ゲヘナクソ雑魚TSサキュバス   作:TSサキュバス流行れ

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終幕

 

 

 

 俺たちの戦い方を見せてやるなんて言っていたお父さんだが、ビナーとの戦いを間近で見ているわけにはいかない。

 二次被害に遭わないよう少し離れた場所で、私はホシノちゃんから手当てを受けていた。

 

「……本当にこれで良いんですか?」

 

 そうは言っても、普通の治療ではない。

 運転席に座ったホシノちゃんの膝の上に座り、正面から抱き着くようにして全身から神秘を受け取る。そしてそれを怪我した翼や尻尾の先へと巡らせる。

 すると、火傷によって痛々しく爛れた箇所が段々と治っていった。

 

「うん。私は大丈夫。ホシノちゃんは具合悪かったりしない?」

 

 あまり吸い過ぎると献血で血を抜きすぎた後みたいになるというのはお母さんの談だ。

 

「ええ。特に問題ありません」

 

 それを心配して声を掛けたのだが、特に具合が悪そうには見えない。

 幼児の体だったのが功を奏したのだろう。少量の神秘で肉体の損傷を治すことに成功した。

 

「便利な体ですね」

 

「えへへ。そうでしょ?」

 

 最初はユメちゃんの処置をするつもりだったのだが、彼女の容態は私の処置によって、思っている以上に安定している。

 穏やかな寝息を立てるユメちゃんを後ろに、私はホシノちゃんから厳しい視線を向けられていた。

 

「……どうして、こんな無理をしたんですか」

 

 完治した翼の端を痛々しげな表情で撫でながらこちらに問いかける。

 

「か、軽いやけどみたいなものだし、大丈夫だよ?」

 

 ダメ元でそんな言い訳をしてみたのだが、余計に怒らせてしまったようだ。

 

「心配したんですよ……! この子だって、急に動かなくなって……」

 

 涙ぐんだ声で肩を掴まれ前後に揺らされる。

 目を向けた先、助手席の上にポツンと置かれていたのは、道案内の為に置いてきた私の分身だった。

 

 肉体のダメージか、神秘が無くなった故か。途中で制御できなくなって倒れたのだろう。

 ぐったりと倒れる蝙蝠を両手で包むと、淡い光と共に消えてゆき、私の体内に還元される。

 

「ごめんね。心配かけちゃって」

 

 ホシノちゃんの胸に耳を当て、小さく謝罪の言葉を呟く。

 そんな私の小さな体を、ホシノちゃんが両腕で抱きしめてきた。

 

 暖かな神秘と共に、ホシノちゃんの心臓の鼓動が耳に入って来る。

 人間は他人の心音を聞くと安心するというが、私のような淫魔もその例には漏れないようだ。

 

「……もう、こんな無茶しないって約束してください」

 

「……うん」

 

 ビナーとお父さんが戦っている音が遠く響く中、私とホシノちゃんは無言で抱き合う。

 少しして背に回した手が外され、今度は脇の下に小さな両手が差し込まれた。

 

「んっ、くすぐったいよホシノちゃん」

 

 同じ高さの目線になるように持ち上げられ、いつもより大きく見えるホシノちゃんの瞳がこちらをじっと見て来る。

 

「大きくなったと思えばこんな子供になって。淫魔というのは不思議な生き物ですね」

 

 そうそう。相手の性癖に合わせて姿を変えられる淫魔特有の……って、

 

「い、淫魔って……それ私のこと?」

 

 えっ、私一回も自分のことサキュバスって言ってないんだけど。

 目線を逸らし、しらばっくれる私に呆れたようにため息をつくホシノちゃん。

 

「……はぁ。逆に気づかれてないと思ってたんですか? 初日の時点で何となく想像ついてましたけど」

 

「なんで!?」

 

「いや、私と初めて会ったときの服装忘れたんですか?」

 

 ホシノちゃんと初めて会ったとき……? 

 

「あんな破廉恥な恰好をした生き物が吸うとか言ってたら、もうそういう生物だと思うでしょう普通」

 

 仕方ないじゃん! 他人の夢に出る時はあの格好がデフォルトなんだから! 

 

 こんな薄い体で露出の多い服着せられる、私の身にもなってほしいものだ。

 私がユメちゃんみたいな体つきのドスケベサキュバスだったら、恥ずかしくもないんだけど。……いや、ちょっとは恥ずかしいかな? 

 

「それに……吸われるときのあの感覚は、やっぱりエッチですし……っ」

 

 恥ずかしそうに言葉尻をすぼめながら、顔を赤く染めるホシノちゃん。

 ……そうなんだ。やっぱり気持ち良いんだ。

 

「……ホシノちゃん。いつの間にか凄いエッチな子になっちゃったんだね……あ」

 

 思わずそんな感想が出てしまい、慌てて口を押さえるが時すでに遅し。

 

「誰のせいですか! ……あなたの、せいですからね」

 

 ホシノちゃんは声を荒げた後、しおらしく艶っぽい視線を向けてくる。

 ……うん。やっぱエッチだ。何か色々とジットリしてる。

 神秘が空になっている影響もあってか、さっき吸ったばかりなのにムラムラしてきた。

 

「えへへ……そっか」

 

 そんなホシノちゃんに微笑み、脇を掴む手を離して貰う。

 っと、流石に膝の上に立つと私の方が目線が高くなるね。

 

 私の小さな足裏が膝から太もも、そして鼠径部へと向かって行く。

 互いに体がくっつくであろう距離まで移動し、私はホシノちゃんの耳に口を寄せた。

 

()()()()()()()()()()。そのときは……また、よろしくね♡」

 

「っ……」

 

 耳元で囁くと、ホシノちゃんは分かりやすく動揺を示し、こちらにぎらついた瞳を向けてくる。

 その視線にお腹の奥が疼くのを感じていると、真っ暗だった空から段々と陽の光が差し込んできた。

 

「人が必死こいて戦ってる中、随分と楽しそうじゃねえか」

 

 そんな私たちに話しかけてきたのは、先ほどとは違いジーパンにTシャツというラフな格好に戻ったお父さんだった。

 上にあげていた右腕を乱雑に下ろすと、その後ろに爆発音と紛う音を立てて何かが落下してくる。

 

 舞い上がった砂埃が晴れると、そこには千切れたビナーの頭部が転がっていた。

 

「えっ……倒したの? この短時間で?」

 

「逃げられちまったけどな。頭を消し飛ばしても動けるとは予想外だった」

 

 一晩でこしらえた割には……まあまあだな。なんて呟いて伸びをするお父さんだったが、こちらの返事を待つことなく翼をはためかせ空中へ浮かぶ。

 

「えっ、帰っちゃうの? ……久しぶりに会ったのに」

 

「疲れたんだよ。俺としては娘の成長も見れたことだし満足だ。それに……」

 

 抱き合う私とホシノちゃんを見て、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべるお父さん。

 

「感動の再会の邪魔をするつもりもねぇからな」

 

「っ。うっさい……」

 

 気が利くのか利かないのか、この人はいつもこんな感じだ。

 恥ずかしそうに罵倒する私を見て満足げに笑い、お父さんはすさまじい速度でアビドスの青空へと飛んで行った。

 

「……嵐のような人でしたね」

 

「うん。色々滅茶苦茶だけど、自慢のお父さんだよ」

 

 でも、やっぱりもうちょっとデリカシーは身に着けて欲しいかな。

 そんなことを思っていると、ポケットに入れていたスマートフォンが振動し始めた。

 

 開いてみると、そこにはさっきまで喋っていたお父さんの名前が書いてある。

 

「もしもし? どうしたの?」

 

『悪いな。ちっと言い忘れてたことがあってよ』

 

 風の音と共にお父さんの声が聞こえてくる。

 面倒くさがりなお父さんがモモトークではなくわざわざ電話でとは。一体何を言い忘れたのだろうか。

 

『後ろに座ってた乳がデカい嬢ちゃん。まだ寝てるか?』

 

「言い方! ……うん。まだ寝てるけど」

 

 口を開けば最低なお父さんに声を荒げる。

 

『そうか。なら、しばらく目覚めないように魔法かけとけ』

 

「どこか体調悪そうだったの?」

 

 冗談は言いつつも無駄な事は言わない人だというのは知っている。

 その内容が、さっきまで危ない状態だったユメちゃんの話なのだから不安になってくる。

 

『いや……そういう訳じゃねえんだけど。()()()()()()()()()()()()()()()?』

 

「んっ……」

 

 すると、まるでタイミングを合わせたかのように、後ろに座るユメちゃんが苦し気な声を上げた。

 

「ユメ先輩! 大丈夫ですか!」

 

 ホシノちゃんの上から退いて隣の席に座る。ホシノちゃんの声が聞こえたのか、お父さんは困ったように声を上げた。

 

『あー……』

 

「目覚めちゃったけど……なんで?」

 

『……まあ、頑張ってくれや。()()()()()()()()()()()?』

 

 そう言ってこちらの返事を待たずして、お父さんは一方的に電話を切った。

 

「えぇ……どういうこと?」

 

 あまりに唐突過ぎて怒りよりも困惑の方が勝ってしまう。

 いやさ、せめて最後まで説明してよ。

 

「っもう。酷くないホシノちゃん……。えっ」

 

 愚痴をポロっと漏らし、後ろを振り返る。

 そしてその先には、それはそれは驚きの光景が広がっていた。

 

「ちょ!? な、何してるんですかユメ先輩!」

 

「あはっ、ホシノちゃんだぁ……かわいいっ」

 

 ユメちゃんのたわわな胸の間に顔を挟まれ、ジタバタと暴れるホシノちゃん。

 そして、その上から強く抱きしめるユメちゃんの姿が、そこにはあったのだ。

 

 ホシノちゃんの抵抗により左右に揺れる車。その周りに、()()()()()()()()()()()が漂ってくる。

 

「これ……まさか」

 

 嗅覚を研ぎ澄ませても結果は同じ。そして、その発生源は先ほどから蕩けた目を眼下に向けるユメちゃん。

 そう。辺りを漂う甘い香りは、間違いなくサキュバスが出す淫気そのものだった。

 

 私の呟きが聞こえたのか、ホシノちゃんを抱いたまま私と瞳が交差する。

 何を思ったのか、私の顔を見てにっこりと笑ったユメちゃん。

 すると、胸の谷間から顔を出して暴れるホシノちゃんに激しい口づけをした。

 

「んっ!? ひゃ、何して……んんっ♡」

 

「ふふっ、ホシノちゃん。お顔蕩けちゃってるよ?」

 

 その一瞬で食事を済ませたことは、ユメちゃんの増えた神秘量を見れば明らかだった。

 神秘を吸われた快楽によって意識を朦朧とさせるホシノちゃんに、ユメちゃんは再度キスをする。

 

 じゅる♡ じゅろ♡ じゅろろ♡ とエグイ水音が響き渡る。

 その攻撃ともいえるキスは数十秒続き、ついにホシノちゃんは、両手足を地面にだらんと投げ出してしまった。

 

「うへ……うへっ♡」

 

 緩み切った顔で空を拝みながら、うわごとの様に言葉になっていない声を上げる。

 時折体をビクッと揺らすその様子は非常にエッチだった。

 

 しかし、吸い過ぎないようにしっかりと調節していたのは、淫魔の本能故だったのか。

 上の空になったホシノちゃんを隣に座らせ、ユメちゃんの視線は前に座る私の方へと……マズい。

 

「ひぇっ……ひゃっ!?」

 

 私の脇の下に手を入れ、ひょいと持ち上げるユメちゃん。

 い、今の私は見た目ガチ幼稚園児だよ!? 流石に手出すわけ無いよね!? 

 

「あなたも美味しそうっ♡」

 

「ま、待って! ちょ!?」

 

 強い力で抱き寄せられ、柔らかくて甘い香りの谷間の感触が伝わってくる。

 脱力感と快感が全身に押し寄せてくるこの感覚は、ホシノちゃんの言っていた神秘を吸われているときのものなのだろうか。

 

 ……なるほど。これは癖になるのも分かるかもしれない。……でもさ。

 

「えへへ……いただきま~す♡」

 

「なんで私よりエッチなの!? このドスケベサキュバス!」

 

 馬鹿でかいおっぱいに両手を当て、残りの神秘を振り絞って魔法を放つ。

 

「ひぃん!? あっ……」

 

 急な衝撃で独特な鳴き声を上げたユメちゃんは、さっきまでの興奮が嘘のように眠りについた。

 

「はぁ、はぁ……もう無理」

 

 そして、私もそのまま彼女の胸で力尽きるのであった。

 

 





・クソ雑魚TSサキュバス
 見た目4歳なのに襲われた。自分の体液と一緒に淫気(神秘)を注入したせいで眷属ができてしまった。
 自分より眷属の方がドスケベで悲しんでいる。

・ホシノちゃん
 起きたらユメ先輩とリリスが衣服を乱して抱き合って眠っていた。
 後に勘違いは解けたけど両手に花で今後が心配。

・ユメ先輩(ドスケベサキュバス)
 死ぬかドスケベサキュバスになるかの過酷な二択を迫られた。初めての食事が極上すぎて舌が肥えている。
 R18に期待が高まる逸材。

・お父さん
 文字数の都合上活躍を全カットされた可哀想な人。クソ強い。
 娘が卒業と共に眷属まで作っててウハウハ。

・R18版IF:https://syosetu.org/novel/355317/
 自由に書いていきます。

 アビドス過去編はこれにて終了です。お付き合いいただきありがとうございました。
 ようやっと本編には入れそうです。まだまだ続きますよ!

 高評価お気に入りよろしくお願いします。
 全部に返すのは難しいですが、来た感想は全て楽しく読ませてもらってます。執筆する上でのモチベーションです。ありがとうございます。
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