ゲヘナクソ雑魚TSサキュバス 作:TSサキュバス流行れ
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新年を迎え、中学生最後の冬休みを終えて少しが経った日。私は家のダイニングテーブルに座りケーキを頬張っていた。
現在時刻は夜の10時。お父さんもお母さんも寝ているため、一人で食べているかと思いきや実はそうではない。
「これ美味しいですね」
「でしょ? 昔食べに行ってから好きになっちゃってさ」
テーブルの対面にはこの短い間ですっかり見慣れてしまったお友達、ホシノちゃんが座っている。
彼女が食べているのはトリニティの菓子店『カフェ・ミルフィーユ』に売っている、中々良い値段がするパフェだ。ちなみに私はショートケーキをホールごとドカ食いしている。
「もっと食べたいです。出してくださいよ」
「いいよ」
指を鳴らす小気味いい音と共に、彼女の前にケーキ、アイスクリーム、クッキー等の数種類のスイーツが現れる。
種類は様々だが、どれも舌の肥えたお嬢様であるお母さんと私のお墨付きの高級洋菓子だ。どれを食べても頬が落ちることは間違いないだろう。
「おお! 流石ですね! どれどれ……」
目を輝かせながらスイーツが乗った皿を手元に手繰り寄せるホシノちゃん。
私も今ホシノちゃんが食べているものと同じパフェを出現させる。
「これにしましょう……おおっ、これも中々いけますね!」
指を鳴らしただけでスイーツが出てきたことからも分かる通り、私たちが居るのは現実ではなく夢の世界だ。
「遠慮せず食べていいからね。
そんなどこかで聞いたことがあるようなフレーズを言いながら、ホイップクリームをスプーンで掬って口に運ぶ。……んんっ! やっぱりこれも美味しい!
まあ、もちろんこんな時間にスイーツドカ食いなど、肌荒れするから絶対にやらない。
こんな世にも恐ろしい贅沢ができるのは、いくら食べてもその情報が現実に反映されないという、淫魔が作り出す夢の特性があってこそだろう。
「ありがとうございます! うへぇ……リリスは毎日こんな贅沢ができるなんてズルいです! 私も呼んでほしいくらいですよ」
「あはは……色々と本末転倒になってない?」
手に持ったフォークをこちらに向け、不満そうに文句を言うホシノちゃんに苦笑いを返す。
ホシノちゃんと出会ってから現在約一か月と少し。こうして会うのは十回目だ。
あの後無事に夢の世界から出ることができたのだが、それから三日に一回程度のペースでこうして出てきてしまうのだ。
最初はその度に眠って戻るを繰り返していたのだが、毎回そんなに簡単に眠りにつけるはずもない。そのため眠くなるまで私がもてなすと提案したのが、このこじんまりとした晩餐会の始まりというわけだ。
今までは一人でご飯を食べる気にならなかったため、このような夢の使い方をしたことはなかったのだが、こうして誰かとお喋りをしながら食べるのはやはり楽しいものだ。
ホシノちゃんも同じように思ってくれているようで、「お互い早く寝た方が長く過ごせるんじゃないですか?」と提案されたのが先週の出来事だ。
「記憶の定着はどう? 十回目程度じゃそんなに変わらないと思うけど」
「ぼちぼちといったところでしょうか。最初に比べて薄くではありますが、記憶は残ってますよ」
「だよね~。
やはりお父さんが言っていた通り、神秘を吸い取った回数に比例して記憶が残るという認識で間違いないだろう。
実のところ、夢から醒めるには両者が眠るだけでは駄目で、もう一つ条件が要る。
それは、私がホシノちゃんの神秘を吸い取って腹を満たす必要があるということだ。
これに関しては正直予想はしていた。
ホシノちゃんと出会う直前までは現実でいくら食べても空腹感が絶えなかったし、それが手を繋ぐことである程度解消されたのだから。
本当ならお父さんがやっているみたいに襲って神秘を吸い取れば良いのだろうが……まあそれができたら苦労はしないよねってことで、相変わらずチキらせてもらっている。
これが大人の女性で、なおかつ同意が得られるんだったらまあいいんだけど……ホシノちゃんも女の子に襲われるのは流石に無理だろう。
確実に解決できるとも言い切れない状態で、言い出す勇気は私にはない。
「ごめんね。毎回巻き込んじゃって」
今の私が本来の淫魔が覚醒する歳であるところからも、抑えられていた淫魔の本能が目覚めたと考えるとつじつまが合う。
だからホシノちゃんには頭が上がらないのだ。
「良いですよ。こうして贅沢させてもらってるんですし。それに……」
頭を下げる私に対して、ホシノちゃんは小さく笑って手元のケーキに目を向けた。
そしてどこか迷ったように手をもじもじと動かしながら、目を逸らして驚きの言葉を述べた。
「……神秘を吸われるのって、意外と悪くない感覚なんですよね。心地いいというか……」
「そ、そうなんだ」
頬をほんのりと赤らめながらギリギリ聞こえる程度の声量でしおらしく呟くホシノちゃん。
その様子を表すなら『エロい』という言葉が最も適切だと思えるほど、どこか色気のある表情と仕草だった。
「っ……ん゛んっ。まあ、とにかく。そこまで気負うなということです。別に、もう知らない仲ではないんですから」
私の言葉を最後に静寂が訪れ、途端に気まずくなった空気を誤魔化すかのように咳ばらいをするホシノちゃん。
「えへへ。私も、ホシノちゃんのことは友達だと思ってるよ!」
罪悪感はありつつも、その言葉に簡単に舞い上がってしまう。そして、その度に私がどれだけチョロい女なのかを自覚させられる。
でもしょうがないよね。ホシノちゃんみたいな可愛い女の子にそんなこと言われたら、普通誰だって嬉しくなるでしょ?
「べ、別にそこまでは言ってないですから!」
「え~? じゃあどう思ってるの?」
途端に顔を真っ赤にして否定するホシノちゃん。
最初に会った時はちょっと怖い雰囲気だったけど、打ち解けてみると分かりやすいツンデレ少女って感じでつい弄ってしまう。
「ちょ、調子に乗ってると今日のご飯あげないですからね!」
「ごめんって~冗談だよ」
そしてやり過ぎてこうして不機嫌にさせてしまうのも、もう何回もやったやり取りだった。
頬を膨らませてケーキを頬張るホシノちゃんに慌てて謝罪する。
「……はぁ。調子いいんですからまったく」
「でも、友達だと思ってるのは本当だよ?」
そしてまた性懲りもせずそんなことを言ってしまう。でも本心だから許してほしいなーなんて。
「……私も、この時間は楽しいと思ってますよ。ちゃんと」
口を尖らせながら、そんな嬉しい言葉を小さく呟いてくれたホシノちゃん。
「ホシノちゃん!」
……うん。これはズルい。だって可愛すぎるんだもん。
「っ!?」
思わずテーブル越しに座るホシノちゃんに飛びつくようにして抱き着いてしまった。
その勢いで背中から床に落ちるホシノちゃんだったが、そこはちゃんと私が羽で空を飛んで抱きしめた為セーフだ。
「急になにしてっ、危ないでしょう!?」
「ホシノちゃんが可愛いのが悪くない?」
「ちょっ、くすぐったい……」
正面から抱き着き、ヒナちゃんに負けず劣らずのもちもち子供ほっぺに頬ずりをする。
同時に、全身を通して伝わってくるホシノちゃんの高い体温と、その極上の神秘に思わず酔いしれてしまう。
「やめっ……っ、何っ……」
『ああ……幸せってこういうことを言うんだろうなぁ』なんて思いながら、ホシノちゃんの頬の柔らかさを堪能すること数十秒。
ホシノちゃんの呼吸が荒くなっている事に気が付いたのは、その後だった。
「ホシノちゃん?」
「っ……私、何でこんな……!」
頬を赤らめて内股をこするように動かしながら、自身の変化に戸惑ったように目を白黒させるホシノちゃん。
よく見ると、その目には若干の涙がにじんでいるようにも見える。
「っ、やばい」
その既視感のある表情と仕草を見るに、抑えていた淫気が漏れてしまったのだろう。
思わずそんな言葉を呟いてしまったが、運のいいことに聞かれることはなかったようだ。
慌てて背中に回した腕と羽を離しソファーの上にそっと下ろす。下ろされたホシノちゃんはペタンと座面に女の子座りをしたまま、呆けた様子で天井を眺めている。
「ふー……っ。んっ」
淫気を抑えると多少は楽になったのか、深い呼吸の音と共に、外れていた目の焦点が段々戻ってきた。
「だ、大丈夫? もう寝た方が良いよねっ」
もちろん淫気を切れば多少は楽になるが、一度興奮させてしまうと自分で発散するか再び眠りにつくまで完全に戻ることはない。
長引かせるのも酷なため、少し寂しいけど今日はお開きにした方がいいだろう。
「……ま、まだ。私の神秘……食べてない、ですよ」
呼吸音と共に肩を大きく上下に動かしながら、私の右手を取って自身の右手を合わせるホシノちゃん。
「んっ……ひぅっ、ふぁっ……」
ホシノちゃんはゆっくりと私の手を開かせ、自身の指を絡めて恋人繋ぎの状態にしてくる。
繋がった右手から、ホシノちゃんの暖かな神秘が私の体へと流れて来るのを感じ……っ!
「ひゃっ……なに、こっ……」
今まで吸ってきたものとは桁違いの美味な神秘が、比べ物にならない程多量に流れてくる。
その美味しさは心地よい快楽となって、ついには三大欲求の全てを劇的に刺激してきた。
「……さっきの、抱き着くやつ……んっ」
すると、ホシノちゃんはもう片方の手を私の肩に回し、立っている私の肩をこちらに引っ張って抱き着いてきた。
いつもなら耐えられる重さと衝撃だったが、右手から伝わる甘い痺れが力を入れることを許さない。
「あっ♡ これ、これですっ……」
「ま゛、まってほぢのちゃん。これっ、やばっ……」
手を繋いだ時とは比べ物にならない神秘の濁流が、暴力的な快感となって体に押し寄せる。
テレポートしようとして目を閉じるが、それによってさらに感覚が敏感になるという自爆を果たしてしまう。
「ひぅっ……このまま、一緒に……っ」
何故か快楽の波が落ち着いたのか、段々と穏やかになっていく吐息を私の首に当てるホシノちゃん。
しかしそれでも、両手足をねちっこく絡ませるように体に巻き付けてくる彼女に為すすべもなく、私はただ体を震わせることしか出来なかった。
「だめっ、ホシノちゃん……────ッ!」
そしてついに限界が来たのか、いつかのように半ば気絶するようにして、私の意識は底に落ちていく。
「うへぇ……」
最後に見えたのは、そんな寝言と共に穏やかな寝息を立てる、ホシノちゃんの眠る顔だった。
────そして、一週間がたった。
もしかしてもうホシノちゃんと会うことは無くなったのか、なんて思っていたある日の夜。
私は、見慣れた夢の世界の入り口である、ラブホテルの一室に立っていた。
「……こんばんは」
ベッドの上には、いつもと違って気まずそうに頬を赤らめるホシノちゃんの姿。
その声と共によぎるのは、部屋中に響き渡る二人の嬌声と、淫らに蕩けたホシノちゃんの可愛らしい顔。
「えっと……こんばんは」
それを最後に、部屋には静寂が訪れ、スピーカーから流れる音楽がやけに大きく聞こえてくる。
……とても気まずい。何せ私もホシノちゃんも、お互いに相手を使って性的な快感を貪ったことを理解しているのだから。
付き合っていない男女の事後はこんな感じになるのだろうか。なんてことを、童貞ながらに思ってみる。
「……間、長くなりましたね。もう会えないかと思ってたんですが……」
「そう、だね。多分いっぱい神秘を貰ったから、かな?」
その言葉と同時に頬を赤らめて俯くホシノちゃん。
やめてよ。私も恥ずかしくなってきたじゃん。顔が熱くなるのを自覚しながら頬に手を当てる。
……駄目だ。手のひらから伝わってくる熱でホシノちゃんの神秘を思い出してしまった。
どうやら私は、もう何をやっても、あの夜の出来事を忘れることはできないみたいだ。
「……その、えっと……あの」
すると、俯いていたホシノちゃんが上目遣いでこちらに視線を向けてくる。
口を開いては言葉を濁すを繰り返しているが、私には不思議と彼女が何を言おうとしているのかが伝わってきた。
「一緒に、寝てみる?」
私の言葉を聞き、驚いたように目を開くホシノちゃん。
────そして、忙しなく両手をもじもじと動かしながら、小さく首を縦に振った。
「そ、そうですね……その方が、もしかしたらスパンも長くなるかもしれませんし」
誰に言っているのか、言い訳をするように
そんなやり取りの後、私たちはぎこちなく近くに寄って横になる。
大人三人が余裕で眠れるキングサイズのベッドの上で、何故か体が触れ合うギリギリの距離で沿うように眠った。
「も、もうちょっと離れてくださいよ」
「だ……だよね。ごめん」
しかし、離れようとしたタイミングで、ホシノちゃんは私の手にそっと自身の手を重ねてきた。
「あっ……」
この前の暴力的な快楽とは違う、吸い慣れた心地よい暖かな神秘が腕から全身に広がっていく。
「この前みたいにするのは……これに慣れてから、ですね……お互いに」
背中を向けたまま、穏やかな口調でそう呟くホシノちゃんは、当たり前のように指を絡めて恋人繋ぎをしてきた。
「うんっ」
今までも寝る前の幸福感はあったが、それ以上の暖かさが満腹感と共に体を満たしていく。
ホシノちゃんの存在を近くに感じる幸せを噛みしめながら、私は再び穏やかな眠りにつくのであった。
・クソ雑魚TSサキュバス
ホシノとソフレ(添い寝フレンド)になった。まだ手を繋ぐので精一杯。
・ホシノ
起きたら全部忘れた……ことはなく、薄っすらと覚えている。
見た目小学生の女の子に抱き着かれて、興奮してしまった戸惑いと罪悪感を感じている。性癖の扉を開かされた第三の被害者。
高評価お気に入りよろしくお願いします。
全部に返すのは難しいですが、来た感想は全て楽しく読ませてもらってます。執筆する上でのモチベーションです。ありがとうございます。