死んだと思ったらロボットになっていた   作:モハト

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沢山のお気に入り登録ありがとうございます!
最終編見終わりました。たくさんのキャラに活躍シーンがあって見応えがありました
手持ちキャラを使う事が多くて嬉しかったです


4話

「この子達をうちの部員に偽装するなんて……本当に大丈夫?」

 

ミドリが心配しているとアリスが答える

 

「【大丈夫】の意味を確認……【状態が悪くなく問題が発生していない状況】のことと推定、肯定します」

 

「……いやいや、肯定できないって!この口調じゃ絶対疑われるよ!」

「やめておこう!?これは無理だって!」

 

「今やめるって選択肢の方が無理だよ。何としても、私たちのゲーム開発部を守らなきゃ」

「そうしないと、ユズの居場所が……寮に戻るわけにはいかないし……」

 

(どうしよう……)

 

僕は悩んでいた

どこの誰かも知らない自分を仲間に、居場所を作ってくれると言うのだ

彼女達や移動中に見た人達は皆銃を持っていた。ここは恐らく自身の常識が通用しない可能性が高い。そんな中に訳も分からず放り出される事など、想像したくない

なのでこの提案は非常に魅力的だ。だが……

 

(高校生の勉強なんてできないよ……)

 

そう、なんせ前世は11歳、小学校6年生である。高校生の勉強なんて分かるはずもなく

 

(仮に、提案に乗ったとして、授業についていけるか……すぐには絶対無理だけど)

 

そんなことを考えていると、提案を受けた前提で話が進んでいる事に気づく

 

「あのー」

 

「ん?どうしたの?」

 

「仲間になるか、についてなんですけど……少し考えさせてください……」

 

「ええ!?駄目だった?」

 

「……それは……」

 

言い淀んでいると先生が声をかけてくる

 

"……何か言い辛い事かな?"

 

「……はい」

 

"そっか……困っている事があったら話してみてくれないかな?何か力になれるかもしれないよ"

"私は先生だからね。生徒の助けになるのが仕事なんだ"

 

(前世で会った先生は話してもまともに取り合ってくれなかったけど……信じてみようかな)

 

「……なら、僕の話を聞いてくれますか?」

 

"もちろんだよ。どんな事でもいいから、できるだけでいいから話してみてね"

 

(優しい……この先生になら全部話してもいいかも……)

 

「ありがとうございます。……長くなるので落ち着いて話をできる場所はありますか?あまり大勢に聞かれたくない内容なので」

 

"わかった。なら続きはシャーレで話そうか。そろそろ暗くなってくるしね"

 

「シャーレ?」

 

"説明してなかったね。私は連邦捜査部:シャーレの顧問をしている先生だよ"

 

「連邦捜査?」

 

"そのあたりも一緒に話そうか。ついてきて、遅い時間になっちゃうからね"

 

「先生帰っちゃうの?なら明日また来てね!」

 

「気を付けて帰ってくださいね。先生」

 

"ありがとう、モモイ、ミドリ。気を付けるよ。じゃあまた明日"

 

部室を出る前にモモイとミドリ、アリスにお辞儀をして先生についていく

 

 

──────────

 

ー先生sideー

 

 

ゲーム開発部の皆と別れた後シャーレまで戻ってきた

シャーレの建物の大きさにとても驚いていた。私もこの建物は大きすぎると思う

彼女は学生証を持っていないので、シャーレに仮入部という形をとった

廃墟から今まで何も食べていないので、お腹が空いているのではと思い休憩室に向かう途中でコンビニに寄り、食べ物を買うことにした

 

"好きな物を選んでいいからね。私が払うから"

 

彼女は申し訳なさそうにおにぎりを3個だけ買った

あれだけで足りるのだろうか。もしかしたら遠慮しているのかもしれない

そんな事を考えていると休憩室についた。さて、彼女は一体どんなことを話してくれるのかな……

 

 

 

 

 

……思っていたより深刻な問題だった

話を纏めるとこうだ

 

1:前世の記憶があること

2:前世の歳は11歳の男で名前はハヤト、ここで言う初等部の6年生だった

3:家族は母親と祖母の2人

4:同年代と見解の相違があり、いじめられていた事

5:いじめについて先生に相談しても信じてもらえず、あまつさえ、嘘つき扱いされ加害者の嘘を全面的に信じて非難される事が毎回起きていた

6:先生には日常的に精神的な虐待を受けていた

7:母に何度も相談するも、まともに取り合ってもらえずに放置された

8:1年生から6年生まで何とか耐えていたが、自分に唯一残された肯定してもらえる物だった勉強までただ否定され、生きる意味を見失う

9:人生に疲れ、絶望して自殺する

 

とてもではないが、7歳から受ける仕打ちではないし、用意されるべき環境でもない

何度助けを求めても取り合わない母親にも、片方の生徒にばかり肩入れしつつ虐待する、先生の皮を被ったなにかにも非常に腹が立つ

 

「あの……先生……モモイ先輩が言っていたミレニアムに入学するのと、僕の名前はどうしたらいいと思います?前世の名前をそのまま使ってもいいですかね」

 

こちらの顔色を伺いながらこれからどうすればいいのか聞いてくる

ああ……そんな目をしないでほしい。その目は大切な物を、生きる意味や自分を見失いどうすればいいのか分からない目だ。11歳の子供がしていい目じゃないよ……

きっと、これまでに受けた様々な嫌な事から心を守る為に、自身の感情や考えを表に出さない様に、相手の機嫌を損なわない様にと、自然に身に付いたことなんだ。敬語も恐らくは……

私は席を立ち、ソファーに座る彼女(ハヤト)を抱き締める

 

"……ハヤト……君がなりたい存在は、 君自身が決めていいんだよ"

"もし仮に間違った事や駄目な事をしても、責任は、私が負うからね"

"それが、大人のやるべきことだから"

"だから、ハヤトのやりたい事、なりたい物を諦めないで"

"君が心から願う夢を"

"この先に続く未来には、無限の可能性があるんだから"

"分からない事や困った時は私に相談してほしい。頼ってもいいんだよ"

"迷惑だなんて思わないから"

 

「……先生……いいの?……頼っても、いいのかな……諦めないで、いいの?」

 

彼女は涙腺が決壊したようで、大量の涙を流しながら抱き締め返してくる

私は彼女を安心させる為に、片方の腕で嗚咽している彼女の頭を撫でる

泣き疲れて安心したのか、眠った彼女を休憩室のベッドに運ぶ

彼女の事は他の子達以上に注視して気を配っていかないとな……

……起きた時に不安にならない様にそばにいよう。彼女が起きるまでにできるだけ仕事を終わらせようか……そう思い、仕事に取りかかろうとしたときだった

 

ガサゴソ……コツコツ……

 

彼女が起き上がりこちらに歩いてきているようだ。起きるには早すぎると思うのだが……

 

"どうかしたの、ハヤト……!?"

 

(瞳とヘイローの色が変わってる!?……いや、()()()()()()()()()()()()()ということは─)

 

「貴方からすれば廃墟以来ですね、先生。あの時の私は目覚めてすぐに気を失いましたので、実質これが初対面なのですが」

 

先程までとは声色、一人称、瞳とヘイローの色が違う。そして……初対面

 

"君は……もしかして、AL-0Tなの?"

 

「いいえ、私は本機に搭載されている、Al搭載の教育型コンピュータ【Elf】です」

「私は【Key】による遠隔操縦が不可能な事態を想定して、テストで用いられたAIを改造、流用して製造され、最終的には戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能とする機能を持って生み出されました」

「そして本機は【AL-1S】の随伴機としてより戦闘に特化した改修を受け、覚醒後は任務を遂行するために行動する()()()()()

 

(【Key】による遠隔操縦?AL-1Sの随伴機?そして、過去形……)

 

非常に重要な情報が大量に出てくる。恐らく、今後対処しないといけないことになるだろう。だけど、今は……

 

"過去形ということは、今は任務を遂行することができないの?そして、その機体に宿っているはずのハヤトに危害を加えるつもりなの?"

 

「遂行できない、ではなく、今は遂行する気がない、が正しいです。私はハヤトに危害を加えるつもりはありません」

 

返答されるものの、今は、という言葉に思わず険しい顔つきになってしまう

 

「……そう警戒しないでください。事の経緯をお話ししますから」

「まず、私が廃墟で目覚めた時には自我がなく、情報と目的だけ記憶している状態でした。しかし、いつからかは分かりませんが、本機に宿っていたハヤトの生涯の記憶が、濁流のように私の記憶領域に流れ込んできました。自死に至るまでの特に辛い記憶や引き金となった記憶、その際の感情はより鮮明に、まるで自身が体験したかのような感覚に陥り、目覚めたばかりで耐性がなかった私は耐えきれずに意識を手放しました」

「そして、ゲーム開発部に着いた辺りで私は目覚めました。その後は彼の記憶から様々な事を学習し、私にも自我が生まれました。貴方も彼から聞きましたが、彼の周りには彼の理解者足りえる存在はいませんでした」

「もしこの世界が彼のいた環境のような残酷なものならば、私はあちらの準備が終わり次第プロトコルをサポートするつもりでした。」

「ですが、先生、貴方がハヤトにかけた言葉を聞いて、私は考え直しました。大人の責任、この先に続く未来の無限の可能性、そして頼ってほしい、諦めないで、と」

「彼の記憶で見たこともないタイプである貴方なら、生徒を助け、導く【先生】であるならば、彼を救えるかもしれません……この機体に宿ってしまった以上、完全に破壊されるまで彼が生を終えることはできません。私は彼の深い悲しみを知りました。だからこそ、彼の心がまた傷つき悲しむ様を見たくありません」

 

AIの彼女が彼の記憶で自我を持ち、彼への想いを伝えてくる

 

「先生、もし貴方が……いずれ訪れる、しかるべき時までに彼を救う事ができなければ……助けを求め、嘆く1人の子供すら救えなければ……今の人類は愚かで、弱く、少しずつでも改善される可能性も感じられないと私が判じれば、私達はプロトコル【ATRAHASIS】をもって、キヴォトスに終焉をもたらすでしょう」

「先生……貴方は彼を救えますか?」

 

"私は先生だからね。大人として、先生としての責任と義務、そして私の意志をもって、必ずハヤトを救ってみせるよ"

"そして君にも、人の持つ、希望溢れる未来、その無限の可能性を見せるよ"

 

「……分かりました。現時刻をもって、今を生きる人の裁定を執り行います。今の人が私達の使命よりも価値のあるものなら……生きていくに足るものであるならば、私は使命を放棄し、彼を支えながら彼の行方を見守るとしましょう。私が過度に干渉しては裁定になりませんので、一度深層に戻りましょう……ですが」

「彼が使用している兵装は弱すぎる……あれではいつか、限界が来ます。その際に彼が力を欲すれば、本来の武器と装備の保管場所へ彼を導き、私の役割の一つを担いましょう」

「……私はあなたたちの行方をずっと見ていますよ。私を失望させないでくださいね?先生──」

 

 

──────────

 

ー黒服sibeー

 

彼はシャーレ付近の建物の屋上から先生のいる休憩室を覗く

 

 

「クックックッ」

「まさかあのAIがシャーレの先生に接触するとは……本来、敵対関係にある先生に接触したということは、心境に何かしらの変化があったということになりますね」

「原因は、あの機体に宿っている異世界の魂でしょうか……」

 

「……あの機体は試作機です」

「【名もなき神々の王女】をより完璧なものにする為に、どこからか流れ着いてきたアーティファクトを解析。」

「結果としてこのアーティファクトは、人が無意識に発する「念」の様なものである【感応波】を検出、増幅して機械語に翻訳する機能を有しており、先の機能を持ったLSIクラスのコンピューターチップを金属粒子レベルで組み込んだ特殊な構造材だと判明し、【サイコフレーム】と名付けられました。そして翻訳機能は【サイコ・コミュニケーターシステム】と名付けられ、略称である【サイコミュシステム】か【サイコミュ】と呼ばれる事が殆どだった様ですね」

「そしてこの【サイコフレーム】は容易に複製、コストはかかるものの量産可能だと判明。結果、考えるだけで機体を動かすことを理論上可能にしました」

 

「喜んだ技術者たちは、予定されていた試作機の全身骨格を全て【サイコフレーム】で構成した【フル・サイコフレーム】を採用することが決まりました。そして、かの機体の設計と同時進行で進められていた【サイコフレーム】の様々な実証実験として、少量のサイコフレームを搭載した試験機を製造。結果、機体は高い追従性を誇り、サイコフレームの稼働時に発光現象が確認され、その際のサイコフレームは異様な強靭性を持つ事、そして、発光しているサイコフレームを露出すれば、より高いパフォーマンスを発揮すると判明しました」

 

「実験のデータを反映してロールアウトしたAL-0Tにテスト用AIを搭載し、記録を開始するも……【名もなき神々の王女】の製造に使用するにあたって、指定された最低ラインの数値を一部超えられず、且つ様々な事件や超常現象を見せたこともあり、信頼性の問題等から当初予定されていた技術を使用し、再設計機【AL-1】を製造、量産する計画が始動しました」

 

「そして、結果的に一機のみ製造された【AL-1】のファーストロットをベースに【名も無き神々の王女】として不要な機能は排除され、人間を模倣した一部の機能と必要な機能、権能を搭載した【AL-1S】が製造されました」

「【AL-1S】製造後は随伴機として、【AL-1S】に搭載された人間を模倣した一部の機能の搭載、護衛の為により戦闘に特化した改修を受けることとなったようです。資料が破損していた為、完全には解析できませんでしたが……」

 

「クックックッ」

「かのAIと異世界の魂。AIが感応波を発するのか、発するのであれば感応波にどのような差があるのか、どれだけレスポンスが向上し、どれほどの反応速度か、異世界の魂が宿った事によって超常的な現象は起こるのか……興味が尽きません。今すぐ研究したいですが、恐らく先生は彼女を【生徒】として扱う事でしょう……先生とは可能な限り敵対したくはありませんからねぇ……しばらくは様子見ですね」

「先生……あなたが、【ハヤト】と名付けられたAL-0Tと、【アリス】と名付けられたAL-1Sをどう導いて行くのか……ゲマトリアは、あなたのことをずっと見ていますよ」

 

彼は上機嫌で屋上を去っていく──

 

 

──────────

 

 

ーハヤトsideー

 

 

 

「……」

 

目が覚める。外が明るい事から察するに、よく眠っていたようだ

そして昨日の事を思い出す

 

「……っ!?」

 

顔から火が出そうになり、悶える

 

(……暖かかくて……安心できたな///……って僕は今何を!?)

 

ベッドの上で騒いでいると先生が気づき、声をかけながら近づいてくる

 

"やあ、よく寝ていたね。元気になったようで何よりだよ"

 

「せ、先生!?あの、えっと、……うん、落ち着いたよ。先生のおかげだね。ありがとう!」

 

(先生に話を聞いてもらい、肯定してくれて、頼ってもいいと言ってくれて、心が軽くなった事を感じる……先生になら素をだしても……いいよね)

 

先生に敬語をやめ、満面の笑みを見せる

 

"っ!?……よかった。君の居場所になれたんだね"

 

「先生が悪いんだからね?あんなに優しくするから……見捨てないでね?」

 

"私は絶対君を見捨てないよ"

 

「///嬉しい……あ」

 

"どうしたの?"

 

「モモイ先輩の話どうしよう」

 

"たしか、ミレニアムの学生証を用意してゲーム開発部に入部してもらうって話だったよね"

 

「うん、勉強はしないといけないからミレニアムに入学するのはいいんだけど……」

 

"……何か問題あるかな?"

 

「入部はいろんな物を見てから決めたいから仮入部でお願いするとして……名前と勉強内容がちょっと……」

 

"あ……そういえば……昨日前世の名前を聞いてからそのまま使ってたね……"

 

"勉強に関しては心配いらないよ。私がある程度なら教えられるし、この世界の主な学習手段のBDなら自分のペースで勉強できるからね"

 

「この世界の勉強は映像学習なのか。それなら何とかなりそう……先生、廃墟で僕とアリスちゃんを見つけた時は一緒に寝てたんだよね?」

 

"そうだね。別の椅子ではあったけど、姉妹みたいに横に並んで置かれていたね"

 

「なら……アリスの名字に……下はそのままの、ハヤトかな」

 

「これで姉妹って分かるよね。見た目も目の色と……頭の上にある変なのの色が違う位だし」

 

"いい名前に決まったね"

 

"あと、頭の上にあるのはヘイローといってね。ヘイローがある人皆が神秘という力を持っているんだ。神秘の力があると色々と強くなるんだ"

 

「そんな能力が……具体的にはどんな力が?」

 

"まず、銃で撃たれても痛いですむ位頑丈になるよ"

 

"そして様々な身体能力も高くなるよ。力が強くなったり、疲れを感じづらくなったりね"

 

「撃たれても痛いですむって……だから皆銃持ってたんだ……」

 

"聞きたいことはもうないかな?"

 

「今は特には……」

 

"じゃあ、まずは準備しようか"

 

「準備……?……そうだった、今寝起きだった」

 

"そうだよ、歯磨いたりお風呂入っておいで。朝食は……下のエンジェル24で買って行こうか"

 

その後、新品の歯ブラシとコップの場所を教えてもらって歯を磨く

磨き終わった後、大浴場に案内してもらっている途中で先生に聞いてみる

 

「先生……昨日はお風呂入れたの?」

 

"いや、入れていないからハヤトが出たら私も入ろうかな"

 

「……えっと、一緒に入らない?」

 

"ええっ!?駄目だよ!生徒と先生が一緒に入浴なんて……"

 

「男同士だから問題ないよね?それに──」

 

"ハヤト、今の君は女の子だよ。だから問題しかないよ!"

 

「……駄目……ですか……?……先生と仲良くなった気でいたけど……駄目ですよね……そうですよね……いきなりこんなに甘える生徒は迷惑ですよね……やっぱり──」

 

"そんなことないよ!迷惑だなんて思ってないよ!……お互いタオルを巻くならいいよ"

 

「……!はい!さっそく行こう!」

 

"ちょ、ちょっと待って!2人で入るならタオルと着替えの服を用意しないと……力強!"

 

その後、準備をしてから脱衣所に着き服を脱いでいると、先生がこちらに背を向けているのに気が付く

 

「先生?どうしたの?」

 

"いや、女の子の着替えを見る訳にはいかないから"

 

「?……あっごめん先生。忘れてた」

 

今の自分は女の子なのを忘れて、先生に無理を言って甘えてしまい申し訳なくなる。このままでは先生が風邪をひきかねないので、急いで脱いでタオルを巻く

 

「先行ってるね」

 

"こっちもすぐに行くよ"

 

 

 

 

 

大浴場に入ると、思ってたよりけっこう広めで驚いた

入口で立ち止まっていると先生が入ってくる

 

"どうしたの?何かあった?"

 

「この広さ……先生と一緒に入れそうだなー、と思って」

 

"……今更だし唐突で悪いんだけど、ハヤトは性教育受けてるよね?"

 

「?受けたよ?」

 

"なら、男女の体の違いも子供の作り方も知ってるよね?……この状況とその発言は危ないとか思わないの?"

 

「?性交と今の状況と発言って何か関係あるの?」

 

"……えっ"

 

先生が言葉を失っている。今知ってる知識を言わないと駄目そうだ

 

「男女の体の違いと性交、妊娠の内容は知ってるよ、凄い(ぼか)されてたけど……だから、実質性交した後の過程と結果しか教えてもらってないよ」

「性交は子供の欲しい夫婦のすることだと勝手に思ってるんだけど……違った?」

 

"……時間がある時に勉強しようか、ハヤト──"

 

 

 

 

 

その後、頭と背中を先生に洗って貰った。「前は自分でやりなさい」と言われたので自分で洗い、浴槽に入ってゆっくりする

少しすると先生も洗い終わり、浴槽に入ってくる。せっかくだし、もっと甘えることにした

 

"ハヤト!?ちょ──"

 

先生の足の間に座り、体を預ける

 

()はね……片親だったし、物心ついた時には、お母さんはいつもとっても忙しくしててね……通ってた保育園に行く時は、朝の6時には起きないとお母さんの仕事に間に合わなかったし、迎えは早くても午後5時で、遅い日は9時になってた……遅い時は帰りの車でそのまま寝ちゃってたんだ。休日は平日よりも構ってくれたんだけど、大体の時間はぐったりしていて……そんなお母さんに甘えて、迷惑を掛ける訳にはいかなかったんだ……」

 

先生は静かに聞いてくれている。どんな表情をしているんだろう……

 

「保育園を卒業した位に、「このままではハヤトに苦労を掛けるから」って言って、実家に帰ることになって……小学校は、近いからって理由で実家のある地元の所に通うことになってね。今思えば、家から車で30分以上かかる場所に通うのって大変だよね」

「小学生になってからは周りは知らない人だらけで、自分以外の同級生はみんな、近くの幼稚園からの入学だったから既にグループができていて、凄い疎外感があってね……けど、今まで大変だったお母さんに余計な心配を掛けたくなくて黙ってたんだ。それからは昨日先生に話したようなことになったよ……」

「お母さんを頼りたくても、甘えたくてもね、分からなかったんだ……物心ついた時から迷惑を掛けないように……これ以上負担になりたくないからって、甘えなかったから……辛いことがうまく伝わらなかった時にどうしたら伝えられるのかが……」

「だから、今まで誰かにこうして甘えることができなくて……ふふっ……先生は不思議だね、今まで誰にも話せなかったことをこんなに簡単に、昨日初めて会った人に話しちゃうんだもん」

「今は、安心できる大人の先生がいるからね。今まで甘えられなかった分、先生に甘えちゃおうかな。どうかな、先生?」

 

先生が頭を撫でながら優しい声色で話す

 

"……いっぱい甘えていいよ、頼ってもいいと言ったのは私だからね、勇気を出して話してくれて嬉しいよ。それに……物心つく頃から君の歳位の子なんて、甘えるのが普通なんだよ?我慢しないでいいからね"

 

先生の言葉に涙が出てくる

 

「ありがとう、先生……」

 

その後、お風呂から上がって先生が用意してくれたシャーレの制服に着替え、下の階にあるエンジェル24で朝食を買って食べた後にミレニアムへ向かった

 




はい、本編で名前が決まりましたね。このシーンの為にアンケートの期限を1週間にしました
その間に最終編を最後まで読んで、今後の大まかなシナリオと設定を、エデン条約4章までと最終編分を一旦固めました。パヴァーヌ2章は少ししか決まっていません
書き溜めている分は3日に1回のペースで投稿していきます
ストックがなくなったら不定期更新になると思います

オリ主の名前

  • 天童 ハヤト
  • 天童 ???(感想からチョイス)
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