天空の花嫁の姉って?   作:ざいざる嬢

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ジャミネタを書くかどうかで悩む今日この頃……。
いや、書いてもIFの話なんですけどね?でもなんかモヤッとするというか……。


グランバニア 大臣とドリス

「少々お転婆が過ぎるようですな」

 

「あら?そうかしら」

 

 突如アポイントを入れてきた大臣と私は対談している。

 グランバニアの大臣はこのドラゴンクエスト5という世界の青年期前半の最後の戦い──デモンズタワーのキッカケとなる人物だ。

 確かパパスがグランバニアを去ってから幅を利かせ始め、オジロンからその高い政治力を買われ全幅の信頼を得ているものの国民やサンチョからはあまり良く思われていないといった具合に人望はない。

  原作においてはアベルに王位を譲ろうとするオジロンの発言から、自分の地位を危うくするであろうアベルを排除するため『王の試練』を強要し、カンダタを雇いアベルの殺害を目論んで失敗。

 最後の手段として、戴冠式後の宴の酒に睡眠薬を混入し国全体を眠らせ魔物の侵入を手助けし、花嫁が連れ去られるという事件を引き起こす。

 ただ残念なことに大臣は魔物と上手く付き合ってやってきているつもりが、魔物からは用済みと判断され致命傷を受けアベルの前で懺悔しながら亡くなる……という結末を迎える。

 他にも宝物庫からモンスターチェスを持ち出し、兵士間で流行らせ仕事を疎かにするなんてこともしていた。 何をやっているんだコイツと思わずにはいられない。

 

 そんな幼少期のラインハットの太后レベルにやらかしている大臣が不機嫌な顔で私をジロジロと見ながら冒頭の発言をしたわけだった。

 

「兵士との交流、指導でしたか? ええ、許可は出しましたが些か越権行為が多く見受けられる。

 あれは指導ではなく訓練だ。そこまで許したつもりはありませんがな」

 

「あら、私は必要なことだと思ってやらせてるのだけど何か問題?」

 

「ええ、問題がありますね。先ほど申した越権行為です。 兵の訓練や管理などの軍務はオジロン王より大臣である私が受け持っております。オジロン王より請われたため交流や多少の指導には目を瞑るつもりでしたが、アレを見る限りもはやその域を逸脱していると判断した次第です。即刻取り止めるように願います」

 

 あーだこーだベラベラとよく口が回るおっさんね。

 要は兵士のあれこれは自分(大臣)の管轄だから余計なことをするなと言ってきているわけか。阿保らしい。

 

「へぇ、アナタが軍務を受け持っていたのね。 その割にはかなり弛んでいたんじゃない?

 あんなモンスターチェスにうつつを抜かして誰も彼も仕事に身が入らずに衰えていたわよ。あれじゃ国を守れないわ」

 

「それは貴女様が判断することではありません。 貴女様はアベル王子の妃であり、今の貴女様の仕事はその身に宿した王族の子を無事に産むことです。

 軍部に口出しなど……身重の夫人であり嫁いだ身である妃がやられることではありません」

 

 正論……を言っているのは分かるけど言い方が嫌味ったらしいというか私……いや、女を下に見ているわね。そういう視線をひしひしと感じるわ。

 まさかドラゴンクエスト(転生先)の世界で男尊女卑を身をもって体験することになるとは……。いやでも前世でもそういう思想の人はいただろうし、私が男だったから気づかなかっただけかも。

 

 話を戻すわ。 要するにこいつ(大臣)は私を目障りだと感じてきているから手を出すなと警告しに来ているわけだ。アベルは殺そうとしているのに私は警告で済ませるなんてお優しいことね。

 多分、アベル亡き後は生まれた子供たちを傀儡にして実権を握りたいんじゃないかしら。子供は正式な王族の血筋だし、思い通りに操れないアベルより御しやすいオジロンと何も知らない子供の方が扱いやすいものね。私は産んだ後はお払い箱か暗殺って感じで。

 やだ、ドラゴンクエストってこんなにドロドロした話だったかしら。

 

「そうね。 じゃあ、今後は遠慮させてもらうわ」

 

「ええ、そのようになさっていてください」

 

「でも──」

 

「む?」

 

「あんなにだらけ切った兵士たちを問題視しないなんて……政治家である大臣には少々荷が重いのではなくて?」

 

 これぐらいの嫌味は許されるわよね?向こうも言ってきたわけだし。

 

「……何を言うかと思えば内政を知らん小娘風情が偉そうに。 お前にこの国の何が分かるというのだ」

 

 あ、キレた。沸点低すぎない?

 

「今勉強中よ。 少なくともアナタの手腕は見事なものだってことは理解しているつもりだけど……物事を軽視しすぎるとその内痛い目を見るわよ」

 

「……フン、まあいいでしょう。 今後は大人しくしていることですな。お腹の子のためにも」

 

 そう言い捨てて大臣は去っていった。

 とりあえず、大臣とは敵対待ったなしね。面倒だわ。

 

 

 

 

「はぁ~」

 

「お疲れのようね」

 

「いや、逆よ。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()退()()()()()

 

「ああ……あの()()()()()()()()()()()()()()()

 

「そうなのよ。あの大臣ホント大人気ないわね」

 

 大臣との対談後、当てつけのように私がやっていた兵団への干渉は大臣の一声で禁止され、政務に関わる勉強の類も胎教に悪いのではと難癖付けられ中止。

 更には基本部屋からの外出を禁じられるという事実上の軟禁生活になってしまった。

 身重の状態でなければ余裕で抜け出せたものの、今の私ではこっそり抜け出すことも叶わず出来ることといえばこうしてオジロンの娘のドリスとお茶会をするぐらいしか出来ることがない。

 原作の未来を避けるための行動もどうにもならない。グランバニアで出来ることはこれぐらいで、後は宴の席でアベルに……難しいだろうけど差し出されるものは飲まないようにして私に会いに来てと言うしかないかしら。

 産んだ後にアベルが王の試練に挑んでくれれば、私もある程度出産の疲労からも回復しているだろうし、しばらくご無沙汰だったからアベルも喜んで来てくれるんじゃないかと思うけど……。

 

 肝心のアベルに頼ればいいとも思ったけど、最近は忙しいからか朝餉を一緒にして見送るのと夜一緒のベッドで眠るぐらいの接触しか出来ていない。

 結婚してからずっと一緒だっただけに離れた時間が多くなるにつれて不安になるのは妊娠による影響(マタニティブルー)か、それとも未来への不安か……。一体どちらなんだろうか。それとも両方なのだろうか。

 だから日中は日に日に大きくなっていくお腹の赤ちゃんの鼓動を感じるのとドリス相手におしゃべりをするぐらいしか暇をつぶせない。

 そういう意味では趣味嗜好が割と似通っているドリスと仲良くなれたのは幸運だったわ。

 

「まあ、デボラさんももうそれだけお腹が大きくなってるわけだし、産まれるまでは大人しくしておくべきじゃない?」

 

「その言い方だと産んだ後は大人しくしなくてもいいって聞こえるけど?」

 

「デボラさんは私と同じで大人しくできないでしょ。 ま、あの大臣とやり合うなら私も力を貸すわよ。前から気に入らなかったし、時折怪しいことしてるし叩けば何かしら出るでしょ」

 

「思いの外好戦的ね。 ドリス自身が大臣と何かあったわけ?」

 

「まあね。ウチの親父をどことなく下に見てるところと、私を軽視してるところ。後無駄に偉そうなところが嫌いね」

 

「スリーアウトじゃない」

 

 思ったよりドリスの大臣へのヘイトが高い件。

 原作でも大臣による騒動が起きた時真っ先に怪しいと言っていて、大臣が空を飛ぶところを見たという重要なヒントを与えてくれるだけあり、大臣のことをよく見ているみたい。

 

「そんなことよりもデボラさん、また冒険の話聞かせてくれない?」

 

「ええ勿論。 今度はどんな話が聞きたいの?」

 

「妖精に会ったって話を聞きたいわ! 妖精は子供じゃないと見えないって言うから、きっと幼い頃に会ったんでしょ?」

 

「ああ、そんな話もあったわね。いいわよ」

 

 あれは私とフローラが修道院から一度サラボナに帰った頃、フローラを連れてサラボナの川を渡った先にある森に探検に行ったのよね。

 その頃はそれほど魔物も見かけなくて迷いながら探検したわね。フローラは怖がっていたけど。

 その時偶然妖精に出会って少しの間妖精の村で遊んで帰ったわ。

 

「いいなぁ……私もそんな経験してみたかったわ」

 

「ドリスも聞くところだと城を抜け出したことがあるんでしょ? その時はどうだったの?」

 

「どうもなにもすぐにバレて城に連れ帰られたわ。ちょっとぐらい許してくれてもいいのにね」

 

「時勢的にも厳しかったんじゃない? パパス王(先王)の不在もあったし、アベルがいなければ次のグランバニアの王はアナタだったじゃない」

 

「私は王の地位に興味ないわ。むしろアベルが王になるって言ってくれて助かっているもの。 どうせなら私も旅に連れていってくれないかしら」

 

「そうね……なら、私の子供が十分育ったら一緒に旅をしてみる?ドリスの知らない場所、いっぱい連れていってあげるわよ」

 

「それはすごく魅力的な提案ね……!! 前向きに考えさせてもらうわ」

 

 こうして接しているとドリスが可愛い妹に思えてくる。私の妹は前世も含めてフローラだけなのにね。性格が合うからかしら?

 

「その時は私の家族も紹介するわ。 妖精と出会った森にも連れていってあげる」

 

「あ~、それは楽しみね! ……ところで、デボラさんは家族と連絡は取っているの?」

 

「いや、最後にそういうやり取りをしたのはグランバニアに着く前ね」

 

 この時、私は思ってもいなかった。

 目の前の彼女(ドリス)が運命を変えるキッカケを与えてくれるなんて。

 

「え、それって赤ちゃんがデキたことも知らないってこと?」

 

「そうね……。残念だけどまだ伝えられてないわ」

 

「なら……手紙でも出してみたらいいんじゃない?

 




ドリスも結構お転婆だったみたいですね。調べて知りました。
天空物語っていうマンガだとドリスもメインキャラらしいです。読みたいけど電子が無いし古いんだよな……。

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