インフィニット・ゲイザー   作:白菜を身にまとった生命体

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懐かしき家

あれからまた時間が経ち、一夏はある家の前に来ていた。かなりデカい家だが、中はあまり掃除されていないのかゴミが見えている。

 

『マスターのお姉様は掃除ができないのですか?』

 

「まぁ、うん…それもあるし、俺が2年前に行方不明になったからってのもあるだろうな」

 

『精神的ダメージですか』

 

そんな会話をしながらも、一夏は古びてしまった鍵を使って家の中に入る。家はゴミが散乱しているが、一夏の姉もできるだけやったのだろうか、プチゴミ山に留まっていた。そして上に上がり、自室を見るとそこには先ほどのリビングと見比べるとかなり綺麗な部屋であった。

 

「…やっぱり、変わってないな」

 

『マスター、マスターのお姉様は何者なのですか?』

 

「…まぁ、ちょっとキツい言い方をする人だな。きつい鍛錬とかもされたけど、今考えると自分が一緒に入れる時間が少なくなって、俺を守れなくなるから自衛させるようにしてたのかもな」

 

『そう仮定すると、マスターのお姉様…千冬様はかなり不器用な方ですね』

 

「そうだな…まぁ、1番の不幸者は自分だな。だって、帰ってくるまでにこんなに成長しちゃったしな」

 

『そうですね…そう言えばマスター』

 

「ん?」

 

『その千冬様がいますよ、扉の前に』

 

「…先に言え」

 

一夏はそう言って扉の方向を見ると、目の前の状況に唖然としている一夏の姉 千冬がいた。手にはビールが入った袋を持っており、先程まで買い物に行っていたのがわかる。

 

「…あー、その…た、ただいま?かな…千冬姉」

 

「…一夏!一夏なんだな!!?」

 

千冬は一夏に抱きつくとそう叫ぶ。

 

「…あぁ、そうだよ…ごめん、もっと早く帰れたらよかったんだけど」

 

「謝るのは私のほうだ…!あの時、私は…」

 

千冬はそう言ってあの日のことを語り始める。

 

あの日、千冬は何故かいない一夏が気になっていると一夏が誘拐されたと聞いた。本来ならもっと早く千冬の元に来るべき情報だが、上の人間は千冬の決勝戦辞退を認めるわけにはいかないため、敢えて情報を伏せていた。千冬は急いで一夏がいる場所へ向かったが、そこには一夏がおらず、行方不明となっていた。

 

その後は一夏を失ったことで精神的に疲弊して酒に溺れ始めた。そして、仕事としてドイツのある部隊の訓練を頼まれた。それが終わり帰ってきて今に至る。

 

ということだった。

 

「やっぱり、そうだったのか…」

 

「…一夏も成長したな…」

 

「…それなんだけど、ちょっとこっちの昔話をしてもいい?」

 

「…あぁ」

 

一夏はそれを聞くと、別世界での戦いなどを話し始めた。そして、

 

「そうか…一夏は私よりも立派になったんだな」

 

「そうなるかな」

 

『…マスター、そろそろ挨拶しても良いですか?』

 

「急に話し始めるな…」

 

「…その声は、その首のネックレスからか」

 

『はい、私はホワイトゲイザー。マスターの敵を排除する剣であり、マスターへの悪意を防ぐ盾です。以後、お見知り置きを』

 

「あぁ、私は織斑千冬。一夏の姉だ」

 

『よろしくお願いします、千冬様。とりあえずですが、マスター…片付けをしましょう』

 

「…気持ちはわかるけど、今言うか?」

 

「…いや、たしかにそうだな…私も手伝おうか?」

 

「うん、この量は1人だときついからね」

 

一夏と千冬はそう話し合うと、早速家の掃除をし始めた。




次回 その兎は何を見ているのか
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