天空の花嫁の姉って?   作:ざいざる嬢

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うおおおおおお!!!
連続投稿ガンバルゾー!!!
でも毎日更新はこれでお終いだー!!!
あ、大人版も更新しましたので大人の皆様はそちらもどうぞ。


下山

 チゾットの村に滞在して一週間が経った。

 長すぎるかもしれない。正直私も思った。 でもアベルがちゃんと治してからって言うから、思わず甘えてしまった結果が一週間だった。

 というのも、アベルも最近私の動きにキレがないのに気づいていたみたいで「高所で寒いところだけど、一度ここで体調を整えよう」という説得もあったのだ。

 愛する旦那様がそう言うんだから貞淑な妻である私は従わなければならない……言い訳はこれぐらいでいいかしら?

 

 あ、余談だけどサイモンは私とピエールの密告でアベルにかなり怒られてた。

 どこからか見つけてきた装備品の『さまようよろい』を取り出し「サイモンもこうなりたい?」と追い詰める姿は怖くも頼もしさを覚えたわ。

 流石のサイモンもこの脅しは堪えたみたいでしおらしくしていたわ。ちゃんと反省なさい?

 

 

 そんなこんなでいよいよ私たちはチゾットの村を出発することにした。

 ……と、その前に橋の上からの絶景を目に焼き付けようと思う。 こうして高い位置から目的地──グランバニアを見るというのはそう経験出来ることではないから。

 それに多分もうこの村には来ないし……。

 

「あれがグランバニアなんだって、村の人が教えてくれたんだ」

 

「思ったよりも大きなお城ね。 でも城下町が見えないわね?」

 

「それはお城の中に街があるからなんだって。 村の人が色々と教えてくれたよ」

 

「城の中に街か……そんな国見たことないわね」

 

 数多くの作品を見て、読んで、遊んだ私もグランバニアのように城の中に街があるという国は此処以外知らない。城の地下なら分かるんだけど、一階層に当たる部分が全部一般人が暮らす街で、二階が兵や大臣が暮らす場所で、それより上層が王の住まう区域だったわね。

 国民全員城の中に入りきるのかしら……というのは野暮よね。

 

「……何年も前、この橋の上からとある人物がずーっとあの城を眺めていたんだって。まるで二度と忘れないために目に焼き付けるように、ずっと。

 その人はあの国の王様で、この村にも名前と顔が知れ渡っていたんだ」

 

 それってもしかして……。

 

「……アベルのお父さん?」

 

「そうなんだ。 父さんもここで同じ景色を見ていたんだ」

 

 この一週間、私が倒れていたせいもあってアベルは私の看病をしながらも、そうした情報収集も欠かしていなかったみたいだ。

 なんだかアベルがそうした務めを果たしているのを見て、アベルが青年から大人になったんだと感じた。

 そうさせたのは環境の変化──結婚したことが影響しているのかしら。

 

「グランバニアまであと少し。険しい道だけど協力して乗り越えましょう」

 

「もちろんだよ。 ああ、でもお互い無理はしないようにね」

 

「アベルが倒れたら今度は私が支えてあげるから安心してちょうだい」

 

「ははは! それは頼もしいや!」

 

 そんな会話をして、私たちは洞窟へと進みチゾットの村に別れを告げた。

 

 

 

 このグランバニアへの洞窟は記憶によればかなり複雑な構造をしている。

 外に出て飛び降りたり、分かれ道があったり、はぐれメタルが出たり、階段を上り下りしたり……正直に言えば難所中の難所だと思う。

 

 Q.それが現実になったらどうだろうか?

 A.苦行

 

 洞窟は広く、山道に比べれば道も整備されているけど、それでも山道よりも険しい道だった。

 特に面倒だと感じたのは【ミニデーモン】。

 お前【ベビーサタン】じゃないのかよというツッコミは野暮ね。

 複数で現れてメラミやイオナズン(MP不足で不発)を使う悪魔系モンスターなのだけど、()()()()()()()()()。これが厄介だった。

 ゲームなら作戦が変えられる程度のもので、すぐさま作戦を変えれば済む程度のものだったけど、現実になると仲間の声で絶妙な嫌がらせをしてくる。

 例えばアベルが【ベロゴンロード】に攻撃した矢先に私の声で『アベル危ない!!』なんて声を出して集中力を削いだり、ピエールの声で『魔法を使います!下がって!』なんて言ってこっちの攻撃の手を止めたりと……慣れるまでが大変だった。

 なんなら戦闘中じゃなくても時折誰かの声を真似ているであろう声が聞こえる。

 私なんてアベルの声で『あ!はぐれメタルだ!!』なんて聞かせられたから思わず周りを見渡して探してしまったもの。とんでもない嘘吐いてくれたわね。キレた私はメタリンを思いっきり投げてぶつけるメタ・ストライクをそいつに叩き込んでやった。やつあたりではない、決して。

 でも世の中には吐いていい嘘と悪い嘘があるってことを覚えて欲しい。

 

 それからは【ミニデーモン】は見つけ次第率先して倒す方針で決まった。何度か危ない場面もあっただけに誰からの反論はなかった。

 

 そんな道中ではあったけど、残念ながら【はぐれメタル】に出会うことは叶わなかった……。

 まあ、元々出現率は低めだし仕方ないわよね。それに私たちもそんな余裕があるわけではないし。

 

 下山には大体5日かかった。

 登りよりも時間がかかったのはゲームなら飛び降りるだけで済んでいた場所も、現実になるとそうもいかなかったからだ。

 具体的にはやはりというか馬のパトリシアと馬車が影響していた。馬と馬車を高所から飛び降りさせるわけにはいかず、それにまだ出口までへの道のりも確かではない中で馬車で移動し続けるのは危険……という話になり、当初の予定通り一度パーティを探索組と待機組に分けて行動することになった。

 お陰でスムーズに探索は進んで、出口までのルートは確保できた。

 問題の馬車の落下移動に関してはアベルが頑張った。アベルのバギマで馬車全体を短時間浮かせて落下の衝撃を無くすという方法で。これは私も想定していなかった。

 アベル曰く「子供の頃バギが使えるようになって、この風に乗って空を飛べないかって考えたことがあったんだ。残念ながらそれは出来なかったけどこうして少しモノを浮かすことは出来るはずだよ」という発言から実行に移したというわけ。

 子供の頃の思い出を基に割とすごい移動手段を確立させたアベルを私は心から尊敬した。私じゃあとても思いつかなかったわ。

 

 MPが切れて疲れ切ったアベルを馬車へと押し込んで私たちはそのままマッピングした地図を頼りに駆け抜け──出口へと辿り着いた。

 

 ここまで来れば後は難所はない。グランバニアは目の前だ。

 

 




余談ですがここでの合体技メタ・ストライクの元ネタはDQⅠ外伝竜王バリバリ隊のゴールドマンがメタルスライムを矢のように撃ちだす技です。技名忘れちゃった上に本が十年以上前にどこか行ってしまい確認出来ず、元々のメタルスライムの技であるメタ・ストライクで名前を代用してます。

メタルキングの剣装備してるのにはぐれメタルに与えられるダメージが基本1ダメージかミスなのに納得いかなかったり。
ドラクエ4なら確定2ダメージじゃなかったっけ?あっちははぐれメタルだった気がするけど。
そう考えるとメタルキングの剣と謳いながらも実は素材にメタルキングは使われていないのでは?なんてw

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