黒子のバスケ 銀色の疾風   作:星月

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第四十八話 支配される心

 伝令としてコートに入ってきた本田の指示は、大仁多の選手達に戸惑いを与えた。

 

「パスを出させる? 金澤のパスから失点に繋がっているというのに、それを許すというのか?」

 

 真っ先に黒木が本田に尋ねる。

 第3Qが始まってからは金澤のパスを止めきれず、そこから盟和の選手達のシュートを決められていた。

 ならば真っ先に対応すべきはその根本である金澤。彼を止めてディフェンスに専念するのがベストと考えるのが普通である。だが藤色の指示はまさにその逆と言ってもいいものであった。

 

「いえ、正確に言えばその作戦は山本さんが入ってからです。

 俺はあくまでも全力で金澤を止めるようにと指示を受けました」

「なに? お前はあくまで普通にディフェンスを?」

 

 納得がいかない黒木は本田の続く言葉にさらに表情を厳しくした。

 折角指示が出たというのに代わって入った本田はそれをしない。少しでも早く作戦を実行した方が有効なのではないかと疑問に覚えたからだ。

 理解が難しいと悩む黒木であったが、小林が間に入って話を進めた。

 

「わかった。それが監督の指示ならば従うまでだ。本田も頼むぞ」

「はい! 今度こそ!」

「キャプテン、それで良いんですか?」

 

 意図を理解し、本田に奮起を促した。

 対してまだ納得しきれていない黒木には指示が伝わるようかみ砕いて言った。

 

「ああ、本田も言っていただろう? 監督の指示は『パスを出させよう(・・・・・・・・)』だと。パスを許すのとはまったく意味が違うぞ?」

「ッ!」

 

 それを聞いて黒木も納得し、追従する。

 

「なるほど。そういうことならば俺達も集中しないといけない、というわけですか」

「そういうことだ。しっかりコート全体を把握しておけ」

「それと、もう一つ監督からの伝言があります」

「おう。何だ?」

 

 ここまで言えば十分であった。納得した黒木を見て小林は満足げに頷く。

 すると本田はさらに一言、監督の指示を小林に伝えた。

 

「白瀧を使って攻めろ、と」

「……そうか」

 

 一瞬悩んだものの、小林は了承の意を返す。

 たしかにここまでは最初の攻防を除き、白瀧以外の四人にボールが集まっている。正確に言えば小林が確実に点数を取れるような勝負にボールをさばいていた。

 

(だが、少なくとも今は山本が抜けている。そのため白瀧にも奮起してもらわないと中も辛くなってくるか)

 

 今コートにいる五人の中でスリーを武器としているのは白瀧のみ。加えて本田が入った今、さらにゴール下への警戒は強くなるだろう。

 ならば白瀧を使って盟和の注意をひきつける。それは無難のようにも感じるが、しかしダブルチームがついている現状で果たしてそれは安全策と言えるのだろうか。

 ランガン勝負が続いている今、これ以上の攻撃の失敗は避けたい。小林の中で一途の不安が生じる中、一人の声によって悩みは解決された。

 

「わかりました。ならやりましょう」

「白瀧、任せても大丈夫か?」

「ええ。そろそろ俺も点を取りたいと思っていたので。……ボールを下さい。俺が盟和を崩していきます」

 

 声の主は白瀧。彼もダブルチームによってフラストレーションが溜まっていたのだろうか。気迫に満ち満ちている白瀧の声だった。

 

 

 

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「山本さん、こちらに座ってください」

「はい? ……わかりました」

 

 ベンチに戻るやいなや、山本は藤代に呼ばれ彼の隣の椅子へ腰掛けた。

 『何故今自分が交代なのか』。その疑問を抱きつつ、監督の言葉を待つ。

 

「この後、タイミングを見て再びあなたに出てもらいます。

 ですがその前に、あなたには教えておきたいことがあります」

「なんでしょうか?」

「……金澤さんのパス、それを封じる策です」

「ッ!?」

 

 思わぬ言葉に顔が強張る。

 てっきり金澤のパスは本田が対応するものと思っていたが、そうではなく山本が止める為に呼ばれたとは思ってもいなかった。

 こうして大仁多ベンチでも動きが見られる中、盟和のベンチも動きはじめていた。

 

(本田の再投入か。金澤対策と考えてまず間違いないだろう。しかし投入のタイミングが悪かったな、藤代)

 

 予想外の選手交代で岡田は一時的に表情を崩したものの、すぐに冷静になり、そして相手の判断のミスを悟った。

 

「細谷! 金澤! 神戸!」

 

 コート上の三人の名前を呼び、指示を飛ばす。三人もその意図を汲み取り、すぐに指示通りディフェンスへと戻った。

 

(今はお互い攻めに出ている状態だ。その状況でオフェンスの中心であった山本が抜けたならば、こちらが守りやすくなったようなもの)

 

 SGである山本の離脱。これで大仁多は攻めのパターンが限られることとなった。

 そして相手オフェンスのパターンが限られるというのなら――ディフェンスもそれに対応して動くまで。

 

「むっ?」

(これは――)

 

 ボールを運びながら、小林は相手ディフェンスが陣形を変えたことを読み取った。

 盟和は白瀧に対して勇作と古谷のダブルチームを続行。

 他の三人は細谷を先頭にトライアングルを形成し、大仁多の選手達を警戒している。

 

(……やはり山本と交代で本田が入ったことで、インサイドを警戒してきたか!)

 

 大方の予想通り、盟和はゴール下を固めてきた。

 先ほどのディフェンスでも見せたように、勇作と古谷の素早いヘルプもあってミドルも決して安心は出来ない。

 ならばこそ、やはりここは――

 

「小林さん!」

 

 予定通り、白瀧を使う。

 カットでマーク二人のディナイをかわした白瀧の呼び声。呼応して小林がパスをさばく。

 無事にボールを受け取るものの、すぐさま目の前に長身二人のマークがついた。

 

(抜かせねえ!)

(止める!)

 

 ドライブを最優先で警戒したダブルチーム。しかも二人とも白瀧より背丈があり、プレッシャーは相当なものであった。

 これでは下手に動くことさえ難しい。しかし白瀧は一度視線のフェイクをいれ、すぐにシュートモーションに入った。

 

「なっ!?」

(いきなりスリーポイントシュートか!?)

 

 白瀧はたしかにスリーも撃てる上に確立は高い。しかしそれは彼がフリーの状況を作ってから撃つからであり、逆にいえばマークが厳しい中ではまず撃たない。

 その認識があったからこそ、勇作と古谷は不意をつかれた。ワンテンポ遅れて二人もブロックに跳ぶ。白瀧のシュートは二人の指先を越えていった。

 

「マジで撃ってきた!?」

(けど、プレッシャーはかけられた!)

「リバウンド!」

 

 スリーをとめられなかったが、入るはずがない。そう確信して勇作がゴール下の選手達に呼びかける。

 ゴール下での競り合い。しかし大仁多の選手達にとっても予想外の出来事だったのか、彼らはポジションを取れずにいた。

 

「ちいっ!」

(くそっ。こいつらスクリーンアウトも上手い)

(……てか、あいつも撃つの早すぎるんだよ! まだこっちはポジション取れてないってのに!)

 

 心の中で本田は白瀧に対して怒鳴り声を上げていた。

 味方から見ても強引だと思えるそのシュートは、しかし彼らの考えに反し、ゴールを射抜く。

 

「なんだと!?」

 

 誰もが驚愕している中、スコアがその事実を認めている。

 (大仁多)60対65(盟和)。

 大仁多も白瀧のスリーですかさず追撃。再び五点差に詰め寄る。

 

「外れるとでも思ったんですか?」

「テメエ!」

「俺しか決められないなら俺が決めるだけのことだ! 伊達にあいつに鍛えてもらったわけじゃねえよ!」

 

 今は彼しか外角のシュートを撃てる選手がいないという事情だけではない。

 白瀧にとってスリーは中学時代に彼の友に仕上げてもらった、特別な意味のあるシュートだった。

 だからこそ外せないし外したくないという思いが彼にはある。

 

「……ふん」

 

 そのただごとでない気迫に何かを感じ取ったのか、緑間は一人息をこぼした。

 

「あいつ、あれだけ厳しい中でよく一発で決めやがったな」

「なにも帝光時代、やつはただ控えに甘んじていたわけではないのだよ。

 控えであるが故に活躍の場は限られている。だからこそその少ない時間で点を取れるようにと。

 そうやって鍛えられた勝負強さは尋常ではないのだよ。ここぞという時には必ず決めてくる!」

 

 感嘆する高尾に、緑間はかつての記憶を思い出しながら、今の白瀧の姿を目に焼き付けた。

 今でも彼が鍛えたスリーは錆び付いていない。むしろ彼の技術が重なってさらに凄みを増しているように緑間の目に映った。

 

「あの野郎……! 俺もやらねえとな!」

 

 あんなものを見せられては黙っていられるわけがない。本田の闘志が再燃した。

 盟和のオフェンス。要注意人物となっている金澤には本田がマークにつく。

 野生の勘によって研ぎ澄まされた彼の動きは、簡単にはフリーにさせてくれない。

 

(やっぱりキャプテンが言っていたように、この人ディフェンス上手い。けど……!)

 

 もっとも、金澤もただ相手の思惑通りにさせるわけにはいかなかった。

 本田の真骨頂がびっちりとマークに張り付くことならば、金澤の真骨頂は相手のマークを振り切ること。

 突如金澤が動きを変え、外からインサイドに向け一直線に走りこむ。

 だが本田も負けじと金澤の動きを予想し、対応してきた。すると金澤は再び進路を変えて再びアウトサイドへ。

 

「ぐっ、くそ!」

 

 本田にとっては自分が動いている最中に、追いかける相手がいきなり向きを変えてきた。当然体勢が崩れてしまう。

 これにより、本田のマークも振り切られてしまう。

 Vカットで金澤はディフェンスにとって致命的な距離を作り出すことに成功した。

 

「よし! 金澤!」

 

 すかさず細谷からパスがさばかれた。

 このまま自分が決めても構わないが、しかし相手の力を考えると万が一の可能性もある。

 丁度勇作がよいポジションを取れていることもあり、金澤はすぐに勇作へとボールを回した。

 

「……いかせっかよ! おらああっ!」

 

 だが、そのパスコースに本田が飛び込んだ。彼の指先がわずかに触れ、ボールが軌道を変えて宙に浮かぶ。

 

「えっ!?」

「まさか、反応していたのか!?」

「でもボールは渡さねえ!」

 

 驚きつつ、勇作がジャンプしてボールをキープする。

 着地と同時に彼はパワードリブルからのターンアラウンドシュート。

 押し切ることができなかったためか、光月の指がボールに触れた。

 

「くそ!」

「やった!」

 

 シュートコースが乱れ、ボールがリングを跳ねる。

 リバウンドは四人の選手が競り合うが、黒木が古谷の体を張ったスクリーンアウトに捉まってしまった。

 

(こいつ! 俺を足止めするために、スクリーンアウトに全力を!)

 

 古谷は自分は跳ばず、黒木を跳ばせないことに専念していた。

 そうすれば残りは白瀧と神戸のボールの取り合い。だが体格差が激しく、神戸がリバウンドを確保するとゴール下のシュートも確実に決めた。

 (大仁多)60対67(盟和)。

 まだ盟和のオフェンスを完全に止めることは敵わず。

 

「うおお! 盟和もすかさず返してきた! 

「これで7点差! お互い点の取り合いだ。まだまだわからねえぞ!」

 

 盟和の執念のプレイに会場も盛り上がる。流れは変わってはいない。

 

「よっしゃあ! いいぞ、神戸!」

 

 得点に成功し勢いづく盟和の選手達。

 だが彼らの脳裏に二つの不安が過ぎった。

 一つは金澤のパス。今の攻守で本田が止めるには至らなかったものの、彼のパスに触れていた。まさか次からは止められてしまうのではないかと。

 そしてもう一つはディフェンスである。山本が抜けたことで幾分かディフェンスが楽になるとさえ思った。だが、ここから白瀧が勢いに乗るようなことがあれば――そのときは。

 

「白瀧!」

「白瀧だ! また大仁多は白瀧で攻めてきた!」

 

 その不安を突くように、もう一度白瀧にボールが渡る。

 先ほどのスリーもあってか、特に古谷の顔が緊張によって強張っていた。

 そして再び、先ほどのプレイを思い出させるように白瀧がシュートモーションに入った。

 

(まさか! 来るのか!)

 

 もはや反射的なものであった。古谷は今度こそと先ほどよりも一段と早く反応し、跳躍する。

 だが白瀧はそれを見ると両腕を下げ、古谷の方向へと切り込んだ。

 

(なっ!? しまった、フェイク!)

「あっさり引っかかるなこの馬鹿!」

 

 宙に浮かんだ古谷を勇作が怒鳴りつける。彼はフェイクに引っかからず、白瀧の姿を追った。

 

「ッ!?」

 

 だが彼が追いかけた逆の方向から、白瀧が勇作の横を抜き去った。 

 

「なに!?」

(こいつ、今のはスライドしただけだったのか!?)

 

 完全に逆をつかれてしまい、勇作は振り切られてしまう。

 二人が突破を許してことにより細谷が白瀧に向かっていく。

 

「残念! そのディフェンスでは駄目だ!」

 

 すると白瀧は手首のひねりをいれてボールを空中へと放り投げる。

 動作が速すぎて細谷は跳躍もできない。ボールはゴール下、黒木が空中で掴み、リングへ直接叩き込んだ。

 (大仁多)62対67(盟和)。

 黒木のアリウープ炸裂。大仁多も攻撃の手は緩めない。

 

「よっしゃあ! 黒木さんナイッシュ!」

「ああ。ナイスアシスト」

 

 流れよく得点し、二人はハイタッチしてコートを走っていく。

 攻撃の波はもはや止まることを知らなかった。

 

(……まずい。トライアングルが機能しなくなってしまう!)

 

 ある程度は仕方ないとは言ったものの、完全にディフェンスが崩され、岡田は冷や汗が止まらなかった。

 元々トライアングルのゾーンディフェンスはフロアスペースを大きく空けてしまう。それに加えて、白瀧がダブルチームを突破するとトライアングルが完全に崩壊する。

 今のように簡単にパスを許せば簡単に失点に繋がる。もはや余裕は残されていなかった。

 

(それでも! それでも得点は出来ているんだ! このまま行く!)

 

 それはコート上の選手もわかっている。だからこそ流れを壊さないため、細谷はオフェンスに集中した。

 大仁多のディフェンスは変わらない。本田の投入後も金澤のマークが変わったこと以外は変化が見られない。

 

(さっきのディフェンスのせいで本田の動きが気になるが。……それでも、金澤が今一番可能性が高いというのも事実だ。それならば迷う必要はない)

 

 勝つためには一度の失敗も許されない。小林のマークをかわしながら状況を分析し、タイミングを待った。

 金澤が本田を振り切り、フリーになる瞬間を。そしてその瞬間が訪れた。金澤がIカットで一瞬パスコースを作り出した。

 

(もらった!)

 

 ノーモーションからパスがさばかれる。敵の不意をつく高速のパス。

 今度こそ止められない。そう確信したそのパスは――本田によって叩き落とされた。

 

「……は?」

「ば、馬鹿な!!」

 

 手元に収まるはずだったボールはコートを転々とし、そしてラインを割る。

 

『大仁多高校、選手交代(メンバーチェンジ)です!』

 

 前もって藤代が交代の申請を出していたことにより、メンバーチェンジのアナウンスが流れた。

 

「成程な。やっぱり予想通りだったか」

「え?」

 

 山本に呼ばれ、ベンチに戻る途中で本田が呟いた。

 

「ようやくわかったぜ、お前のパスの攻略法」

「なっ!?」

「もうお前のパスは大仁多には通じねーよ」

 

 金澤に向けられて放たれたその言葉は、彼に重くのしかかる一言だった。

 そう言い残して本田は金澤の前を通り過ぎていく。

 

「山本さん」

「お疲れ! 後は任せとけ!」

「はい、それと――」

 

 交代の際、本田が何かを耳打ちする。

 それを耳にした山本は笑みを浮かべて頷き、コートに戻ってきた。

 

「オッケー。……後は、俺達の番だ!」

 

 こうして再び大仁多のベストメンバーが揃った。

 

(ここで山本と交代か。こちらにとっては最悪のタイミング。本当にいやらしいことをしてくるな!)

 

 金澤が止められ、流れが切れかけた場面での山本の復帰。

 おそらくこれが藤代の狙いだと考えつつ、特に指示を出そうとはしなかった。

 

(どちらにせよ本田が抜けたのならまた金澤で攻めるのみ。とにかく今動くことはできない……)

 

 山本に変わったならば金澤も本来の働きをできるはず。ならば自分が動くときではないと判断した。

 

「――と考えているところでしょうが。もうしわけありませんが岡田さん、このまま金澤さんには大人しくしてもらいますよ」

 

 しかしその考えは間違いだった。むしろここから藤代の作戦が本当に始まることになるのだから。

 動かない盟和に対し、大仁多は次々と手を打ち始めていたのだった。

 盟和ボールから試合は再開される。金澤のスローイン。細谷が受け取り、ゲームメイクを受け持った。

 本田と交代した山本は先ほどと同様、金澤のマークにつく。

 

(……交代前と比べてマークに特段と変化はない。となるとやはり流れを変えるための交代だったのか)

 

 やはり本田の圧力が厳しかったためか、圧力はさほど感じない。

 むしろよりディフェンスの上手い選手を相手にしていた為か、金澤が相手の動きをより集中してみることができた。

 

『ようやくわかったぜ、お前のパスの攻略法』

「っ!!」

『もうお前のパスは大仁多には通じねーよ』

(……大丈夫だ、きっと大丈夫!)

 

 一瞬、金澤の脳裏に本田の発言が浮かび上がる。しかしすぐにありえないと否定し、山本へと意識を切り替える。

 細谷は一度中の勇作に入れ、細谷へまたボールが戻る。その瞬間、金澤が動き出した。

 

「ッ!?」

「突破した!」

 

 動き出しの早さで勝った。山本が金澤の動きにつられたのか、重心が大きく傾いた。その隙に動き出した。

 マークについていた山本を振り切り、スペースに駆け込む。そこに細谷からパスがさばかれた。

 

「よっしゃ……!?」

「行かせない!」

 

 だが、すぐ目の前に黒木のヘルプが立ちはだかる。

 

「え……?」

(ヘルプが早い!?)

「ナイス黒木!」

 

 スペースに飛び込んだはずだった。それにも関わらず黒木は目の前に迫り、さらに山本もすぐに後ろから追いついてくる。

 前後の挟撃を受け、孤立する金澤。何とかボールを回そうと必死に模索するが……

 

「もらった!」

 

 白瀧のスティールによって阻まれる。盟和の攻撃が失敗に終わった。

 

「くそ!」

(ヤバイ! ここに来て得点失敗かよ!)

 

 点の取り合いで勝負しようと考えていた盟和にとっては痛すぎるものだった。

 攻守が入れ替わり、大仁多ボールに。何とか一次速攻を止めることはできたものの、ボールを奪うことは出来ないまま白瀧へ再びボールが渡った。

 

「ナイスパス、小林さん!」

「ちっ、白瀧!」

 

 これ以上の失点は防ぎたい、そう意気込む盟和に白瀧のオフェンスが襲い掛かる。

 ドリブルをする白瀧の体が前のめりに沈む。そして右手から左手にフロントチェンジすると見せ掛け、逆へ切り返した。

 

(インサイドアウト!?)

「けど、まだだ!」

 

 一瞬動きが硬直したが、二人ともなんとかこらえた。すぐさま反応し、白瀧を止める。

 しかし次の瞬間、白瀧はもう一度クロスオーバーで切り替えした。

 

(逆だと――!?)

 

 チェンジオブディレクションの連続により、二人とも呆然と立ち尽くすことになった。

 またしても先ほどと同じようなパターン。もう一度パスがあるのではないかという疑念が細谷の反応を鈍らせた。

 

「遅い!」

 

 そして白瀧のティアドロップが炸裂する。

 (大仁多)64対67(盟和)。ついに三点差まで迫った。

 

「ぐっ……!」

「ドンマイ! こっちも得点を決めていこう!」

 

 攻撃失敗からの失点ほど嫌な流れはない。

 なんとか攻撃を決めなければならない場面だが、それを大仁多が許すはずもなかった。

 

「いかせん!」

「うぁっ!?」

 

 古谷から金澤を介して細谷へボールが戻る。だがそのパスが小林のスティールによって止められてしまった。

 

『アウトオブバウンズ! 盟和()ボール!』

 

 運よくボールを奪われることはなかったが、だがこの場面で後半戦の切り札であった金澤のパスが連続で止められている。この事実が盟和に重くのしかかった。

 

「なんだ、いきなり盟和の10番が捉えられはじめたな。動きが悪くなったようには見えないのだが……」

 

 観客席から見てもその様子は感じ取れ、大坪は突然の異変に眉を寄せた。

 

「いや、動きが悪くなったわけじゃないっす。問題はそこじゃない」

「む? 高尾、何かわかったのか?」

「はい。多分ですけどマジだったら……」

 

 コート全体を把握し、分析する力が優れているからだろうか。

 今コートで起きていることを理解した高尾は恐る恐る呟いた。

 

「今、金澤のパスは大仁多によって出させられている(・・・・・・・・・・・・・・・)大仁多の動きによって誘導されている(・・・・・・・・・・・・・・・・・)……!」

 

 盟和のパスをコントロールしているのは盟和ではなく、大仁多であるという事実を。

 

「パスコースを見切ることは難しい。しかしパスコースを限定すれば、止めることは難しくない」

 

 大仁多のベンチで藤代が口を開いた。

 先ほどの選手交代。山本がベンチに戻った際に彼に命じたのは、わざと隙を作ることであった。

 たしかに金澤の動きは早い。思い切りがよく迷う事無く動き出す為に止めることが困難である。

 そこで藤代は彼の性格を逆手に取った。わざと大きくコースを開けて、そこに金澤を誘導する。

 前半戦の終盤、白瀧と本田が見せたものと同じプレイである。相手選手を誘い込み、決まったコースにパスを出させてボールを奪い取る。すなわち、トラップディフェンスであった。

 

「本当に本田さんはすばらしい働きを見せてくれました。おかげで想像以上の効果です」

 

 ここまでの考えは高尾の推測と殆ど同じである。しかし藤代の作戦はそれだけではなかった。

 それが本田の投入、そして彼の懸命なディフェンスであった。

 藤代が彼に期待したことは何も金澤を止めることではなく、『大仁多が金澤を止めることに専念する』ということを相手に印象付けること。そしてそれによってトラップディフェンスを相手に悟らせないようにすることだった。

 本田のディフェンス能力の高さは前半戦で見せつけた。その彼が金澤のマークにつけば当然彼を止めるために出てきたと考えるのが当然。この役割は伝言役なら誰でもよいというわけではなかった。

 加えてもしも本田が善戦すれば、それによって何かヒントを得られるだろう。そう相手に錯覚させることもできる。

 ただ、ここで藤代にとって良い誤算だったことがある。

 

『……いかせっかよ! おらああっ!』

 

 本田が金澤を止めたことだ。善戦できれば十分であったというのに、見事に止めてみせた。

 加えて本田はさらにこのファインプレーをよりチャンスに生かす為に考えた。そして――

 

『成程な。やっぱり予想通りだったか』

『え?』

『ようやくわかったぜ、お前のパスの攻略法』

『なっ!?』

『もうお前のパスは大仁多には通じねーよ』

 

 金澤に対して揺さぶりをかけた。

 決して攻略法がわかったわけではない。本田が止めることが出来たのは、入部当初のミニゲームを初め、白瀧と相対したことがあるという経験則であった。

 相手のマークを外すという金澤の動きには白瀧のスタイルと本質的に似ている部分がある。そう考えた本田は『白瀧ならばここで動く』という経験則に野生の勘を組み合わせ、動いた。

 そして結果的に彼の予想が功を制し、金澤を止めるに至った。ゆえに攻略法とはハッタリだったのである。

 だがその言葉は金澤に大きく影響することとなり、見事に藤代の術中にハマってしまった。事実、山本と交代してからも防がれてしまい、『本当に大仁多に攻略されてしまった』と思い至ってしまった彼は、動きに洗練さが消え――

 

「ぐっ!?」

「スリーが外れた! リバウンド!」

 

 さらに従来の思い切りの良さも消えてしまった。これによってスリーの安定性もかけてしまう。

 藤代の作戦により、盟和は金澤のパス、そしてスリーと二つの武器を失うこととなってしまった。

 かろうじて古谷がリバウンドを取った。シュートフェイクから勇作へボールを回し、シュートへ。

 (大仁多)64対69(盟和)。

 なんとか得点を決めることはできたものの、盟和に暗雲が立ち込めていた。

 

「これ、盟和の監督は動かないっすけど、タイムアウトを取らないんですかね?

 どうにかして決めることはできたけど、このままじゃ選手達も辛いだろうに……」

「いや、それは無理な話なのだよ」

「ああ。なぜなら盟和は第3Q、すでにタイムアウトを一個使ってしまっているからな」

 

 一度流れを切るためにタイムアウトを取ったほうがよいのではないか。高尾の考えを緑間と大坪が切り捨てた。

 すでに岡田は後半戦三回しか取れないタイムアウトの一回を使ってしまっている。インターバルの時に藤代の考えを読みきれなかった時、岡田はすでに一歩出遅れていた。

 だからこそ動けない。最終Q、そして勝負時の為にタイムアウトを残しておかなければならない。

 それがわかっているからこそ、岡田は歯を食いしばるしかできなかった。

 

「だが悪いが容赦はしない!」

 

 大仁多の猛攻は止まらない。

 小林はポンプフェイクで細谷を引っ掛け、山本へバウンドパス。ボールを手にするとシュートモーションへ。

 

「くそっ、くそっ!」

 

 金澤もブロックに跳ぶが、動きのキレが悪くなった彼では止めることは難しい。山本は腕を下げ、そして彼の足元にボールを落とす。

 

(パスか!?)

「ぐっ、ヤバイ!」

 

 そのボールは小林が受け取った。彼のマークについていた細谷は光月のスクリーンによって止められている。

 古谷のヘルプも虚しく、小林がミドルシュートを沈めた。

 (大仁多)66対69(盟和)。盟和高校、大仁多の勢いを止められず。

 

「来たぁっ! 残り時間1分強、再び三点差!」

「大仁多、盟和にじわじわと食らいつく!」

 

 第3Qも残りわずか。開始時点では13点差だった点差はすでに3点差にまで迫っていた。

 

「くそっ! よこせ細谷!」

 

 この戦況を覆さなければと、勇作が真っ先に走り始めた。さらに古谷、金澤も続く。

 

「むっ!?」

(速攻――!)

「よし、走れ勇作!」

 

 PFといえ、身体能力に優れ足も速い。細谷から山形に放たれたボールをキャッチするとさらに加速してゴールに直進した。

 

(くらえ!)

 

 マークの光月は振り切った。

 ならば後はゴールに叩き込むのみ。勇作は得点を確信して跳躍する。

 

「ッ! キャプテンストップ! 後ろだ!」

「なっ!?」

 

 その瞬間金澤の悲鳴にも似た指示が飛ぶ。

 そして少し遅れて彼の右斜め後ろから白瀧がブロックに跳んでいた。

 

「白瀧――!」

「馬鹿、よこせ!」

「……おら!」

 

 ボールを放つ寸前、ギリギリ気づくことができた勇作は古谷に呼ばれるまま手首を返してボールを放る。

 しかしそのボールは古谷の手に収まる寸前、山本に弾かれてしまった。

 

「なっ!?」

「甘いな。うちから速攻決めるのは無理があるぜ?」

『アウトオブバウンズ! 盟和()ボール!』

 

 見るやすでに山本も小林もディフェンスに戻っている。さらに黒木と光月もすぐに追いついてきた。

 

(戻りも一段と早い! 速攻でも取れないのか……!)

 

 ただでさえ攻撃が断続的になっている今、この速攻で波に乗りたかった盟和。

 それも失敗してしまった。中々流れを断ち切る一手は生まれない。

 

(でも、あと一本は取らなきゃやばい。そしてここで取るのが――)

 

 エースが取ることでもう一度チームに勢いを生む。勇作が神戸にアイコンタクトを取る。

 しばしコートを動き、そして勇作が走り出す。光月も追うが神戸のスクリーンによって阻まれた。

 

「くっ、スイッチ!」

 

 マークが入れ替わり、勇作に黒木がついた。そしてその勇作に細谷からボールが通る。

 

「勇作で決めにきたか!」

「黒木、注意しろ!」

 

 周囲から警戒の色が窺えたが、それと殆ど同時に勇作が仕掛けた。

 ワンドリブルをいれクロスオーバー。直後、大きく踏み込むと見せかけ、開いた足にボールを通して停止した。

 

「ッ!」

 

 後ずさる黒木。それを見て口角を挙げた勇作がシュートモーションに入る。

 当然、黒木の上体が浮かんだ。だが勇作は再び体をわずかに沈める。

 

「フェイク!」

(もらった!)

 

 今度こそ勇作はジャンプシュートを放った。

 

「――甘い!」

 

 それを見切られているとは知らずに。

 反応してしまったとはいえ、黒木の足は地面から離れていなかった。すぐにもう一度跳び直し、彼の渾身のブロックショットが炸裂する。

 

「なっ!?」

「止めた!」

「黒木さん、ナイスブロック!」

 

 そのこぼれ球を白瀧が確保し、攻守が入れ替わる。

 盟和、得点にすること敵わず。

 

「――最悪だ!」

 

 岡田が思わず頭を抱え始めた。

 第3Q終盤に来て、盟和にとっては戦況は悪化し続けている。

 地力の差と一言で済んでしまえば簡単だが、自信のあった金澤と勇作が止められてしまうことはそう易々と片付けられない。

 ……だが、不安の種があるのは何も盟和に限った話ではなかった。

 

「光月、決めろ!」

 

 小林から光月へボールが渡る。ミドルレンジからすぐシュートモーションに入った。

 

「撃たすか!」

「うっ――!!」

 

 勇作のブロックが目に映る。

 その瞬間、光月の体が硬直し、直後にシュートを放つ。ボールはリングに弾かれた。

 

「渡せねえ!」

「いや、俺もいい加減取らせてもらいます!」

 

 古谷と白瀧がゴール下で競り合う。体格の差からここまで古谷が優勢であったが、ついに白瀧がスイムで古谷をポジションの外へと追い出した。

 

「もらった!」

「よこせ、白瀧!」

 

 両腕でしっかりとリバウンドを取り、胸元へと引き寄せる。

 そして着地すると声に従って外――山本へとパスをさばいた。

 右45度から放たれたスリー。このシュートは確実にリングを射抜いた。

 

「決まった――! スリーだ! てことは!」

「大仁多、ついに同点! 試合を振り出しに戻した!」

 

 (大仁多)69対69(盟和)。第3Q残り三十秒。山本のスリーが決まり、ついに同点。

 

「っしゃ!」

 

 思わず山本がガッツポーズ。それほどこの一発は大きい。

 

「ちっ。お前ら! 怯むな! とにかくあと一本だ! 一本決めていけ!」

 

 岡田は気落ちする選手達に声をかけた。

 せめてあと一本。リードして終わりたい。それが盟和にとっての最善の策。

 

「……だが同点になっても、大仁多のディフェンスは緩まない」

 

 その望みを断ち切るように大仁多のマンツーマンディフェンスが立ちはだかる。

 大坪は知っている。彼らがこのようなことで満足し、気を抜くわけがないということを。

 ただ、一つ気がかりがあるとすれば。

 

「一体、どうしたんですかね。光月さんは」

 

 藤代の視線の先は光月で固定されている。今日も目立った活躍が少ない選手であった。

 彼の不調はコートに立つチームメイトも同様に感じ取っていた。しかし小林達は一つの異変に気づいていた。

 

(おかしい。不調と言っても昨日の聖クスノキ戦のような状態ではない)

(少なくとも体は反応しているし、連携だってできている)

(それなのに明の動作がまるで途中で止まってしまうかのように、突如乱れている)

(不調、というよりもこれは……)

 

 昨日の緊張による不調と今日の不調。それがまったく別のものだということを。

 光月は体が鈍っているわけではなかった。むしろその点は大分改善されている。

 しかしシュートをはじめ、一連の動作の途中で突如支障が見られ、彼の本来のプレーができずにいた。普通でないことは明らかである。

 

「まさか、イップスか?」

 

 そしてついに藤代が答えに行き着いた。

 ――イップス。精神的緊張により筋肉が萎縮し、スポーツの動作に支障をきたす現象である。

 この運動障害にかかると自分の思い通りのプレーができなくなり、選手に悪影響を及ぼす。

 今光月の心にはかつての失敗の記憶と失敗してはいけないという思い。そしてまた失敗したらという恐れが混在している。

 

(――くそっ!)

 

 それを簡単に乗り越えることは難しかった。

 光月は元々真面目で責任感が強い。だからこそ『自分がやらなければならない』と焦りがさらなる混乱を呼んだ。

 そして何よりも――彼の従来の優しさが、旧友と今の戦友への思いが、より彼を縛り付ける原因となっていた。

 

(どういうわけか知らないが、こいつはまだ全力じゃねえ! なら!)

「よこせ!」

 

 ポストアップに努めながら、勇作が細谷を呼ぶ。

 先ほど止められたばかり。普通なら判断に迷うだろう。

 

(どうせうちのエースはあいつなんだ! なら決めてもらわねえとな!)

 

 だが細谷に迷いはなかった。金澤のスクリーンで小林を振り切ると勇作へパスが通る。

 

「くらえ、大仁多!」

 

 勇作の全力のパワードリブル。

 

「ッ――!」

 

 渾身のパワーであったが、光月が持ちこたえる。

 パワー勝負では光月に分があった。すると勇作はそこからスピンムーブで一気に振り切る。

 

「なっ!?」

(まだこんなキレが!?)

 

 未だにキレを増していくその動きを止めることはできず、勇作のシュートを許してしまった。

 (大仁多)69対71(盟和)。盟和高校、再びリード。

 第3Q残り6秒、勇作のシュートが炸裂。そして、

 

「黒木さん!」

 

 白瀧の叫び声が響いた。すぐにボールを拾い上げる黒木。白瀧はすでに走り出している。

 

「戻れ――!」

「走れ! 何としても守りきるんだ!」

 

 細谷が声を張りながら走り、勇作は黒木の前に立ちはだかる。岡田も全力で声を出した。

 しかし黒木がボールを放ることをとめることは出来ず、白瀧へロングパスが通った。

 

「ぐっ――!!」

 

 細谷、古谷、金澤と三人の選手がドリブルで駆け上がる白瀧を追う。

 

(……なんで?)

「なんで、追いつけない!?」

 

 だが三人の誰一人として彼に追いつくことはできなかった。

 白瀧が無人のゴールにレイアップシュートを沈める。

 (大仁多)71対71(盟和)。大仁多高校、再び同点に追いつく。

 

『――第3Q終了です!』

 

 そして、激しい点の取り合いとなった第3Qが終わりを告げた。

 

「さあ、振り出しだ」

「……こいつ!」

 

 得点を決め、不敵な笑みを浮かべる白瀧。

 第3Qで追いついた。あとは最終Q――第4Qで最後の決着をつけるのみ。

 両校の選手達が引き上げていく。監督や控え選手が出迎える中、しかし大仁多の中で一人、光月だけが暗く沈んでいた。

 

「おい、明――」

「ああ。ごめんよ」

 

 神崎からタオルとドリンクを受け取り、ベンチに腰掛ける。しかし顔を上げることはない。

 他の選手たちも何と声をかければよいか迷い、中々話しかけることができずにいた。

 

「――何を、やってんだ光月テメエ!」

 

 すると、観客席より一つの怒声が光月に突き刺さった。

 

「え――?」

「なんだ?」

 

 光月は勿論、他の選手もその声の主へと視線を向ける。

 応援席の最前列に一人の男子高校生がいた。

 彼は予想以上に声が響き、他の観客からも視線をむけられて恥ずかしくなったのか顔を赤らめている。

 

「あれは……」

「たしか俺達が県予選中部ブロックで戦った、矢坂黎明の」

 

 その姿は大仁多の選手達には見覚えがあった。

 今年に入って一度対戦し、勝利を収めた相手である。

 

「――荻野?」

 

 そして光月にとっては、中学時代共に戦ったチームメイトでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――黒子のバスケ NG集シャララ――

 

 

「光月、決めろ!」

 

 小林から光月へボールが渡る。ミドルレンジからすぐシュートモーションに入った。

 

「撃たすか!」

「うっ――!!」

 

 勇作のブロックが目に映る。

 その瞬間、光月の体が硬直し、直後にシュートを放つ。ボールは――

 

「あっ。意外とあっさりと入った。いけるかも」

 

 リングにかすりもせず、見事に真ん中を射抜いた。

 

「決めんなあ!!」

「ええっ!?」

「これストーリー的に決めちゃ駄目だろ!」

「さっきと言っていることが違う! 何で得点して文句言われているの僕!?」

 

 結果、荻野出番なし。

 

「……」

 

 実は試合開始からずっと最前列で応援していた。

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