そういえば密かにハーメルン用のXアカウント作ったので、よければフォローしてくださいな。
@xyzal_jou
「ようこそいらっしゃいました。 私がこの国の女王、アイシスです」
数日後、無事にこうしてテルパドールの女王アイシスとの謁見が叶ったわ。
原作と同じで玉座の間ではなく地下庭園での謁見になったのだけど……アベル。ひとつだけ言わせて?
……女王のお付きの女性をチラチラと見るのはやめなさい?
いや、前世が男だった私だからアベルの気持ちはとっっっってもよく解るわ。
原作でもそうだったけど、このテルパドールの玉座の間にいる女王お付きの侍女(?)の格好が結構過激なのよね。
言ってしまえば前作のマーニャみたいな……踊り子みたいな……煌びやかで扇情的といえばいいかしら?
男性陣は目のやり場に困る格好よね。踊り子ならまだしも、相手は侍女だから……。
アベルも気になってるのかチラチラと見てしまっているのが現状ね。
このままこの後の話に集中出来なくなったらいけないから……そうね。
「アベル」
「……あっ! デ、デボラ!違うんだ!!」
「違うって……何が?」
「えっと……いや、その……お、俺はデボラ一筋だから……」
必死に言い訳をするアベルは言い訳をする子供のようで可愛い。ほら、顔が真っ赤じゃない。
「……
「……!!?」
耳元でそう囁いてあげれば、静かに頷いたアベル。当然顔は真っ赤。
もしかすると【メガザルロック】よりも赤いんじゃないかしら。なんてね。
「アベル様は
「サイモン、シャラップ」
こういうのは揶揄っちゃいけないのよ!
え?私が揶揄ってるんじゃないかって?私は揶揄ってないわよ。
ちゃんと後で着てあげるもの。
「ふふっ。 御仲がよろしいようですね。
さて、伝説の勇者様のお墓を参りに来たということでよろしいでしょうか?」
「そ、そうです」
「いいでしょう。 あなたたちから何かしら感じるものがあります。 案内しましょう。私に着いて来てください」
アイシス女王の案内で勇者の墓へと案内されることになったのだけど……原作でも思ったのだけど、この女王様移動が速すぎじゃないかしら!?
それでいて一切足音を立てていないから恐ろしいのよね。王族としての優雅さとそれに見合わない俊敏さが両立しているというか……。
そんなくだらないことを考えながら私たちは勇者のお墓、という体である【てんくうのかぶと】が祀られている場所へとたどり着いた。
「あなたたちは勇者様の墓を参りにいらっしゃったとのことでしたが……実を言うとここでは勇者様をまつってはいますがお墓ではありません」
「そうなのですか?」
「はい。世界を救った後、勇者様がどこへ行かれたか誰も知らないのです。
しかし我が国には代々【てんくうのかぶと】が伝わってきました。
再び伝説の勇者様が現れれば、きっとこのかぶとを求めるはず。
その日が来るまでかぶとを守るため、ここを建てたのです。
……さあ、あなたたちもそのかぶとを被ってみてください」
アイシス女王がそう促すと、アベルが真剣な表情で【てんくうのかぶと】と向き合っていた。
きっとアベルはさっきの『何か感じるものがある』という言葉に微かな希望を持っているのかも。
【てんくうのけん】は抜けなかったけれど、かつての伝説の勇者の子孫がそう言うのなら……と。
後はこの場には【てんくうのよろい】を除く三つの勇者の武具が揃っているから、もしかしたら何かがあるかもしれないと色々な考えが巡っていると思う。
意を決してかぶとを手に取り被ってみるも……アベルには装備出来ないと感じたのか丁寧に外して元の場所へと戻した。
「では次は奥様も」
……こんな展開原作にはなかったけれど、私に装備出来ないのは分かっているし気は楽ね。
ただ、そのまま被るとヘアスタイルが乱れるので、結んだ髪を下ろしてから被ることに。
かぶとに手を伸ばしてまじまじと見れば【てんくうのたて】とは違った美しさというか歴史を感じるわね。
早速頭に被ってみるも特に変化もなく……
「かぶとが光っ……いえ、気のせい……?」
「いや、僕の目にも光ったように見えました……」
「へ?」
え?そんなことあるの?私勇者じゃないんだけど!?
一度外してからまた被りなおしたけど今度は反応なしだったみたい。
なんだろう……戦乙女とかいう肩書を持っていたからかしら……?
それとも、天空人の血を引いているからそれに反応してとか?
う~ん分からないわ!!(諦め)
「ダ、ダメでしたか。 あなたたちには何かしら感じたのですが……思い違いだったのでしょうか?
では戻ることにしましょう。ついて来てください」
原作よりも歯切れが悪い感想を残してアイシス女王は一足先に──例の如く凄まじい速さで行ってしまったわ。
とりあえず私たちは詳しい話をするためにアイシス女王を追いかけた。
てんくうのかぶと『お、これは勇者……いや、違うっぽいな。なんか近いけど違うわ』