ガンズオブガールズ〜武装JK達のアオハル〜 作:リバーアイランド
~前回までのあらすじ~
転入後、初となる授業を受けた友愛、昼休みになり、ゆなとクラスメイトの雨霧氷雨(あまぎりひさめ)•如月響華(きさらぎきょうか)•猫山子猫(ねこやまこねこ)と久城カレン(くじょうかれん)を含めた6人で学食にて昼食中にゆなのちょっとした言動により、同じクラスの竜胆紫苑(りんどうしおん)と諍いに発展…紫苑の行き過ぎた正義感と言動により、傷付くゆなとカレン…大切な幼馴染とワルキューレに転入して来て始めて出来た友達が悪く言われるのに我慢出来なかった友愛は、紫苑に発言の撤回とゆなとカレンに謝罪を求めるべく、無謀にも模擬戦を申し込むのだった…友愛は来る紫苑との模擬戦に備えて、ゆな達や普通科を含めた面々で特訓をする事にしたのだった。
~第3話【対紫苑戦特訓】~
阿修羅門:さてと…お前ら、立ち話も何だしアタシに付いてきな!今後の段取りについて話し合おうぜ!
そう言うと阿修羅門先生は早足で食堂を出て行く、私達も遅れまいと後を付いて行く。1~2分程歩き、私達は生徒指導室に着いた。
生徒指導室
阿修羅門:まあ、座りな。ああ…何か飲みもん用意するよ!コーヒーで良いか?
竜胆:お構い無く、阿修羅門先生。それよりも早急に模擬戦の段取りを決めませんか?
阿修羅門:せっかちはモテねえぞ竜胆?まあ、そう…焦んな!何事も順序ってモンがあるだろ?
竜胆:はあ…分かりました。(本当に何でこんな人が教師やれてるのかが不思議ですね。)
猫山:先生…子猫…猫舌だから…アイスコーヒーにして…
阿修羅門:文句言うな、猫山。飲みもん出してやるだけ感謝しろ!たくっ!毎年、毎年鬼島の所は変わった奴等が入って来るよな…アイツ呪われてんじゃねえのか?特に、湊友愛だっけか?
友愛:は、はい!あっご挨拶がまだでしたね…
阿修羅門:いいよ…気にすんな!確かお前、朝の寮の食堂で神崎と一緒に居た奴だろ。綺麗なパープルグレーの髪色に金色の瞳…あの中の誰よりも目立ってたお前を忘れる訳無えよ。
友愛:は、はあ…
阿修羅門:しっかし…湊~お前おもしれー奴だな。変な時期に転入して来て、いきなり同じクラスの竜胆に模擬戦吹っ掛けるんだもんな~中々居ねえぜ、ウチの学校中探してもそんな奴さ。アタシから見て、お前どう見ても軍人目指す奴に見えねえし、警察官目指してる様にも見えねえ…何を目的にフリーデンに転入して来たんだ?
雨霧:確かに気になりますね。
如月:私も凄く気になります!
カレン:ゆなは友愛から聞いてるみたいだけど…アタシ等は聞いて無いからね~良かったら聞かせてよ!
猫山:子猫も…気になる…
竜胆:あの…模擬戦の段取りの話をするのでは無いのですか?何故、湊さんの話になるのかが理解出来ません!
ゆな:別に良くない?少しは空気読みなよ~
竜胆:はい?貴方には聞いてませんが?
ゆな:ああ!?
阿修羅門:お前等そこまでだ!アタシの竹刀、1発喰らうか?
竜胆&ゆな:すみません…(さーせん…)
阿修羅門:戦う奴の事は色々と知っておいた方が良い。何か間違ってるか竜胆?
竜胆:阿修羅門先生の仰る通りです。
阿修羅門:分かれば良い。湊、話してみろ。
友愛:余り大した理由では無いのですが…それでも良いのでしょうか?
阿修羅門:構わねえ。理由が無えよりはマシだしな。
友愛:では…お話致します。私がここに来た理由ですが…こんな自分を変える為に転入して来たんです。
阿修羅門:自分を変える為に…ねえ~在り来りな理由だが、お前には本気で自分を変えたいって気持ちがビシバシ伝わって来るぜ!湊、お前やっぱおもしれー奴だよ!変えるのは自分だけじゃ無えかもな。
友愛:?
雨霧:どう言う意味ですか阿修羅門先生?
阿修羅門:ん~そうだな…まっ!じきに分かるだろうよ!
ズコー!!!
阿修羅門先生以外の全員が椅子から転げ落ちる。期待させておいてから落とす…いい加減さを通り越して、もはや策士ね…いや、違うか…
友愛:あの…阿修羅門先生。私の転入理由は話しましたし、そろそろ本題に移りませんか?
阿修羅門:湊、お前も意外とせっかちだな。まあ…前座はこんくらいにして本題に入るか!
竜胆:ふう~やっとですか…
猫山:本題に入るまでが長過ぎて…コーヒー飲み終わった…先生…おかわり…
阿修羅門:アタシはお前のお母さんか!てか、猫舌のわりには飲むの速いな…!そこにコーヒーメーカーが有るから自分で淹れろ!たくっ…こいつ等の面倒は見るって鬼島の前で勢い良く啖呵切ったけどよ…何か…後悔して来たぜ。
如月:私が居ながらこの様な結果になってしまい申し訳御座いません…
阿修羅門:如月、お前が謝る事でも無えよ。まっ!最近、退屈してたしな…お前等がこんなおもしれーイベントを作ってくれて寧ろアタシの方こそ感謝してえくらいだぜ!
如月:…(感謝って…とても教師の発言とは思えませんね。それに、「変わるのは湊さんだけじゃない」…この言葉の意味もまるっきり分かりませんし…はあ…考えるだけ無駄ですね。)
猫山:友愛…コレどうやって…使うの?
友愛:猫山さん、貸して。これはね、このボタンを押すとコーヒーが出るのよ。
猫山:友愛…凄い!もしかして…天才…!
友愛:うーん…説明書を見れば誰でも使える筈何だけどね…
阿修羅門:オラ!お前等さっさと座れ!本題に入るぜ~!
コーヒーメーカーの使い方を猫山さんに教えていた私と猫山さんは、急いで椅子に座る。私達が座ったの確認すると、阿修羅門先生は椅子から立ち上がり、隅に置いてあったホワイトボードを私達が見える様に移動させる。マーカーを手に持ち阿修羅門先生は私達に模擬戦の段取りについて説明を始めた。
阿修羅門:先ず、日程だが…今日と同じ日時で良いか?
雨霧:と言うと来週の月曜日でしょうか?
阿修羅門:ああ、準備期間を設けるならこれ位が丁度良いだろう!異論無えか?湊に竜胆?
友愛:はい、大丈夫です。
竜胆:ええ、私も問題有りません。まあ、素人の湊さんには色々と準備が必要でしょうしね。
カレン:へえー随分余裕だね~竜胆。そう言うアンタは準備は大丈夫なん?
竜胆:ふっ!愚問ですね。私は警務科です、犯人逮捕術ばかり習っている訳ではありません!基本的な戦闘術や護身術も一通り習っていますのでご心配なく。たとえ素人が1週間教練を積んだとしても赤子の手をひねるくらいに余裕ですよ!
ゆな:ムカつく!何が警務科よ!たとえ友愛が素人だろうがそんなのやってみなきゃ分かんないじゃん!
猫山:ゆなの言う通り…やってみないと分からない…それに…紫苑は気付いて無いと思うけど…子猫から見て、友愛は底知れない力を秘めてるよ…
如月:本当ですか猫山さん?
猫山:うん…子猫の眼に偽り無し…
雨霧:もしそうなら、当日はさぞ白熱した戦いになりますね。
竜胆:はっ!どうせハッタリでしょう!
猫山:うう…ハッタリじゃ無いのに…
阿修羅門:猫山、お前が言ってる事はハッタリじゃ無えってくらいアタシも良く分かってるよ!安心しろ湊!お前はこのアタシ自ら鍛えてやるよ!覚悟しておけよ!アタシの指導は鬼島よりも優しくは無えぜ?
友愛:はい!覚悟は出来てます、お願いします!
阿修羅門:よし!そう言えば…湊は普通科所属になっていたな。早速今日から指導してくぜ!
カレン:え!?友愛、アタシと同じ科なの!宜しくね~!
友愛:そうなのね、此方こそ宜しくねカレンさん!
ゆな:カレン~友愛の事頼んだよ!
カレン:OK~!任せてよ!
阿修羅門:丁度良い…普通科総出で鍛えてやるのも良いな!
カレン:それ…アタシも含みます?
阿修羅門:当たり前だろ!湊は久城や神崎の為に体を張ろうとしてんだ!まさか久城、お前…湊の覚悟を無下にする気か?
カレン:じょ、冗談ですよ~友愛がアタシやゆなの為に竜胆に立ち向ってくれるのに、無下にする訳無いじゃ無いですか~
阿修羅門:なら良い。さて…話が脱線したな。日程は決まった、次にルールだが…
竜胆:阿修羅門先生、私はそろそろ退席します。日時だけ分かれば十分ですから、それに…ルールについてはご心配なく、警務科の教練で何度か模擬戦をしているので大丈夫です。
ゆな:はあ!?紫苑、一応最後まで聞きなよ!
阿修羅門:神崎、構わねえよ!好きにさせておけ。
ゆな:でも…
阿修羅門:竜胆、時間取らせて悪かったな。必要無えと思うけど一応決まった事を後でメールするから、確認しておけよ。
竜胆:分かりました、では失礼します。
竜胆さんは一礼して生徒指導室から出て行く。竜胆さんが退室してから数秒の静寂の後、ゆなが叫ぶ。
ゆな:何なのよ~あの態度~ムカつく~!
友愛:お、落ち着いてゆな…!
ゆな:落ち着いていられる訳無いよ!友愛は分かって無いよ!紫苑は強いよ…それもメッチャクチャ強い!
カレン:ゆな、この前の模擬戦でボコボコだったもんね…まあ、衛生科のゆなじゃ分が悪いよねぇ~
ゆな:衛生科とか警務科とか関係無いよ!衛生科だってそれなりの戦闘訓練はするもん!ただ…アイツが一枚上手だった訳…思い返しただけで腹が立ってきた!
如月:神崎さんもかなり善戦してました…私もその場で見ていたから分かります。ただ…竜胆さんは1−2組の中…いえ1年生の中でも突出した実力の持ち主です。
カレン:そうなん?響華も氷雨も人間離れした強さじゃん~
雨霧:私も如月さんもそれぞれ得意な分野では竜胆さんよりも強いです。ただ…お互い同じ条件で竜胆さんと戦えば、間違いなく勝ち目は無いでしょう。
如月:何があっても竜胆さんに近接戦闘を挑んではならない。接近戦は彼女の十八番ですからね。
雨霧:雨霧流免許皆伝の私でも…苦戦を強いられる程に接近戦は強いですからね…
阿修羅門:本題に戻りたいが湊には竜胆の事を知っておいて貰った方が良さそうだな。竜胆の家は代々優秀な警察関係者を輩出して来た名家でな、母親は元鑑識官、父親が確か現警視総監で兄は若輩ながらもSATの隊長を務めてる。まっ俗に言うサラブレッドって奴だな。母親からは警察官としての教養、父親からは合気道や柔術•逮捕術等の護身術を叩き込まれ、兄からはSAT仕込みの戦闘技能教え込まれた…その甲斐あってかとんでもねえバケモンの出来上がりよ!アイツは両親と兄からの期待を一身に背負っている…だからこそ、自尊心は高えし、行き過ぎた正義を振りかざしてる。そんなヤツなんだ…竜胆紫苑と言う生徒は…
ゆな:紫苑ってそんなに凄いヤツだったんだ…
猫山:かなり…有名な話だよ…ゆな…
カレン:ゆなにとっては興味無い話だもんね~アタシもだけど…
友愛:私は…とんでも無い方に模擬戦を申し込んでしまったのですね…今更ながら不安になって来ました…
阿修羅門:心配するな湊!さっきも言ったがアタシや久城を含めた普通科全員でお前を竜胆と互角に渡り合える様に鍛えてやる!
カレン:うへ~1週間かあ…かなりハードになりそうだけど大丈夫そ?
友愛:うん、大丈夫。ここで逃げたら竜胆さんの思う壺よ、それに…竜胆さんの間違いを正さないと!
ゆな:だね~紫苑の奴に一泡吹かせてやりなよ!あたしも出来る限り戦闘技術に関する事教えるよ!
猫山:子猫も…手伝うよ…紫苑の模擬戦時の戦闘映像持ってるから…一緒に紫苑の動き研究しよう…!
カレン:アタシも手伝うよ!普通科の教練以外で教えられる事は全て教えるよ!
ゆな:カレン大丈夫なん?モデルの仕事はいいの?
カレン:友愛がアタシやゆなの為に戦ってくれんだよ?そんな状況でモデルの仕事なんて身に入らないよ!
友愛:カレンさんありがとう…ごめんなさい、モデルの仕事があるのに私のせいで…
カレン:ちょっ!謝んないでよ、友愛!気にしなくて大丈夫だよ~アタシもゆなと同じで竜胆に一泡吹かせてやりたいからさ!
雨霧:友愛さん、僭越ながら私もお手伝いさせて頂きます。
如月:私も微力ながらお手伝い致します。
友愛:皆…ありがとう!
阿修羅門:ふっ!やはりな、湊お前は竜胆と違って良いモンを持ってるよ!
友愛:…?
阿修羅門:竜胆は確かに強えが孤独だ。だが、湊…お前は素人だが、仲間がいる!どんなに強え奴でも仲間が居なきゃ力を発揮出来ねえ。けど、お前は違う!どんなに弱くても…経験不足でも…支えてくれる仲間がいる!仲間がいるから頑張れる!どんなに強え奴が相手でも…仲間の存在が有るからこそ実力差を覆せる程の力を発揮出来る!
阿修羅門先生やゆな達は経験不足の私の為にサポートしてくれると言っていたが、私は心の何処かで少しずつ自信を無くしかけていた…でも、阿修羅門先生の言葉で…不安が徐々に融解していくと同時に自信を取り戻しつつあった。周りを見てみると皆の顔が見える…阿修羅門先生の言う通り、私は1人じゃ無い!皆がいる!
阿修羅門:どうやら…自信を取り戻したみたいだな!お前、バレバレだぜ!そんなんでアタシを欺こうなんて100年早えよ!
友愛:ありがとうございます、阿修羅門先生。先生のお陰で不安も無くなり、自信も取り戻す事が出来ました!
阿修羅門:へっ!良いって事よ!さっ本題に戻ろうぜ~!
その後は会場や細かいルール等模擬戦について詳しく阿修羅門先生から説明がなされ模擬戦の段取りについての話し合いは終了した。
阿修羅門:とまあ…こんなモンだな。基本的に教練で行う模擬戦のルールとはそんな変わんねえけどもし、まだ分かんねえ所があれば何時でも聞けよ!
友愛:はい、ありがとうございました。
阿修羅門:おし!そろそろお開きとするか。もう5時限目始まってる時間だしな。
ゆな:あっ!ヤバ!?阿修羅門せんせーに皆、あたし行くね!友愛、紫苑戦に向けた特訓頑張ってね!
友愛:うん!ありがとう!
如月:さて…私もそろそろ行きますね。湊さんお時間がある時に一緒に訓練しましょう!では…失礼します。
雨霧:では、私も失礼しますね。友愛さんお互い都合が合えば共に訓練致しましょう。
氷雨さんと如月さんはそう言うと生徒指導室を退出していく。
阿修羅門:アタシは少し準備があるから湊と久城は普通科の教室に先に行ってくれ!そうそう、湊に普通科の教室の場所ついでに教えてやれよ!
カレン:はーいー了解しました〜そんじゃ行こうか、友愛?
友愛:ええ。
私はカレンさんと共に普通科の教室までカレンさんに案内される形で向かう。
阿修羅門:さて…竜胆にメールしねえとな。
猫山:さっきの友愛に言った言葉…良かったよ…やっと…先生らしい事…言えたね…
阿修羅門:何だ…まだ居たのか…猫山。ふん!アタシも腐っても教師だ。たまには教師らしい事言わねえと示しがつかねえよ。
猫山:いつから…気付いてたの?友愛の力の事…
阿修羅門:ん?ああ…朝の寮の食堂でだよ。そう言うお前はいつから気付いてた?
猫山:友愛が転入して来た日…
阿修羅門:つまり、昨日か?
猫山:うん…寮の自室から…空を見てた時に…ふと視線を落としたら…鬼島先生に案内されてる友愛を見た時に…ビビッと来た…
〜猫山回想〜
猫山:…今日も…空は変わらず綺麗だ…うん…?
今日の空は雲一つ無い夕暮れに染まった綺麗な空だった…そんな空を見ていたら子猫は何かを感じて視線を落とした…視線を落とした先には子猫のクラスの担任の鬼島先生に案内されてる美しいパープルグレーの髪を揺らし、吸い込まれる様な金色の瞳を輝かせた一人の少女が眼に入った。子猫の身体にはこれまでに無い衝撃が走った…まるで稲妻に打たれた様な衝撃だった。
猫山:あの子…きっと凄い事を成し遂げるかも知れない…この学校を…ううん…このワルキューレ全体を変えるくらいの大きな事を成し遂げる、子猫の眼には…そう見える…間違いない…!
〜猫山回想終わり〜
阿修羅門:なるほどな…相変わらず猫山の人を見る眼は本物見たいだな。
猫山:褒めても…子猫のお気に入りの煮干しの煎餅はあげない…
阿修羅門:別に欲しくて褒めた訳じゃ無えよ…たくっ!とんでも無え奴が転入して来ちまったな!こりゃあ…これからが楽しくなりそうだぜ!
猫山:今の先生の発言…子猫的にも世間的にも色々と問題有り…
阿修羅門:うるせー!猫山、さっさとお前も自分の所属科の教室に行け〜!それとも…竹刀喰らうか?
猫山:それは…子猫的には要らない…
シュバババ‼
子猫は目にも留まらぬ速さで生徒指導室を退出していった。1人残された阿修羅門は呟く。
阿修羅門:相変わらず、逃げ足だけは速いな。さて…やる事やってから行くか~
阿修羅門は背伸びして、食器等の後片付けをしてから指導室を後にしたのだった。
~教室棟3階普通科教室~
カレン:到着~!ここがアタシ達の普通科の教室だよ~
友愛:普通の教室と変わらないわね。ここで訓練するのね?
カレン:流石にこんな狭い教室で訓練はしないよ~ここでする事は銃器の仕組みや分解の仕方を学んだり、戦術や戦略等の座学のみしか使わないんだ。訓練は、グラウンドか射撃場を備えた屋内訓練場でするんだよ!
教室に入ると、カレンさんが普通科について詳しく説明してくれた。
普通科生徒A:ねえ?あの子よ、竜胆さんに模擬戦を申し込んだ転入生って。
普通科生徒B:私達と同じ科何だ。
普通科生徒C:と言うか、あの騒ぎの後どうなったんだろうね?結局模擬戦やるの、やらないの?普通科生徒D:さあ?どっちでもよく無い?
友愛:…何だか噂されてるみたいね…
カレン:まあ…相当目立ったからね…てか、マジでゴメンね友愛…
友愛:ううん…気にしないで。
阿修羅門:悪いな!遅くなった!オラ!そこ、さっさと席に座れ!
阿修羅門先生が遅れて入って来る。全員が席に座ると先生は軽く咳払いをし、話始めた。
阿修羅門:教練を始める前に…紹介してえ奴がいる。まあ、既に知ってる奴もいると思うが、昨日、転入して来た湊友愛だ!湊、自己紹介しろ。
友愛:はい!湊友愛です、私の事は…竜胆さんとの件で話題になってるので既にご存知の方もいると思いますが、これからどうぞ宜しくお願いします。
阿修羅門:湊、ありがとう。座っていいぞ。まあ…面白い奴だか決して悪い奴じゃ無え。これからは同じ普通科の仲間として湊と仲良くしてやってくれ、以上だ。
普通科生徒A:阿修羅門先生、湊さんと竜胆さんの模擬戦の件は結局どうなったんですか?
阿修羅門:ああ、それについてだか、来週の月曜のグラウンドにて開催する事が決定した。
普通科生徒B:マジ…?
普通科生徒C:結構あっさり決まったんだね。
普通科生徒D:阿修羅門先生、今日はやけに来るの遅かったけど…模擬戦の段取りの話し合いで遅れたんだね。
阿修羅門:あ~それとな…急な話になるが暫く普通科の教練は休みにする。
普通科生徒E:えっ!?どういう事ですか?
阿修羅門:感が鈍いな…少しは察しろ!竜胆との模擬戦に備えて…今日から1週間土日含めみっちり湊を鍛える事にした!普通科総出で当日までに竜胆と互角に殺り合える様に鍛えてやる!
普通科生徒F:先生…今普通科総出って言いましたが…気のせいでしょうか?
阿修羅門:残念ながら気のせいじゃ無え。
普通科生徒G:ちょっと待って下さい!勝手に模擬戦やるのは構いませんが…転入して来た素人を鍛える為に大事な教練を1週間も休むのは如何なものかと?
普通科生徒H:そうですよ!それに私達3年生は来年には卒業を控えているんですよ!たかが1週間教練を休んだだけでも今後の過程に響く可能性が出たらどうしてくれるんですか!
バシィィン!!!
阿修羅門先生は生徒達の声を一蹴するかの様に何時の間にか手にしていた竹刀で、強く床を叩いた。
生徒達:…っ!?
阿修羅門:分かってるよ…!お前等の言い分は充分分かってるよ!でもよ…あの場に居たお前等は竜胆と湊達の諍いを見て何とも思わねえのかよ!湊はな…大事な仲間が悪く言われるのに我慢出来なかった!仲間が悪く言われてるのに我慢が出来る奴がいるのかよ!湊達の立場を自分等に置き換えて見ろよ!きっと…誰だって湊と同じ行動をするさ!この中にも…有る事無え事で竜胆に言われた奴は何人か居る筈だ、悔しく無えのかよ!仲間が悪く言われてるのに何も出来なかった自分が悔しく無えのかよ!どうなんだ?
普通科生徒達:……
友愛:少し宜しいでしょうか?…今思えば、あの時…竜胆さんに模擬戦を申し込まなければ皆さんを巻き込まずに済んだかも知れませんし…また起こってしまった事に謝って許して貰おうとは思っておりません。自分勝手なお願いかも知れませんが…どうか皆さんの御力を私に貸して頂けないでしょうか?
普通科生徒I:皆…やろうよ!可愛い後輩がこんなに頭下げてんだよ!それにさ教練ちょっと位遅れたって大丈夫だよ!遅れた分何時でもカバー出来るし。
普通科生徒J:だね!湊さんに私達が教えられるだけの技術を教えて…竜胆さんに一泡吹かせちゃお!
普通科生徒K:湊さん、阿修羅門先生も厳しいけど…私達はもっと厳しいよ!死ぬ気で付いて来てね!
友愛:はい!頑張ります!宜しくお願いします!
阿修羅門:よっしゃあ~!お前等、善は急げだ!速やかにトレーニングウェアに着替えて、グラウンドに集合!遅れるなよ!
全員:はい!
一時は如何なるかと思ったが何とか納得して貰えた様だ。大きな借りを作ってしまったわね…この借りは竜胆さんとの模擬戦で勝利を勝ち取って借りを返すとしよう。それから私は、竜胆さんとの模擬戦に備えて特訓が始まった。来る日も、来る日も阿修羅門先生を始めとした普通科の皆との地獄の様な訓練…放課後はゆなやカレンさん•氷雨さんに如月さん•猫山さんが日替わりで一緒に訓練に付き合ってくれた。
~対紫苑戦特訓1日目 月曜~
屋内訓練場内実弾射撃場
3年普通科生徒:湊さん、もう少し脇を締めて!そうそう、じゃあ撃って見て!いい?最初は的に当てようなんて意識しないで!変に意識しちゃうと変な癖が付くから。兎に角撃つ!撃って、撃ちまくる!
友愛:は、はい!
言われた通りに撃って見る。うーん…意識しない様に撃っているけど…つい的に当てようと意識してしまう。難しいわね…
3年普通科生徒:うーん…まあ、最初だから仕方無いか。それじゃあ、もう一度通しでやってみようか。
友愛:はい!
~対紫苑戦特訓2日目 火曜~
屋内訓練場
2年普通科生徒:湊さんいい?戦場では敵は待ってくれないわ。マガジンのリロードは迅速に行う事!リロードにモタモタしてたら即殺られるわ!今回はタクティカルリロードについて学んで貰うわ!
友愛:お願いします!
2年普通科生徒:私の動きを良く見てて!
先輩は慣れた手付きで素早くリロードを終えた、時間にして5秒もかかっていないだろう。
2年普通科生徒:時間は…5秒か…遅くなったなあ…
友愛:充分速いと思いますが…
2年普通科生徒:まだまだだよ。私よりも速い人もっといるから。はい、次は湊さんの番よ!
友愛:はい!
先輩がした様にやってみたが中々上手くいかない…もたつきながらも何とかリロードする事が出来た。
2年普通科生徒:時間は…30秒…遅すぎるわね。まあ始めてだから仕方無いか…そんなに気を落とさないで、誰もが通る道だから。さあ、もう一度やってみましょう!当日までに3秒でリロード終えられる様に仕上げるわ!
友愛:さ、3秒ですか?あの…私の聞き間違いでしょうか?
2年普通科生徒:聞き間違いじゃ無いわ!時間は有限よ!返事!
友愛:は、はい!
~対紫苑戦特訓3日目 水曜~
屋内訓練場
カレン:ほい!今日はアタシと特訓だよ〜特訓3日目だけど…友愛大丈夫そ?
友愛:う、うん…何とかね。それでカレンさん、今日は何をするのかしら?
カレン:良くぞ聞いてくれました!今日はアタシと近接格闘術について学んで貰うよ〜竜胆とやりあう為には覚えておいて損は無いよ~
友愛:でもカレンさん、氷雨さんや如月さんは竜胆さんには接近戦を挑んではいけないって言ってたわよ?
カレン:ん~まあそうだけど…一応覚えておいて貰った方が良いかな~大丈夫!何とかなるから!さあビシバシ行くから、覚悟してよ友愛!
友愛:分かったわ、ご指導宜しくねカレンさん!
カレン:動きが鈍いよ、友愛!そんなんじゃ、竜胆に傷1つ付けれないよ!それと…ガードばかりで足元がお留守だよ!
カレンさんから一通りの近接戦闘技術の座学を受け、軽く模擬戦をして見ることになったが…カレンさん強い…!普段チャラチャラしてるのに戦闘になると人が変わったみたいに動きに隙が無い。私はカレンさんの猛攻をガードして反撃の機会を探ろうとするが、足元が不注意だった為カレンさんの足払いにより体勢を崩してしまう…立ち上がろうとした瞬間…首元にナイフを突き付けられる。
カレン:はい、今ので死んだよ友愛。
友愛:…ま、参りました…
カレン:あ~ゴメン!ついテンション上がっちゃって…やり過ぎたかな、怪我無い?
友愛:うん、大丈夫よ。カレンさん強いのね…とても同じ1年生とは思えないわ。何か格闘技習っているの?
カレン:あはは、アタシより強い人沢山居るよ~。ん~格闘技は習ってないよ。習ってないけど代わりにパパから格闘技の手ほどき受けてるんだよ。
友愛:えっ!カレンさんのお父さんは格闘家なの?
カレン:違うよ~パパはアメリカ海軍の特殊部隊であるNAVY SEALsの元隊員何だ。休みの日は家に寄って手ほどき受けてるんだよ。
友愛:そうなのね…カレンさん、お父さんの事好きなのね!話してる時の顔、凄く嬉しそうだったわよ。
カレン:へっ!?ちょヤメてよ~友愛!別に…好きじゃ無いし。大体過保護過ぎんだよね〜毎日電話して来るし、いい迷惑だよ〜
友愛:そう言うわりには満更でも無さそうだけど…
カレン:友愛…言うね〜よーし!もう一度軽く模擬戦するよ~さっきよりもハードに行くから、覚悟し•な•よ♪
友愛:……はい…(無事に寮に帰れるかしら…)
~対紫苑戦特訓4日目 木曜~
放課後 学生寮 猫山の部屋
友愛:お邪魔します。
猫山:適当に座って…今…飲み物用意する…
友愛:猫山さんありがとう、でも大丈夫よ。
猫山:友愛…遠慮しないで…最近…特訓続き、休める時に休まないと身体が持たない…
友愛:うん、そうね。それじゃあお言葉に甘えさせて貰うわ。
猫山:ん…それが良い…それじゃ飲み物用意する…
猫山:お待たせ…友愛…熱いから気を付けて…
友愛:ありがとう、あら?ラテアート…それも猫ちゃんの可愛いわね!もしかして、猫山さんが描いたの?
猫山:うん…
友愛:手先が器用なのね!凄いわ!
猫山:凄く無い…手先が器用な位しか…子猫には取り柄が無いから…
友愛:それでも凄いと思うわ!猫山さん、自分を卑下なさらないで…寧ろ私何て誇れる物何て無いわ。でも…猫山さんには有る。だから…もっと自分に自信を持って良いと思うわ!
猫山:友愛…そう言ってくれてありがとう…これからは…少し自分に自信持とうと思う…でも、友愛も自分を卑下しないで…友愛は気付いて無いと思うけど…友愛には底知れない力を秘めてる…
友愛:……?
猫山:あっ…そろそろ紫苑対策会議を始めよう…
友愛:え、ええ…(私には底知れない力が秘められてる…か…猫山さん、気を使って言ってくれたのかな?だとしたら申し訳無いわね。)
猫山の友愛には「底知れない力が秘められてる」と言う一言が気になったが、直ぐに切り替えて猫山と紫苑対策会議を始めた。
猫山:友愛…この映像を見て…
猫山さんのタブレット端末を覗くと画面には竜胆さんの模擬戦の映像が映し出されていた。
猫山:映像を見れば分かると思うけど…紫苑は遠距離•近距離共に隙が無い…普通に見れば付け入る隙が無いと思うけど…必ず隙は出来る筈…そこを突けばこの勝負…勝てる…!
友愛:なるほど…でもこの映像を見る限り、隙と言う隙は見られないわね。
猫山:…安心して友愛…映像はコレ以外にも沢山有る…警務科が公式で公開してる映像と…コッチは非公式だけど…子猫が秘密裏に入手した映像が有る…
友愛:ちょ、ちょっと待って…猫山さん!非公式の映像を秘密裏に入手したって…大丈夫なの?
猫山:ん…大丈夫…バレ無ければ子猫的に問題無し…!後、どうやって入手したのかは聞かない方が良い…世の中知らない方が良い事も有る…。
この子…ガッツが有ると言うか何と言うか…凄い子ね。私にはとてもじゃ無いけどこんな真似は出来ないわね…
猫山:ん…そろそろお開きにしよう…確かこの後、氷雨と特訓の予定入ってたよね…?
友愛:ええ、猫山さん今日はありがとう…色々と助かったわ!
猫山:気にしないで友愛…子猫は友愛の事気に入ってるし好きだから、出来る事はしてあげたいと思ってる…。
友愛:猫山さん…恥ずかしいわ…でもありがとう、そう言ってくれて。
猫山:ん…後で友愛のスマホに子猫が持ってる全ての映像送る…非公式の映像だけは扱いに注意して…友愛なら大丈夫だろうけど一応念の為に言っておくね…
友愛:分かったわ、今日は色々とありがとう猫山さん。それと…ラテアートとっても可愛いかったし美味しかったわ!
猫山:うん…どういたしまして…後、何時でも遊びに来て大丈夫だよ…
友愛:ええ、色々落ち着いたら是非お邪魔させて貰うわね!じゃあまたね。
猫山:うん…またね友愛…氷雨との特訓頑張ってね…
猫山さんの部屋を後にし、私は氷雨さんが待つ屋内訓練場へと向かう。
屋内訓練場
雨霧:お待ち致しておりました、友愛さん。
友愛:氷雨さん本日は訓練に付き合って頂きありがとうございます。
雨霧:いえいえ、お手伝いする約束でしたから、大丈夫ですよ。では、始めましょう。久城さんから近接戦闘技術を教わったと聞いています、私からは白兵戦技術をお教え致しましょう。
友愛:近接戦闘と白兵戦…どちらも似ていますね。
雨霧:確かに似ていますが…この2つには明確な違いが有ります。特訓を始める前に少しだけ座学の時間にしましょう。白兵戦は刀やナイフ等の近接武器を用いた戦闘行為全般を指します。近接戦闘は非常に短い交戦距離で1人ないし複数人の戦闘員の間に生じる銃器の使用を伴う物理的な戦術的戦闘になりますね。軽く説明しましたが、友愛さんご理解頂けましたか?
友愛:ええ、何となく理解出来たわ。
雨霧:それは何よりです。私、説明は苦手でして…
友愛:そうなの?でも苦手なわりには氷雨さんの説明凄く分かりやすかったわ。
雨霧:本当ですか!それなら良かったです。さて…座学はここ迄にしてそろそろ特訓に移りましょう。
友愛:では改めてご指導宜しくお願いします。
雨霧:はい、此方こそ宜しくお願いします。
私は小一時間程、氷雨さんから白兵戦における基礎から基本的な戦術等ありとあらゆる技術を叩き込まれた。氷雨さんもまた普通科の先輩方やカレンさんに負けず劣らずのスパルタ教育だったわね…。
雨霧:ふむ…今日はここ迄に致しましょう。友愛さんお疲れ様でした、動きはまだぎこち無いですが…しっかり鍛錬を積んで行けば良くなるでしょう。精進有るのみですよ!
友愛:は、はい…ありがとうございました…
~対紫苑戦特訓5日目 金曜〜
放課後 学校中庭
ゆなと私は特訓の為にグラウンドでも屋内訓練場でも無く、何故か学校の中庭で特訓している…特訓と言って良いのか、傍から見ればただのダンスの練習風景にしか見えないだろう…もうお気付きだろう。そう、ゆなの竜胆さんとの模擬戦に向けた特訓内容はダンスレッスンなので有る…一体全体何を思い付けばダンスレッスンになるのだろうか…?私はその理由も明かされぬままレッスンに汗を流す。
ゆな:ワンツーワンツー!はい、そこでターン!良いよ〜友愛!サビの所でジャンプ!うーん…タイミングがズレてるね〜ちゃんとリズムを聴いてて!はいそこで、またジャンプ!おっ今度は超良いね~その調子、その調子!
女子生徒A:ねえ?湊さんって竜胆さんとの模擬戦に備えて特訓してるんだよね…?何でダンスレッスンしてるの?
女子生徒B:さあ…寧ろ私が聞きたいよ。
女子生徒C:竜胆に勝ち目無いからって諦めてダンス大会優勝に向けて舵を切ったんじゃないの?
女子生徒A:いや、私湊さんと同じ普通科だけど…簡単に諦める様な子じゃ無いよ!今日の特訓だって先輩方や阿修羅門先生の厳しい訓練に必死に喰らい付いてたしさ。
女子生徒B:休み時間とかも、如月さんや雨霧さんから何かレクチャーされてたもんね~確かに頑張ってる感じだよね、最近の湊さん。
女子生徒C:ふーん…まあ私はさ正直どっちが勝っても負けても関係無いんだけどさ…何か頑張ってる湊さん見てると竜胆に勝って欲しいって思っちゃうんだよね…
女子生徒B:分かるかも!竜胆さんは明らかにやり過ぎたもんね。敵を作り過ぎたんだよ…
女子生徒A:明らかに校則違反じゃ無いのに校則違反だって決め付けて来たりもしてたしね~アレはやり過ぎってレベルじゃ無いよ。
女子生徒C:いずれにせよ…竜胆はその報いを受ける時が来たって事だね!
女子生徒A:だね~ゆな!あんまり湊さんに無理させちゃ駄目だよ〜
女子生徒B:湊さん頑張ってね~応援してるから!
女子生徒C:湊さん…竜胆に勝ってよ!貴方には期待してるからさ。
友愛:皆さん、ありがとうございます。頑張ります!
ゆな:分かってるって〜皆ありがとう~!ほら!友愛、皆の期待に応える為にレッスン頑張るよ〜
友愛:う、うん…(このダンスレッスン何か意味有るのかな?まあ…今はなりふり構ってられない状況だしきっと意味が有るんだろうと自分に言い聞かせて頑張ろう!)
ゆなのハードなダンスレッスンを終えた私は、レッスンでかいた汗を寮の自室で流してから射撃場へと向かった。
屋内訓練場内実弾射撃場
パァン!!パァン!!
如月:うん、良いですね。やはり私の思った通りセンスは有りますね。
友愛:ありがとう、如月さん。でも…私はまだまだよ、普通科の先輩方の教えて貰った通りに撃ってるだけだし。
如月:そんな事は有りません。貴方には素晴らしいポテンシャルを秘めています。やはり、猫山さんや阿修羅門先生が言う通り…湊さんには私達が思ってる以上の力が秘められてるとしか思えません。
友愛:うーん…本当にそうなのかしら?たまたまそう見えるだけじゃ無いかしら。
如月:あの阿修羅門先生や猫山さんが言うんです。きっと湊さんには何らかの力の1つや2つ持っていても不思議では無いでしょう。
友愛:もし…私にそんな力が秘められてるのなら、自分を変える為の布石になり得るわね。でも…如月さん、私にそんな力が有るとしたら…目覚めるのは何時なのかしら?
如月:それは私にも分かりません…ただ…目覚めるのは存外近いかも知れませんよ。私の感ですけどね…
友愛:感って…なら、少しでも力が目覚めるのを早める為に特訓に力を入れないとね!如月さん、引き続きご指導お願いします!
如月:はい!厳しく行きますよ!
~対紫苑戦特訓6日目 土曜~
午前 グラウンド
カレン:ふっ!
友愛:ぐっ!
カレン:前回と変わって無いよ~友愛!防御ばかりじゃ竜胆はおろかアタシにだって勝てないよ!
友愛:…(焦るな友愛!カレンさんの動きに集中するんだ!)
カレン:決めるよ!(相変わらず足元がお留守だよ、友愛!)
友愛:っ!(今だ!)
守りにひたすら徹し、反撃の機会を伺っていた友愛。カレンは痺れを切らし足払いを友愛に仕掛ける。友愛はカレンの足払い攻撃を待っていたのだった。人には誰しもテンプレパターンつまり予め決まった行動を持ってるものだ。友愛はその人間の本能的行動に着目したのだった。カレンは防御に徹している相手には必ずフェイントや足元が空いてる場合は足払い攻撃等必ずこの決まった攻撃を行う癖が有る事に気付いた。子猫から送られて来た竜胆の模擬戦の映像にはカレンと同じく彼女にも決まったテンプレパターンをしている傾向が全ての映像に見られた、つまり…このテンプレパターンを頭にインプットすれば実力者で有る竜胆に勝てると言う事を示唆しているので有る。予め決められた行動は初見で有れば読まれ難い、だが…それが通用するのは最初だけだ。多用すれば対策されるのがオチ…こう言った行動は複数のバリエーションを用意し読まれ難くするのが定石だ。
カレン:なっ!?
友愛はカレンの足払い攻撃をジャンプで躱し、そのまま着地し更にバク宙(バック宙返り)で後方へと下がり一旦距離を取り、右手で腰のダミーナイフを取りカレンに接近する。カレンは友愛がまさかジャンプして足払い攻撃を躱されるとは夢にも思わず、ナイフを手に接近して来る友愛に反応が遅れた。カレンもブーツに装備されたダミーナイフを手に持ち白兵戦に移行する、その刹那!カレンは更に驚愕した!友愛は右手に持ったナイフをカレンに向けて投擲したのだった!カレンは友愛に接近するの止め、飛んで来るナイフを避ける為に顔を反らす…間一髪避ける事に成功する。
カレン:…くっ!(ウソっしょ!今アタシが戦ってるのって本当に友愛なん?動きがこの前と違い過ぎっしょ!でも…経験ではアタシの方が上!負けないぞ~!)
友愛:…(うん思った通り身体が動く!氷雨さんから教わった白兵戦における戦術とゆなとのダンスレッスンで培った体捌き…まさかあのダンスレッスンがこんな形で役に立つなんて…意外にも程が有るわね…)
剣術には流派にもよるが刀による剣術の他に脇差(刀=本差しが折れた場合に使用する副兵装で有る短刀)を投げる奥義が存在する。友愛は氷雨からそれらの技の数々を叩き込まれたのだ!それだけでは無い、手に持つ物は全て武器になる、ボールペンからゴミの一つまで白兵戦においてそれら全てが凶器になり得る、そう言った搦手も教えられた。またゆなのダンスレッスンにも意味があったのだ、体幹を鍛える他に足腰の強化や、効果的な体捌きの運用効率UP…一見意味の無いダンスレッスンにも明確な理由があったのだ!まあ…ゆなはただ友愛の体力向上の為にダンスレッスンを特訓メニューとして組み込んだらしいのだが…ゆなの狙った当初の結果とは真逆の方に転がり込むとは友愛も思いもしなかったであろう。
カレン:この~わっ!
ヒュン!!ヒュン!!カキン‼
友愛は再び腰のナイフ2本を取り、牽制の為に投擲する。2本のナイフのうち1本はカレンの顔を掠め、残りの1本はカレンのナイフに弾かれた!
カレン:そう簡単にヤラれないっての!
友愛:…(それも大方想定済みよカレンさん!)
スッ‼
友愛は左手で地面の砂をすくいカレンの顔にかける!カレンはそんな友愛の意外な行動に戸惑い、反応が遅れ。友愛の目潰し攻撃をまともに喰らってしまう。
カレン:きゃあっ!
友愛:卑怯な戦法を使ってしまったけど…私の勝ちよカレンさん。
数秒で視界が回復し、カレンの額には友愛のグロックが突き付けられていた。
カレン:こ、降参~アタシの負けだよ~
友愛:カレンさん、ごめんなさい…眼大丈夫?
カレン:うん、大丈夫だよ~てかっ!この短時間でかなり強くなったね~!ビックリしたよ。これなら…竜胆に勝てるね!うん、アタシから教えられる事はもう無いかな…友愛お疲れ様でした!
友愛:カレンさん、色々とありがとう!
カレン:どういたしまして~大切な友達が成長するってこんなに嬉しいもん何だね~友愛、アタシから教わった事を忘れずに鍛錬に励んでよ!
友愛:ええ、勿論よ!本当にありがとう!竜胆さんとの一件が終わったら皆に特訓の御礼を兼ねて何か奢るわ!
カレン:マジ?友愛はまめだね~皆、友愛が竜胆に勝ってくれればそれで良いと思ってる筈だよ~
友愛:そう言う訳には行かないわ…私のせいで色々な方々に迷惑掛けてるのは事実だから…せめて恩返し位はさせて欲しいの。
カレン:友愛~良い子過ぎるんよ~(ギュゥゥゥ‼)
友愛:ちょっ!カレンさん苦しいわ!や、やめて!
カレン:ダメ~アタシの気が済むまでハグさせて貰うよ〜
それから私は2〜30分位ハグされた…ち、窒息するかと思った…これからはカレンさんのハグも回避出来る様に鍛錬する必要有りね。
午後 屋内訓練場 射撃場
カレンさんとの特訓後、私は寮の食堂で軽く昼食を取り、小一時間程休憩をしてから屋内訓練場へと向かった。午後の特訓内容は普通科の先輩方と射撃とリロードの総仕上げだ。
パァンパァン!!
3年普通科生徒:おお!最初の頃よりも良くなってるね。湊さん的にはどう?
友愛:はい、始めの頃は的に当てよう当てようって意識して撃ってましたが、今は意識せず自然体で撃てる様になりました。
3年普通科生徒:うん、私も見ててそう感じるよ。頑張ったね…私達に叱責されながらもめげずに途中で投げ出さずに最後までやり切った…一見誰でも出来そうな事だけど、実はそうじゃ無い…素人と言うハンデを持ちながらやり遂げるってかなり難しい事何だよね。
友愛:何度も挫けそうになった時も沢山ありました、その都度先輩方は手を差し伸べて下さりました。先輩はこんな私に僅かながら期待しているんだろうなと淡い気持ちを抱くようになりました、ならせめてその気持ちに応えないと失礼に当たると思い、必死に、がむしゃらに訓練に食らい付きました!どうお返しすれば良いか分かりませんが…時間が掛かってでもこの御恩をお返ししたいです。
3年普通科生徒:はは…何かムズ痒いね〜こう面と向かって言われるとさ。「時間が掛かってでも御恩をお返ししたい」か…なら竜胆さんに勝って!それが私に対する恩返しって事で!
友愛:それで良いんですか?
3年普通科生徒:うん、別に大丈夫だよ。私はあんまり拘らないタイプだから。湊さん、短い間だったけど…私からの指導はコレでお終い!私から教わった事を忘れずに日々精進有るのみだよ!
友愛:はい、御指導ありがとうございました!
⸺⸺
友愛:リロード!
ガチャガチャ ガシャン!!
2年普通科生徒:時間は…凄い!4秒!目標の3秒では無いけど充分ね。湊さん、最初に比べて著しい成長だわ!
友愛:ありがとうございます!先輩の御指導の賜物だと思います!
2年普通科生徒:何言ってるのよ湊さん!貴方が人一倍に努力したからこその今回の結果なのよ。胸を張りなさい!貴方には様々なリロード方法を教えたけど、今後は教わった事を忘れずに自分に過信せず日々精進有るのみよ!
友愛:短い間でしたが…御指導、御鞭撻誠にありがとうございました!
2年普通科生徒:いえいえどういたしまして!湊さん、竜胆さんに勝ってね!今の貴方なら絶対勝てるわ!
友愛:はい!
〜対紫苑戦特訓最終日 日曜〜
グラウンド
日曜の昼下がり私と阿修羅門先生は向かい合う様に立っていた。対紫苑戦特訓の総仕上げとして、最後は阿修羅門先生によるルール無用のどちらかが降参するまで続く実戦形式の模擬戦だ。グラウンドには友愛や阿修羅門以外にゆな達や普通科の先輩方が見守ってる。
阿修羅門:さて、湊。今日で竜胆との模擬戦に備えた訓練の総仕上げだ!普通科の連中やお前の友達から教わった技術を余す事無く、アタシにぶつけろ!勿論全力でだ!手加減すんなよ、一発で分かるからな!
友愛:はい、宜しくお願いします!
阿修羅門:へっ!最初に見た時よりも…随分良い面構えになったじゃねえか!しゃあっ!そろそろ始めるぜ!久城!カウントしろ!
カレン:は、はい!そんじゃ二人共位置に付いて!カウント5秒前!5 4 3 2 1始め!
カウントが終わると同時に先に動いたのは友愛だった。阿修羅門はその場から動かず友愛の動きを見極めるかの様に構えの姿勢を取り、友愛の一挙手一投足に目を凝らす。友愛はその場に留まる阿修羅門に疑問を抱いたが余り気に留めず当初のプランで阿修羅門に攻撃を加える。
阿修羅門:左…いや、右か!違うな、右からの上か!
阿修羅門はそう呟きながら友愛の攻撃を見定める。友愛は左、右とステップ移動しつつ阿修羅門に接近する。右に移動し、ダミーナイフを手にジャンプし上空から攻撃を仕掛ける。阿修羅門は自身に振り下ろされるナイフを真剣白刃取りの要領で友愛の上空からのナイフ攻撃を防ぐ。
友愛:なっ!(嘘でしょ!?)
ゆな:マジ?
雨霧:真剣白刃取りとは…やりますね、阿修羅門先生。
阿修羅門:悪くねえ攻撃だ湊!だが…アタシレベルになると見え見えだぜ!
友愛:くっ!
友愛はナイフから手を離し、着地しバク宙で後方へと下がり一旦距離を取る。
友愛:…(プランAは失敗…どうする?恐らく阿修羅門先生には小手先の戦術は通用しないだろう…)
武装はグロック二挺(一挺は予備)とマガジン3つ、ナイフが4つ、1つはさっき阿修羅門先生に使ったばかり。グレネードはフラググレネード(訓練用)2、スタングレネード(訓練用)1、スモークグレネード1。さて…かなりの難問ね…
阿修羅門:今度はこっちから行くぜ!
友愛は思案を中止し、グロックをホルスターから抜き接近して来る阿修羅門に射撃する。
パァンパァンパァンパァンパァン!!!
5発の9✕19mmパラベラム模擬弾が接近する阿修羅門に吸い込まれる様に放たれる。阿修羅門は僅かに身体を捻り飛来する弾丸を回避する、5発中2発が腹部と胸部に被弾したが防弾チョッキを着ていた為軽いダメージで済んだ。そのまま阿修羅門は臆する事無く前進し続ける。
友愛:っ!(怯まずに接近を続ける!かなり度胸が有るわね…)
怯まずに尚も接近し続ける阿修羅門に驚きつつも、再び阿修羅門に向けて射撃を試みる。何発も被弾しながらもスピードを緩める事も無く接近し続ける阿修羅門に若干恐怖を抱く友愛。タクティカルリロードをし、一旦グロックをホルスターにしまい腰からナイフを1本取り、そのまま接近する阿修羅門に投擲する。
阿修羅門:ほお~!中々おもしれー技を使いやがる!だが、甘え!
己の拳で飛来するナイフを叩き落す阿修羅門。一瞬の出来事に驚愕する友愛は反応が遅れ、鋭い蹴りを腹部に食らう、防弾チョッキ越しとはいえかなりの衝撃だ!余りの威力に吹き飛ぶ…フラフラしながらも立ち上がる友愛。
猫山:…流石は昔、関東一帯をたった一人で制覇した伝説を持つ元スケバン…闘い慣れしてるだけは有る…
カレン:子猫~それ、マ?
猫山:うん…マジ…!ちょこっと学校のデータベースにアクセスしたらそう書いてあった…
如月:…(猫山さんサラッと凄い事言ってるけど…聞かなかった事にしよう、うんそうしよう…)
阿修羅門:いや〜ヤッパリ喧嘩は幾つになっても楽しいぜ〜オラ!湊、もっとアタシを楽しませろ!
3年普通科生徒:喧嘩って言っちゃってるよ…。
2年普通科生徒:さっきの蹴りかなりエグかったけど湊さん大丈夫かな?
3年普通科生徒:フラフラしながら立ち上がってるから一応大丈夫何じゃない?でも…ちょっとヤバそうだけど…
友愛:…(凄い蹴り…それだけじゃ無い武器も持たずにステゴロのみでここまでやれる何て…阿修羅門先生、かなりの猛者と見て取れる…)
阿修羅門:来ねえなら、こっちから行くぜ!
友愛:くっ!
阿修羅門は友愛との距離を詰める為に、地面を蹴り一気に加速し接近する。友愛は素早くグロックを抜き、射撃する。
阿修羅門:そんな豆鉄砲じゃあ…アタシは止まんねえぜ!
17発全て被弾しながらも接近を続ける阿修羅門。模擬弾とはいえ当たれば相当な痛みが伴う筈なのに痛がる素振りも見せず、友愛目掛けて突っ込んでくる阿修羅門に軽く恐怖を覚える友愛…
友愛:…(恐ろしいわね…かなり被弾している筈なのにそれでも接近を止めない…寧ろより闘争心が燃え上がっている様に見える…ん?「闘争心」なるほど…その手が有るわね!)
友愛は何か策が思い付いたのか、早速行動に移す。
友愛…(私は浅はかだったわね…小手先が通用しないだろうと勝手に決め付けて敢えて正攻法で阿修羅門先生に攻撃を加えていた。その結果…逆に阿修羅門先生の闘争心に火を付けてしまった。阿修羅門先生の戦い方は武器等に頼らず己の拳や肉体のみで真正面から戦うタイプだ。卑怯な手や正々堂々と戦わない者を嫌うタイプとも見て取れる…なら、私の取る戦法は敢えて搦手や禁じ手を多用した戦法で掻き乱し、闘争心を萎えさせて油断や隙を作らせそこを突く!そうすればこの模擬戦勝てる筈!)
友愛は素早くタクティカルリロードし、今だ接近を続ける阿修羅門に射撃を続行。
阿修羅門:無駄だっての!
被弾するも構わず接近する阿修羅門。友愛はグロックをホルスターに収め、腰に装備されたフラググレネードを2つ取り出し安全ピンを外し、阿修羅門の足元に投げ入れる。
カランコロン!!!
阿修羅門:?ちっ!フラググレネードか!姑息な!
阿修羅門が毒づくと同時にフラググレネードが破裂し大量の模擬弾が弾け飛ぶ!全身に模擬弾を喰らい、若干フラつきながらも友愛に接近を試みる阿修羅門の足元に友愛が更に投擲した、スタングレネードが転がって来る!
阿修羅門:糞が!(ちっ姑息な手ぇばかり使いやがって!正々堂々と戦いやがれ湊〜!)
キーン!!
スタングレネードが炸裂し強烈な光と大音量の音が響き渡る。訓練用に威力が抑えられているとはいえそれでもかなりの閃光と音量だ。
ゆな:相変わらず凄い音と光だね~皆大丈夫?
如月:ええ、何とか…
雨霧:戦法を変えて来ましたね湊さん。
カレン:うん、多分阿修羅門センセーを苛つかせて、隙を作るみたいだね~恐ろしい子だよ友愛は…
猫山:阿修羅門先生は正々堂々を信条としてる…だからこそ姑息な手を嫌う…まあ…阿修羅門先生に限らず姑息な手を含めて嫌な事されたら誰だってイライラするよ…友愛はそんな人が持つ人間性を逆に利用したんだね…
ゆな:子猫それマジ?
猫山:ん…そうじゃ無かったらこんな戦法、友愛は使わないよ…
如月:大人しい顔をしてて、えげつない事をしますね…
雨霧:ええ…出来れば敵として戦いたく無い相手ですね…
阿修羅門はスタングレネードによる一時的な目眩•難聴や耳鳴りから回復し、友愛を睨む。スタングレネードで一時的に行動不能に陥っていた筈なのにトドメを刺さなかった…明らかに舐められてるとしか言えない。阿修羅門からは闘争心が消え去り、度重なる姑息な手を使われて怒りが込み上がるばかりだった…完全に冷静さを見失っている、友愛の思惑通りだ。
阿修羅門:やってくれんじゃ無えか…湊…!教師を舐めるとは良い度胸してるなぁ~オイ!久城、そこに竹刀有るだろ?そいつをアタシに投げろ!
カレン:は、はい!(うわ~アレ、完全にマジ切れだよ~)
カレンは阿修羅門に言われた通りに竹刀を彼女に投げ入れる。カレンから竹刀を受け取り、構える。
友愛:…(見た感じ闘争心は完全に下火だ。冷静さも失ってる、後は油断や隙が生じるのを待つだけね。)
阿修羅門:…このアタシに竹刀を握らせた事…後悔するんじゃ無えぞ…!
阿修羅門のドスのきいた声が響く、張り詰めた空気がグラウンド中に漂う。恐らく次でこの模擬戦の勝敗が決まるであろうとゆな達は固唾を飲む。友愛と阿修羅門は円を描く様に動く、暫く動いた後、先に動いたのは阿修羅門だった、竹刀を突き出す様に構え突撃して来る。友愛は自身の足元にスモークグレネードを落とす、地面に接触と同時に煙幕が展開される。阿修羅門は一瞬驚いたがそれでも突撃を止めず、友愛が居たであろう場所に鋭い突き、そして眼にも留まらぬ斬撃を加える。煙幕が晴れ阿修羅門は驚愕した!自分が突き、切り払った場所には友愛は居なかった…阿修羅門は思い返す、友愛を切った感触は感じられなかった…そして…気付く、自分はこんな単調な子供騙しに気付けなかった事に…
阿修羅門:……(湊は冷静さを失ったアタシを利用したんだ…冷静さを失ったアタシ程度ならこんな単調な子供騙しは通じる筈、そう読んで煙幕を張ったって訳か…糞!ドコらへんか分からねえが、どうやらアタシは湊の手のひらに踊らされてた訳か…)
阿修羅門は冷静さを失った自分を利用された事に始めて気付いた…。友愛は人間が持つテンプレパターンとは別の人間それぞれが持つ人間性を利用した、人が持つ人間性は1つでは無い、阿修羅門の場合正々堂々を好み、姑息な手を用いた卑怯な事を嫌う傾向が有る。つまり友愛は戦いにおいて阿修羅門の人間性を見極め、それに対応した戦術で阿修羅門を掻き乱し、冷静さを失わせ隙や油断を誘ったのだ。友愛は分かっていた、ゆな達や普通科の先輩達から幾ら技術を教わってもそれを十二分に発揮する為にはただ教えられた通りに運用すれば良い訳では無い。せっかく教わっても120%の力を出せない…じゃあどうすれば良いか?そして考えに考え抜いた結果…友愛自身がワルキューレに転入して来る前の高校で学んでいた心理学であった。心理学は軍事部門にも採用されてる分野でも有る、友愛は自身の戦闘技術に心理学を用いたので有る。相手の心理を読み解き、癖や行動を分析してそれに対応した適切な戦術で対処する。それこそが教わった技術を120%…いやそれ以上の能力を引き出せるのだ、短時間ながらも友愛はこの戦術を編み出したのである。
阿修羅門:後ろか!?
友愛:これで終わりにします…
阿修羅門:そう…簡単に終わらせねえぞ!
後ろから接近する友愛に気づき、竹刀を構え直す阿修羅門。
友愛:…(どうやら私の狙いに気付いたみたいね…若干冷静さを取り戻したと見て取れる。でも!まだ勝機は有るわ。)
友愛は残りのナイフを2本取り阿修羅門に投擲する。
阿修羅門:しゃらくせえ!見え見えだっつーの!
竹刀で的確に飛来するナイフを叩き落す。友愛は左手に砂をすくい上げ、そのまま接近する。阿修羅門はナイフを叩き落とした竹刀で返す刀の要領で友愛に向けて振るう!友愛は右手で素早くグロックを抜き竹刀を持つ手に数発撃ち込もうとするが弾切れの為か弾が出ない事に気付く、友愛はグロックを阿修羅門に投げ付ける。阿修羅門は友愛が投げ付けたグロックを竹刀で叩き落とし更に返す刀で友愛に打ち込もうとするが…友愛の左手に持った砂による目潰し攻撃を喰らってしまう。
阿修羅門:…なっ!ぐおっ!?
目潰しにより顔を押さえる、友愛はその隙を突き左手で左腰に装備された予備のグロックを抜き阿修羅門の額に銃口を突き付ける。
友愛:チェックメイトです、阿修羅門先生。
阿修羅門:ちっ!降参だよ!
カレン:しょ、勝負有り!勝者、友愛!
阿修羅門の降参により、この模擬戦は友愛の勝利となった。
3年普通科生徒:な、何か凄い模擬戦だったね…
2年普通科生徒:うん、あの本気の阿修羅門先生を倒しちゃうなんてね…
ゆな:うわ~凄い戦い見ちゃったね~氷雨!
雨霧:ええ…素晴らしい戦いでしたね。この短期間での成長ぶり、恐ろしいものです。訓練に付き合った甲斐が有りましたね!
カレン:だね~
如月:ここまで成長するとは…やはり例の猫山さんや阿修羅門先生が仰っていた力が今回の阿修羅門先生との模擬戦で覚醒したと言う事でしょうか?
猫山:うーん…まだ…感じる…
如月:え?
猫山:友愛の中に眠る秘められた力が覚醒したとは言えない…
如月:でしたら…今回の模擬戦で見せたあの力は?
猫山:友愛に秘められてる力とは無関係だよ…今回のは元々持ってた友愛の戦闘のセンスが開花しただけ…
如月:なるほど…それでしたら何時ごろなのでしょうか?湊さんには近い内に覚醒すると言ってしまいましたが…
猫山:恐らく…明日だと思う…確証は無いけど…
如月:明日…竜胆さんとの模擬戦の日ですね…
猫山:…うん。
阿修羅門:湊…見事だったぜ!どうやら色々仕込まれた見てえだな…たくっ卑怯な技まで使いやがって!だが…それで良い!勝つ為、生き残る為には何だって利用しろ!戦場は綺麗事ばかりじゃ無えからな、泥臭く汚え事ばかりで溢れてる。だから、多少は汚え手ぇ使ってでも生き残れ!良いな湊?
友愛:はい!1週間と言う短い間でしたが…御指導ありがとうございました!
阿修羅門:おう!竜胆に勝てよ!絶対だぜ!
友愛:はい!
阿修羅門:それと湊、お前…多少は人の心を読める見てえだな?シンリガク?って言うのか?良く分からねえが良いモン持ってるな!だが…多用するのは厳禁だぜ、特に竜胆に使う場合はな…人って生きもんは追い詰められた時にとんでもねえ力を発揮するモン何だよ。だから…気を付けろよ!
友愛:はい、御忠告肝に銘じておきます!
こうして1週間に及ぶ短くも濃い内容の対紫苑戦特訓は幕を閉じたのであった。そして…
月曜日~決戦の日~
午後
グラウンド特設会場
いよいよ竜胆さんとの模擬戦の日を迎えた。模擬戦の会場となるグラウンドには昨日の阿修羅門先生との模擬戦では無かった遮蔽物等が複数置かれていた。それだけでは無く、観戦者用のベンチ等がグラウンドを囲む様に配置されていた。どうやら観客を入れるみたいだ…既に大勢の生徒達が模擬戦が始まるのを今か、今かと待ち侘びている状態だ。まるで見世物にされてる動物園の動物達みたいね…。
ゆな:友愛?大丈夫?流石に緊張…してるよね?
友愛:ゆな…うん、少しね…でも大丈夫よ。
ゆな:なら良かった!友愛、大丈夫だよこの日の為に阿修羅門先生を始め、あたし達や普通科の先輩達で頑張って特訓して来たんだから!紫苑なんかに負けないよ!絶対!
友愛:うん…そうね。私には皆がいる…皆のお陰で今の私が有るわ!だからゆな…皆と一緒に見守ってて!
ゆな:うん!ちゃんと皆で友愛の事、見守ってるよ!あっじゃあそろそろあたし、観客席に戻るね…
友愛:うん…ねえ、ゆな?
ゆな:うん?何友愛どうしたん?
友愛:始まる前に…その…抱き締めてくれないかしら…?
ゆな:…うん。良いよ…。
友愛:ありがとう…
ギュウ!!!
ゆなは優しく友愛を抱き締める…ゆなの髪から香る甘酸っぱい香りと体温が友愛を優しく包み込む…数十秒間抱擁を交わしお互い離れる。
友愛:じゃあ…行ってくるわね。
ゆな:うん…行ってらっしゃい友愛。
ゆなと言葉を交わし、私はグラウンドの中央へと向かう。中央には鬼島先生と既に待機していた竜胆さんが待っていた。
~第3話【対紫苑戦特訓】~完
~次回予告~
いよいよ紫苑との模擬戦を迎えた友愛。阿修羅門やゆな達•普通科の先輩達との特訓も有り、実力者で有る紫苑を追い詰めていく友愛だったが…!?勝利の女神が微笑むのは、紫苑か?友愛か?戦いの火蓋が今切られる!
次回、第4話【覚醒する力~友愛VS紫苑~】
友愛に秘められし力が今!覚醒する!お楽しみに!
次回、いよいよ友愛と紫苑の模擬戦です!最後までお読み下さりありがとうございました!次回は出来る限り文字数短く出来たらなと思い頑張って執筆致します!