼い時から私の実家の和菓子屋によく出入りしていた子なんですよ」

「ほぅ……」

「それに、明美(ねぇ)がいるお陰で私はここにいるんですから!」

「ということはもしや?」

「いやいやいや、大したことは無いですよ」

「そんなことない。子供の頃からトレーニングに付き合ってくれたし」

「あ、あれはトレーナーの真似事をしていた時の事だし……」

「それに、メイクデビューの前日に電話して色々と話を聞いてくれたり、兵庫ジュニアグランプリで競り負けた後にたまたま明美姉が帰省していて指導してくれて。お陰で全日本ジュニア優駿を勝てた感じでした」

「あれはハルナちゃんの地力があったから出来たこと」

「じゃぁ、お姉ちゃんのお陰じゃん」

 

 場を整えるためにやよいは咳払いをすると、改まって確認するかのように尋ねる。

 

「えぇと……。ハルノウラワ。中央トレセン学園への特別留学中はチーム[ライジェル]所属ということで良かったと思うが、相違はない、ようだな?」

「はい!」

「では……宮松トレーナー。ハルノウラワに中央トレセンの施設を案内してやってほしい」

「分かりました。……行こう」

「あ。ハルナさん、ボクも行きます!」

「はい! 理事長、駿川さん、失礼します」

「うむ。行ってらっしゃい」

 

 やや騒がしかったが、フレアカルマこと宮松明美トレーナーに連れられてハルノウラワはメジロクーパーも伴って理事長室を後にした。

 


 

 放課後。

 若草色の髪を靡かせながらハルノウラワは中央トレセン学園のダートの練習コースを走っていた。

 チームメイトとなったメジロクーパーと共にダート2000mの併走トレーニングへ。

 

『ハルナちゃん、クーパー、あと10ハロン! 残り2ハロンに入ったらラストスパート!』

「はい!」「は、はい!!」

 

 ゴールポスト付近でストップウォッチを持ちながらタイムを計測しているのはチーム[ライジェル]のフレアカルマこと宮松明美トレーナー。

 そこにやってくる別の2人の影。

 

「フレアカルマさんもだいぶ正トレーナーとしてサマになってきたね」

「あ、マヤノさん、射手園さん」

 

 声がした方に振り向くと、そこにいたのはチーム[ライジェル]のお隣さんであるチーム[セントーリ]のチーフトレーナーである射手園(いてぞの) (ゆう)と、彼の補佐兼奥さんであるウマ娘のマヤノトップガン。

 2人とも背丈は150cm前後で見た目は小中学生にしか見えないのだが、こう見えてもれっきとした成人で中央トレセン学園のトレーナーやサブトレーナー資格の持ち主だ。その証拠に射手園のトレーナー用スーツの襟にはトレーナーバッジが夕日の光を浴びて輝いていた。

 ついでに、射手園の薬指には金と銀の指輪が嵌められていて、これも夕日に照らされて輝いていた。

 同じ金の指輪はマヤノトップガンの薬指にも嵌まっていた。

 そのマヤノがダート2000mを走っている最中のハルノウラワを見て、一言。

 

「うーん……2000mはまだ厳しい、かも?」

 

 そう言われてフレアカルマは不意を突かれたが、マヤノの言わんとすることをすぐに理解した。

 

「……やっぱりそう見える?」

「そうだね……1400か1600ぐらいまでは息が整っていたけど、そこからはもうバテバテになっている感じに見える、かも?」

 

 射手園は並走しているメジロクーパーとの様子を比較して言った。

 

「逆に、メジロクーパーの方が息が整っている感じだね……さすがはメジロ家というべきなのかな」

 

 ちなみにこの時、彼ら彼女らの後ろから、さらにもう1人影が現れた。

 それはマヤノと同じぐらいの背丈のウマ娘で、気付けば射手園の横に並んで立っていた。

 射手園は彼女の存在に気付いていたが、彼女も彼らが何をしているのか知ってたので、敢えて声を掛けなかった。

 

 それから間も無く、残り200mでラストスパートを掛けたハルノウラワとメジロクーパー。

 デビューしてそろそろ8ヶ月にもなりダートG1などの重賞も複数既に勝っているハルノウラワだったが、ダート2000mコースのゴール板を先に超えて行ったのはメジロクーパーの方だった。

 その差は何と1バ身。

 ちなみにメジロクーパーは今年デビューする予定なので、まだ重賞レースすらも走れていない。にも関わらず、ハルノウラワは見事にしてやられた。練習とはいえ1バ身も差をつけられては完敗と言わざるを得ない。

 しかし、両者がダート2000mを走り終え、そこで計測が終わると、ようやく射手園たちの背後にいた彼女は口を開いた。

 

「中距離は……苦手か、良くて普通、といった具合でしょうか?」

「「!」」

 

 物静かな消え入りそうな声で先ほどのハルノウラワのダート2000mでの走りについて端的な評価を述べるウマ娘の少女。その存在に気付かなかったフレアカルマとマヤノトップガンは驚くが、

 

「なぁんだルビーちゃんかぁ」

「ビックリしたぁ……」

 

 マヤノは「いつものこと」と言わんばかりの態度だったが、フレアカルマはこの遮蔽装置搭載お嬢様の突然の来訪には何度やっても慣れない。

 

 そのウマ娘は、黒鹿毛の艶やかな髪を縦ロールにしている、まるで昔懐かしのアンティークのお人形のような可愛らしさと隠しきれない気品の良さを湛えた雰囲気を併せ持ったマヤノのライバルでもあるウマ娘───ダイイチルビーだ。その左手の薬指には銀色の指輪を嵌めていた。

 

「あ、あれ? もしかして、射手園トレーナー率いるチーム[セントーリ]の方々ですか!?」

 

 2人が併走を終えてクールダウンしつつフレアカルマの元に戻ってくると、人が増えていた。

 しかもよく見れば、彼女にも見覚えのある中央トレセン学園の有名チームの1つ、チーム[セントーリ]のチーフトレーナーと、彼の奥様方兼サブトレーナーのマヤノトップガンとダイイチルビーがいるではないか。

 

「え、っと、うん。そうだよ?」

「あ、あの。後でサインをいただいても?」

「……それは私としては別に構わないのですが。その前に、ハルノウラワさん」

「は、はい、あたしですか?」

「えぇ。先ほどの走りについて発言をよろしいですか?」

「え、あ、はい、是非お願いしますルビーさん!」

「違うチーム故にお節介を焼くことになりますが……ハルノウラワさん。あなたの福山での活躍は聞き及んでいますが、やはり()()()()()()()()()()()()()ようですね?」

 

 その指摘に場が凍り、恐る恐るハルノウラワはダイイチルビーに尋ねた。

 

「え? ……もうあのレースの話が伝わっているんですか?」

「えぇ。当然です。全日本ジュニア優駿での出遅れも無く綺麗にスタートを切れていて、そのままの逃げ切り勝ち。しかし、あの若草賞では後方からオルフェーヴルさんのようなウマ娘からプレッシャーや煽りを受けたわけでもなく、最後の200……いや、400mで既に足が鈍っていましたね?」

「あ。あはは……何だかお恥ずかしい限りで……」

 

 ダイイチルビーに若草賞での勝利がいっぱいいっぱいだったことを見透かされて実際恥ずかしくなった。

 しかし、そもそも違うチームに入った特別留学生に過ぎないハルノウラワのレースを何故ここまで細かく見て知っているのか?

 

「ね、ねぇ、ルビーちゃん。何でハルノウラワちゃんにそんなに詳しいの……?」

 

 それに対してダイイチルビーはさっぱり答えた。

 

「当然です。さいたまトレセン学園では浅井(あざい)さんが担当されていたのですから」

「浅井トレーナー? えっと……確かあの人って、ゴーアレディさんだよね?」

「まさしく」

「え!? あ、あの、どういうことですか?」

「実は彼の方は───」

 

 野田トレセン最後のアイドル───今やそのような通称で人々に記憶されているゴーアレディであるが、実はダイイチルビーから見て母方の従姉である。

 今では現役を退いて本名の「浅井エリカ」を名乗りトレーナーに転向しているが、ハルノウラワにとっては少々信じ難い事実だった。

 衝撃を感じてから一瞬にも数分にも感じた、まるで時間が止まったかのような沈黙。それを破ったのは、直接は繋がりがない外野のメジロクーパーからの発言だった。

 

「───つまり、ハルナちゃんのさいたまトレセン学園時代のトレーナーさんが、ルビーさんの従姉(いとこ)、ってこと!?」

 

 言われてハッとするハルノウラワと、改めて状況を整理したメジロクーパーの発言に対して、ダイイチルビーは相槌を打って肯定する。

 

「そうです」

「……えぇー……」(あんなに酒癖の悪いのに……?)

 

 信じられないと言わんばかりのハルノウラワだったが、流石に後半部分は飲み込んだ。

 ドバイワールドカップの夜に深酒して泥酔しながら日本のウマ娘たちを応援していた姿はまさに「見せられないよ!」であろう。

 特に、ダイイチルビーと言えば、あの「華麗なる一族」として知られる日本に欠かせない超名門ダイイチ家の一員だ。流石にあんな姿を見ては親戚関係だとは信じ難いが、バレたら「一族の恥晒し!」とか断罪されかねない。*1

 

「何か?」

「い、いいえ、そ、そういえば確かにルビーさんとエリカちゃんは似ている? ような気がして、その……」

「……そうですか」

 

 元とはいえ、お世話になったトレーナーのためにも何とか誤魔化した。

 

「エリカちゃん?」

「あ、そ、その……浅井トレーナーとは私も親戚のお姉さんみたいに幼い頃から走り方を教わっていたので。つい名前で呼んじゃう癖が……」

「なるほどね……」

 

 一瞬間を置いて、ハルノウラワは言った。

 

「え、ええっと、その……こんな時に言い難いし、ルビーさんに指摘された内容がその通り過ぎて今更感はあるんですが……」

 

 緊張して、上擦りそうな声で尋ねた。

 

「……私の走り、どうでした?」

 

 その問いに、暫しの沈黙の後、まずマヤノトップガンが口を開いた。

 

「えっと。確かにハルナちゃんは逃げが好きみたい。だけど……?」

「そ、そうですね……先頭を走るのは気分がいいんですけど、差しや追込みも嫌いではなくて……ただ、途中で誰かに抜かされるとパニックになっちゃう癖が治らなくて……」

「併走トレーニングでもそれが出る、と?」

「短い距離なら何とかなるんですけど、1800m……いや、1500mを超えてくるとあの有様でして……」

「うーん……」

 

 ダイイチルビーが言わんとすることをマヤノトップガンも理解していた。彼女とて、菊花賞と天皇賞・春、有馬記念を制した経験のあるれっきとしたステイヤーだ。ダート2000mをハルノウラワに全力疾走させてみると、1600mを超えた辺りで脚が鈍っていたことは遠目から見ていても明らかだったし、実際に通過タイムの記録の推移を見ると、その目測が正しいことがより鮮明になる。

 

「ハルノウラワさんは、6月の南関東オークスと7月のジャパンダートダービーに出走予定。ですが、どちらも2000m以上の長さがある」

「適性がないわけじゃない。でも苦手か、良くて普通ってところ、か……さぁ、どうしたものか」

 

 しかしそこでクーパーがこんなことを言った。

 

「……ねぇ、本当にその2つに出なきゃダメなの?」

 

 その言葉に、その場の雰囲気が凍りついた。

 

「え? 何、ボク、悪いこと言った?」

クーパーちゃん?

「え、な……ヒィッ……!?」

 

 間違いなく地雷を踏んだ。

 そして、メジロクーパーは本能的に悟った。

 「あ。ボクはここで死ぬ」と。

 

 しかし、しばらくしてハルノウラワは漏れ出ていたオーラのようなものを霧散させ、頭を冷やした。

 それでもその心理的ダメージは尾を引き、クーパーは言葉では言い表せないような恐ろしさに萎縮してしまう。

 

「……ごめん、熱くなった」

「い、いいえ、ご、ご、ご、ごめ、んなさい……!」

「あ……あーぁ……クーパーちゃん大丈夫……?」

「……ハルノウラワさん。何故その2つのレースに拘るのですか?」

「ルビーさん……。私にとってこの2つのレースですが……、私をさいたまトレセン学園を送り出してくれた時に浅井トレーナーと約束したんです。「必ずここは出て必ず勝ちます!」って。特別留学で中央でもっと鍛えて強くなるために私はやってきましたが、魂の根っこは浦和にあるんです。この2つのレースに出て勝って、さらにオーバルスプリントでユメちゃん……いえ、()()()()()()()()()()()()のリアライズノユメと対決する。今年の私の目標はこれなんです。これを果たして、やっと浅井トレーナーとユメちゃんに恩返しができる。だから、譲れないんです。だから……!!」

 

 ハルノウラワは、フレアカルマ、射手園、マヤノ、ルビーらに深々と頭を下げて懇願した。

 

「お願いします! 私を鍛えて強くさせてください!!」

 

 暫く間を置いて、

 

「……ハルナちゃん、頭を上げて」

 

 優しく包み込むような声でフレアカルマが言うと、頭を上げた途端、フレアカルマに文字通りに抱擁された。

 

「昔から頑張り屋さんでひたむきで、曲がったことが大嫌いで。そんなあなたらしい目標だと思う。それに……」

 

 と続けようとしたが、フレアカルマは過去の後悔を口にするのをやめて飲み込んだ。

 

「……分かったわ。そこまであなたが言うなら、私たちも頑張るからね?」

「……はい! よろしくお願いします!!」

 

 春の夕暮れ、間も無く夕闇、空には薄く現れた月の姿。

 まだ肌寒い風に何処からか運ばれてきた桜の花びらが舞う。

 

 浦和の桜吹雪の跳躍はここから始まる。

*1
※ハルノウラワの個人的解釈というか偏見です……多分。




 いやぁ、何とか浦和の桜花賞の前に仕上げられてよかったぁ。

 ハルノウラワが着てる中央トレセン学園の制服は、セイウンプレジャーが昔着ていたものを譲ってもらった。
 作中でも語られている通り、セイウンプレジャーはさいたまトレセンに移籍してから1年経ってない感じですね。

◎佐々後トレーナー
 ここでのエスポワールシチーのトレーナー。
 エスポワールシチーを担当した時は新人トレーナーだったが、実は歳の離れた幼馴染。ウマ娘の妹がいる。
 周りには隠しているつもりだが、お互いが(恋愛的な意味で)好き。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。