死んだと思ったらロボットになっていた   作:モハト

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今回はいつもより長くなりました
これで書き溜めがなくなったので、次回以降は不定期更新になります
本編完結まで書いてから投稿した方が良かったかなー、とちょっと後悔してます


6話

ーハヤトsibeー

 

エンジニア部を出てゲーム開発部の部室に帰る途中、ハヤトの学生証を作っていないという話になり、モモイが「用意してくるから先に帰ってて!」というのでミドリと先生の2人と一緒に帰ってきた

 

「はぁ……お姉ちゃん、絶対アリスの時と同じ方法で作る気だ……」

 

「何か駄目な方法でも使うんです?」

 

「ミレニアムには【ヴェリタス】っていうハッカー集団があるんだけど、多分そこに……」

 

「あぁ……なるほどです……」

 

ガチャ

 

「ハヤト!できたよ!」

 

「はやっ!お姉ちゃん、走ってきたでしょ……」

 

「はい、学生証!」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「さてっ、もう廃部の危機は免れたんだし、安心してゲーム三昧できるね!」

「じゃあアリス、今日はレイドに行こう!準備できてる?」

 

「攻略法は把握しました。レイド専用装備も獲得済。【初心者歓迎/「燃える森」へ遠征/4人/ヒーラー、遠距離アタッカー募集】で告知。あっ、【Perorochan32さんが合流しました】」

 

「ちょ、ちょっと気を緩めるには早くない!?」

「ユウカにはもう言ったの?部員が5人になったから、部の資格要件を備えたって」

 

「もっちろん。それで今日の午後に、アリスとハヤトの資格審査にくるって……あっ、アリス!それブレスの予備動作!危ない!」

 

「危険を察知、バリアの魔法を展開します!」

 

「今は現実の方が危険だよ!資格審査って何!?そんなの初めて聞いたんだけど!?」

「その【資格審査】に、私たちの部の存続がかかっているのに……呑気にレイドバトルしてる場合じゃないでしょ!?」

 

(えぇ……午後の資格審査の結果によって部の存続が決まるのに、何でこんなに余裕なの?もう準備終わってるのか?)

 

「心配し過ぎだって、アリスの準備についてはもう完璧なんだし」

 

「え、そうなの?」

 

「アリス、自己紹介を!」

 

「私の名前はアリス・ザ・ブルーアイ、ドワーフ族の槍騎士。使用武器はガンランス【火竜の牙】、出身地は鋼鉄山脈。幼い頃、魔族の襲撃によって家族を失って、燃え上がる鉱山の中へと単身入り込み……」

 

(呆然)

 

「いやゲーム内アバターのプロフィールじゃなくて、アリス自身の!」

 

「あ、理解しました」

「私の名前はアリス、ミレニアムサイエンススクールの一年生。最近転校してきたばかりで受講申請のタイミングを逃してしまったため、まだ授業の登録ができていない状態なのですが、来月から正式に授業へ参加する予定です」

「授業にはまだ参加できなくても、部活動への参加は可能とのことでしたので、ゲーム開発部に入部しました」

 

「あ、結構それっぽい」

 

「ゲーム開発部で担っている役割は、タンク兼光属性のアタッカー……」

 

「違う違う、役割はプログラマー!」

 

「ぷ、プログラマーです!生まれた時から、母国語よりも先にJabaを使っていまして……」

 

「ううっ、本当に大丈夫かな……!?」

 

”ぼ、ボロが出なければ何とか……”

 

「先生とシャーレに行く前よりは良くなっていますよ……」

 

不安な気持ちのまま午後になり、ユウカ先輩がやってくる

 

 

──────────

 

 

「……あり得ないわ」

「1人は仮とは言え、ゲーム開発部に新入生が2人も入ったなんて、あり得ない……!」

 

「残念だけど、事実だよ!」

 

ユウカ先輩は信じられないようだ

 

(そんなに信用ないの?この部活)

 

「あなた達が噂の双子のアリスちゃんとハヤトちゃんね。ゲーム開発部に入った4人目と5人目のメンバー」

「ふーん、ミレニアムの生徒ならほぼ全員把握してると思ってたけど……」

「私がこんなに可愛い子のことを知らなかったなんて、ちょっと信じられないわね」

 

「……???……よ、妖怪が出現しました……!」

 

「アリスお姉ちゃん!?何言ってるの!?」

 

アリスお姉ちゃんが余りにも失礼なことを言った為、驚いて大きな声を出してしまう

 

「い、今この子、私のことを【妖怪】って言ったわよね!?」

 

「か、勘違いだよ!【妖精】って言ったのを聞き間違えたんでしょ、もう、アリスは嘘がつけないんだからー」

 

「くっ、悪役には慣れているとは言え、まさか初めて会う子に妖怪扱いされるだなんて」

「いい度胸してるじゃない……!」

 

「お、落ち着いて!生徒会が個人的な感情を挟んじゃダメでしょ!?」

「とにかく、部の規定人数は満たしたよ!これでゲーム開発部は存続ってことでOKだよね?」

 

「存続……確かにそうね……この子達が本当に、自分の意志でここに来た部員だったら、の話だけど」

「本来は部員の加入を申告すれば、それだけで良かったのだけれど……」

「最近は部活の運営規則も少し変わって、もう少し厳しく確認する必要が出てきたの」

「だから、アリスちゃんとハヤトちゃんに簡単な取り調べ……あら、思ってもない言葉が……」

「じゃあ、2人にいくつか簡単な質問をするわね」

 

「思いっきり本音が出てた気がする……」

 

「そんなに時間はかからないわ」

 

アリスお姉ちゃんから生唾を飲み込む音が聞こえる

 

「せ、選択肢によっては、バッドエンドになることもありますか?」

 

「バッドエンド……まあ、そういうこともあるかもね。それじゃあ……アリスちゃんとハヤトちゃん」

「質問を、始めるわ」

「……アリスちゃん。もしゲーム開発部に脅されて仕方なくこの場にいるのなら、左目で瞬きをして(ボソッ)」

 

「「……?」」

 

(この距離だと普通にみんなに聞こえてるでしょ……個室とかで聞くものじゃないの?)

 

「ちょっと、最初から何その質問!?小声で言っても聞こえてるから!っていうかそんなことしないって!!」

「ほら見て、このまぶしい学生証を!ミレニアムの生徒だっていうまごうことなき証明!」

 

「ふーん……確かに、生徒名簿にアリスちゃんとハヤトちゃんが登録されていることも確認したけれど……」

「私は、そんな簡単に騙される女じゃないわ」

「さて、それじゃあ取り調べを再開しましょうか」

 

「もう隠すつもりもないじゃん……」

 

「アリスちゃん、あなたがゲーム開発部に来たきっかけは何?」

 

「気が付いた時はすでにここに、ではなく……」

 

モモイがアリスお姉ちゃんを睨みつけている

 

「モモイ、何でそんなにアリスちゃんを睨んでいるわけ?やめてあげなさい」

 

「えっと、【魔王城ドラキュラ】がやりたくなって……それで、ゲーム開発部の存在を知って……」

 

「ふーん……そうなの」

「ハヤトちゃんのきっかけは何?」

 

ミレニアムの生徒ならほぼ全員把握している、という明らかに優秀なユウカ先輩の質問に対して、廃墟で目覚めた事などの話がややこしくなりそうなものは触れずに、求められていることだけを返答することにした

 

「僕はアリスお姉ちゃんと一緒にミレニアムに転校してきたのですが、ミレニアムのことについてはあまり詳しくないです」

「なので、一旦お姉ちゃんと同じ部活に仮入部させてもらい、ミレニアムやシャーレでの活動を通じて様々な部活を知っていきたいんです」

「そして、お姉ちゃんと離れてでも入りたい部活があれば、その時はその部活に入部したいと思っています」

 

「ハヤトちゃんがよく考えて仮入部したのは分かったわ」

「でもここはレトロゲーム部じゃない、あくまでもゲーム開発部」

「つまり、あなた達もゲーム作りに参加するということよね?ハヤトちゃんは何を担当するの?」

 

「僕は現時点ではゲーム開発に有用なスキルを持っていないので、しばらくはゲームテスターを担当することになるでしょう」

「人手が足りない担当があり、必要であれば勉強して、最終的にはその担当をしようと思っています」

 

「本当によく考えているのね……モモイ達はハヤトちゃんを見習ってほしいわ」

「アリスちゃんは何を担当するの?」

 

しっかりとした受け答えができたと安心しているとアリスお姉ちゃんがボロを出してしまう

 

「タンク兼光属性アタッカー……」

 

「えっ?」

 

(絶対怪しまれてる……)

 

「じゃなくて、えっと、ぷ、ぷ、ぷ……プログラマラスです!」

 

「……はい?プログラマー、じゃなくて?」

 

「あ、はい。そうです、その通りです。間違いなく私は完璧なプログラマーです」

 

「プログラマーね……すごく難しい役割だと聞くけれど」

 

「はい、そ、そうです。ぷ、プログラマーは大変です。たまに過労で、意識を失ったりします」

 

(怪しすぎるよお姉ちゃん……)

 

「な、なんですって!?」

 

「それでも大丈夫です!」

 

「いや、大丈夫じゃないでしょ……ちゃんと休みなさいよ……」

 

「宿屋で寝て起きるか、聖堂にお金を払えば、仲間たちと一緒に復活できます!」

 

(唖然)

 

「そっ、そんなわけないでしょ!?」

 

「そんなわけないのですか……?常識のはずですが……もしかして、【英雄神話】や【聖槍伝説】をご存じないのですか?」

「本当に【神ゲー】ですよ」

 

僕は頭を抱えた。もう擁護のしようがないレベルのおかしな人である

 

「……終わった、全てが……」

 

「……ありがとう、分かったわ」

「短い時間だったけれど、アリスちゃん。あなたのことについては概ね理解できた」

「ちょっと怪しいところはあるけれど……」

「ゲームが好きだってこと。それに、新しい世界を冒険したり、仲間と一緒に何かをやり遂げるストーリーが好きなんだってことは、十分に伝わってきた……」

「そんなあなたがゲーム開発部の部員だというのは、何も不思議なことじゃないわ」

 

「え……?」

 

「っていうことは!?」

 

「規定人数を満たしているので、ゲーム開発部をあらためて正式な部活として認定……部としての存続を承認します」

 

「やったぁ!」

 

「良かったぁっ!」

 

「そ、そしたら部費も貰えるし、このまま部室を使っててもいいんだよね!?」

 

「ええ、もちろんよ」

「【今学期】までは……ね」

 

(ん?)

 

「わーぃ……え?」

 

「な、な、なんで!?」

 

「どうして!規定人数も満たしたのに!?」

 

「あら、知らなかったのかしら」

「今は部活の規定人数を満たすだけじゃなく、同時に部としての成果を証明しないといけないの」

「もちろん、最近急に変わった案件だから、猶予期間はあるけれど……」

「その期間は今月末まで。今月中に結果を出さなければ、あなたたちの部はたとえ4人いても400人いても、廃部になるのよ」

 

「嘘だ、あり得ない!」

 

「あり得るの!この間、全体の部長会議でちゃんと説明した内容なんだから」

「ただ、あなたたちの部長、ユズはそこには参加してなかったけれど」

 

「「!?」」

 

「つまり、あなたたちの責任よ」

 

「くっ……卑怯者め!」

 

「【鬼】とかならまだ分かるけど、規則通りに事を運ぶことの何が【卑怯】なのよ……」

「正直なところアリスちゃんとハヤトちゃんの正体も怪しいし、本当なら今日すぐに退去を要請しようかとも思っていたのだけれど……」

 

「!?」

 

「……正体はさておき、アリスちゃんのゲームが好きっていう純粋な気持ちは本物だと思った」

「猶予を与えたのは、その気持ちに相応しい成果がきちんと出せることを期待しているからよ」

「モモイ、あなた言ったわよね?ミレニアムプライスで、びっくりするぐらいの結果を出して見せるって」

 

「そ、それはそうだけど……」

 

「新しいメンバーも増えたことだし、前よりもちゃんと面白いゲームが作れるんでしょうね?」

「それじゃあ、楽しみにしてるわよ。じゃあね~」

 

「ちょっ、待って!詐欺師っ、杓子定規っ、もおぉぉぉぉっ!」

 

(流石に怪しかったか……けど言ってたことはその通りだし、かなりの温情をかけてくれたな)

 

「行っちゃった……」

「うーん……」

「結果的にまだゲーム開発部は存続の危機……ってことだよね」

 

「でもこんなの、どう考えても詐欺だよ!謀略だよ!!」

 

「……ごめん。わたしが、部長会議に参加できなかったせいで……」

 

「ゆ、ユズちゃんのせいじゃないよ!こういう場合って、お姉ちゃんが代わりに参加することにしてたはずでしょ?」

 

「……仕方なかったの。だってその時は、アイテムドロップ率2倍のキャンペーン中で……」

 

(そんな重要なことをゲームのイベントだからってパスしちゃダメでしょ……何してんのモモイ先輩)

 

「やっぱりお姉ちゃんのせいじゃんっ!今すぐそのゲーム消して!」

「……とにかく、もうやるべきことは一つ」

「ミレニアムプライスで受賞できるような、すごいゲームを作ること」

 

「ってことは、結局G.Bibleが必要なんじゃん!またあの廃墟に行くの!?やだぁ!!」

 

「……責任、取らないと(ボソッ)」

 

「え、ユズちゃん?」

 

「G.Bibleを探しに、また廃墟に行くなら……わたしも、一緒に行く」

 

「え、え!?嘘!?」

 

「ユズちゃん、もう半年間近く校舎の外に出てないのに。授業もインターネット受講だけだし……」

 

「元々は、わたしのせい……だから。それに、この部室は……もうわたしだけのものじゃない……一緒に、守りたいの」

 

「ユズちゃん……」

 

「パンパカパーン、ユズがパーティに参加しました」

 

「……うん、よし!やるしかない、行こう!」

 

「アリスちゃんとハヤトちゃんも、武器とか装備持って!」

 

「アイテムを選択、【光の剣:スーパーノヴァ】を装備しました」

 

「よし、行こっか!今度こそ、G.Bibleを手に入れるために!」

 

「……うん!みんなで、部室を守ろう!」

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