ストライクウィッチーズ MS戦記   作:グレート・G

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不定期更新の第二話を投稿いたします。

今回の設定も色々と突っ込みどころがあるかと思います。

読んでくれる方々へ感謝を。


第二話 未確認機体、アフリカに現る

 MS―JDF―07 グフ

 

 全長 2メートル

 重量 5.85t

 全備重量 7.54t

 動力 プラズマエンジン

 出力 軍事機密

 推力 軍事機密

 最高速度 時速90キロ(ホバー移動時)

 装甲材質 ルナチタニウム合金及びスチール合金複合材

 武装

 6連装バルカン×1

 エレキワイヤー×1

 ヒートサーベル×1

 シールド×1

 RPG7改×1

 9×23mmサブマシンガン×1

 その他武装

 

 開発経緯

「なんか漢気のある機体欲しくない?」

 お偉いさんのこのひと声により「トミノ技研」が設計製作したモビル・スーツ。

 宇宙や海中等の極限状態での使用を考えず、純粋に陸上戦をするために開発された。

 主に歩兵部隊及び教導隊に配備されている。

 総生産数は1,000機ほど。

 各パッケージにより「カスタムタイプ」「フライトタイプ」等に迅速な換装が可能。

 なおこの時空においては、「フィンガーバルカン」は存在しない。

 

 

 第2話 未確認機体、アフリカに現る

 

 ブリタニアから遠く、灼熱と砂漠の大地──アフリカ戦線において、史上類を見ない奇妙な戦いが発生していた。

 

『繰り返す、こちらに交戦の意思はない!』

「三次元戦闘ができる陸上ネウロイ・・・・・・とんでもないな、こいつは!」

『クソッ、こちらの通信では届かないのか!?』

『相手の周波数帯が、こちらが使用しているものよりかなり古く、周波数の調整に時間がかかっています・・・・・・通信ラインの確立まで残り30秒ほどです』

『なるべく早く急いでくれ、通信終了』

「全員、一斉射撃で相手の足を取るぞ!」

「「「了解!」」」

『ちぃぃ、足を狙ってきやがって・・・・・・くそっ!?』

「なっ、これも避けるだと!?」

 

 陸と空からの3次元攻撃とでもいう濃密な弾幕の嵐を、一機のグフ・フライトパッケージが躱し続けている。

 ホバー移動で砂を巻き上げつつ、反撃らしい反撃は決して行わない。

 その回避技術は見事というほかなく、航空ウィッチの小銃弾が掠ってはいるが陸上からの致命的な一撃は全く貰っていない。

 その事実を、この奇妙な戦線に展開している全ウィッチが認識しているようであり、ウィッチ側は正体不明の相手を潰そうと躍起になっている。

 空から攻撃を仕掛けているのは、ハンナ・マルセイユとライーサ・ペットゲンのコンビであり、

地上からはセシリア・マイルズ及びパットンガールズの4人が持ちうる火力を叩き込んでいる。

 グフがこの弾幕を避けているのは、彼女たちが目視で撃っているからに他ならない。

 

『通信接続まで残り10秒です、少尉、しのいでください』

『中々無茶を言う! この弾幕をこれ以上避けられないぞ!』

『相手の継戦火力を考慮すると、あと10秒で一端その弾幕が切れます』

『成程、わかった!』

「どうするんですかマイルズ少佐ぁ、このままじゃあ弾が無くなっちゃいますよ!?」

「くっ、相手の回避能力がこちらの想定より高いっ」

 

 マイルズとパットンガールズもまた、この得体のしれない鎧の回避能力に舌を巻いていた。

 これだけの弾薬を叩き込んでも、一切掠らない。

 世界中のウィッチに速報で伝えられた『妙な鎧が新型のネウロイであるかもしれない』という501統合戦闘航空団からの連絡は、的をえていると。

 

(ですが、何故我々に反撃をしてこない!?)

 

 そこがマイルズにはわからない。

 いや、この場で戦っているウィッチたち全員が分からない。

 常に避けることを優先し、こちらへの反撃をしてこないのはどういう事だろう。

 武器がないわけでは決してないのは、彼女達の視線の先にある武装(バルカンシールド)や背負っているロケット砲(80mmRPG)を見ればわかる。

 

「こちらの継戦能力を奪う事が目的!?」

 

 その瞬間、マイルズの脳裏には最悪の状況が思い浮かんだ。

 もはやこちらの残弾は少なく、相手は避けることのみに優先している。

 これが、ネウロイの作戦であり、弾切れが起きた瞬間に近くに伏せられていたネウロイが一斉に襲い掛かってくる。

 イメージを鮮明に脳裏に映し出してしまったマイルズは一瞬引き金を引く手が止まる。

 その時だ。

 

『こちらには戦闘の意思はない、繰り返す、戦闘の意思はない!』

 

 聞いたことのない男性の声が、通信機越しに聞こえてきたのだ。

 その声の大きさに、空と陸の双方の攻撃が止まる。

 

『や、やっと止まった・・・・・・のか?』

「どなたですか・・・・・・?」

『あ、どうも、自分はアンドウ技術少尉であります』

「アンドウ・・・・・・501の連中が遭遇した奴もそう名乗っていたな」

『数日前に会ったあの子達ですか?』

「・・・・・・そうだ」

 

 マイルズが丁寧に返してしまったのを皮切りに、ハンナも銃撃の手を止めると、この正体不明の扶桑人「アンドウ」とのコミュニケーションを取り始める。

 とはいえ、全員がトリガーに指をかけた状態なのだが。

 

『昨日のことに関しては私から説明します』

「次は誰だ!?」

『私の名前はロニ、階級は准尉です』

「ロニ准尉・・・・・・姿が見えないのはどうしてだ?」

『申し訳ありませんが、それは数日前の一件が関係しております』

「たしか・・・・・・ハルトマンたちと会ったときに何かあったのか?」

『武装したあなた方の仲間に半包囲されたことから、姿を現すことができません』

「いや、正体不明の相手に半包囲は妥当だと思うが?」

『コミュニケーションによる対話を試みようとした矢先に、です』

「むう・・・・・・それは、まあ、確かに」

 

 半包囲されれば、脱出しようとするのが道理でしょう、とロニは続ける。

 それに対して、半ば何も言えなくなるハンナとマイルズ。

 他の面々は、固唾をのんで見守っている。

 この奇妙な相手は何なのか、本当に人間なのだろうか、と。

 

『ロニ、俺は兜を外してコミュニケーションをとった方がいいと思うんだが』

『危険ではありませんか?』

「いや、私達からも頼む・・・・・・アンタがネウロイじゃないというなら、その証拠が欲しい」

「そうですね・・・・・・貴方が人間であるという保証、ということで」

『信用を得るためには危険を冒さなくてはいけないときもある』

『わかりました、ですが細心の注意を払ってください』

 

 ロニの言葉に了解と返し、アンドウはグフの頭部に手をかけた。

 ガチャ、という音と共に頭部が外れ、その下からはアンドウの素顔が出てきた。

 

「あー、これでどうだい?」

「・・・・・・おお、案外かっこいいじゃん」

 

 パットンガールズの一人、アビゲイルがひゅうと口笛を吹きながら言う。

 そりゃあどうも、とアンドウは苦笑い。

 さっきまでの攻撃が嘘のように、パットンガールズは近づいてゆこうとする。

 そんな彼女たちを、ライーサはリベリオン人らしいな、とぼんやりと眺めていた。

 しかし、それをマイルズは寸前で止め、アンドウに向き直っていった。

 

「先ほどは申し訳ない、貴方をネウロイと誤認していました」

「こちらこそ、いきなり武装して現れればこのようになるというもの、いきなりの無礼をお許し願いたい」

「まあ、ネウロイじゃないということが解るのが第一さ」

 

 ハンナが地面すれすれに下りつつ言う。

 その器用な飛行スキルに内心感心をしながら、アンドウはハンナの目を見て言った。

 

「それで、俺の素顔を見た感想はどうだい、《アフリカの星》」

「ふん、まあ次第点と言ったところだ、正体不明め」

「ふふふ、ありがとよ」

「ふんっ」

 

 殺意や害意というものがない、しかし、何か悪い事をした時の子供のような顔で、ハンナはアンドウの問いに答えた。

 そんなハンナをみて、アンドウはニヤリと笑った。

 そして、アンドウを連行するとハンナは言い、アンドウもそれに応じた。

 自分が不審な人物であるという事を、誰よりも認識したからだ。

 

「別の世界なあ・・・・・・空想科学小説じゃないんだぞ、とお前が居なければ否定したところだ、アンドウ少尉」

「そうでしょうね、自分も同じ立場だったらそう言うでしょうハンナ大尉」

「それにしても、その、ストライカーはすごいわね、地面すれすれを飛ぶなんて」

「ストライカーではなく、MS(モビル・スーツ)と言うんです少佐殿」

「モビル・スーツ・・・・・・変な名称ね」

 

 ハンナとマイルズの呆れたような感心したような言葉に、アンドウは苦笑するしかない。

 501部隊との会合の失敗の後、ロニのおかげでこの世界の情報を断片的とはいえ仕入れたアンドウは、この世界が1940年代のいわゆる「第二次世界大戦」に酷似した世界であると認識していた。

 即ち、暮らしている人間の知識もその当時相当の物である、と。

 

「しかし、あの黒と赤の入り混じった怪物は何なんだ? レーザー兵器を搭載している無人機か何か?」

「無人機・・・・・・が何のことかわからないが、赤と黒の怪物はネウロイで間違いない、接敵したのか?」

「君達に襲われる前に、15機ほど・・・・・・空3の陸が12の混成部隊とな」

「その割には、被害が少ないようですが?」

「ああ、全部潰してやったよマイルズ・・・・・・少佐殿・・・・・・貴方達は威力偵察か何かだったのか?」

「呼びにくければマイルズで結構よ、アンドウ少尉・・・・・・確かにネウロイ出現に関して迎撃の為に私たちは出動しました」

「すみません、マイルズさん・・・・・・実は、アフリカに上陸した際に襲われまして」

「まさか、逃げながら戦ったんですか?」

「そうなんですよライーサ少尉・・・・・・何故皆さん、信じられないものを見ているので?」

 

 全員が信じられない人を見る目で、アンドウの事を見ている。

 だが、この世界の常識に照らし合わせれば彼の言っていることは「おかしい」ことだ。

 彼の言葉が一気に信じられない、と行かなくても眉唾物になったのは当然だった。

 だが彼の常識に照らし合わせて考えれば「別段おかしくない」ことだった。

 グフの基本システムの一つ、熱源探知システムを使用すると、ネウロイのコアは非常に強い反応を示す。

 これは、ネウロイが主兵装としてビームを用いているからであり、その排熱がコアに蓄積されることで発生する。

 これを彼女たちに説明できれば良いのだが、果たしてどこまで説明していいのかアンドウにはわからない。

 その為、ほら吹きのような形になってしまったのである。

 勿論、アンドウとしても本当は説明したいのだ、が、彼女達に説明して理解が得られるのだろうかという考えが、二の足を踏ませている。

 

(うむ、嘘をついているようには見えない・・・・・・が)

(彼の話を全て信じるのは、少し勇気がいるわね)

(まいった、俺はどこまで話していいんだろう?)

 

 ウィッチたちは彼の言葉をどこまで信じていいのか訝しみ、アンドウは自分の言葉に信頼性を持たせるにはどうしたらいいのかと悩んだ。

 更に、軍事機密をどこまで明かせばいいのかという事も、アンドウにとっては悩みの種であった。

 そして、救いの手は思わぬところから伸びてきたのである。

 

『アンドウ少尉が嘘をついている可能性はありません』

「ロニ准尉」

「ふむ、そう結論付けられる根拠を示せますか?」

「勿論ですマチルダ少佐、アフリカ沿岸基地についたらその証拠をお見せできます」

「ほう、そいつは楽しみだ・・・・・・勿論、アンタの姿も見せてもらえるんだろう、ロニ准尉?」

『もちろんそのつもりです、ハンナ大尉』

「おい、ロニ准尉勝手に話を進めてもらっては」

『信用を得るためには、まずこちらから信用するしかありませんよ、少尉』

「異世界ならば軍機に触れることもない、か?」

『そういう事です』

「では、沿岸基地についたらその証拠をお願いしますね」

『その代わりというわけではありませんが・・・・・・こちらの願いを聞いてはいただけませんか?』

「願い、ですか?」

『扶桑へ行くためにはどうしても、沿岸基地近くの海域を航行する必要があります、その許可を取りたいのです』

「喜望峰周りのルートで行くわけにもいかないからな」

『はい、燃料の問題もありますので・・・・・・』

「そういう事ならば、仕方ありませんこちらで許可が取れるようにしておきます」

「おいおい、いいのかマイルズ少佐、勝手に約束して」

「ハンナ大尉、彼らいっていたでしょう? 信用を得るには信用することと」

 

 ロニ准尉の言葉もあってか、とんとん拍子に話は進む。

 そして、沿岸基地にてウィッチと軍人たちは、文字通りの「化け物」を見ることなる。

 

《アフリカ沿岸基地》

 

「ほう、君が報告にあった未確認機体のパイロットか・・・・・・私はブリタニアのモントゴメリーだ」

「うちのガールズ達が世話になったようだな、俺はリベリオンのパットン、よろしく頼む」

「私の名はエルヴィン・ロンメル、カールスラント陸軍アフリカ方面軍司令官だ」

「・・・・・・はっ!? あ、いや、自分はシュヴァルツ・アンドウ技術少尉であります!」

 

 アフリカ方面軍の三将軍との顔合わせは、こんな形であった。

 なにせ、アンドウ自身も覚悟していたとはいえ第二次大戦の英雄がそのままそこにいるのだ、一瞬とはいえ気が遠くなるのは無理もない事である。

 

「さて、例のロニ准尉とやらはどこにいるのかね?」

『今姿を現しますよ、ミスターパットン』

「ほう、しかしどこにも姿は見えんが・・・・・・」

『皆さん、海の方をご覧ください』

「「「「「「「おおっ!?」」」」」」」

 

 ロニが通信機越しに言う。

 すると、海面に大きな影があらわれた。

 その大きさと異様さに、哨戒ちゅうの航空ウィッチも驚きのあまり銃を取り落としてしまったがそれを責めるのは酷というものだ。

 なにせ全長70m以上という超大型のMS母艦にして戦闘用MAでもある《シャンブロ》が、海の中から大きな水音と共に現れたのである。

 なお、今のシャンブロは戦闘形態の怪獣のような姿ではなく、巡航形態の潜水艦を思わせるMA全とした姿だ。

 それでもなお、奇怪であることに変わりはなく、慌てて3将軍が攻撃するなという命令を出すほどだった。

 そして、シャンブロの前面にあるハッチが開くと、一人の少女が現れた。

 西洋系の顔立ちで、恐らくカールスラント系だとハンナはあたりを付けた。

 

「皆さん、驚かせてしまい申し訳ありません・・・・・・ロニ・マリアン・シュタインホフ国防軍准尉です」

「ロニ准尉、通信機のスイッチを入れてくれ、聞こえない」

『あー、その、ロニ准尉です・・・・・・よろしくお願いします』

 

 ああ、この子は割と天然なのかもしれない、とその場にいたウィッチ・軍人問わず思った。

 ロニの年齢は凡そ15~16歳といったところであり、ウィッチたちと比較的年齢も近いと思われた。

 目つきこそ少し鋭いが、自分のミスに頬を染めているあたりとっつきにくい子ではなさそうだな、とマイルズは驚愕した頭の片隅でそう思った。

 




不定期更新かつガバガバな設定ではありますが、

予定として9話くらいを予定しております。

少々長くなりますが、お付き合いいただけますと幸いです。
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