ガンズオブガールズ〜武装JK達のアオハル〜 作:リバーアイランド
~前回までのあらすじ~
ゆな達や阿修羅門を始めとした普通科の面々による厳しい地獄の様な対紫苑戦特訓で鍛え抜かれた友愛。1週間と言う短い期間ながらも最後までやり切り、転入して来た時よりも見違える程に成長した友愛はついに、紫苑との対決の日を迎えたのだった…
第4話【覚醒する力~友愛VS紫苑~】
グラウンド特設会場
竜胆:逃げずに来ましたか、湊さん。私はてっきり…怖くなって棄権するのかと思っていましたよ。
友愛:逃げもしないし、棄権もしないわ!皆、私の為に訓練に付き合ってくれたの!その行いを無下にする訳には行かないわ!
竜胆:青春ですねぇ~さぞ有意義な時間だった…でしょうねぇ。全く持って実に下らない!仲間が居ればそう簡単に強くはなれません!私にして見れば…邪魔なだけですよ。どんな訓練をしたかは知りませんが、結局は寄せ集めの人材で仲良しごっこしてただけでしょう!
友愛:竜胆さん…貴方どうしてそこまで私の大切な人々を侮辱すれば気が済むの!?私は貴方を絶対に倒すわ!私の気が済むまで皆に謝罪して貰うわよ!
竜胆:ふん!笑止!私を倒せるものなら倒してごらんなさいな。もし…倒せたら湊さんの言う通りに貴方の気が済むまで謝罪してあげますよ。
友愛:鬼島先生、もう始めましょう。(これ以上竜胆さんと言い争いをしたって無意味ね。相手のペースに呑まれるだけよ!冷静になれ、友愛!)
百合亜:ええ、それでは!両者共に位置に着いて下さい。今回の模擬戦のルールですが…
鬼島から模擬戦のルールが説明される。今回行われる模擬戦のルールは基本的に、各科の教練で行われる模擬戦のルールと比べて殆ど変更点が無い。どちらかが降参の自己申告にて勝敗が決する。模擬戦(個人戦)は上記に書かれてる通りだが、コレが集団戦規模となるとまたルールが変わってくる。模擬戦(集団戦)のルールについてはまた別の機会にて説明しようと思う。
百合亜:となっております。では…両者とも開始位置に着いたので、これより!湊友愛対竜胆紫苑による模擬戦を開始したいと思います。カウント5秒前!5 4 3 2 1 0 両者戦闘始め!
VSフリーデン高等学校警務科
カウントが終わり、両者とも動き出す。友愛はグラウンドに設置された遮蔽物に移動し、竜胆の動きを観察する。竜胆もまた友愛と同じく遮蔽物に身を隠し友愛の動向を探っている。今回のお互いの
竜胆紫苑
•ニューナンブM60 1挺 •トンファー型ダミー警棒1 各種グレネード •フラググレネード(訓練用)4 •スタングレネード(訓練用)2
湊友愛
•グロック17 2挺 •ダミーナイフ6 各種グレネード •フラググレネード(訓練用)2 •スタングレネード(訓練用)1 •スモークグレネード 2
今回は弾数無制限ルールが設けられている。弾薬はグラウンドに設置された各遮蔽物に配置されている。また、補給出来るのは弾薬のみでダミーナイフと各種グレネードは補給出来ない。
グラウンド特設会場 観客席
ゆな:始まったね…
カレン:うん…友愛なら竜胆に絶対勝てるよ!アタシ達がめいいっぱい鍛えたんだからさ!
ゆな:そうだよね!(友愛、無茶だけは…しないでよ…!)
雨霧:お互い遮蔽物に隠れたまま動向を探っていますね。
如月:ええ、直ぐに動きが有ると予想してましたが意外な展開になりましたね。
猫山:…紫苑の事だから何時ものパターンで来ると思ったけど…友愛の力は未知数…つまり紫苑も少しは警戒してるって事かも…
雨霧:竜胆さんにしては意外ですね…あの時あれ程の啖呵を切っていたのに。
如月:何はともあれ、戦いは始まったばかりです。この先どの様に戦いが展開されて行くのか…見物ですね。
竜胆と友愛が遮蔽物に隠れお互いの動向の探り合いを始めてから、3分経った。グラウンドには風の吹く音が聞こえる程静寂に包まれていた。観客の生徒達はその様子に一声も発せずただ固唾を飲んで見守っていた。時間が5分になりかける瞬間、二人に動きがあった。先ず動いたのは竜胆だった。安全ピンを抜き、フラググレネードを1つ友愛が隠れている遮蔽物に投げ込む。
カランコロン‼
友愛:やっと動き出したわね。
友愛は急ぎ遮蔽物を離れ、別の遮蔽物へと移動する。数秒後にグレネードが炸裂した、ギリギリ回避し、移動と同時に竜胆に向けて数発、発砲する。
竜胆:まあ、避けられるとは思っていましたよ。(意外にも反応速度が高いし、素早い身のこなし…機動力を奪った方が良さそうですね。それに…念の為に用意した
友愛の射撃を遮蔽物で躱し、友愛の移動先に向けてスタングレネードを投げ込む。
友愛:…(やはり機動力を奪う戦法で来たわね。猫山さんから貰った映像には、竜胆さんは2つの※テンプレパターンを持ってる事が判明してる。1つは機動力が高い相手には機動力を奪い制圧する戦法。2つめは接近戦や白兵戦を得意とする相手には、わざとこちらも接近戦に誘い出し、自身が持つ高度な柔術で制圧する。この2つだ。)
※人間が持つ予め決められた心理的行動。即ち常勝パターン。
友愛は竜胆がテンプレパターンを使って来る事を予想しわざと誘ったのだ。友愛の予想通り、機動力を奪う戦法を使って来た。さて、ここから友愛のターンだ。友愛は当初向かう予定だった遮蔽物に向かわず、竜胆に向けて走る。友愛が向かう筈だった遮蔽物には竜胆が予想して投げたスタングレネードが虚しく炸裂する。突如進路を変え自分に突撃して来る友愛に驚きつつも、冷静に突撃して来る友愛に向け発砲する竜胆。
竜胆:読まれた?まあ、マグレでしょう!しかし…真っ直ぐ突撃して来るとはまるで猪ですねぇ。
友愛は腰からナイフを1つ取り出し、竜胆に向けて投擲する。
友愛:猪にこんな芸当は出来無いでしょう?
竜胆:猪どころか、売れない大道芸人ですね!
竜胆は僅かに身体を反らし飛来するナイフを躱し、素早くニューナンブをリロードし発砲する。数発友愛に命中するも突撃するスピードを緩めず、腰から更にナイフを2つ取り出し白兵戦に移行する。竜胆もニューナンブをホルスターに収め、腰に装備したトンファー型ダミー警棒を手に持ち迎撃する。
竜胆:お馬鹿さんですね!私に接近戦を挑むとは!勇猛果敢なのは認めますが…その勇猛さが命取りですよ!
ガッガッガキン‼
竜胆の警棒と友愛のナイフがぶつかる音がグラウンドに響く。数秒鍔競り合いが続き、竜胆は足払いを友愛に仕掛ける。友愛は動きを察知し鍔競り合いの最中にも関わらず無理矢理ジャンプで足払い攻撃を回避し、そのまま竜胆に一蹴り入れ蹴った反動を利用し後方へと下がる。
竜胆:なにっ?ぐうっ!
カレン:模擬戦が始まって、初めて竜胆にダメージが入ったね!
雨霧:ええ、それだけでは無く接近戦において無類の強さを誇る竜胆さんを翻弄してますね。
如月:ですが最後まで油断出来ません…何か仕掛けて来る可能性も有りますから。
猫山:今回の紫苑の動き…何か違和感を感じる…子猫の気のせい…?
阿修羅門:……(流石は猫山だな。アタシも薄々感じるよ…それだけじゃ無え竜胆の奴…若干手ぇ抜いてやがるな…あの小娘め…!)
ゆな:…(何だろう…何か胸騒ぎがする…友愛、大丈夫だよね?)
竜胆:どうやら私は…貴方の事を少し見くびっていた様です。猪に大道芸人…それに軽業師と随分と芸達者ですねぇ…褒めて差し上げますよ!
友愛:貴方に褒められても嬉しく無いわ。
竜胆:それは残念ですね…人に褒められたら素直に受け取るのが礼儀ですよ?まあ貴方の様な野蛮な人には余計なお世話かも知れませんがね。さて…お喋りはここまでにして…そろそろ終わりにしましょう。
友愛:ええ…決着を着けましょう!
友愛は地面を強く蹴り一気に竜胆に向け加速する。竜胆は一旦警棒を腰に戻し、ニューナンブをホルスターから抜き素早く射撃する。数発が被弾するもそれでも接近を止めない友愛、竜胆は構わずリロードし再び射撃する。友愛は両手に持つナイフを竜胆に向けて投擲し、右手でグロックを抜きそのまま竜胆に向けて接近する。
竜胆:ふっ!
ガキン‼ガキン‼
竜胆は飛来する2本のナイフを警棒で巧みに落とし、接近して来た友愛を迎え撃つ。警棒で友愛に攻撃を加えようとするが友愛は右手に持つグロックで咄嗟にガードする。かなりの衝撃だった為かグロックは友愛の手から離れる。
竜胆:なっ!きゃあっ!
そして一瞬の隙を突き友愛は鋭い左蹴りで竜胆に攻撃を加える。左蹴りによる攻撃で体勢を崩す竜胆。友愛は腰からダミーナイフを取り、起き上がろうとする竜胆に近付く。
友愛:…これで終わりよ!
友愛がナイフを振りかざす瞬間…一瞬竜胆の表情が伺えた、竜胆は不敵な笑みを浮かべていた…友愛は何か感じ取ったが時既に遅し!
友愛:ぐっ!うぐぅぅ!
突如身体に痛みと共に電流が流れて来るのを感じる!友愛は何が起こったのか分からず、その場に力無く倒れ込む。ふと自身の太ももに違和感を覚え、視線を太ももに向けると何やら2つの小さな投げ矢の様な電極の様な物が刺さっていた…その電極の様な物を辿っていくと見た事無い変わった銃を持つ竜胆が眼に入る。
猫山:アレは…テーザー銃…!?
雨霧:何故あの様な物を竜胆さんが持ってるのですか?まさか!警務科の訓練で使ってる物を使用したのでしょうか?
カレン:氷雨、警務科の訓練では使用も保有もして無いよ。ましてや個人での所有何て…
如月:久城さんの言う通りです、更に補足するとフリーデンに関わらず他の学区の学校でも使用も保有もしていません。つまり…
ゆな:つまり、
如月:はいそうなると思います…
猫山:…思いっ切り校則違反…風紀委員失格以前に警察官目指してる者の行為とは到底思えない…(紫苑の違和感の正体…この事だったんだね…)
ゆな:ね、ねえ?友愛大丈夫だよね?さっきから動かないんだけど…ま、まさか…
如月:大丈夫ですよ神崎さん!あれはテーザー銃に撃たれた事により体に筋肉の自由を奪える様調整された電流を流し神経筋麻痺が起こっているんです。一時的な物ですから大丈夫ですよ。
ゆな:そ、そうなんだ…
百合亜:阿修羅門先生!直ちに試合を中止させましょう!竜胆さんはテーザー銃を使用しました!明らかに校則違反です!
阿修羅門:……
百合亜:阿修羅門先生聞いていますか!?
阿修羅門:そう耳元で喚くなよ!聞いてるって!念の為にボディチェックしなかった事、ルールにテーザー銃の使用禁止と持ち込み禁止を設けなかった事とか色々な不備が有ったのは事実だ。アタシにも責任が有るのは自分でも分かってるさ…ただな…ここで試合を止めたら…アイツの…湊の気持ちを踏みにじる事になる。アイツは神崎や久城の為に竜胆に謝罪させる為に必死になって訓練して、今日と言う日を迎えて闘ってんだ!鬼島、お前見て分かんねえのかよ?
百合亜:だ、だからって…!
阿修羅門:全責任はアタシが取る!それで良いだろう?
百合亜:本当…貴方は無茶苦茶ですね。良くそれで教師やってられますね?
阿修羅門:教師ってモンは無茶苦茶な方が丁度良いんだよ!堅苦しいしきたりに囚われてちゃあ教師としてこの先やって行けねえよ!
百合亜:はあ~もうどうにでもなれ!分かりました!私も一緒に責任取ります。
阿修羅門:おっ!ノリ良いじゃ無えか!
百合亜:勘違いしないで下さい、今回限りですよこんな事は…!それでは私は戻ります。
阿修羅門:おう!しっかり監督してくれよ!
百合亜:はあ…(本来は貴方の仕事なのですがね…まあ…良いでしょう。)
竜胆:ふふっ♪如何ですかテーザーのお味は?ご安心を!威力は既存の物よりも下げています。まあそれでも中々の威力ですがねぇ。
友愛:り、竜胆さん…貴方…風紀委員でしょ?それに警察官を輩出する名門の家出身の貴方がこんな事して良いのかしら?
竜胆:湊さん…「勝てば官軍」と言う言葉を御存知ですか?結局のところ、どんな手を使ってでも勝てば正義何ですよ!そう!私が今までして来た事全てが正しいとなるんですよ!素晴らしいでしょう?力有る所に正義有り!力無き所に不義有り!湊さん…敗者は敗者らしく…地に伏せていれば良いんですよ!
ドガッ!ドガッ!ドガッ!
友愛:ぐっ!うぐっ!うぐぅぅ!
竜胆:ハハハ!湊さん…貴方は良く頑張りました、もう良いのでは無いのですか?もう終わりにしても宜しいと思うんです。貴方に勝ち目は有りません!大人しく降参なさい!
ドガッ!
友愛:うぐっ!
女子生徒A:うわぁ…エグう…
女子生徒B:勝てば官軍って…何あれ?流石にヤバいよねぇ~
女子生徒C:だよね~幾ら何でもそれがまかり通る訳無いじゃん!
カレン:友愛、もう良いよ…!もう降参しなよ!何で鬼島センセーも阿修羅門センセーも止めないの?
ゆな:……っ!
ドガッ!ドガッ!
友愛:がはっ!
竜胆:はあ…強情ですねぇ~良い加減飽きました…そんな強情な貴方には…もう一発…テーザーをお見舞いしましょうかね!ふふっ♪
友愛:…くっ!
竜胆:このテーザーはカートリッジ式でして、新しいカートリッジに取り替えればもう一発撃てるんですよ。さあ、これで終わりにしましょう!
チャキッ‼
友愛:くっ…!(ゆな…皆、ごめんなさい…)
ゆな:…無いわよ!
カレン:ゆ、ゆな?
ゆな:ふざけんじゃ無いわよ!友愛!アンタ、あたし達にあれだけ紫苑に謝罪させるって言っておいて…こんな無様に負けるつもり?マジでふざけんじゃ無いわよ!アンタの力はそんなモンじゃ無いでしょ!阿修羅門先生が言ってたでしょ!アンタにはあたし達仲間が居るって!仲間が居るからどんな強い奴にも負けないって!友愛!アンタは自分を変える為に転入して来たんでしょ!だったら立ち上がりなさいよ!立って…
友愛:…(ゆな…ありがとう…そうよね、貴方の言う通りだわ!私には貴方達仲間が居る!それに私は自分を変える為に転入して来たのよ!こんな所で寝てる場合じゃ無いし、潰える訳には行かないわ!)
竜胆:何ですか…あれ?昔やってた熱血ドラマのワンシーンの真似事ですか?まあ…どうでも良いです!サヨナラ…湊さん、今度はちゃんと降参と言って下さいね?
ゆなの叱咤により友愛は再び闘志を燃やす!竜胆がテーザー銃のトリガーに指を掛ける瞬間…時間が止まったかの様に時間の流れが遅くなった…友愛は何が起こったのか分からなかったがチャンスと思い、手で地面の砂をすくい上げ竜胆の顔にかける!
竜胆:へっ?きゃっ!
友愛はその隙に竜胆の手に持つテーザーを奪い、遠くに投げる。友愛の目潰し攻撃で視界が回復した竜胆は柔術で友愛を制圧しようとするが…友愛には竜胆が柔術で制圧して来るのがまるで分かっていたのか軽々躱し、逆に鋭いハイキックによるカウンターで反撃し、バク宙で後方へと下がり竜胆と距離を取る。竜胆は友愛のカウンター攻撃でよろめきながらも体勢を立て直し、ニューナンブを抜き友愛に向け発砲。友愛はスローモーションで飛んで来る数発の38スペシャル模擬弾を見据える…左腰のホルスターからグロックを抜き、38スペシャル模擬弾に照準を合わせ、発砲する。友愛に向けて竜胆による精確に発射された数発の38スペシャル模擬弾は無慈悲に飛来して来るが、友愛のグロックから放たれた9✕19mmパラベラム模擬弾がそれら全てを
3年普通科生徒:?何が起こったの?竜胆さん確かに発砲したよね?それなのに一発も湊さんに被弾して無いけど…
2年普通科生徒:それだけじゃ無い、湊さんも発砲したけど…竜胆さんには被弾した形跡が無い…どう言う事なの!?
カレン:えっえっ…!?何が起こったん?マジ意味不何だけど~
如月:そんな…いえ、有り得ません!
雨霧:響華さん如何なされたのですか?
如月:湊さんが先程使った妙技…アレは…
ゆな:響華、その
如月:相手から放たれた銃弾を自分が放った銃弾で撃ち落とす射撃技術です。習得に掛かる時間は一生掛かっても習得出来るか出来ないかと言われる程の極めて超高難易度の技術です。私はそんな技を一度も湊さんに教えた筈無いのですが…例え教えたとしてもこんな土壇場で一発で成功出来る筈も有りませんし…まさか!?湊さんに秘められた力が覚醒したのでしょうか?
ゆな:そんな凄い技を一発で…(やっぱり…友愛は凄いな…昔からこう言う土壇場で不可能を可能にしちゃうんだから。)
猫山:……(響華にしか出来無い
阿修羅門:へっ!随分と遅い
竜胆:っ!(そんな馬鹿な…確実に狙って発砲した筈…なのに被弾した形跡が無い…それに湊さんも発砲したが、私には被弾してない。一体何が起こったのか皆目見当がつかない…)
友愛:…(不思議だわ。ゆなが叱咤してくれたあの時、あの瞬間から私の体に何らかの変化が有ったのは間違い無い…この力は何なのかしら?前に猫山さんや如月さんが言っていた私に秘められた力の正体なのかしら?分からない…分からないけど…この力が有れば竜胆さんに勝てる!)
ゆなの叱咤により、友愛の秘められし力が覚醒した。その人智を超えた力は凄まじい物だった…人が放つ殺気、悪意それら攻撃的な気を即座に察知し回避又は捌き反撃する驚異的な反応速度。殺気が込められて入ればどんな距離でも、遠く離れた遠距離からの狙撃にも対応可能。またこの力が発動してる間は時の流れがスローモーションの様に遅くなり、先程見せた
友愛:行くわよ、竜胆さん…今度こそ終わりにしましょう!
竜胆:このっ…!調子に乗るなぁ!
友愛はナイフを手に竜胆に向け突撃を開始する。竜胆はニューナンブを抜き発砲。友愛は僅かな動作で飛来する銃弾全てを回避し接近を続ける。
竜胆:っ!何故当たらないの!?この、この!当たれ!
リロードし再び発砲、またリロードし発砲と続け様に発砲し続ける竜胆。友愛は飛来する銃弾の雨を軽々躱し、最接近する。
竜胆:そ、そんな…有り得ない…あんなに発砲してる筈なのに…一発も当たらないなんて…に、人間じゃ無い…う、うわあぁぁ!
冷静さを失い、発狂する竜胆。ニューナンブを投げ捨て、右手で乱暴に腰から警棒を取り友愛に攻撃を加えるが友愛はそれらの攻撃を難無く躱し、ナイフで警棒を受け止め左手で竜胆の右手に素早く手刀を打ち付ける、友愛の手刀が打ち付けられた右手から力無く警棒が滑り落ちる。得物を失っても竜胆は構わず徒手空拳で攻撃して来るが秘められた力が覚醒した友愛には竜胆の攻撃は無慈悲に躱されてしまう。竜胆は悟った…自分はとんでもない相手と戦っていたと…本土から転入して来たド素人と思っていた友愛がたった1週間でここ迄劇的に成長した事、そして急に人間離れした力を発揮し自分を圧倒して来た事…それら全てが竜胆の心奥深くに【湊友愛】と言う存在を強烈に、いや鮮烈に刻み込まれたのだ!竜胆は力無くその場に座り込む…戦意喪失、勝てる訳が無い!こんな
竜胆:わ、私の…負け…です…降参します…
百合亜:…しょ、勝負有り!勝者…湊友愛さん!
友愛:か、勝ったのね…!うっ…!
ドサッ!
竜胆との激しい戦闘及び友愛の中に眠る秘められし力が覚醒しその力を余す事無く活用した疲労からか、友愛は崩れる様にその場に倒れ込む。
百合亜:ゆ、友愛さん!しっかり!
ゆな:友愛!
阿修羅門:オイ!衛生科の生徒共!湊を医務室まで運べ!神崎!お前も衛生科だろう!ストレッチャー持って来い!他は補佐に回れ!鬼島、お前は学校医に至急連絡!
ゆな:は、はい!
衛生科生徒達:分かりました!
百合亜:了解しました!
カレン:アタシ達はどうする?
如月:湊さんが気がかりですが…今は先生方の指示有るまで待機しましょう!
猫山:…それが良い。それに友愛は大丈夫だと思うよ…子猫の感…だけど…
雨霧:子猫さんの感は今まで外れた事有りませんし大丈夫でしょう。
竜胆:…
阿修羅門:竜胆…テーザー銃の経緯についてはとやかく言うつもりも無えし、それを糾弾するつもりも無えよ。アタシ等に不備が有ったのは事実出しな、だから…あんま気に留めるな。
竜胆:はい…あの…阿修羅門先生…私は…
阿修羅門:ストップ!お前の言いてえ事は何となく分かるよ。でもな言うべき相手はアタシじゃ無えよ…後はアタシが言いてえ事分かるな?
竜胆:…はい…
阿修羅門:おし!取り敢えず竜胆も医務室で念の為に手当てして貰ってから寮の部屋に戻れ!流石にこの騒ぎだ…教練やる雰囲気じゃ無えからな。
竜胆:わ、分かりました…失礼…します…
教師A:阿修羅門先生私はどうすれば?
阿修羅門:取り敢えず今日の教練は各科共通で中止及び自習で良いだろう。各教練担当の教師に連絡頼む!
教師A:了解しました!
教師B:阿修羅門先生、観客席の生徒達は一旦各教室で待機、自習と言う形で大丈夫でしょうか?
阿修羅門:そうだな…それで良いだろう。生徒達の誘導を頼む!
教師B:了解です!
阿修羅門:さて、アタシの仕事はここ迄で良いだろう。
教頭:阿修羅門先生!この騒ぎは何ですか?先程湊さんがストレッチャーで運ばれて行くのを見掛けましたが?
阿修羅門:教頭、湊に関しては見た感じ命に別状は無いと思いますよ。
教頭:憶測で物を言うのはおよしなさい!それに貴方が提出した申請書ですが…教師同士の模擬戦を各科の生徒に合同で見せると言う内容ですが…どうして【生徒同士】が戦っていたのですか?当学校は各科の教練で行う公式の模擬戦以外での非公式の模擬戦は禁止の筈ですが?明らかに貴方が提出した申請書と内容が違いますね?
阿修羅門:あ〜それについては…(まあ…いずれバレるとは思ってたけどな…しゃーない!…けど丁度良い…アタシが前々から考えてた
教頭:阿修羅門先生、早急に説明を!
阿修羅門:ここで説明するのもアレですし…ここは職員会議を開いての説明に洒落込む何てどうっすかね?
教頭:何ですかその口の聞き方は?口の聞き方に気を付けなさい!職員会議ですか?まあ良いでしょう…先ずは会場の後片付けを終わらして下さい!それから1時間後に職員会議としましょう。良いですね?
阿修羅門:了解っす教頭先生!
教頭:(ギロッ)はあ~後は頼みますよ。
教頭は阿修羅門を軽く睨み、大きく溜息をつき会場の後片付けを阿修羅門に任せその場を後にする。
~医務室~
友愛:う、う~ん…ここは?
ゆな:あっ!気が付いたん友愛?ここは学校の医務室だよ。
友愛:そう…なのね…うっ痛たた…
ゆな:紫苑に派手に蹴られてたもんね…でも骨は折れて無いって学校医も言ってたから大丈夫だよ。
友愛:そうなのね。紫苑…紫苑…あっ!ゆな、竜胆さんとの模擬戦は勝ったのよね?
ゆな:うん!大勝利だよ!マジで凄い試合だったよ~特に最後らへんの…あたしが友愛を叱咤した時から急に友愛の動きが変わってマジでビックリだった!あの時の友愛…少し怖かったけど…めっちゃカッコ良かった!
友愛:あの時ゆなが叱咤してくれ無かったら私は負けてた…でも貴方が…ゆなが必死に私の事を叱咤してくれたから私の中に眠る力が覚醒して竜胆さんを圧倒する事が出来た。貴方には昔から助けられてばかりね。
ゆな:何言ってんの友愛。逆だよ、あたしだって友愛は昔から無理だと思える様な土壇場で不可能を可能にしてあたしに勇気をくれたじゃん?
友愛:ふふ♪そんな事も有ったわね。ふう~今日はハードな日だったわね…ゆな、少し眠るわ。
ゆな:うん!友愛は偽りの正義を振りかざし続けた
友愛はゆなに見守られながら眠りについた。この模擬戦を境に友愛は転入してから短い期間の間にも関わらず他の学年の生徒達から注目を浴びる事となった。
〜学生寮 竜胆の部屋〜
シャアァァ
竜胆:……
阿修羅門に言われた通り医務室で軽く手当てをして貰い、寮の自室でシャワーを浴びる竜胆。目を瞑るたびに、友愛との模擬戦を思い出す…自分の手の内を全て見透かす様なあの目…人間離れした戦闘力…思い返すだけでも身体が恐怖で震える。自分は何て浅はかだったのだろうか…ど素人と思っていたクラスメイトがここ迄の実力を有していたとは思いもしなかった…硬い何かで殴られ自分のプライドを粉々に砕かれた気分だ。今回の友愛との模擬戦を通し竜胆は改めて気付かされた…自分は何時の間にか孤独になっていた事、自分が思い描いた正義から遠ざかっていた事…何故気付けなかった?何故行き過ぎた正義を振りかざしていた自分に気付けなかった?私は…一体何を求めて…一人で歩いて来たの?
竜胆は幼き頃から両親と兄からの期待を一身に背負って生きてきた。両親が敷いたレールの上を何の疑問も疑念も抱かずただ言われた通りに歩んで来た。良い結果を残す度に両親は喜んでくれた、兄も自分の事の様に喜んでくれた…そんな両親と兄に失望されたく無いが為に竜胆はがむしゃらに頑張りそして他人を蹴落とし、自分が思い描いた正義像とは真逆の方向へとここ迄一人で歩んで来た。でも…心の何処かで本当にこのままで良いのかと何度も自問自答を繰り返す自分が居た、このまま両親が敷いたレールを歩み続け、フリーデンを卒業して警察官として立つべきなのか…と。それが自分が思い描いた本当の正義なのか?
竜胆:ああ…違う。そんなの本当の正義とは呼べ無い。間違っていたのは…私…だったんですね。どうしてもっと早く気付けなかったのでしょうか?いえ、気付こうとしなかっただけですね。私は…とんだ大馬鹿者です!
竜胆はシャワーを止め、バスタオルで身体を拭き着替えを済ませてからスマホを取り出し有る人物に電話を掛ける。数秒のコール音の後、厳かながらも優しい声が聞こえて来た。
竜胆の父:紫苑かい?
竜胆:お久し振りですお父様。こんな時間にお電話申し訳ございません。入学式以来ですね、こうして会話するのも。
竜胆の父:ああ、大丈夫だよ。うんそうだね、元気に勉学と教練には励んでいるかい?
竜胆:はい、厳しいながらも毎日充実した日々を送っております。
竜胆の父:そうかい、それなら良かった。紫苑は
竜胆:……
竜胆の父:ところで…私に何か重要な話があって電話して来たのかい?まさかただ世間話がしたくて電話した訳では無いよね…紫苑?
竜胆:お父様…私は今日までお母様とお父様の言いつけを守ってきました。でも…気付いたんです!このままお二人の敷いたレールを歩むのは間違いだと。
竜胆の父:……
竜胆:私は…今日限りでお二人の言いつけを背く事に致します。これからは自分の足で、自分の道を歩いて行きます。自分が思い描く正義を見付けて行きたいのです!本当は電話では無くお父様とお母様に直接お会いしてお話したかったのですがお忙しいと思いこの様な形になりました。自分勝手なのは重々承知ですが…何卒ご理解の程お願い申し上げます。
竜胆の父:……
お父様からは何も返答が無い…当たり前だ、お兄様と同じく将来竜胆家を背負って立つべく、お母様とお父様が手塩にかけ育て上げた娘が初めて反抗してきたのだから。
竜胆の父:そうか…ありがとう、紫苑…
竜胆:はい?
竜胆の父:実は私も母さんもこれで良いのかと薄々感じてはいたんだ。自分達が敷いたレールを紫苑の意思を無視して歩かせて良いのか?やりたい事が有ったんじゃないかなって…どうやら私達は紫苑が一人で悩み葛藤しているのを知らずに居た…親として情けない限りだよ。もっと早く気付いてあげれば良かった…すまない…紫苑。
竜胆:謝らないで下さい、お父様。元を辿れば私に非が有りますから…
竜胆の父:そうかい、そう言ってくれて安心したよ。
竜胆:あの…お父様、怒らないのですか?
竜胆の父:怒る?何故だい?娘が自分の胸中を話してくれたんだ、怒る理由何て無いだろう。ありがとう…話してくれて、辛かっただろう…誰にも打ち明けられぬまま一人で抱え込んで…これからの事は心配しなくて良い、竜胆家の将来は正義に任せるとしよう。紫苑は好きな様に自分の道を歩みなさい、私も母さんも応援しているよ!
竜胆:はい…はい…ありがとう…ございます…お父様。私、お父様とお母様の娘として産まれて良かったです。
竜胆の父:私も母さんも紫苑が私達の娘として産まれて来てくれて誇りに思うよ。おっと…そろそろ会議の時間だ。すまないが切るよ、ああそうだ紫苑が話してくれた事は後で母さんと正義に言っておくよ。それじゃ…くれぐれも身体には気を付けるんだよ。
竜胆:はい、お父様もどうかお身体にはお気を付けてお過ごし下さい。では、失礼致します。
通話を切り、スマホをポケットにしまう。自分の胸中を父に話した為か、表情が以前に比べ明るくなった様に見える。
竜胆:ありがとうございます…湊さん。貴方のお陰でやっと本当の意味で私が思い描く正義を見付ける為に歩む事が出来ます。それだけじゃ有りません…貴方は私の心に真なる
竜胆の眼にはかつての、自分が思い描いた正義を求めて邁進してた時と同じ輝きが宿っていた。友愛との模擬戦、そして父親に自身の胸中を明かし両親が敷いたレールから逸れ自分の足で自分の道を歩むと決めたこの日を境に改心し、自分が振りかざしていた偽りの正義を正し人の為に役立てる正義を求めて歩んで行く事を決意するのだった。竜胆は後の友愛のグループの中心人物に無くてはならない存在になる事をこの時の彼女は知る由も無かった。
~部室棟内生徒会本部~
???:ふむ…やはり間違い無いわね。
???:会長この書類に判を押して頂きたいのですが…
???:アゲハちゃんちょっと待って貰えるかしら?今、手が離せないのよ。
会長と呼ばれる少女の名は現フリーデン高等学校生徒会会長を務める
アゲハ:手が離せない?では机の下のタブレット端末は何でしょうか?生徒会長で有ろう貴方が執務中にサボりですか?呆れますね…これなら猿に任せた方が貴方よりは多少は仕事が捗るでしょうね。
華夜:相変わらず今日も毒舌が冴えてるわねアゲハちゃん…
アゲハ:本当の事では有りませんか?違いますか?
華夜:うう…もう少しこう…オブラートに包んで言ってほしいわね。
アゲハ:それよりも…タブレットで何を見ていたのですか?まさか…会長でもあろう貴方がいかがわしい映像を見ていた訳ではありませんよね?
華夜:ねえ?アゲハちゃんから見て私ってそんな風に見えるの?
アゲハ:はい。
華夜:……
アゲハ:まあ、冗談です。話を戻しますが何の映像を見ていたのですか?
華夜:とても冗談には見えなかったけどまあ…良いわ。アゲハちゃんも私と一緒に見たでしょ?今日の模擬戦、それの映像よ。
アゲハ:ええ見ましたね。それよりもその映像どうしたんですか?まさかまた先生方に無理を言って入手したのですか?
華夜:権力は持ってても嬉しいコレクションじゃ無いわ。強力な力なのよ?力は使わないと!家宝院家の特権でしょ?
アゲハ:……(まるでどこぞの盟○王みたいな台詞ですね…)
華夜:まあ家宝院家の威光を持ってすれば造作も無いわ!
アゲハ:…(とても生徒会長とは思えない発言…何でこんな人が会長になれたのかが不思議ですね…絶対に生徒会長になっちゃいけないタイプの人ですよ。)
華夜:アゲハちゃん、あの模擬戦見てて何か感じなかった?
アゲハ:特には…まあ有るとすれば竜胆さんのテーザー銃使用くらいでしょうか。テーザー銃の使用、所持は校則違反ですが…阿修羅門先生は不問にする意向の様ですが…それ以外には特に有りませんね。
華夜:それも当たりと言えば当たりだけど違うわ…この映像のここを見て欲しいの。
華夜はアゲハに目的の映像を見せる。それは友愛がゆなから叱咤を受け、秘められた力が覚醒し竜胆を圧倒してる部分の映像だった。
アゲハ:うーん…特に変わった様子は有りませんが何か有るのですか?
華夜:アゲハちゃんって鈍感ね…友愛ちゃんの動き明らかに前半よりも変わったと思わない?
アゲハ:確かに動きが違いますね。この動きに何か有るのですか?
華夜:私の理論はやはり正しかったのよ!学会の老いぼれジジイ共め!間違ってるのは貴方達だったのよ!何が非現実的よ、何が私の考えた最強能力よ!実在したじゃない私の理論は!
アゲハ:…あの会長、話が見えないのですが…
華夜:アゲハちゃん、私が2年前に学会に提出した論文の事覚えてるかしら?
アゲハ:論文…論文…ああ、あのいかにも中二病を患った人が考えた様なオカルト論文ですか!
華夜:私は中二病も患って無いし、あの論文はオカルト論文じゃ無くて
アゲハ:はあ…それで会長、そのオカ…超空間認識能力論文がどうかされたのですか?
華夜:今オカルト論文って言いそうになってたわよね?
アゲハ:そんな訳無いじゃ無いですか〜オカピって言いそうになっただけですよ。
華夜:何をどうしたら世界三大珍獣の1つとされるオカピと言いそうになるのよ…
アゲハ:でも可愛いじゃ無いですかオカピ。
華夜:うん確かに可愛いけど…っていつまでオカピの話引っ張るのよ!超空間認識能力論文よ!友愛ちゃんが今回の模擬戦で見せたあの人間離れした一連の動き…あの動きは間違い無く能力による物だわ。やっぱり存在したのよ!超空間認識能力を持った人間が!これで学会は大騒ぎよ!私の崇高な論文に理解を示さなかった老いぼれジジイ共に見せつけてやるわ!アゲハちゃん出掛けるわよ、準備して。
アゲハ:今からですか?仕事はどうされるのですか?
華夜:他の役員に任せましょう。
アゲハ:わ、分かりました。それで、どちらに?(また会長の思いつきが始まりましたね…役員の方々には後で私の方で謝っておきましょう。)
華夜:まずは友愛ちゃんに話を聞きたいところだけど…彼女は確か普通科所属だったわよね?
アゲハ:はい、それがどうかされましたか会長?
華夜:友愛ちゃんの前に普通科担当教師の阿修羅門先生に話を通しておきたいの。先生にも以前超空間認識能力について話した事あったから。
アゲハ:なるほど…しかし会長、実は…阿修羅門先生が提出した申請書と今回行われた模擬戦との内容に違いが有ったらしく現在職員会議中です。出直した方が宜しいかと存じます。
華夜:あらそうなの?でも善は急げよ!強行突破するわよ!行くわよ、アゲハちゃん!ふふふ♪やっとよ!長かったわ…誰にも理解され無かった、超空間認識能力保持者が現れたのよ!こんな所で立ち止まって居られないわ!
アゲハ:ええ…わ、分かりました!(本当に阿修羅門先生といい会長といい、私の周りには何で猪突猛進な方々が多いのでしょうか!でも…会長が楽しそうなら、これ位は大目に見ましょうかね。)
新しい
〜職員室〜
教頭:まあ…既に終わってしまった事なので、今回の件は大目に見ましょう。ただし!次は有りませんよ!阿修羅門先生…!
阿修羅門:いや〜皆さん方お騒がせしました!それと模擬戦の運営と会場の設営を手伝ってくれた先生方には感謝してもしきれ無えぜ!鬼島もありがとな!
百合亜:どういたしまして。
教師A:いえいえ〜また何か有ったら言って下さいね!
教師B:今度、何か奢って下さいね〜
教頭:ゴホン!では、職員会議はこれにて閉会と致し…
阿修羅門:あ〜ちょっと待って貰え無えか、教頭先生?
教頭:はあ…何ですか?阿修羅門先生…
阿修羅門:アタシから一つ提案が有るんすよ!
教頭:提案…ですか?
阿修羅門:ええ。
教頭:時間が惜しいです、手短にお願い致します。
阿修羅門:あざっす教頭先生!
百合亜:…(阿修羅門先生が提案何て…珍しいわね。でも…何だか胸騒ぎがするのよね…)
阿修羅門は深呼吸し、珍しく真面目な顔つきで教員の前で話し始める。
阿修羅門:前々からアタシの方で考えていたのですが…当高は他の学区の学校と違い規則に縛られ過ぎだと思うんです!アタシが先代の校長に見込まれ、30年前にこのフリーデンに来た時は各科の教練以外に生徒同士で何時でも自由に模擬戦が出来た時代でした。しかし!今はどうでしょう?生徒を規則で縛り付け、伝統だ、栄光だ、フリーデンの保身を案じるばかり!教練以外の生徒同士の模擬戦は禁止!当高の教育理念の一つで有る、切磋琢磨が聞いて呆れる…ここでアタシは提案します!再び強いフリーデンを!かつてのフリーデンを取り戻す為に、伝統も栄光も規則も捨て再び自由に模擬戦が出来る環境を作ってあげませんか?
百合亜:…(なるほど…阿修羅門先生の提案には一理有るわね。私や他の先生も大方賛成だと思うわ。今のフリーデンの体制には皆少なからず不満は有ったから。でも…教頭先生は良く思わないでしょうね。)
教頭:何を提案すると思いきや…そんな事ですか?他は他!うちはうちです!私達は私達のやり方でやって行けば良いのです。他の学区の学校に合わせる必要も有りません。それに模擬戦を禁止にしたのは過去に事故が有ったからそれ以降は禁止にしたのです。
阿修羅門:教頭先生、その事故は当時の模擬戦担当の教師に不備が有ったから起こってしまった事です。しかし、当時の教頭…つまり貴方は学校の体裁を鑑みて当該教師では無く生徒のせいにしたのです!これは明らかに教育者としてあるまじき行為に他なりません!
教師A:その事故の報告書、以前学校のデータベースで読んだけど確かに担当教師に不備が有るのにあたかも生徒側に不備が有ったって書かれ方してたもんね。
教師B:それ私も見た事ある、かなり酷い書かれ方してたよね。
百合亜:…教頭先生の仰りたい事も理解出来ます。ですが…もう良いのでは有りませんか?今の時代は柔軟に周りに合わせて変化して行く時代です。そろそろフリーデンもその波に乗って良いのでは無いでしょうか?
教頭:お黙りなさい!
教師A:っ!
教師B:!?
百合亜:…
阿修羅門:チっ!
教頭:阿修羅門先生の提案は一理有るでしょう!ですが…仮に実現出来たとして…コスト問題はどうするのですか?学校の財政は有限です!限られた資金で当高は毎月やりくりしてるのです。フリーデンは他の学校に比べ規模が小さく…ワルキューレ管理本部から充てられる資金も他の学校と比べ少ないです…それに来年には我が高の機甲科を廃科にする意向に決まったばかり…これ以上のコスト削減は限界に有る状況です。そんな中で模擬戦を復活させる等もってのほかです!模擬弾もタダでは無いのですよ!
阿修羅門:しかし!
教頭:お黙り!もうこの話は終わりです!先生方は仕事にもど…
華夜:なら…我が家宝院家が全て負担するわ!
アゲハ:すみません、すみません…うちのアホ会長が本当にすみません!
華夜:アゲハちゃん!心の声が出てるわよ〜
阿修羅門:家宝院!良い所に来た!
華夜:あら〜?私も阿修羅門先生に用が有ったのよ!でも…今はそれどころじゃ無さそうね〜
教頭:か、家宝院さん!急に入って来て何なんですか!?
華夜:先程の阿修羅門先生のお話…大変感銘致しました!さすればこの家宝院華夜!阿修羅門先生の提案の実現の為ならば…我が家宝院家の力を以って実現させましょう!
教頭:な…家宝院さん何も貴方が…
華夜:良いのです!それにお父様も阿修羅門先生の提案の実現の為ならば最大限の援助を辞さないと申しております。ねえ〜お父様〜♪
そう言い華夜はスマホを教頭に見せる。画面には通話中と映ってる…つまり華夜の父親と通話中と言う事だ。
華夜の父親:教頭先生、娘の言う通り是非とも援助させて下さい!しかし貴方は素晴らしい教師を部下にお持ちですね、ここ迄生徒の事を考えている教師はなかなか居ませんよ。うちの部下に是非とも阿修羅門先生の爪の垢を煎じて飲ませてあげたいくらいですよ!
阿修羅門:家宝院さん恐縮です。
華夜の父親:いえいえ!これ位しか出来なくて逆に申し訳無い位ですよ。
阿修羅門:それだけで充分ですよ。
華夜の父親:そうですか?もしまた何かお困りでしたら…是非とも娘経由で私にご連絡下さい!何時でもお力になりますよ!では、失礼します。
阿修羅門:ありがとうございました!
華夜:お父様ありがとう〜愛してるわ〜♪
アゲハ:さて…教頭先生、会長の…家宝院家が援助を申してくれています。承諾した方が良いと思いますよ?
教頭:っ!私は反対です!それにきっと…校長先生も反対なさるでしょう!残念で…
校長:私は構いませんよ。是非とも家宝院家の援助を受けましょう!教頭先生以外の先生方は宜しいでしょうか?
教師陣:はい!
校長:と…言う事です。決まりですね。阿修羅門先生、貴方の提案…私も大賛成ですよ!そして何より生徒とこのフリーデンの事を第一に考えて下さり…感謝致します。やはり貴方は…フリーデンの先代校長を努めていた私の祖父が見込んだだけ有りますね!これからも生徒の為に頑張って下さい!
阿修羅門:ヘヘ!もちろんですよ!アタシに任せてくださいよ!
校長:ふふっ期待していますよ。
教頭:校長先生!
校長:教頭先生…貴方は教育者として不適切です!
教頭:!?
校長:貴方はフリーデンの事も、生徒の事も考えず自分の保身の事ばかり気にしている!貴方は長年、教頭として当高に仕えてくれましたが…本日を持って貴方はクビです!
教頭:なっ!待って下さい!
校長:警備員さん!元教頭先生を追い出して下さい!
警備員A:さあ!来て下さい!
教頭:は、離しなさい!
警備員B:コラ!暴れるな!
華夜:はあ…アゲハちゃん!
アゲハ:仰せのままに。
アゲハは問答無用で、元教頭の頸の後ろに手刀を当て気絶させた。
教頭:うっ
アゲハ:警備員さん後はお願い致します。
警備員A:は、はい。おい、そっち持ってくれ。
警備員B:ああ、分かった。
元教頭は警備員に抱えられる様に職員室を退出する。
校長:さて…空いた教頭枠ですが…阿修羅門先生はどうでしょうか?適任だと思うのですが…
教師A:私も校長先生に同意です。
教師B:私も同じく。
阿修羅門:せっかくの申し出嬉しいが…アタシは面倒くせえのは嫌だから断るぜ!逆に…鬼島が適任だと思うぜ!アタシより優秀だしよ。
百合亜:えっ!?私ですか?
阿修羅門:ああ、お前意外としっかりもんだしよ生徒からの信頼も厚いしピッタリだと思うけどな。
百合亜:「意外と」は余計ですよ!阿修羅門先生!まあ…私で務まるか分かりませんが…頑張らせて頂きます!
校長:決まりですね。では新教頭は鬼島先生と言う事で皆さん宜しいでしょうか?
職員室に盛大に拍手が響き渡る、華夜を始めその場に居る教師陣が新教頭である鬼島を祝福した。
教師C:よっ!鬼島新教頭!
教師D:何処までも付いて行きますよ、鬼島教頭先生!
鬼島:何だかこそばゆいわね…こう教頭って言われると…
阿修羅門:胸を張れ!鬼島!こっからはもう一人で大丈夫だろ?
鬼島:ま、まあ何とかやれますよ阿修羅門先生!
阿修羅門:へっ!随分良い顔付きになったじゃ無えか!2年前とは大違いだぜ!無理すんなよ!ヤベえと思ったら誰かを頼れよな!
鬼島:言われなくても分かってますよ!
校長:阿修羅門先生、貴方の提案ですが…早速明日から実施しましょう!
阿修羅門:流石に早く無えっすか?
校長:早ければ早い方が何かと良いでしょう。
阿修羅門:まあ、そうすっね。
校長:普通科兼模擬戦担当教師としてこれから宜しくお願いします。模擬戦業務ですが…一人では大変なので補佐役の先生を阿修羅門先生の方で何名か任命をお願いします、フリーデンのより良い発展の為に、そして生徒達の為に阿修羅門先生…貴方には期待していますよ!
阿修羅門:了解っす!任せて下さい!
校長:家宝院さん、援助の件ですが…
華夜:それにつきましては、後日、父からご連絡が有ると思います。詳しいお話は父からお願い致します。他に何か必要でした遠慮せず私に申して下さいまし。私経由で父にご連絡しますので。
校長:はは、心強いですな!援助の件本当にありがとうございます!
華夜:いえいえ、これも富める者の務めですから。それと校長先生、阿修羅門先生を少しお借りしても宜しいでしょうか?
校長:ええ構いませんよ。
阿修羅門:ん?ああ…そう言いやアタシに用がある見てえな感じだったもんな。
華夜:ここでは何ですので…生徒会室に場所を移しましょう。では校長先生、失礼致します。
校長:ええ、本日は本当にありがとうございました。さて…鬼島教頭先生、前任の教頭の引き継ぎや今後の事について打ち合わせをしましょう。
百合亜:はい、分かりました。
阿修羅門と華夜そしてアゲハの3人は職員室を後にする。
〜部室棟内生徒会本部〜
阿修羅門:んでアタシに用って何だ?
華夜:阿修羅門先生…以前貴方にある能力について話したのを覚えていますか?
阿修羅門:能力…ああ、あの長ったらしい名前のオカルト能力だっけ?それがどうかしたのか?
華夜:オカルト能力では有りません!超空間認識能力です!
阿修羅門:おお、そう言いやそんな名前だったな〜んでその能力がどうしたんだよ?
華夜:その能力を保有する生徒を本日見つけました。貴方が良く知っている生徒ですよ。
阿修羅門:アタシが良く知っている生徒だって?
アゲハ:1ー2組、普通科所属湊友愛さんです。
阿修羅門:…何の冗談だ?
華夜:冗談では有りません。貴方も今回の模擬戦を良く見ていたでは有りませんか?後半のこの部分…ここから明らかに動きが違いますよね?これは間違い無く友愛ちゃんに秘められた超空間認識能力が覚醒した瞬間です。
阿修羅門にタブレットの映像を見せながら説明する華夜。今にも華夜を殴り倒しそうな雰囲気の阿修羅門、二人の間には重い空気が立ち込める、アゲハはそんな二人をタダ黙って見てる事しか出来なかった。
阿修羅門:確証は有るのか?
華夜:100%にはまだ届きませんが…後数回程、模擬戦を挟みその映像を見れば確証は得られると思います。
阿修羅門:家宝院…一つ聞きてえが仮に湊がその能力を保有してたら…お前はどうすんだ?まさか研究所送りにしてモルモットか?
華夜:研究所送り何て…蛮行、この私がするとでも…?
阿修羅門:お前ならやりかねん。
華夜:ふふ♪ご安心を、するとしても私の崇高な論文を馬鹿にした学会のジジイ共に一矢報いるだけですよ!超空間認識能力は存在したってね!
阿修羅門:ふっ!アタシが湊を見た時感じたあの感じはその能力の事だった訳か…
アゲハ:既に感じ取っていたのですね。
阿修羅門:当たり前だ!アタシはお前等よりも長く生きてんだ、物心付いた時から
華夜:未知数…とだけ申しておきましょう。論文にも書きましたが…この能力はタダの潜在能力では無いんですよ。人間誰しもが本来持つ可能性に満ちた力何です!言葉では言い表せない…それどころか、世界を一変し得る…そんな力何です。
阿修羅門:まるで…漫画やアニメの話だな。でも…お前がギラギラ目を輝かせて話してる姿を見ると…大マジ見てえだな!んで…こんな話をアタシにしたって事は…何かアタシに手伝って貰いたいんだろ?
華夜:アゲハちゃん。
アゲハ:はい、会長。阿修羅門先生には特に何かして貰う必要は有りません。湊さんには模擬戦を何回かして貰うだけで良いんです。普通科の生徒でも、誰でも構いません。それと…模擬戦の様子を映像に残して貰えると助かります、映像を撮ったら生徒会室のPCに送って貰えるだけで大丈夫です。
阿修羅門:結構簡単だな、それだけで良いのか?
華夜:出来るだけ友愛ちゃんが能力を使う状態に持ち込んで頂ければ構いません。超空間認識能力は未だ未知数な所が存在します、私の論文に載って無い様な力も存在するかも知れませんから。
阿修羅門:なるほど…分かった。頻繁にとは行かねえが…出来るだけ普通科の方で模擬戦の回数を増やして見るよ。
華夜:ありがとうございます。所で阿修羅門先生、友愛ちゃんに能力について説明したいのですが…会って話せますか?
阿修羅門:悪いが…そいつは出来無え相談だ。湊は今、医務室で手当てを受けて休ませている。今日はアイツにとって…ハードな1日だったからな、だから日を改めろ。
華夜:分かりましたでは、後日、阿修羅門先生も同席の上で超空間認識能力の詳細な情報を友愛ちゃんに説明します。ですので、予定を空けておいて下さい。
阿修羅門:分かった、後は大丈夫か?
華夜:ええ、お時間取らせてしまい申し訳ありませんでした。アゲハちゃん、お見送りを!
アゲハ:はい、会長。阿修羅門先生こちらです。
阿修羅門:おお、悪いな。じゃあな家宝院。
華夜:ええ、本日はありがとうございました。
アゲハに見送られながら生徒会本部を後にする阿修羅門。部屋に一人残った華夜は、窓の外の景色を見ながら呟く…
華夜:友愛ちゃん…貴方に宿る超空間認識能力が…この世に何をもたらすのでしょうか?破壊?それとも変革?何を成すも、成さないも貴方の自由です。ですが…きっとこの先…面白い事が盛り沢山なのでしょうね…この先しっかりと見させて頂きますね!ふふふ♪あっはっは♪……今の台詞、我ながらカッコ良かったわね!
アゲハ:……(ダメだこのアホ会長…早く何とかしないと!)
こうして、友愛と紫苑の模擬戦は秘められた力が覚醒した友愛の勝利で幕を閉じたのだった。たった1戦だけの模擬戦によって少なからずの変化がもたさられた。だが…これはほんの序章に過ぎないのだ。
〜第4話【覚醒する力〜友愛VS紫苑〜】〜完
〜次回予告〜
紫苑との模擬戦から数日後、何時もの様に普通科で厳しい教練に汗を流し、友達の一人であるカレンと帰り支度をしていると阿修羅門から生徒会長の
次回、第5話【超空間認識能力】お楽しみに!