【完結】パーティ追放されたので自作自演の猫救出動画でバズろうと子猫を池に放り投げたらそいつが自称ダンジョン最強のワーキャット少女だった件。猫吸いすると俺だけが際限なくパワーアップするんだが?   作:羽黒楓

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第10話 こうして僕とミャロとの生活が始まったのでした

 トコトコ動画に動画を投稿して一晩たった。

 今は昼の十二時、俺は動画の再生ボタンを押す。

 まず最初にモニターに映るのは、草むらの上にいるちっちゃな黒猫。

 

〈かわいい〉

〈かわいすぎる〉

〈やっぱり猫が一番かわいいよな〉

〈これ、動画主がここにわざと置いたってことある?〉

 

 視聴者のコメントが画面上を流れていく。 

 

 そこに、空中からものすごい勢いでなにかが飛び降りてくる。

 大きなカラスだ。

 カラスは猫をひっつかむと、空中へと持ち去ろうとし――。

 

〈危ない!〉

〈しかしこれが自然の掟〉

〈ああー貴重な猫がぁ!〉

〈グロ注意〉

〈この猫はカラスがおいしくいただきました〉

〈これを撮影するために動画主は猫を置いて張ってたのか?〉

 

 そこに、カメラを向けたまま動画主が石を投げる。

 それは命中してカラスは子猫を落としたまま飛び去った。

 

「にゃぁぁぁぁ! にゃにゃぁぁぁぁ‼」

 

 池の中であがく子猫。

「おい、今行くからな!」

 男の声がして、カメラごと撮影者は池の中へざばざばと入っていく。

 

〈あー猫救出動画かー〉

〈いまどきこれで再生数稼ぐつもりか〉

〈こういう自作自演で猫を危険な場所に置いておいて助ける動画とか、yootubeならともかくトコトコ動画じゃ騙される奴いないぞー〉

〈こういう動物を使って儲けようすると奴大嫌い〉

 

 だが、次の瞬間だった。

 

「ギャー!? ゴボゴボあばばぼえーっ」

 

 ポンッ! と軽い爆発音がしたと思ったら、そこにいたはずの子猫がいなくなっており、そのかわりに。

 

「あばばば! おぼれる! おぼれるにゃあ!」

 

 黒髪ショートの少女が池の中でばしゃばしゃともがいていた。

 それも、裸で。

 

〈ワーキャットやんけ!〉

〈しかもメスのワーキャット!? 珍しくない?〉

〈エッッッッッッ〉

〈待ってモザイクが濃いぞうぷ主! ふざけんな!〉

〈やべえこいつモンスターのくせにかわいい!〉

 

「はぁ、はぁ、はぁ、助かった……死んだかと思いました……にゃにゃ?」

 

〈言葉も喋れるタイプか〉

〈いや気をつけろ、今まで存在した言葉を喋るタイプのモンスターは一匹残らず人類を裏切ったぞ〉

〈どういう言い方をすれば人間の同情を買って騙せるかを知り尽くしているのがモンスターだぞ〉

〈それにしてもかわいい〉

〈うらやましい。こんな美少女をテイムするって話か?〉

〈モンスターには人権がないからこの女の子にやりたい放題じゃないか、うらやましすぎる〉

〈いや待てそんな単純じゃないぞ、かなり危険なんだぞモンスターのテイムって〉

〈こんなに美少女なのも多分人間を騙すため。普通じゃないくらいかわいいじゃねえか〉

〈モンスターは必ず裏切る。世の中のテイマーはみんな力で押さえつけて言うことを聞かせているからな〉

〈おいうぷ主、もしテイムするつもりならちゃんと調べてきっちり調教しろよ、モンスターは必ず裏切るからな。かわいらしいワーキャットだとしてもだ!〉

〈それにしてもかわいい……。普通の人間より目が大きくてくりっとしているからとんでもなく魅力的だ……もう俺は惚れた〉

〈だからそれが罠だぞ……。人語を解するモンスターが今まで何人の人間を食い殺してきたか……〉

〈食われてもいい、かわいすぎる〉

〈猫と人間のいいとことって2をかけたくらいかわいい〉

〈うらやましぃぃぃ~~~〉

 

 

 俺はそのコメント欄を見て、

 

「好意的なのもあるけど、ずいぶん辛辣なコメントもあるなー」

「にゃにゃ、コーキは私の命の恩人ですにゃ。裏切るわけがないですにゃ。あとこの首輪もあるし」

 

 うんうん、そうだよな、俺が死んだらミャロは首チョンパだし、そもそもこんなかわいい子が俺を裏切る……訳がないよな……。

 

「っていうか、まだモザイクが薄い気がするにゃ……。なんかエロいコメントがいっぱいあるですにゃ」

 

 たしかに。

 ここでは転記できないくらいの下品なコメントも散見された。

 さらに動画は続いていき、

 

『こうして僕とミャロとの生活が始まったのでした』

 

 というテロップで終わった。

 

 再生数18万、コメント数4200。

 

 で、このコメントの内容からして、バズった、というより……。

 

「これ、炎上してないか……? そんなにモンスターをテイムするのって危険なのか……?」

 

 と、そこに。

 ピン、ポーーン。

 突然、家のインターホンが鳴った。

 

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