天空の花嫁の姉って?   作:ざいざる嬢

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なんと一年振りですね。
こちらも少しずつ更新していくので、改めてよろしくお願いします。

近日中にもう一話と……R-18も更新できればなと思ってます。




テルパドールへ

 

 

 

 カジノ船でそれなりの期間楽しんだ私たちは、諸々の準備を済ませテルパドールへと向かっていた。

 原作ではカジノ船から南へと帆を進めるだけで1日も掛からずテルパドールへと辿り着けたけど、現実ではそうもいかない。

 世界地図を見れば分かる通り、カジノ船からテルパドールまでは結構な距離がある。

 その間にはいずれアベルたちが辿り着くセントベレス山脈──光の教団の大神殿があって、その大陸を素通りする形で南へと進路を進めていかないといけない。

 船長たちの話によれば大体1週間は船の上で過ごすことになるみたい。

 加えて、テルパドールへと辿り着くには砂漠を越えないといけない。砂漠の旅は大変なものになるでしょうね。水は貴重で、日中は陽の光と照り返す砂漠の暑さが敵になるし、夜は夜で冷え込み寒暖差で体調を崩してしまうこともある……って前世の漫画で解説していたわね。

 加えて言えば魔物も襲いかかってくるのが厄介ね。

 

 だからカジノ船で出来る限りの準備はしてあるわ。こういう時、パパの存在が大きく感じるわね。言えば必要なものを一通り揃えてくれたもの。

 後は一週間船の上で過ごすだけ……というのは大きな間違い。

 ドラクエをプレイしたことがある人なら当然知っているだろうけど、遭遇率は比較的低いものの海にも魔物は当然現れる。海域によっては結構強力な魔物もいる。

 原作ではそのまま戦っていたけれど、現実では船にもいくらか武装してあって乗組員全員で一体になって対処することがほとんどだったわ。

 甲板に来た魔物は私たちが率先して戦って、海上に現れた魔物は船にある大砲で攻撃しながら、アベルやピエールが魔法で迎撃する形で乗り越えられた。

 

 

 それから一週間、私たちは少し慣れた船上生活を終えてテルパドールのある南の砂漠へと辿り着いたわ。

 原作にはなかった船着き場があったのには驚かされたわね。まあ、これもゲームと現実の差異ってやつなのかしらね。

 

 早速テルパドールへと向かい、道中あまりの暑さにサイモンとメタリンがダウンしてしまったのは想定外だったわね。

 よくよく思えば『死の火山』では【ようがんげんじん】に集中砲火されたらしいから、熱や暑さが苦手なのかしらね?

 メタリンに関しては……あれかしら、メタル系だから熱の影響をもろに受けるとか?

 どちらにせよ、昼の砂漠ではあまり彼らの力を借りられないのは残念ね。

 

 と、いうわけでアベルを先頭にピエールと私、プックルに加え……

 

「わて、つめたいいきなら吐けるけどどうでっか?」

 

「ありがとう。気持ちだけもらっておくわ」

 

 今まで馬車にいたスミス(くさったしたい)が交代でパーティを組むことになった。

 いや、見た目が悪いだけでスミス自体は良い人、良い魔物なんだけどね……どうしても、見た目が苦手というか……。

 後、つめたいいきは普通にダメージになるからやめて頂戴ね?遠慮してるわけじゃなくて、本当に。

 

 なんてやり取りを繰り返すこと三日。

 道中、魔物の群れとの戦いこそあったものの、被害はなく私たちは無事にテルパドールへと到着した。

 

 此処もやはりというか原作以上に栄えている印象を感じるわね。

 原作だとお城といくつか店があってお終いだったけれど、ちゃんとした街並みが広がっているのを見ると、ゲームと現実の差を思い知らされるわ。

 

 さて、確かこのテルパドールはかつての天空の勇者の仲間が建国した国だったはず。だからこの国には『てんくうのかぶと』が祀られているって話。

 ポートセルミでは何故か勇者のお墓があるっていう風に間違って伝わっていたけど、もしかすると魔物から『てんくうのかぶと』を守るために偽の情報も蒔いていたのかも……なんてね。

 

 一先ず宿で体を休めて身綺麗にしてから、この国の女王であるアイシス様に謁見しようということで話はまとまった。

 とりあえず、ゲームのようにいきなり謁見できるとも限らないから、先に城の兵士に謁見したい旨を伝えてアポイントを取ることは忘れずに。パパからも習った商人としての交渉術ね。

 こうするだけで相手に与える印象が違うって言っていたから。

 そんなことをしているとアベルが不意に

 

「……デボラは本当にすごいね。俺はそんな事ちっとも思いつかなかったよ……」

 

 なんてことを言いだして少し落ち込んでいた。不甲斐ないとでも思わせてしまったかしら?

 正直、そんなことで落ち込まないでほしい。これに関しては私が特殊なだけだから!

 

「気にしないで。 一国の王に謁見するなんて機会そうそうあるわけじゃないし、なんならこういうのはこれから覚えていけばいいのよ。

 それに適材適所ってやつよ。足りないところはお互い支え合いましょ? だって私たちは家族(夫婦)なんだから」

 

「……そっか、家族(夫婦)だもんね。 ありがとうデボラ」

 

 その時のアベルはとても嬉しそうな顔をしていた。

 多分だけど前にも言った夫婦、家族といった関係を心から理解して、かつて失ったモノを再び感じられたから……嬉しくなったんじゃないかしら?

 アベルはきっと家族という愛に飢えている……なんてことを考えたりしたけど、アベルの人生を思い返せばそれも当然かと納得してしまう。

 

 ──だから、私が与えてあげる。アベルが欲しい全てを、私が。

 両親(パパスとマーサ)にはきっと劣るけれど、それに負けないぐらいの愛情をアベルに注いで、幸せにしてあげよう。

 これからも多くの苦難がこれから待ち受けているのを私は知っているけど──最後は笑いあって終われるハッピーエンドを目指して。

 

 

 






感想、高評価などが生き甲斐なので、是非ともよろしくお願いします。

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