小鬼殺しと夜を狩る一族   作:レーラ

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どうも、レーラです。

先日悪魔城ドラキュラ ドミナスコレクションを買い、それをプレイしていたらこれを描きたくなってしまいました。

設定としては悪魔城ドラキュラをモチーフとしておりますが、悪魔城のキャラはドラキュラ以外は出てきません。なのでシモンやリヒターといった原作キャラは基本登場しません。

その代わり、原作キャラをモデルにしたキャラクターが出てきます。

オリジナルというにはあまりにもおこがましいものとは思いますが、それでも受け入れてくださるのであれば、何卒よろしくお願いします。


序章
ある一夜の戦い


 東にある辺境の小国。

 

 

 そこには、かつて世界を暗黒で支配し、破壊と混沌を齎した災厄の魔王が君臨していた。

 

 数多の魔物を解き放ち、その魔力を欲しいままに振るい、城の玉座にて闇に君臨した。

 

 その名は、吸血鬼の王(ヴァンパイア・ロード) またの名を、魔王ドラキュラ伯爵。

 

 伯爵の居城たる悪魔城に集まる邪悪と混沌の力に引き寄せられ、多くの魔物達が集う。

 

 闇の台頭により、か弱き人々は蹂躙され、殺められた命は数知れず。無数の骸の山が築かれ、多くの血が川の如く流された。

 

 人々は絶望し、闇が覆われるのをただ待つしかなかった。

 

 

 だが、そんな闇の台頭を許さぬ者達がいた。

 

 聖なる鞭を振るい、神々の祝福を受けた宝具、様々な魔術で闇を退けた。その対魔の力は人々を、光溢れるこの世界の繁栄を紡いでいた。

 

ヴァンパイアハンターの祖にして、聖なる鞭を振るう最強のハンター

 

 

その名は《ベルモンド一族》

  

 

 ところが今より200年前、ベルモンド一族はドラキュラとの戦いで壊滅的な被害を受けた。さらに弱りきった力を滅ぼさんとする魔物達の手によって、遺された一族すらもその数を減らしていき、いつしかその消息が完全に絶えてしまった。

 

 世界に広まっていたドラキュラ伝説は次第に人々から忘れ去られ、闇への抵抗は失われてしまった。

 

 だが、ドラキュラは100年に1度蘇る。今まさに、その時が迫っていた。 

 

 

 


 

 

 月が暗雲によって隠された闇夜。明かりの無い樹木が並ぶ道を我が物顔で進むモンスターの群れ。

 

 それらは全員緑色の肌をした只人(ヒューム)の子供程の背丈しかない。その手には短剣や棍棒、弓矢などそれぞれの武器を持っている。

 

 そのモンスターはゴブリン。

 

 ゴブリン達が向かう先には小さな村がある。彼らはその村を襲い、邪魔な只人を殺し、そこにある食料、家畜を全て奪う。

 

 女がいればなお良い。そいつらを嬲って、犯し、孕み袋として使う。女どもが泣き叫ぶ姿を想像するだけで、彼らは下卑た笑みが止まらない。

 

「GRRB?」

 

 だが先頭にいた1匹が、闇夜の道を阻む1人の只人が立っていた。全身を覆うローブのせい顔は見えない。だが略奪主義のゴブリンが、自分達の道を阻む只人の存在を許すはずがない。

 

 アイツを射殺せ。そう只人を指して後ろの弓持ちのゴブリンに指示した。指示されるのは癪だが、只人が気に食わないのは同じ。

 

 躊躇いもなく矢を番えて放った。

 

 だがその矢はその只人に刺さる事なく弾かれた。ありえない事態に先頭のゴブリンが狼狽える。が、その間もなくその脳天が弾けて飛ばされた。

 

 人間の目視が難しい闇夜で何が起きたのか。だがその闇夜であってもゴブリンの目は捉える事が出来た。

 

 巨大な十字架(クロス)が高速で回転している。それがゴブリンの頭を粉砕し、軌道が変わってブーメランの如く弧を描き、投擲主の元へと戻っていった。 

 

 月が暗雲から脱して、その光が只人を照らす。ローブを脱ぎ捨て、その姿を現した。

 

 後頭部に結んだ金色の髪。修道院の服装の上に漆黒の鎧を身に纏い、黒いブーツを履き、その右手には刃渡りが長い白銀の片手剣を握っている。

 

 丸み帯びたその身体と豊満な胸とその胸元には十字架のロザリオが飾られている。

 

 緋色の瞳がゴブリン達を忌々しく見下す。

 

「まったく、数えるのも面倒になるくらい多いわね……」

 

 ゴブリンの多さに呆れる女只人。スカートを翻すと太腿に装着してあるホルスターからナイフを3本出す。

 

「ここから先、1匹たりとも通さない。そして、ここで貴様らを狩り尽くす!我が剣の切れ味、闇の世界への土産にするがいい!」

 

 ゴブリンの群れを前に啖呵を切った。自分達を見下す女只人に怒りが沸いたゴブリン達は一斉に襲い掛かる。

 

 だが女只人は動じることなく、剣を構える。同時に飛び掛って来たゴブリン達の首を白銀の刃が捉えた。水平に振るうと刹那の閃光が煌めき、その鋭い切れ味によって簡単に胴と首が刎ねられる。

 

 中にはゴブリンが持つ粗末な作りの短剣や棍棒ごと真っ二つとなった。

 

 ゴブリンの身体の小ささもあるが、ゴブリンが作った粗悪な短剣と棍棒では鍛え抜かれた剣と勝負になるわけがなく、武器ごと両断されていく。

  

 弓を持っているゴブリンが狙い撃つも白銀の剣で打ち落され、ナイフを同時に3本投擲、ゴブリンの頭部に刺さってそのまま息絶えた。

 

「これで20匹!」

 

 あれだけ数の暴力に頼りきっていたゴブリンも、少なくなっていき、残るは最後の1匹。

 

 だが今までの小さいのに比べると巨大だった。ゴブリンの変異種の1つ、ホブゴブリン。

 

 その手に持つ巨大な棍棒を振り下ろすと、地面が陥没する程の威力であると知らしめる。跳躍して回避、剣を振るおうにもホブゴブリンが乱暴に振り回す棍棒のせいで間合いに入れない。ホブゴブリン咆哮が響く。

 

「なるほど、たしかに厄介かもね!」

 

 正攻法で倒すには面倒くさい。ただ先程からホブゴブリンは闇雲に棍棒を振り回すだけでこれといった搦手はして来ない。

 

 たとえ図体は大きくなっても、知能は普通のゴブリンと大して変わらない。そう踏んだ女剣士は雑嚢から小瓶を出してそれをホブゴブリンに向かって投擲。直撃すると瓶が割れ、中身である水が全身にかかる。

 

 その直後、水を浴びた部分が突然燃え上がり、赤い炎がホブゴブリンの肉体を焼いていく。いくら藻掻こうにも聖なる炎は消える事なく燃え続け、確実にその生命力を削っている。

 

 のたうち回っていたホブゴブリンもその挙動が徐々に弱くなっている。聖なる炎が小さくなる時には既に瀕死状態だった。

 

「さて……トドメを刺す前に、何か気の利いたセリフでアンタを虚仮にしようと思ってたけど……」

 

 性能を確かめた女剣士がボブゴブリンの頭を踏みつけて固定。ゴブリンが持っていた斧を手にして、それを袈裟斬りの要領で振り下ろし、ホブゴブリンの首を刎ねた。

 

「どうでもいいか」

 

 村があったと分かった時、そこを我がものにしようと準備をした。攫った娘を使って同族を増やした。武器も揃えた。全て上手くいくはずだった。

 

 それがたった一夜にして、しかもたった1人の只人によって全て打ち砕かれた。

 

 ゴブリン達の落ち度はたった1つ。それは、この只人を侮った事だ。

 

 

 この女只人の正体を知る人はいない。だが手にする白銀の剣で、名だたる怪物や魔族を葬った。その姿を見た人々は、彼女の事を『月下の剣士』またの名を、セイバーと呼んでいた。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 ゴブリンを殲滅させた後、セイバーはゴブリンの巣穴へと入っていった。視界が利かない洞窟である為、松明を片手に進んでいく。

 道中分かれ道があり、1回目は行き止まりだった。背後からの奇襲も備えていたが、その様子は感じられなかった。それどころか、ゴブリンや他の怪物の気配すらない。

 

 そのまま、1匹も遭遇する事無く最奥まで辿り着いた。そこには攫われ、虜囚となった若い娘が片隅で放置されていた。

 衣服が破られたその裸体にゴブリンの引っ掻き傷や殴打した痕が痛々しく残っている。

 

 脈に触れると、まだ鼓動はある。すぐにローブに包んでその裸体を隠す。

 

「邪悪な輩は全て滅した。もう大丈夫」

 

 意識を失っていては届くはずはないが、年半ばもいかない娘はたった1人、光も届かない暗闇に連れていかれ、ゴブリン達の快楽の為にいつ終わるともしれない凌辱を受け、生きる希望を奪われた。

 

 だからこそ、そう言わずにはいられなかった。

 

 娘を背負い、洞窟から出てそのまま村へと戻った。村には男達が万が一を備えて、戦えるようある程度ではあるが武装をしており、女子供はいつでも逃げられるよう準備していた。

 

「ん?お、おい!あの方が戻って来たぞ!」

「無事だったのか!」

「しかもあれ!娘を抱えているぞ!」

 

 村人がセイバーの姿を見ると、すぐに出迎えた。虜囚となった娘はすぐに治療を受けられる事になった。もう彼女は大丈夫だろう。

 

「ありがとうごぜえました!お陰で村は救われました!」

「いえいえ、私は当然の事をしたまでです。それよりも、皆さんが無事で良かった」

「何をおっしゃいますか!あなたこそご無事で何よりでした!」

「ああ……命の恩人じゃぁ……!」

 

 村人全員がセイバーを英雄視して崇めた。悪い気はしなかったが、当の本人は結構恥ずかしかった。

 

 翌朝、虜囚となっていた娘が目を覚ました。

 

「もう行ってしまわれるのですか?」

「うん。元々通りがかりだったし、ゴブリンがいなくなったから、これ以上いたら穀潰しになっちゃうからね」

「そんな事はありませんぞ!我々は、あなた様に深く……」

「ああ!もう良いから!」

 

 冗談を言ったつもりが、また褒め殺しにあうところであった。

 

 とはいえ、ゴブリンがいなくなった今、セイバーがここに留まる理由は無い。セイバーは村を旅立ち、次の旅へと出た。

 

 セイバーは数年前から故郷を離れ、世界を旅して回っている。旅の目的は1つ。邪悪な輩を滅する為。だが同時に自分の足で訪れた土地、自分の目で見た風景には心に突き刺さるものがある。

 

 だから旅はやめられない。

 

「さあて、次はどこへ行こうかな!」

 

 セイバーの次なる旅路は、何処へ。

 

 

 




キャラ紹介

月下の剣士-セイバー-(20)

イメージCV:とある科学の超電磁砲 御坂美琴

モデル:レオン・ベルモンド(騎士時代)

かつてある小国で使えた聖騎士。現在は流浪の旅に出ている。
武器は白銀の剣の他に短剣、斧、クロス、聖水といったサブウェポンも使いこなし、体術も会得している。

正義感が強く実直ではあるが、理想家ではなく残酷な直面に立ち合おうともそれを冷静に直視する部分がある。一方で天然な一面があり、世間の認識から少しズレる発言をする時がある。

かつて辺境の街で冒険者をしていた事がある。
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