私は頑張った。頑張ったんだ……!(意味深)
更新遅れてる理由は活動報告で。
そして先週から土曜休みというものが来月末まで消滅したので、更新に支障が出る可能性があります()
初夜。それは多くの作品で結婚したその日の夜にする夫婦の愛の営みのことを言う。
正直に言うと私はそのことが頭から抜けていた。まだ時間はあるだろうと。原作でビアンカと主人公がアルカパで楽しんだのが初めてなら余裕があるだろうと。
まさか身内に退路を塞がれるとは……ッ!!
まさかフローラがノリノリだったのが信じられない。穢れを知らないお嬢様じゃなかったの?!
いや、確かにそういう知識は前世の漫画や動画で得たものはあるけど!家の教育の過程で性教育もあったけど!!
とりあえず別荘のバスルームにアベルを突っ込んで時間稼ぎはしてある。
新婚なら一緒に入る、という選択肢もあったが私の心の準備が出来ていない。
結婚と性行為の覚悟は別物なのだ。
なにせ私の前世は男。心は結婚を機に女であることを選んでも、身体の方はまだ……。
「デボラ、先にお風呂ありがとう」
アアアアアッ!タイムリミットが近づいてる!
振り返れば入浴を終えたアベルの姿が──。
風呂上がりだからか身体にまだ水滴が付いているが、それがアベルの肉体を引き立てているというかかっこいいというか……トレードマークのターバンも外していて、普段とは違うかっこよさが──。
「デボラ?」
「……え? あ、ジッと見て悪かったわね」
やばい、アベルがかっこいい。つらい。
「じゃ、じゃあ私も入ってくるから……」
とりあえず、覚悟を決める時間が欲しい。こればっかりはそう簡単に決心つくものではないのだ。
「ところでデボラ」
「なに? どうかしたの?」
「いや、フローラさんから『入浴を終えたらベッドで待ってあげてください』って言われたんだけど……何かあるのかい?」
フ、フローラァァァァッ!?
クソッ!まさか妹が最大の敵になろうとは……この感じだと多分明日の朝にでもちゃんと初夜を過ごしたのか聞きにくるぞ……。
フローラがまさかそんなむっつりだとは……。
「デボラ?固まってるみたいだけど、どうしたんだい?」
……これはもう、仕方ない。
あれこれ言い訳をして、先延ばしにしようと思っていたが、撤回する。
逆の考えでいこう。
「……アベル。結婚した夫婦が最初の夜にすることを知ってる?」
「えっと……ヘンリーが確か、愛を確かめ合うって……」
あのクソ王子め。余計なことを……と思ったが、逆に好都合だ。
「そう。 愛を確かめ合う……間違いではないわね。
でもね、もっと簡単に何をするか教えてあげる」
風呂上がりのアベルの耳元で囁く様に言った。
「……えっちなことをするの」
するとバッと私を見て顔を赤くしていく。
この感じ、もしかして何かヘンリーに吹き込まれたのかしら?
「えっ、えっちな、こと?」
「そうよ。だから──ベッドに座って待ってて」
そう言い残して、私はバスルームへ向かった。
退路は自分で絶った。今夜、私は心身共に女になることを誓った。
いずれ私から生まれるであろう、双子のために、アベルのために。
☆☆☆☆☆
入浴を終えた私は裸体にバスタオル一枚という姿でベッドルームへと向かう。
下着は敢えて着けていない。その方が覚悟を決められる。
ベッドルームに行けばアベルが緊張した様子でベッドに座っていた。
部屋に入った私を見てアベルは少し驚いていた。
今の私はいつものヘアースタイルではなく、髪を下ろしている。余談ではあるが、髪を下ろした後ろ姿だけなら私とフローラはそっくりらしい。
「……あまりジロジロ見られると恥ずかしいんだけど?」
「あ……すいません」
顔が真っ赤になるアベルは免疫がないからかとても可愛く見えてくる。
そんなアベルの横へと腰掛ける。その距離は肩で触れられるぐらいの近さだ。
「アベルはさ……こういうこと、初めて?」
もしかすると、オラクルベリーにそういう店があったかもしれない。
ドラクエ恒例のぱふぱふイベントは……ラインハットだった気がするけど、あの町ならカジノもあるし、そういう店があってもおかしくない。
何故ならサラボナの町も原作で知るサラボナより広く、知らない店があったりしたからだ。やはりゲームと現実は違う、というわけか。
「そう……ですね、ヘンリーに色々教えてもらったぐらいで。
正直、こういうことについては全然知らな──」
全てにおいて未経験なのが分かった時点で私はアベルの口を私の唇で塞いだ。要はキスをした。
「二度目のキス、ね。このキスはね、愛を確かめるためのキスなの。
それでこれが──」
今度は前世の知識を頼りに深いキスをする。突然のことにアベルが私から逃げようとするが、これは私が覚悟を決めるための行為でもあるので逃しはしない。頭を掴んでそのまま蹂躙する。
「はぁ…はぁ…これが、もっと深く愛するためのキス。ディープキスって言うのよ」
アベルの股を見ればアベルの息子が大きくなっているのが分かる。
そうしてアベルから主導権を奪い、翻弄し──
「私がアベルを男にしてあげる。だから──アベルが私を女にして」
決定的なことを言葉に出して伝え──私は名実ともにアベルの女になった。
☆☆☆☆☆
朝になった。目を覚ますと目の前にアベルがいる。
互いの姿を見れば変わらず裸だった。
少し遅れてアベルも目を覚ました。そして、私と自分の姿を見て顔が赤くなっていた。
「おはようアベル」
「お、おはようデボラ……。 その、昨日の夜は……」
「どうだった?」
互いにまだベッドに横になっていて、私が抱きしめる様に眠っていたから顔が近いところにある。
そしてアベルを逃さない様、昨日の夜の感想を聞き出す。
「その……すごく良かった……あんなに気持ちよかったのは生まれて初めて……」
「そう」
柔らかく微笑む。 ああ、私はちゃんと女性として、妻としての役目を果たせた。
「そのまま寝ちゃったから、まずはシャワーを浴びるわよ。
アベルも来なさい」
「えっ!?で、でも……」
「私たちは夫婦なんだから、これぐらいは普通よ」
「ふ、ふつう?」
「そう。 仲睦まじい夫婦はこういうものらしいわよ。
それとも……私と一緒に入るのは嫌、かしら?」
悪戯っぽく聞けばアベルは即座に「そ、そんなことはないよ!」と答えた。反応が可愛い。 その息子は可愛くはなかったが。
「なら早くして。 アベルも洗ってあげるから」
そう言ってアベルとバスルームへと入る。
だが、その前にひとつだけ言っておかなければ。
「言っておくけど、朝はえっちなことはしないわよ」
「……ッ! も、もちろんだよ!」
ちょっと期待してたのかもしれない。可哀想なことをしたかもしれないけど、そういうことをする時間はまだまだある。
だから朝ぐらいは我慢して欲しい。
☆☆☆☆☆
そうしてシャワーを終えて、食事を終え、化粧を始める。
今まで教えられてはいたが、率先してやらなかった化粧だが、これからはアベルのためにちゃんとすることにした。
それと……
「アベルは下ろした髪といつものセットした髪、どっちが好き?」
「どっちって……下ろした姿も好きだよ。 でも、その下ろした姿は……その、僕だけのものにしたい」
どうやら、アベルは下ろした髪型の方が好きらしい。しかもそれを独占したいと。何とお可愛いこと。
「なら、髪型のセット手伝ってくれない? 一人だとちょっと大変なのよ」
そう言ってアベルにセットを手伝わせる。
女の準備は時間がかかる、というのを今世で実感することになるとは思わなかったが、これからは慣れていかないといけない。
何故なら私デボラはアベルの女、妻なのだから。
「アベル、これからは毎朝私と早起きして髪のセットを手伝ってくれる?」
「もちろんだよ、デボラ。 だって僕らは家族じゃないか」
そう言ったアベルは、いつもよりもかっこよく見えた。
結婚式編終わらんかった……!
次回で結婚式編は終わる!多分!
R-18版も上げてるので、18歳以上の方はそちらも良ければご覧ください。
ちなみにアベル視点は予想より長くなりそうなので、まとめてどこかで投稿します。
感想、高評価よろしくお願いします!