天空の花嫁の姉って?   作:ざいざる嬢

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こちらは今年初の更新ですね。
明けましておめでとうございました(激遅)

こっちもチラホラ更新していきますので、よろしくお願いします。


カジノ船

 

 

「また来たわね、カジノ船。前は結婚式して帰るだけだったけど、折角だから今回は物資の補給がてら少し遊んでいきましょう」

 

 カジノ船──文字通り、船一隻を丸々カジノとして運営している豪華客船。世界中から一攫千金を夢見て観光客が集まる場所でもあるわ。

 そんなカジノ船で結婚式を挙げてから、それなりに月日は流れたけれど、あの結婚式と初夜のことは昨日のことの様に思い出せるのはそれだけ印象に残っているってことかしら?まあ当然よね。一生に一度と言っても過言ではないイベントだったのだから。

 

 ただ、前回は式を挙げただけで終わってしまったから、カジノ船本来の楽しみを味わえていなかったから、折角のこの機会に思い切り楽しんでしまおう、と思ったわけよ。

 この後向かう予定のテルパドールは砂漠にある国。砂漠故に水は必須と言えるから、出来るだけここで用意しておけば水不足に陥ることはないでしょ。

 

「そういえばアベルはオラクルベリーでカジノは体験済みかしら?」

 

「あ〜、そうだね。 一応俺もスロットは回したことがあるかな?ヘンリーに代わって」

 

「ん?ヘンリー王子と一緒にじゃなくて?」

 

「ああ、俺はあまりこういう場には詳しくなかったからヘンリーが『この金を元手にして増やしてきてやる!待ってろアベル!』ってカジノへ向かったんだ」

 

 ……なんだろう。ヘンリー王子ってバカなのかしら?完全にフラグ立ってるじゃない。

 いや、まあ奴隷生活から脱した開放感から遊びたくなる気持ちは分からなくもないけれど、全額ぶっ込みは如何なものかと……。

 

「それで帰りが遅いから迎えに行ったらカジノ前で崩れ落ちるヘンリーがいて……その手には数枚のコインが握られていたんだ」

 

 フラグ回収までが早いのよ()

 いくら使ったか知らないけど、絶対ギャンブルをしちゃいけないタイプの人間よね。

 

「途中までは勝ってたって言ってたかな?でも次第にスロットにコインが消えて、最後にモンスター格闘場で逆転に賭けたんだけど……」

 

「負けたのね。アベル、悪いことは言わないからヘンリー王子とは縁を切るべきよ」

 

「ま、待って!俺はもう気にしてないから!それからカジノにも行かなくなったし!」

 

「行かなくなった?どういうこと?」

 

「いや、ヘンリーが泣きながら謝ってくるから俺が敵討ちしないとと思って1コインスロットに挑んで──そこから10コイン、100コインとトントン拍子に増えていって──最終的に7を揃えて大勝ちして、それを元手にモンスター格闘場で賭けをして失った分は取り戻したんだ」

 

「そうなのね。意外とアベルも賭け事が強かったりするのかしら?」

 

 リアルラックは言ってはなんだけど低そうだけどね。

 波瀾万丈の人生を過ごしているわけだし……。

 

「いや、スロットは回転する目を選んでボタンを押せば必ず当たるから──」

 

「あら、私と同じことをしているのね」

 

「そうなの? ……あ、ルドマンさんが言ってたのってそれか!」

 

 スロットは私も得意よ。原作と違って目押し出来るからポンポン当たりを出せるから。

 だから、残念なことに私はカジノ船ではブラックリストに載っている。スロットに限り、だけど。パパにも止められたしスロットは断念せざるを得ないわね。

 

「私と同じことが出来るなら、まあ負けも取り返せるのかもしれないわね」

 

「そうだったね。でもスロットよりもモンスター格闘場の方が楽しかったかな?」

 

「あら、そうなの?」

 

「モンスター格闘場に出場しているモンスターって賭ける前に一応姿が見えるから、そこからコンディションを判断して賭けたら当たったんだ。

 勿論、絶対ってわけじゃなかったけど、白熱する戦いは見応えがあって勝てなくても楽しかったよ」

 

 割と格闘場は楽しめていたらしいわね。

 まあ、戦う者としても、モンスター使いとしても楽しめるから普通のギャンブルよりも楽しめたって感じかしら。

 

「残念だけど格闘場はカジノ船には無いわね。でもアレなら──」

 

 

 

 そう言って着いたのはスライムレース会場。

 そんなに稼げるものではないけれど、楽しむには十分な遊戯場ね。

 

「スライムレースか……オラクルベリーにもあったけど、カジノ船ともなると規模が違うね!」

 

「そうね。 ああ、折角だしアベルも賭ける側じゃなくて選手として参加してみる?」

 

「選手として?いや、これはスライムのレースだし……」

 

「そうじゃないわ。メタリンのオーナーとして参加しないかってことよ」

 

 この提案にきょとんとしていたアベルだったけど、しばらくすると乗り気になったのか意気揚々とメタリンと一緒に参加しに行ったわ。

 まあ、メタルスライムのメタリンなら圧勝……だと思ったのだけど、現実はそう上手くはいかなかったわ。

 

「ああ、メタリン!」

 

「メタルスライムってみのまもり、素早さは文句なしだけど……HP(体力)は少ないのを失念してたわね」

 

 スライムレース側もそれを把握していたのか、メタルスライムは長距離レースのみの参加になっていたわ。短距離なら圧勝出来るからって。

 長距離レースもメタルスライムでは優勝出来ないというラインでないのが絶妙よね。ペース配分次第では十分優勝も狙えるけど……参加している他のスライム次第でもあるわね。

 

「どうせならピエールの乗ってるスライムも参加してみる?」

 

「ややっ!?デボラ殿、それはご勘弁を!私とこいつは一心同体ゆえ、一定距離以上は離れられぬのです!」

 

 スライムナイトってそんな生態だったのね……知らなかったわ。

 

 まあ、アベルもスライムレースを楽しんでしばらくしてから、カジノ船の方ですごろく場やカードで遊んで、楽しい時間を過ごしたわ。

 ただ、ひとつ気になったのが……アベルが船内で働いているバニーガールに見惚れてるってことよね。

 いや、まあバニーの衣装はいいのだけどね?私も前世でバニーは大好きだったし、なんなら逆も好きだったわ。

 でも私という女がいながら他の女にうつつを抜かすというのは、思った以上に嫌なものね。これも女になったから芽生えた感情なのかしら?

 

 そんなことを考えながら、夕食を終えて今夜はバーのラウンジで飲むのもいいかなって考えていると……。

 

「今夜、デボラさえ良ければ……どうだい?」

 

 アベルから夜のお誘いが来た。

 ちょっと思うところはあるけど、それはいいわ。

 こうして平和な時間を送れる期間もそんな長くはないし、夫婦の時間を目一杯楽しんだ方がいいものね。

 

 それなら!と思った私はカジノ船の支配人にとある物を用意させた。

 これでアベルが喜ばないわけないわね。

 後は……ちょっとアベルに意地悪しちゃおうかしら、ね。

 

 アベルにシャワーを済ませて待っておくように伝えて、私もシャワーを浴びてから用意された衣装を着て、部屋へと向かった。

 

 

 





ここから先はR-18になります。
次回はテルパドールの予定です。R-18も予定しています。

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